1：『風まかせ月影蘭』月影蘭

主題歌が演歌という珍しいアニメで、内容もコッテコテの時代劇調コメディーとなっています。主人公の女サムライ月影蘭は、類稀なる美貌を持っており（自覚してみずから美人と名乗る）、喋り口調も静かなのに、剣術の腕前はその辺の男性よりも格段に上の浪人なのです。

空腹でグーグー鳴るお腹に大人しくなるよう話しかけたりと、呑気な性格である反面、実は大変な酒好きで、お酒を前にするとその態度が一変し突然テンションが上がります。そして、猫鉄拳のミャオのお陰で珍事件に巻き込まれ、毎度毎度その剣術で難を切り抜けていきます。

2：『シン・シティ』ミホ

フランク・ミラー氏の原作コミック・ブックでは、ローラーブレードをはいているニンジャ・ガールのミホ。映画版の『シン・シティ』では、アメリカのステーキハウスで有名な「ベニハナ」社長、ロッキー青木さんのお嬢様、デヴォン青木さんがミホ役を演じています。

エピソード2「「ビッグ ファット キル」」に登場するミホは、2本の日本刀を持って、建物の上から颯爽とクルマの屋根に飛び降り、卍型やストレートの手裏剣を巧みに操ります。終始無口ではありますが、無表情で人の脳天に刀を突き刺したり、首をハネたりする、娼婦街の用心棒／暗殺者です。

3：巴御前（ともえごぜん）

2次元の世界とは打って変わって、コチラは平安時代末期に生きた実在の人物とも言われていますが、『平家物語』に登場する架空のキャラクターかもしれない、とも言われています。

というのも、物語の中では「中にも巴は色白く髪長く､容顔まことに優れたり。強弓精兵、一人当千の兵者（つわもの）なり」と記されており、とてつもなく戦の強い美女という、時代問わず、いかにも都合良く日本人が好きそうなヒロインなんですよね。

巴御前は源義仲の妾であり、討ち死にしようとする義仲についてくるなと再三言われた後、最期の奉公だと言い残し、怪力の敵将・御田（恩田）八郎師重と馬を押し並べて引き落とし、首をねじ切って捨てたとあります。そして装備品を捨て去り、後に尼僧になったと書かれているそうな。

彼女のコトを書き記した物語によって、微妙にいろいろ相違点がありますので、詳しくはウィキペディアを参照してみてください。

4：『NARUTO −ナルト−』綱手（つなで）

皆さんお待ちかね、くノ一の登場です。本来は50代であるにも関わらず、忍術を使って女盛りの見た目に化けており、金髪＆爆乳という容姿を誇っています。

木ノ葉における伝説の三忍の一人で、初代火影の孫に当たり、彼女自身も5代目火影になっています。

医療系の忍術ではズバ抜けた能力を持っており、口寄せの術で巨大ナメクジを召喚するコトもできます。とてつもない怪力の持ち主で、指先一つで地面を割ってしまうホドなので、ステレオタイプのくノ一像とはちょっと違うかなぁ、という気がしなくもないかなと。

5：『無限の住人』乙橘槇絵（おとのたちばなまきえ）

舞台設定が江戸時代のサムライマンガであるものの、登場人物の衣装や武器などのオリジナリティーが高く、「ネオ時代劇」と言われている作品から、作中で最も強いと評判の槇絵。

槇絵は10歳にして剣術で兄を破り、絶望した兄は切腹で自殺してしまいます。それがきっかけで母親と共に家から絶縁され、遊女になってしまいました。

三節棍の両端に刃物が付いた「春翁（はるのおきな）」という、普段は三味線に畳んでしまっている武器を操ります。

6：『G.I.ジョー：バック2リベンジ』ジンクス

『G.I.ジョー』の中で唯一の女忍者であるジンクス。盲目の師匠によって訓練されたため、暗闇や目隠しをした状態でも戦えるコトができます。

ハリウッド映画版の2作目では、エキゾティックな女優エロディー・ユンさんによって演じられています。

7：『十兵衛ちゃん』菜ノ花自由

中学2年生の少女であるものの、2代目柳生十兵衛として大抜擢されてしまいます。しかもその理由は、自由が「ぽちゃぽちゃのぷりんぷりんのぼんぼーん」を2代目にするべしという、初代柳生十兵衛からのお達しにピッタリだったため......です。

初代より受け継がれた「ラブリー眼帯」を左目に装着するコトによって、十兵衛ちゃんに変身する自由。天下無双の剣客になりますが、変身熱のせいで極度に体力を消耗してしまうのです。

8：『エレクトラ』

マーヴェル・コミックス出身のエレクトラは、『シン・シティ』と同じくフランク・ミラー氏による原作で、本来は『デアデビル』に登場し、彼とはくっついたり離れたりする間柄でした。映画版『デアデビル』に登場した、女優ジェニファー・ガーナーさん演じるエレクトラが好評だったため、スピンオフとして『エレクトラ』単体で映画化もされたという経緯もあるキャラクターです。

ギリシャ大使だった父親が暗殺されたのをきっかけに、格闘技の修行をするべく日本にやってきたエレクトラですが、不運にも悪い忍者軍団に弟子入りしてしまい、悪の暗殺者となってしまいます。中国武術で使用するサイをトレードマークの武器として戦いますが、まぁ死んだり生き返らされたり、エイリアンにさらわれたり、悪の組織「ザ・ハンド」のリーダーに就任したりと、『デアデビル』との色恋沙汰以外にもイロイロと忙しくしています。

9：『お伽草』源光（みなもとのひかる）

武士と陰陽師が覇権争いで戦う平安時代中期が舞台のアニメ。疫病と飢饉が都に広がっており、そんな状況を見かねた朝廷は、弓の名手である源頼光に霊力を持つ勾玉を探してくるよう命じます。

しかし頼光は疫病で倒れ、代わりに妹の光が正体を隠して勾玉探しの旅に出るのです。

『アベンジャーズ』で言うところのホーク・アイ級に弓矢の扱いが巧く、旅の途中で悪い輩を次々と仕留めていきます......が、物語は14話から突然2004年の現代劇に変わってしまい、光は都内の高校に通い、両親が残したアパートの大家として働く女子高生となってしまいます。

東京編では、1年前に居なくなった兄を自分だけが街中でたまに見かけるようになったり、コートの男が現れて助けてくれたりと、周りで奇妙な出来事が起こるようになります。時空を超えて平安の世と現代の記憶が繋がるファンタジーです。

10：『修羅雪姫』お雪

1972年に、梶芽衣子さんの主演によって映画化された漫画ですが、週刊プレイボーイで連載されていたとあって、なかなか大人向けの内容となっています。

ウィキペディアであらすじを見てみますと、「明治時代の日本。家族を殺され、悲惨な目にあった鹿島小夜は復讐相手の一人をどうにかしとめるが、獄中に入る。小夜は獄中で身篭り、産まれた女の子に雪と名づけ死ぬ。雪は剣豪でもあった道海和尚の元で厳しい修行を身に着け、自分を産んでくれた母に代わって復讐の旅を続ける。」とあります。

物語は小夜という女性が、自分の家族が殺された恨みを晴らすべく、牢獄で看守と関係を持ち、雪の日に生まれた娘にその復讐を託します。大人になった雪は殺し屋家業を請け負い、自らの身体を使うこともいとわず、ターゲットを探し続けます。ほとんどの場合が女性に暴力を振るう悪い男なのですが、トドメに出てくる、蛇の目傘に仕込んだ長ドスでのチャンバラがなんともカッコ良いワケです。

原作の漫画は小池一夫さんと上村一夫さんのタッグとあって、あの劇画調が重い復讐劇とバッチリ合っており、映画は映画で梶芽衣子さんもカンペキな役回りとなっています。これはナルホド、クエンティン・タランティーノ監督がホレ込んで『キル・ビル』でオマージュをやるワケだという、歴史的な作品です。

io9が選んだ女サムライ＆くノ一10選はいかがでしたでしょうか？　いまいちサムライでもくノ一でもないキャラクターも混在していましたが、上戸彩さんによる『あずみ』や『くノ一忍法帖』も入っていれば尚良しだったかもしれませんね。

テレビゲームの世界でも、『デッド・オア・アライブ』かすみや、『ソウルキャリバー』タキなども人気の高いくノ一キャラがいますが、他にもご存知でしたら、ぜひとも教えて下さい！

The 10 Greatest Female Samurai and Ninjas［io9］

（岡本玄介）