サムスンがモバイルプロセッサ Exynos シリーズの最上位モデル Exynos 5 Octa (Exynos 5420)を発表しました。
フラッグシップスマートフォン Galaxy S4 (の一部)に採用済みの従来モデル Exynos 5410 と同じ4+4オクタコアCPUを備えつつ、GPUを6コアのARM Mali-T628に変更し、3Dグラフィック性能で従来の2倍以上に高速化したプロセッサです。
サムスンの Exynos シリーズは世代とCPUコア数をつけて Exynos 4 Quad や Exynos 5 Dual のように命名されますが、今回の新モデル(5420)と従来モデル(5410)は両方とも ARM Cortex-A15 x4コア + Cortex-A7 x4コア のbig.LITTLEオクタコア構成のため、通称はどちらも " Exynos 5 Octa " 。サムスンでは新モデルの 5420 のほうを、" New " Exynos 5 Octa と呼んで区別しています。
新 Exynos 5 Octa (5420) のCPUクロックは A15が1.8GHz、A7が1.3GHz。省電力設計の最適化により、従来モデルよりCPU性能が20%しています。
従来の5410から大きく変わったのは、GPUコアが PowerVR SGX544MP3 から、6コアの Mali-T628になったこと。Mali-T628 の採用により3Dグラフィック性能は(旧) Exynos 5 Octa 比で2倍以上に向上します。OpenCL 1.1 に対応し、従来はCPUが担当していた非グラフィック演算の一部をGPUで肩代わりして電力効率を向上させる GPGPU も利用可能です。
また新 Exynos 5 Octa は SoC上にMIC (Multiple Image Compression)ブロックを備え、メモリからディスプレイパネルへの転送時のシステム消費電力を下げることで、モバイル機器のバッテリー駆動時間を延長できるとされています。
新 Exynos 5 Octa はすでにサンプル出荷を開始しており、8月には量産が始まる見込み。