「視力検査ついでにアルツハイマー診断」が実現するかもしれない
米国ロサンゼルスにあるシダーズ・サイナイ病院の研究チームはこの度、アルツハイマー病の早期発見に繋がる新しい検査方法を開発しました。
アルツハイマー病は国内だけでも約60万人の患者が存在しており、代表的な認知症の1つとしてよく知られています。一般的に発症の危険因子とされているのは、高血圧や糖尿病、喫煙、高脂血症などで、これらの要素をもたらす主な原因に不健康または不活性的な生活習慣が挙げられます。
例えば、魚類に含まれる脂肪酸や、野菜類に含まれるビタミンE、ビタミンC、βカロテンなどはアルツハイマー病の発症を抑える効果があると言われており、これらをほとんど摂取していない人は日常的に摂取している人に比べて5倍以上の発症リスクがあるとのことです。
また、知的活動の有無も重要な要素の1つです。テレビやインターネットの閲覧、読書や演奏などを頻繁に行っている人はアルツハイマー病の発症リスクが減少し、より能動的な活動であるほど効果的とされています。
アルツハイマー病の症状は記憶障害や学習障害・問題解決能力の欠如など、いわゆる認知障害と総称されるものが主で、重症になると摂食障害や重度の運動障害なども見られるようになります。現在は根本的な治療法がなく、快方に向かうケースは極めて稀です。
過去の研究でアルツハイマー病患者の脳内には「ベータアミロイド」と呼ばれるタンパク質が蓄積することが判明していますが、これまではその物質の量や存在をはっきり確認する方法がありませんでした。しかしサイナイ病院の研究チームは、網膜内のベータアミロイドの量が脳内のそれと比例することを発見、網膜の検査を通じてベータアミロイドの蓄積量を調べる方法を開発しました。
同病院の専門家は「この方法が実用化されれば症状が現れていないアルツハイマー病の発見が容易になるため、早期のうちに効果的な対策を施せる可能性が高まる」と説明しており、今後の研究に期待がかかります。
CTスキャンによる診断画像。
この研究の他にも、民間企業のコグノプティックス社は網膜よりも水晶体の方が精度面で優れていることを突き止めており、この方法の効果が実証できればCTスキャンの10分の1以下のコストでアルツハイマー病の検査を行えるようになるとのこと。
本人や家族に多大な精神的負担を強いるアルツハイマーですが、こういった簡便な診断方法で早期発見ができるようになれば、救われる人も多くなることでしょう。
[CNN]
何にせよ診断方法の簡易化は金銭的、肉体的負担に優しくなるから歓迎
誤診があったら怖い
アルツハイマーは早期発見で救われる病気なの?
早く見つかれば症状悪化を遅らせたりすることはできると思う
治らないけど進行を遅らせる薬はあるらしい。