※今回は不完全燃焼ながらエントリーに踏み切ったネタです。<ファミコンの総数問題>・
ファミコンの全タイトル数は本当に1252本か!?(2010/02/10(水))
こちらのエントリーにて僕は以前、「ファミコンの全タイトル数について公式発表はない」と記したことがあった。しかし任天堂は公式サイトにて「連結地域別発売タイトル数」という名目でファミコンのタイトル数を発表していたことがわかった。
今回は、任天堂の公表データについての考察である。
<任天堂が公開しているデータ> その公開データがこちらである。
自社 …… 自社で製造したソフト
OEM …… 他メーカーから製造を委託されたソフト
ロヤリティ …… 他メーカーが製造したソフト
※「株主・投資家向け情報:IRライブラリー」内「ヒストリカルデータ」内「連結地域別発売タイトル数推移表」(PDF)参照 ※少なくともこのページは2007年11月には存在していた(WEBアーカイブ参照) 上図は2013年8月現在のデータを参照しつつ、私オロチが適当に作り直したものであるが、その中の「ファミコン」の項目に注目して頂きたい。この図によると
ファミコンの発売ソフトタイトル数は1047本となっているのだった。
あれ、おかしいな!?
<ディスクシステムは黒歴史!?> ファミコンの全タイトル数は1252本が定説だったはず。その誤差205本。いったい、何が含まれていて、何が含まれていないのだろうか。
まず考えられるのはディスクシステムだ。この1047本という数字には、
ディスクシステムがごっそりカウントされていない可能性がある。
しかしディスクシステムの全タイトル数は199本。まだ6本の誤差が出てしまった。でも逆に言えば、この6本が判明すればファミコン総数問題は大きく前進(場合によっては解決)することになるのではないだろうか!?
<自社“49”> 幸いなことに、このデータには内訳が載っていた。そこからこの6本をつきとめることができるかもしれない。
まず任天堂の自社製造49という数字。当ブログ調べでは任天堂製のファミコンソフトは以下の51本である。
ドンキーコング、ドンキーコングJR.、ポパイ、五目ならべ、麻雀、マリオブラザーズ、ポパイの英語遊び、ベースボール、ドンキーコングJR.の算数遊び、テニス、ピンボール、ワイルドガンマン(光線銃対応)、ダックハント(光線銃対応)、ゴルフ、ホーガンズアレイ(光線銃対応)、ファミリーベーシック、ドンキーコング3、デビルワールド、F1レース、4人打ち麻雀、アーバンチャンピオン、クルクルランド、エキサイトバイク、バルーンファイト、アイスクライマー、ファミリーベーシックV3、サッカー、レッキングクルー、スパルタンX、ブロックセット(ロボット)、ジャイロセット(ロボット)、スーパーマリオブラザーズ、マッハライダー、マイクタイソン・パンチアウト!!、銀河の三人、ファミコンウォーズ、スーパーマリオブラザーズ3、MOTHER、ファイアーエンブレム、ドクターマリオ、役満天国、マリオオープンゴルフ、ヨッシーのたまご、ファイアーエンブレム外伝、スーパーマリオUSA、ヨッシーのクッキー、星のカービィ 夢の泉の物語、ジョイメカファイト、テトリスフラッシュ、ゼルダの伝説1、ワリオの森(発売順) |
この中で2本、仲間はずれがいるとしたら、はやり『ファミリーベーシック』と『ファミリーベーシックV3』の名前が最初に挙がるだろう。この2本は「ファミ・コンプリート」では周辺機器扱いとなっているなど、除外されている例もある。任天堂、シャープ、ハドソンの共同開発だったという点も見逃せない。
ということで6本のうち2本が判明したとしよう。残り4本!!
<OEM“698”とロヤリティ“300”> 次にOEM698とロヤリティ300という数字だが、数の少ないロヤリティ300から先に見てみる。そもそもファミコン時代、任天堂の契約にはOEM契約とロヤリティ契約の2種類があり、ロヤリティ契約は初期参入したハドソン、ナムコ、ジャレコ、タイトー、コナミ、カプコンの6社だったと言われている。
それではその6社のタイトル数の合計を出してみよう。(当ブログ試算)
※ナムコ……ナムコット含まず むむ、いきなり9本の誤差。
おそらくだが、ロヤリティ契約とOEM契約の間で、あっちつかず、こっちつかずというソフトがいくつかあるのだろうと思われる。これ以上は内部契約の話になるので調べようがない。いきなり暗礁に乗り上げたか……
<なぜディスクが除外されているのか> 違う角度から攻めてみよう。
仮にディスクが除外されているとして、その理由は何なのか考えてみよう。それがわかれば、同じ理由で除外されているソフトが判明するって寸法だ。ご存知、ディスクシステムはファミコン本体がないと動作しないため、ハードと周辺機器、両方の性格を合わせ持っていた。
左:普通のファミコンソフト 右:間接互換ソフト 仮にこれを「
間接互換機」と呼ぼうか。実はファミコンには、このような間接互換系ソフトが他にもあるのだ。
これらのソフトは通常のファミコンソフトと形状が違うため「特殊ROM」と呼ばれており、ざっと思いついただけでもこれだけある。しかも「その他」部門に関しては、定説数1252本にもカウントされておらず、一部存在が確認されているのみで詳細はわかっていないので、ここでも除外としよう。
※ちなみにスタディボックスのソフトはROMではなくカセットテープなので、特殊ROMではないものの(このへんややこしい)、間接互換ソフトには変わりない。 ※こちらはオロチ所有の通院カートリッジたち また
ファミコン通信カートリッジという、さらにディープなやつらの存在も確認されており、ここまで来ると、もはや「宇宙の外側ってどうなってるの」状態。こいつらを全部集めたやつがいたらノーベル賞がもらえるんじゃないかと言われている。当然、こいつらも除外だ。
したがって、カウントする、しないのボーダーラインを明確にするため、ディスクシステムを除外してるんじゃないだろうかという理由が推測ができる。
<追加データか否か> しかし、間接互換系を含まないとすると、データック以下11本が除外されていない理由が説明できない。
何度も言うが任天堂の公表数は1047本。11本も除外したら計算が合わないのだ。こうなったら、当てずっぽうで、除外ソフトを決めつけてから推測してみるか。
まず除外ソフトがディスクとファミリーベーシックとデータックだった場合、合計数は1044本となるので、これは間違い。続いて除外ソフトがカラオケスタジオ専用ソフト2本、なんてったって!!ベースボール2本、以下略だった場合、合計数は1047本となる。
おお、これか!
イメージ図 左:単体では遊べないもの 右:単体で遊べるもの じゃあ「データック」と「カラオケ他」の違いは何か。それは「単体で遊べるかどうか」だろう。
たとえばデータックなんかはそれだけでは遊べないのでディスクシステムに近い。しかし、カラオケスタジオ、なんてったって!!ベースボールはそれだけでも遊ぶことができ、それら専用のソフトは「追加データ」という性格が強いのだ。
つまり後者は間接互換機というよりも「追加データが搭載できるソフト」と言うべきなのかも知れない。(ああ、ややこしい)
しかしながら……
ディスクシステムと性格の近いデータックではなく、なぜ「カラオケ他」のほうが除外されているのか。結局は説明できないのであった。はい、お手上げ(笑)
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