NECが、ネットワークの通信速度を1秒以内に高い精度で推定する技術を開発しました。
スマートフォン事業からは撤退したNECですが、刻々と変化するモバイルネットワークの通信速度を「見える化」するスマートフォンアプリや、動画・音声ストリーミングの高品質化などに応用できるとしています。
NECが開発したのは、従来の1/180にあたる数十KBのデータ量で、3GやLTEの通信速度を1秒以内に推定する技術です。2013年度内にも商用化する予定。
従来のスピードテストは、数MBといったある程度の容量のデータを転送する際にかかる時間を計測する、比較的単純な仕組みでした。
対して今回の技術は、少ない容量のパケットを等間隔、かつ段階的に容量を増やしていきながら転送し、受信間隔の変化から速度を測定します。NECの試験環境において、推定までの時間は0.2〜0.5秒、推定精度は75〜90%。
通信ネットワークに負荷をかけることなく、通信速度がすぐにわかるため、通信量のきめ細かな制御も可能になります。具体的には、通信事業者が提供するIP電話サービスの通話品質向上や、コンテンツ配信事業者の画質制御に応用可能。ネットワークの速度低下をすばやく認識して途切れない通話や途切れない動画を提供できるとともに、余裕があるときはより容量を増やしたり、3G / 4G / WiFi のうち高速な回線に切り替えるなどして高画質・高音質化にも役立ちます。
今回の新技術は現在、通信事業者に試験提供されています。NECではまず、通信のモニタリングシステムとして導入する予定。