IFA 2013 において、フルHD動画撮影とリニアPCM録音に対応した音楽用ビデオカメラ HDR-MV1 を発表したソニー。ブースでは実機を展示してデモンストレーションを実施しており、ざっくりと触った使用感をお届けします。
ソニーは以前からリニアPCM録音に対応したICレコーダーや、フルHD録画に対応したビデオカメラをラインナップしており、プロ向け機材ではリニアPCM録音に対応したビデオカメラもあります。 HDR-MV1 は、コンパクトなボディにマイクとカメラが際立つ、物々しいデザインです。バッテリーとメモリカード、ディスプレイは、ICレコーダー機能とビデオカメラ機能で共有しています。
ミュージシャンやバンドマンなどが、自身や仲間うちで演奏している風景を撮影する、といった利用シーンを想定しており、 HDR-MV1 は、腕利きのスナイパーが遠隔射撃するようなピンポイントでターゲットを狙った製品となっています。操作系はシンプルで、録音ボタンなどもわかりやすく配置しており、機械が苦手でも操作できるよう配慮したことがうかがえます。
手のひらにおさまるサイズで、重さは165g。展示されていたものはバッテリーが入っておらず、アダプタで動作していたため、実利用での感覚的な重さはわかりませんでした。樹脂製のボディは、ソニーの広報画像よりも安っぽく感じたものの、軽さを重視した結果かもしれません。
なお、肩書きこそミュージックビデオレコーダーと、あくまでビデオカメラであると主張していますが、実際の印象は「フルHD撮影機能付きのリニアPCMレコーダー」と逆のように感じました。カメラのレンズはF2.8 のCarl Zeiss Tessar、画角は35mmカメラ換算で18.2mmの広角で、センサーは1/2.3の裏面照射型CMOS、フルHD撮影に対応と動画性能のもちろん申し分ないのですが、側面に搭載されたディスプレイは固定式で、単体では画面を確認しながらの撮影ができません。三脚穴もあり、さまざまな形で固定して撮影できるものの、ディスプレイが動かないため、映像を確認しにくい印象です。
WiFiに対応しており、専用アプリを利用して、スマートフォンをモニターとしても利用可能なので、そういった使い方が現実的なのかもしれません。スマートフォンとの接続は、NFCで機器同士を近づけるだけです。ソニーではアプリのAPIを公開する方針を示しており、面白い使い方にも期待できそうです。