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いまさら聞けない「タッチパネル」―第1回・抵抗膜方式 | ガジェット速報
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いまさら聞けない「タッチパネル」―第1回・抵抗膜方式

2013年7月29日 11:18 │Comments(42)

Written by Yuster

現在、私たちはタッチパネルに囲まれて生活しています。ここ数年で急速に普及したスマートフォン、ニンテンドーDSをはじめとするゲーム機、そして駅の券売機や銀行のATM…。今や生活のあらゆる場面でタッチパネルを利用した機器に出会うことができます。

touch-screen

タッチパネルはその名の通り「触れたことを検出するパネル」ですが、用途に合わせていろいろな種類のものが作られています。上の例に挙げた「スマートフォン」・「ニンテンドーDS」・「券売機やATM」は実は全て違う方式で動いているのです。

また、当サイトでも人気の高いワコムなどが開発するペンタブレットのように、指と専用ペンを区別して認識することができる機器もあります。

この連載では、4回に分けていろいろな種類のタッチパネルの仕組みについて触れてゆきます。第一回となる今回は、「抵抗膜方式」と呼ばれる方式について見てみましょう。

抵抗膜方式の仕組みに迫る

抵抗膜方式はニンテンドーDSなどのゲーム機、初期のスマートフォン(Xperia X1などWindows Mobile機に多い)やカーナビ、一部の販売機に使われている仕組みで、2枚の「電気抵抗のある膜」が触れたことで発生する電気の電圧を計測することによって位置を検出します。その仕組みから、「感圧式」と呼ばれる事もあります。

抵抗膜方式断面

断面図

2枚の膜は通常状態では互いに触れ合わないように設置されていますが、ユーザーがタッチしたところだけは上部の膜と下部の膜が接触します。膜の両端には電圧がかけられており、もう一方の膜を電圧計の極とすることで、その膜の座標を検出することができるようになっています。

抵抗膜方式上から1 (1)抵抗膜方式上から2 (1)

field

2つの電圧より、画面上の一点を決定できる。

電圧をもとに座標を決定することから、この方法では基本的に、マルチタッチ(2つ以上の点を同時に検出)を実現できません。しかしモノは考えようで、このシングルタッチの抵抗膜方式タッチパネルをたくさん敷きつめることによって、マルチタッチを実現した製品もあります。

4線式 (1)

独立したセルを複数組み合わせることで一枚のパネルとする。
このような構造をとれば、抵抗膜方式でもマルチタッチが可能。

2種類の構造

抵抗膜方式では、その構造によって「4線式」・「5線式」に大別されます。

・4線式

縦方向と横方向のそれぞれを上下の膜に分担させることで、2次元座標(平面上の点)を1つに決定するのが4線式と呼ばれる構造です。

4線式

4線式の模式図。上下の膜にはそれぞれ電圧がかかっており、
両者が接触した部分には電流が流れる。

・5線式

上の膜を電圧検出専用とする一方で、下の膜の四隅に電極を設置して縦方向と横方向に交互に電圧をかけるような構造を、5線式と呼びます。

5線式

 5線式の構造模式図。4線式の場合とは異なり、
上側の膜は電圧の検出のためだけに機能する。

抵抗膜方式のメリット・デメリット

抵抗膜方式は、構造が比較的簡単なことから安価に製造でき、消費電力も低く抑えられると言ったメリットがあります。

さらに、上下の膜が接触する事でタッチした位置を検出するため、指でなくともタッチペンなどで画面に触れさえすれば反応するということも利点の一つとなっています。

一方短所として、フィルムと2枚の膜によって光の透過率が低くなる点、耐久性に芳しくない点(4線式より5線式の方が優れている)、画面が大型になると検出精度が下がる点があげられます。ただし最後の問題に関しては、前述したように複数パネルを敷き詰める事で対処できます。

 

第1回は抵抗膜方式について簡単に紹介しました。この方式のタッチパネルは安価なため、多くの機器に採用されています。普段の生活の中でも、必ず1つは発見できるかと思いますので、興味のある方はぜひ探してみてください。

次回、第2回は我々が現在使用しているスマートフォンなどにも多く使われる「静電容量方式」について紹介したいと思います。

Yuster

こんにちは!Yusterといいます。いつの間にかライターの数がとんでもないことになっていて、完全に埋もれてしまいそうな大学生であります。 高校入学時にiPhone 3Gを購入したところ、学年に一人だけだったのが半年近く続いたのを覚えています...あの頃は不思議がられていたのに、今は皆新しく買うならスマホ!とでも言わんばかりで時代は変わったなぁとしみじみ思うこの頃です。

42 件のコメント

  1. No Name 2013年7月29日 11:37 No.366562 返信

    抵抗膜方式ってそういやあんま見なくなったなぁ…最後に触ったのって4〜5年前辺りに出たCyber-shotくらいかも
    …あ、カラオケんとこにあるリモコンが抵抗膜か? そっちでなら最近触ったかも

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    • ガジェ大好き名無しさん 2013年7月29日 11:47 No.366565 返信

      ATMとかコンビニの機械なんかはまだ抵抗膜方式が多くね
      あと回転寿司のタッチパネル

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      • No Name 2013年7月29日 11:52 No.366568 返信

        詳しくは知らないけど、ATMは抵抗膜じゃなく超音波表面弾性波方式が多いんだそうだ、コンビニ機械や回転寿司はあんま縁ないから分かんないな…
        あと縁があるとしたら駅の切符売り場とか? そっちも方式何使ってるのかよく分からないけど、モノ的にこれもATMと同じ方式なんかな?

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        • No Name 2013年7月29日 14:07 No.366606 返信

          ニンテンドー3DSやWiiUのパッドも抵抗膜だしまだ触る機会はそこそこあると思う

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          • No Name 2013年7月29日 15:39 No.366627 返信

            まじか。スマホがマルチタッチ対応してる時代にしてないのか。
            なんかのゲームのCM見てマルチタッチ対応してるもんだとばっかり思ってた。
            WiiUもか…

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            • No Name 2013年7月29日 15:56 No.366632 返信

              静電容量方式採用したら今までのようなタッチペン操作は出来なくなるからな、それ用の特別なモノを用意しないといけなくなるし、その関係もあるんでない? 後方互換を保つならその辺りも考えないといけないんだろうし。

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              • ガジェ大好き名無しさん 2013年7月29日 16:13 No.366634 返信

                子供が使う物だしね
                タッチペン無くしても適当な物で代用出来るようにって配慮だろう

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  2. No Name 2013年7月29日 11:46 No.366563 返信

    最近はこういう特集記事多くて楽しい!
    ありがたやありがたや

    高評価: Thumb up 34 Thumb down
    • No Name 2013年7月29日 18:40 No.366666 返信

      読者の質向上につながるからいいね。

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  3. No Name 2013年7月29日 11:47 No.366564 返信

    4回に分けるってことは、
    ・感圧
    ・静電容量
    ・光学検出
    ・ペンタブみたいなの
    って感じかな
    まんがサイエンスでもずっと前に扱ってたが
    当時は静電容量がメジャーじゃなくて取り上げてなかったから
    記事でどう掘り下げてくれるか期待

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    • No Name 2013年7月29日 11:56 No.366571 返信

      スマホ(静電容量)、ペンタブ(電磁誘導)、ATM等大型機械(超音波表面弾性波,赤外線走査)、この記事(抵抗膜)

      で4回だろうね、用途を大別する意味としても丁度良さそう

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  4. No Name 2013年7月29日 11:52 No.366567 返信

    こういう記事面白くていい
    もっと増えて欲しい

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  5. ガジェ大好き名無しさん 2013年7月29日 11:53 No.366569 返信

    レスラーがアップを始めました

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  6. No Name 2013年7月29日 11:54 No.366570 返信

    面白い記事。
    この記事のサムネは絶対に魔法陣描いてる。

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    • ガジェ大好き名無しさん 2013年7月29日 12:15 No.366574 返信

      魔方陣と聞いて腰蓑を纏った半裸のオヤジの腋で握ったおにぎりが脳裏を

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      • No Name 2013年7月29日 13:41 No.366596 返信

        ほっ(ぎゅっ)ほっ (ぎゅっ)

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  7. ガジェ好き名無しさん 2013年7月29日 12:57 No.366585 返信

    スマホとかは大丈夫だけど、ATMや回転寿司などで反応しない自分の手はどうなっているんだろう?
    服の袖や手持ちの小物でタッチしてみたり、他の人にやってもらったりとか色々苦戦するんだけど何か対処法あるのかな?

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    • No Name 2013年7月29日 14:12 No.366609 返信

      静電容量式に反応しにくいって人はいるけど(手が乾燥してるとか)
      抵抗膜方式に反応しにくい人っていうのは原因が思いつかないなぁ

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      • No Name 2013年7月29日 18:03 No.366661 返信

        スマホに慣れてると少し力入れて押さなきゃいけない抵抗膜方式は反応しにくいと思う。

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    • ガジェ大好き名無しさん 2013年7月29日 14:15 No.366612 返信

      もしかして既にこの世に…(ホラー

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  8. No Name 2013年7月29日 12:58 No.366586 返信

    意外と知らないことばっかだなー

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  9. No Name 2013年7月29日 14:32 No.366615 返信

    面白い。4部構成だっけ。最後にまとめの表を載せてくれるとありがたい。

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  10. No Name 2013年7月29日 14:37 No.366616 返信

    最近のこういう記事が楽しみ。ライター優秀。

    でも、新製品紹介と並行して頑張って欲しい。

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  11. No Name 2013年7月29日 14:58 No.366620 返信

    抵抗膜はグリッドに区切られてるから
    シームレスな反応が欲しいタブレットなんかには不向きなのかもね

    ATMや券売機みたいに決まった場所押すだけの用途ならコスト的にも最適なんだろう。

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  12. No Name 2013年7月29日 15:26 No.366623 返信

    ジョブスの偉大さがよく分かるな

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    • No Name 2013年7月29日 15:30 No.366625 返信

      その台詞は次の静電容量方式の回まで取っておこうぜ

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    • No Name 2013年7月29日 16:26 No.366635 返信

      偉大と捉えるか、
      こんで十分だろ!っていう一社の判断で
      精度の悪い方式が蔓延ることになったと捉えるか…

      功罪あるよ

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      • No Name 2013年7月29日 19:23 No.366668 返信

        たしかに静電容量式ってタッチパネルの中では地味にかなり精度悪い方式だしなぁ

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  13. No Name 2013年7月29日 15:43 No.366629 返信

    わかりやすくて面白いね。
    手元のザウルスやW-ZERO3がこの方式のタッチパネルなのかな

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  14. 匿名 2013年7月29日 16:09 No.366633 返信

    透明電極ってインジウム合金なんでしょ。で、インジウムはほとんどが放射性同位体なんでしょ。
    つまり、タッチパネルって放射能を持ってるんだよね?
    放射脳の皆さんはタッチパネルに触ると即死するよ?

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  15. ガジェ大好き名無しさん 2013年7月29日 17:02 No.366644 返信

    あんまり記事とは関係ないんだけどさ、
    iOSやらアンドロイドのタッチパネルに慣れてくると、
    久しぶりの遠出でカーナビを操作するときにびっくりするよね。
    拡大縮小とか特に。

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    • No Name 2013年7月29日 17:07 No.366647 返信

      あるある、最近スマホ持った母親がよくカーナビをスワイプで地図送りしようとしてるよ

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      • No Name 2013年7月29日 17:15 No.366650 返信

        最近のカーナビはできるぞ
        でも車のオプションとして埋め込まれてると交換するの面倒だしカーナビ自体高いからね……

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      • No Name 2013年7月29日 17:23 No.366655 返信

        慣れの問題なんだろうけど、
        ドラッグやスワイプで位置をずらしたり、ピンチで拡大したりっていう機能は
        ポインタタッチ操作でどうにかできるものだから優れているわけではないのだろうがね

        処理の負担にならないのなら、
        マシンパワーがあがって、ソフトウェア対応が進んでるきたらどっちでもいいと思うけど

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  16. No Name 2013年7月29日 17:05 No.366646 返信

    タッチパネルって30年前からあるんだよなあ

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  17. 匿名 2013年7月29日 17:29 No.366657 返信

    聞いたことない方式だと思ったら
    感圧式のことだったか

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  18. No Name 2013年7月29日 20:02 No.366671 返信

    TOUGHBOOKずっと使ってますが最新のも感圧式ですね~
    一応ペンもついてるんですが、半年以内に無くします・・・・
    外で使うため劣化が激しいのか2年ほどでタッチパネルは使い物にならなくなりますね~

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  19. No Name 2013年7月29日 20:08 No.366673 返信

    初期のスマートフォンといったらWILLCOM ZERO 3だろう

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  20. No Name 2013年7月29日 21:17 No.366704 返信

    ガラス(ディスプレイ)がガブスレイに見えたのは俺だけでいい

    身近なものなのに全然構造に疑問抱いたことなかったな・・・
    ここで知ることができて良かった。

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  21. No Name 2013年7月29日 22:01 No.366734 返信

    感圧式のメリットは特殊なタッチペンを使わなくてもいいところだな。
    静電容量方式でタッチペンはワコムのようなやつじゃないと駄目だし。

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  22. No Name 2013年7月29日 22:54 No.366751 返信

    iPhoneの静電容量に慣れきってたからNEX-5Rが抵抗膜方式でがっかりしたな。
    やっぱ反応悪いよ。

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  23. ガジェ大好き名無しさん 2013年7月29日 23:18 No.366766 返信

    QMA8までは超音波

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