旅に出よう ―海外生活10年のOgiが送る旅行講座 欧州編(2)
前回は計画立案と航空券購入に掛かる費用の内訳をご紹介しました。今回は引き続き航空券についてのお話をさせて頂きます。
航空券について(2)
航空券の種類は費用の内訳よりもさらにややこしく、わざわざ分かりにくくしているのではないかと思うほど複雑です。
航空券には、「座席クラス(キャビンクラスとも言う)」と「予約クラス」と言う二種類があります。座席クラスの方は、一般的に言うところのファースト・ビジネス・プレミアエコノミー・エコノミーの事なので簡単なのですが、問題は予約クラスです。
例えば同じエコノミーでも、どこで購入するか、どのような条件で購入するかによって細かく分類されており、それぞれにアルファベット一文字が割り当てられます。(例:予約クラスY)
これらの予約クラスは大まかに分けて3種類に分ける事ができ、それぞれ「正規航空券」「PEX航空券」「格安航空券」と呼ばれています。具体的な条件(キャンセル不可、発券期限3日以内など)は予約時に提示されるので、この3種類の違いが分かれば十分です。基本的には正規航空券→PEX航空券→格安航空券の順番に値段が下がり、途中降機・キャンセル条件などの制限が厳しくなって行きます。
正規航空券
「正規運賃」とも呼ばれるいわゆる定価販売の航空券で、その価格は国際航空運送協会(IATA)の審議によって決定されているのですが、それはもうビックリするぐらいの値段となっています。代わりと言ってはなんですが、かなり自由がきく航空券で、使い方(複数国で途中降機など)によっては割引航空券よりも安上がりになる場合もあります。
予約しないで空港に行っても乗る事ができたり、違う航空会社の便に乗る事ができたりと、ふだんガチガチの条件 ―日程変更ができなかったり、滞在日数が限られてしまっていたり、キャンセル出来なかったり― の航空券でスケジュール調整に四苦八苦している筆者からすると、夢のような航空券です。
PEX航空券
これは「正規割引運賃」とも呼ばれており、後述する格安航空券との大きな違いは「航空会社が独自に設定した割引」という所にあります。JALやANAなどの航空会社が自社のWebサイトで販売する割引航空券は、このPEX航空券にあたります。
基本的な考え方は、「正規航空券から色々な制限をつける分、航空会社の利益が確定するので(キャンセル不可など)その分、安くしましょう。」という点にあります。一昔前は格安航空券よりは確実に高額だったのですが、2008年の法改正で割引率に関する規制が撤廃されて以降、格安航空券よりも安いPEX航空券も見られるようになりました。
格安航空券
これは「包括旅行割引運賃」とも呼ばれ、さらに団体・個人と分かれているのですが、そもそもは航空会社が旅行会社のパックツアー用に卸した特別割引航空券で、旅行会社がこれを航空券としてバラ売りしているものです。従って、購入先は旅行会社に限られます。
基本的にはパックツアー用であるため、設定は往復のみとなっており、航空券ごと(格安航空券でも細かく予約クラスは分かれているのですがここでは割愛します)に細かく条件が設定されています。いずれ連載の中で取り上げる「格安航空会社」とは別物ですので注意が必要です。
予約クラスの例
JALの成田ーロンドン便を参考に見てみますが、航空会社によって予約クラス用に割り当てられるアルファベットは違うので注意が必要です。ここではファーストにFとA、ビジネスにC、J、D、X、Iが割り当てられ、エコノミーには(表記はCoach)Y、W・・・と続きます。
アルファベットの横にある数字は、現時点の予約クラス別購入可能数で、すでにエコノミーは満席、ビジネスクラスは少なくとも1席は残っておりCからXとして購入可能な事が分かります。またファーストは少なくても4席残っているのですが、安いAの予約クラスには2席分しか解放していない事が読み取れます。
出発直前に残席数が多い場合には、安いクラスに多く解放して販売促進するなどして、航空会社は利益の最大化を常に試みています。
前回と今回で航空券にまつわる情報をご紹介致しました。次回は、ルート決定にも大きな影響を及ぼす航空会社や航空会社の提携グループ(アライアンス)をご紹介致します。
旅の小話
コメント欄で頂いたリクエストや質問、直接本編に絡まない情報などをこちらのコーナーで取り上げていくので、よろしくお願いします。今回は、第一回で頂いた下記の件について、筆者なりに感じる事や体験談をご紹介致します。
最初に結論から申しあげますと、欧州に居て差別的扱いを受けた事はほとんどありません。ただ、10年間で一度だけ、以下のような事がありました。
ハンガリーの田舎道を会社の同僚と日本語で会話をしながら歩いていた時の事です。正面から歩いて来た女子高校生と思われる数人のグループとすれ違い様に、「ふにゃほにゃはにゃふにゃ・・・」と明らかに言語になっていない事をこちらに聞こえるように言われた事があります。これは我々が喋っている日本語をあざ笑うような行為で、一種の差別的行為と思われますが、せいぜいこの程度です。
他にはフランスのシャルル・ド・ゴール空港での入国審査に際し、入国審査官がまったく英語を喋ってくれなかったという事があります。明らかに私が言っている英語は理解しているのに、相手はフランス語しか話してくれませんでした。フランスとイギリスはある意味微妙な関係ですので、差別というよりはフランス人のプライドから来るのかもしれませんが、「国際空港でそれはないだろ。」と感じたものです。
しかしながら、アジア人全体に対して偏見があるのは事実だと思います。初対面で明らかに警戒しながら「どこからきたの?」と聞かれた際に、「日本です」と応えるとぱっと雰囲気が変わり、途端にフレンドリーになるという事は数えきれないほど体験しており、やはり基本的にはアジア人は好かれていないが、日本人はそれなりに認められているのだな。という事が分かります。
差別的扱いは私の経験上あまり心配する必要はないと思いますが、さりげなく日本人である事をアピールした方が、事がスムーズに進む事もあるかもしれません。
ただ、一方で「日本人である事が分かる」と言う事は「お金を持っている」とみられ、場合によっては犯罪に巻き込まれる可能性が高まる場合もあります。状況に応じたアピールを心がけてください。
[参考:Flightstats]
異国の人から見たら、黒髪黄色肌なのでアジア人として一まとめに見られてしまいますか?
日本人と分かると安心してもらえるってことは、日本人以外は好まれてない?
日本以外のアジアの人からいやな目に遭った人たちが多いのでしょうか。
海外の人たちの食事なども気になります。朝昼食メニュー何を食べているとか。
日本はお米中心、海外だとやはりパン食が多いでしょうか。
海外と一まとめにしているけど、色んな地域があるから具体的にこの辺、この地域は~、と質問した方が良いのでは?
「旅行講座 欧州編」なのに、まだ旅立ってすらいないw
何から始めればいいのかチンプンカンプンな自分としては
準備をこれだけ丁寧に説明してもらえると
とても助かります
きたー、第二弾!
航空券、中々素人には理解しにくいですよね。
このシリーズは
基本的な情報がきっちりと書かれていて内容も解りやすい。
ありがとう!
アジアって言うとさ、ほら、世界遺産に落書きする中国人とか、泥棒する中国人とか、恩を仇で返す韓国人とか、人としてそれはどうなの?って野蛮「猿」が多いからさ。もちろん、日本人が例外とは全く言えないが、絶対数が圧倒的に違う。
向こうでも、日本人は誠実だという世論の方が、否定的な世論より多いし。
やっぱり、どれだけ技術が進歩しても、人として進歩が出来てないってイメージ(事実だが)があるんだろ。
いわゆる西欧には何度か言ったことがあるけど、「お前中国人か?」と聞かれることはよくあった。
世界遺産に落書きをした日本人もいたなぁ、そういえば。