戻る

このページは以下URLのキャッシュです
http://karapaia.livedoor.biz/archives/52135570.html

削除依頼&連絡先


彼女の為に自らの皮膚を剥ぐ、衝撃の小説「He Took His Skin Off For Me」映画化プロジェクト : カラパイア

RSS速報

0_e3

 『He Took His Skin Off For Me』は、ガールフレンドのために自らの皮を剥ぐある男のラブストーリー映画だ。
原作は、受賞歴のある作家マリア・ハマーの短編。全身皮膚のない男の視点は、ひねりの効いた現代のおとぎ話といってよく、美しくも力強く心に響いてくるものがある。

 この小説をぜひ映像にしたいというプロジェクトが発足した。現在ネット上で資金を募る「Kickstarter」で映画を作るための資金集めが呼びかけられている。
スポンサードリンク


 「He Took His Skin Off For Me」のあらすじはこうだ。

 「これが君の望み?」彼が訊いたので、私はイエスと答えた。そして、彼は私のために自らの皮を剥いだ。彼は、自分の皮をクローゼットに吊るし、下に降りてきて一緒にディナーのテーブルについた。すべてがいいアイデアのように思えた。私がいつも望んでいたとおりの姿になったのだから。

 でも、完璧とはいえなかった。些細なことだが、まず血のしみがつく。私は毎日シーツを洗わなくてはならない。夜になると皮膚のない彼は冷えてしまうので、部屋の温度を上げなくてはならない。つまり費用がかかるということだ。
ガスは安くないのに。

 実際、お金のことはこれまでよりも問題になった。彼は仕事のクライアントを失い、私たちはそのことで言い争いをするようになった。でも悪いのはクライアントの方だわ。古くからの友人がディナーにやってきたけど、事態は良くならない。彼は黙りこくったまま席を立った。これ以上ないほど掃除をしても、家中しみだらけ。ついに私たちは会話をしなくなった。沈黙が気まずくのしかかってくる。彼が怒っているのではないかと、私は心配になってきた。彼は実際怒っていた。

 今回この話を映画化するにあたって、監督は「この話を初めて読んだとき、これは読むのではなく、映像で見るべきだと思った。イメージがページを飛び出して、首根っこをつかまれるような感じがするだろう。これはおとぎ話だ。おとぎ話のすばらしいところは、現実生活に通じるところがあることだ。設定された状況はとてもショッキングだけれど、それを意味のあるものにする必要があった。」と語る。



 「寓意物語の力とは、それがいかに多面的な意味をもつかということだ。この話はある意味、パートナーがあなたのためにすべてをさらけ出して差し出すという素の話だが、他者への一方的な傾倒というバランスを欠いた関係への警告の意味をこめた話でもある。これを読んだとき、他者のために自分を変える人間について考えてみた。このような一方的に犠牲を強いる愛は、根本的には破滅する運命だが、本当は恐ろしいまでの毒のある関係を見てみたいという衝動に私たちを駆り立てる。私たち観客は、冒頭から、しめくくりに語り手が自分で悟る瞬間まで目が離せない。」

 この話を映像にするのは、間違いなく大変な仕事だ。調査した結果、SFX(特殊効果)を使うのが、なによりリアルでガツンとくるだろうという結論に達した。映画『ザ・フライ』や『エイリアン』や『遊星からの物体X』では、時間をかけて生き生きした実体感のある世界が生み出されている。人工装具とメイクを合わせて現実感を出そうと決めたが、これを実現するのは無理難題といってもよかった。そこで助けを仰いだ。

1_e4

 「コリン・アーサーはSFXの生きた伝説だ。彼は1960年代、『シンドバット』や『タイタンの戦い』などのストップモーションアニメーター、特撮監督のレイ・ハリーハウゼンの助手をつとめた。彼は『ネバーエンディングストーリー』のファルコンをはじめ、ほかの生き物も創り出した。もっとも輝かしいキャリアのひとつは、スタンリー・キューブリックの『2001年宇宙の旅』の中の人類の夜明けのコマで、スチュアート・フリーボーンと共にサルのマスクを創り出したことだ。コリンと妻のサラがSFXの師匠として、この映画製作に加わってくれることが決まったとき、本当に嬉しかった。コリンのアドバイスと指導を受け、ジェン・カルドノ、ヘルメス・ピタコス、トム・スミスという才能あるSFXの若手アーティストチームを作ることができた。」監督は語る。

テスト映像


アイフォンの写真に注目。これは結果的に9万件もの閲覧数になった。
3_e4


ということで、あと約1週間で資金調達締切となるのだが、すでに目標金額7000ポンド(約104万円)は達成している。

He Took His Skin Off For Me - a Practical SFX short film by Ben Aston — Kickstarter
1000


監督:ベン・アストン
26歳。ロンドン生まれ、シンガポール、ホンコン、シャンハイ、オーストラリア、バースで育つ。ロンドンのキングスカレッジ哲学科を卒業後、ロンドン・フィルムスクールへ。本映画は彼の卒業作品になる。最新の『Dinner and a Movie』は、2013年のパームスプリングス・ショートフェスト、ロンドン短編映画祭、エジンバラ映画祭で選抜され
ている。現在、クリエイティブなプロジェクトへの資金調達手段を提供するキックスターターを通じて、製作資金を募っている。

原作:マリア・ハマー
オハイオ州トレド生まれ。現在ロンドン在住。ユースホステル経営者、編集者、翻訳者
などの顔もある。現在、初めての小説を執筆中。

プロデューサー:フィオナ・ランプティ
8年の実績をもつ、熟練プロダクション財務マネージャー。2004年にチャンネル4に入り、現在はフィルム4で働き、『アタック・ザ・ブロック』、『Four Lions』、『サブマリン』などの映画にも名を連ねている。

SFX監督:ジェン・カルドノ
美術やイラストを学んだ後、模型やアニメーション製作も経験し、2008年にボレックス・ブラザーズ・スタジオで働き始める。数年、フリーランスでSFX製作をつとめた後、博士号を取得するために、現在、ロンドンのロイヤルカレッジでアニメーションコースを勉強中。
原文翻訳:konohazuku

▼あわせて読みたい
腕の毛をモフりまくり、初めて白人を見たコンゴの子どもたちの反応


生きたゴキブリをスマホから操れる!ゴキブリ遠隔操作用キット「ロボ・ローチ」


ドラゴンボールを手に入れたかった海外ファンメイドの実写版「ドラゴンボールZ」


この記事をシェア :    
この記事をシェア :    

おすすめ記事

Facebook

コメント

お名前
※投稿されたコメントはブログ管理者の承認後に公開されます。
記事検索
月別アーカイブ
スマートフォン版
スマートフォン版QRコード
「カラパイア」で検索!!
最新記事
おすすめリンク集