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http://japanese.engadget.com/2013/08/18/meta-01-667/

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透過型のリアル電脳メガネ META.01 予約受付中、12月出荷予定 (動画) - Engadget Japanese


AR技術のスタートアップ企業 Meta が、メガネ型ARインターフェース META.01 の購入予約受付を開始しました。

META.01はシースルー型の両眼3Dディスプレイとデュアルカメラ、奥行きセンサーや9軸モーションセンサを組み合わせたAR (Argumented Reality, 拡張現実) デバイス。

目の前の現実と仮想物体を高精度に重ねあわせて表示することに加えて、ユーザーの手を認識して仮想物体の操作も可能にします。コンセプト動画は続きをどうぞ。


メーカー Meta は、米国コロンビア大学発のAR技術スタートアップ。AR界隈では映画で見たような空想プロモ動画で瞬間的に話題を集めていつの間にか消えるベンチャーが多いなか、Meta は「ウェアラブルコンピュータの父」こと Steve Mann 教授をチーフサイエンティストに、AR技術や3Dユーザーインターフェースのパイオニア Steve Feiner 教授をリードアドバイザーに迎え、ベンチャーキャピタル Y Combinator から出資を取り付けるなど特筆すべき存在です。

(なお Meta によるイメージ動画中の UI がまさに「映画で見たよう」なのは、『アイアンマン』や『アベンジャーズ』、『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』などの劇中に登場する架空のHUDやインターフェース、フォントなどをデザインした Jayse Hansen 氏がUIデザインに参加しているため)。

Meta が開発を続けてきたメガネ型ARインターフェース META.01 は、すでに今年の5月から6月にかけて Kickstarter でクラウド出資を受け付けており、目標10万ドルのところ約20万ドル弱を集めるなど量産に向けた準備が整いつつあります。



現状のプロトタイプはこんな感じ。

今回一般向けに購入予約の受付が始まったのは、667ドルで販売される開発者版。第一陣は2013年12月に出荷を予定しているほか、性能は同じで見た目がややマシになるというコンシューマ版も数か月後の出荷を目標に開発しています。




冒頭のプロモ動画はあくまでコンセプトとして、それぞれのアプリは実際に開発が進んでいます。アプリ開発には SDK が用意され、多くの開発者がいる Unity 3D で ARアプリを作成可能。


第一世代モデルである META.01 の仕様は、

・両眼に 960 x 540 qHD 透過型液晶ディスプレイ。視野角 (視野に占める広さ) 23度。HDMI入力。
・720p RGBカメラ。USB接続。
・320 x 240 赤外線 奥行きセンサ。USB接続。
・9軸モーションセンサ (加速度計、ジャイロ、コンパス x3軸)。USB接続。

プロトタイプの外見が、まるでエプソンのシースルー型ヘッドマウントディスプレイ Moverio の上に市販の3Dセンサを載せたように見える理由は、ハードウェア的には実際にそのものだから。要素ハードウェア的には有り物を使い、「もっとも先進的なマーカーレスARトラッキングアルゴリズム」やユーザーの手の認識、物体の奥行き認識、CGと現実の視界の重ねあわせ(例:奥の物体は手前の物体に隠れるオクルージョン etc )などソフトウェアを組み合わせています。

また、第一世代の META.01はあくまでAR用「インターフェース」であって単体では機能せず、ソフトウェアは有線接続したPCで動かす必要があります。メーカーMeta では今後も定期的に製品のアップデートを続け、将来のモデルではスタンドアロンでの動作を可能にする計画。


さて、「メガネ型ディスプレイ」といえば、最近は Google や Oculus など各社がさまざまなデバイスを開発して注目を集めていますが、製品の用途やコンセプトはそれぞれに大きく異なります。

たとえば Google メガネこと Glass は敢えて視界の隅に控えめに情報を表示することでユーザーの日常を邪魔せず、さり気なく役に立つデバイスがコンセプト。Google は 視界を覆うARではないと強く否定しています (それゆえ META の開発者にいわせれば、Google Glass は「大げさな通知表示機」)。

またヘッドマウントディスプレイとして話題の Oculus Rift は、シースルー型ではなく視界を覆うタイプ。開発者みずからゲーム用途に特化したVRディスプレイとして低遅延や広視野を重視したと語るとおり、仮想現実の世界へ没頭することが目標です。

対する META.01 は、メガネをかけると現実と仮想が渾然となり、現実であるかのように手でインタラクトできるという、多くのフィクションで描かれてきた「いわゆるメガネ型ARコンピュータ」を直球で目指しています。

META.01 の購入予約はリンク先の公式サイトへ。