LGエレクトロニクスと日本のR&D拠点であるLG Electronics Japan Lab、京セラの3社は、超薄型テレビ向けスピーカー クリアスピーカー を共同開発しました。初搭載の製品は、LGが韓国で投入した曲面有機ELテレビ Curved OLED TV に採用しています。、国内では来年以降、ハイエンド向けの4Kテレビなどが採用する模様です。
なお、京セラでは、このピエゾ素子(ファインセラミックス)を使った超薄型フィルムスピーカーを来期、中型サイズを中心に100万個を生産する計画で、テレビやタブレット端末などへの供給を見込んでいます。この仕組みは、スマートフォンやフィーチャーフォン用ディスプレイに スマートソニックレシーバー として採用しています。 LGは5月、韓国で55インチの曲面有機ELディスプレイ搭載テレビ Curved OLED TV を発売しました。 Curved OLED TV は、ピエゾ素子と樹脂フィルムを組み合わせたピエゾフィルムスピーカー スマートソニックサウンド を採用し、テレビの薄型化を実現しています。
京セラでは、薄型で軽量ながら電磁式スピーカーと同等の出力が可能としており、テレビ用の中型サイズで、厚さは1mm、重さ7gと非常に薄く軽量と言えます。テレビの薄型化を実現するとともに、より柔軟に実装できるメリットがあり、壁掛け型のテレビにも期待できそうです。なお、 Curved OLED TV は筐体背面下部に通常の電磁式スピーカーも搭載しておりそれで低音域を、ピエゾフィルムスピーカーで中高音域を補完しています。
説明を行った京セラの触浩(ふれひろし)常務(自動車部品事業本部長 )は、「電磁式スピーカーには長い歴史があり、音の作り方が熟成している。ピエゾフィルムスピーカーは開発したばかりで、低音域の開発が課題」とコメントしています。Curved OLED TV で電磁式スピーカーも搭載しているのはこのため。
なお、気になる Curved OLED TV の国内投入はまだ先になりそうです。LG Electronics Japan Labの尾上善憲代表取締役ddは、「どうしようか悩んでいるところ。今の製品はフルハイビジョンサイズで、日本では4Kへのシフトが進んでいる。どうせ投入するなら来年度のタイミング。(クリアスピーカーは)薄型のプレミアムな製品に投入し、ボリュームゾーンの製品は従来のスピーカーになる」と話しています。