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レビュー:Surface Pro試用レポート(前編) - Engadget Japanese

マイクロソフト Surface RTのレビューに続いて、今回はIntel Core i5プロセッサと Windows 8 Proを採用したタブレット Surface Proをご紹介します。前編では主にハードウェアを見てゆきます。

Windows 8が作動するMicrosoft純正タブレット

Surface RTは プロセッサが ARM系、OSが Windows RT である関係から 従来のWindowsアプリは作動しませんでしたが、この Surface Pro は Intel Core i5を搭載したタブレット型のPCです。従って従来アプリの実行には何の制限もありません。これまで通り普通のWindows PCとして扱えます。

Surface ProとSurface RTの仕様は以下の表のとおり。プロセッサ以外では、Surface Pro はフルHDの液晶パネル、USB3.0とMini DisplayPort、メモリとストレージ容量、そしてペン入力に対応などが主な違いです。
Surface Pro Surface RT
プロセッサ Intel Core i5-3317U (1.7GHz/TB時2.6GHz) NVIDIA Tegra 3
OS 64bit版Windows 8 Pro Windows RT
液晶パネル 10.6インチ、1920×1080ドット
10点タッチ
10.6インチ、1366×768ドット
(5点タッチ)
メモリ 4GB 2GB
ストレージ 128/256GB 32/64GB
ワイヤレス IEEE802.11a/b/g/n、Bluetooth 4.0
インターフェース USB3.0Mini DisplayPort、microSDXCメモリカードスロット、ヘッドフォン出力、マイク×1、ステレオスピーカー USB2.0、HDMI、microSDXCメモリカードスロット、ヘッドフォン出力、マイク×2、ステレオスピーカー
センサー 光センサー、加速度計、ジャイロスコープ、デジタルコンパス
カメラ フロント720p、リア720p
ペン入力 電磁誘導式、筆圧検知対応/1024段階 無し
Office Office Home and Business 2013 Office 2013 RT
サイズ/重量 275×173×14mm/907g 275×172×9mm/680g
バッテリー駆動時間 約4時間 約8時間
価格 9万9800円(128GBモデル) 3万9800円(32GBモデル)


プロセッサはクロック1.7GHz(Turbo Boost時2.6GHz)のIntel Core i5-3317Uが使われています。2コア4スレッドで最大TDPは17Wタイプです。型番からも分かるように第四世代のHaswellではなく、第三世代のIvy Bridgeとなります。グラフィックスはプロセッサ内蔵のIntel HD Graphics 4000。

チップセットは記載されていませんが、デバイスマネージャーで調べたところIntel HM77 Expressでした。ストレージはSAMSUNG MZMPC128HBFU、BluetoothとWi-Fiに関してはMarvell AVASTARが使われています。

また4GBのメモリは同社米国のサイトによると「4GB RAM-Dual Channel Memory」と、2GB×2枚のデュアルチャネル作動になっています。このタイプのPCはスペースの関係などからメモリ1枚のシングルチャネル作動になっているケースも少なくなく、メモリやグラフィックスの高速作動が期待できます。

主な仕様は上記の通りですが、Surface RTと比較して、従来のWindowsアプリが普通に使え、ペン入力にも対応など、メリットがある反面、厚みが5mm、重量が227g増し、バッテリー駆動時間は約半分、そして価格は倍以上......と、マイナス面もあります。もちろん同クラスのタブレットやコンバーチブルは、他社からも出ていますので、それらとの比較による優劣もあるでしょう。

国内モデル固有の特徴としては、64GBモデルは無く128GBまたは256GBの2モデルを用意、どちらもOffice Home and Business 2013をプリインストールした上、価格はほぼ同じ(128GB/999ドル)になっていることがあげられます。海外モデルと比べ、より実践的な改善点と言えるでしょうか。


フロント
10.6インチ、フルHDで10点タッチ対応の液晶パネル。上部中央に720pカメラ。Surface RT同様、非常にクオリティが高いパネルです


リア
上部側面右側に電源スイッチ、やや中央にマイク。リアやや中央に720pカメラ。Surface RTではマイクが2つありましたがSurface Proでは一つになっています


左側面/右側面
ヘッドホン出力、音量±ボタン、USB3.0。microSDXCメモリカードスロット、電源コネクタ、Mini DisplayPort


Surface RT(上)との厚み比較
フットプリントはほぼ同じですが厚みが5mm違います。Surface RTには無いスリットが見えます

Surface固有のVaporMg製ボディ(マグネシウム合金)やキックスタンドはそのまま、厚みこそ違いますが、フットプリントはSurface RTとほとんど同じです。ただ厚みと重量が増えている関係上、片手で持ち上げるとズッシリ重く感じます。Surface RTとType Coverの組合わせでも900g未満でしたので、この差は小さくありません。

一見瓜二つのSurface RTとSurface Proですが、USBとMini DisplayPortのコネクタが下側になり、左右両側面のレイアウトが違います。またキックスタンドの裏にあったmicroSDXCメモリカードスロットは、右側面の上にあります。使い勝手やケーブルの引き回しを考えると、Surface Proの方が便利そうです。

明るく発色も良い液晶パネルは、10点タッチのフルHD解像度となり、操作性の向上そして情報量はグッと増します。10.6インチ/1920×1080ドットなのでRetina相当とまではなりませんが、Surface RTの1366×768ドットと比較して文字などのジャギも目立たなくなります。

USB3.0に対応していますので、外部ストレージなどへ高速にアクセスできます。もちろんCore i5プロセッサなので作動速度に不満はありません。そのままでも、デュアルモニター構成でも、メモリ不足になる様なアプリケーションを使用しない限り、メインマシンとして十分に運用できるでしょう。



ACアダプタ
実測で約9.4×5×2.8cm/206g。ACコネクタ部は一見メガネタイプに見えますが独自仕様です。また逆側にアクセサリ充電用のUSBポート(5W)があります


ペン入力対応
電磁誘導式のペンが付属します。1024段階の筆圧検知対応です。磁石によって本体右側にある電源コネクタに着脱できます


オプションのTouch Cover(シアン)
Surface RTと共通のTouch Coverです。もちろんType Coverも使えます


オプションのDisplayPort HDMIアダプタとBluetoothマウス
前者はHDMI入力のモニターへ接続する時に使います。マウスの正式名称は「ウェッジ タッチ マウス | Surface Edition」。非常に使い勝手の良いデバイスなので、後ほど回を別けて単独でご紹介します

少し試したところ、フロントとリアにある720pのカメラは、画質的に動画が主な用途の様です。Surface Proに限らず、Windows 8搭載のタブレットに搭載しているカメラは、スチルカメラとしての性能をもう少し頑張って欲しいとところです。

気になる点があるとすれば、サウンドの最大出力が不足気味で、低音も出ないと言う点です。これだけ綺麗な液晶パネルですから、動画などを楽しみたいところですが迫力不足となります。外部にコンパクトなBluetoothスピーカーがあるとベストでしょう。

また測定はしていませんが、使っているとリア側が結構熱を持ちます(特に上半分)。キックスタンドで机の上に設置している時は分かりませんが、手に持つとそれなりに熱を感じます。

後編ではベンチマークテストとソフトウェアを中心に書きたいと思います。