モバP「台風が来た日に」
- 1 : ◆qKN1KEFb.k 2013/09/19(木) 22:48:06.07 ID:yc1//lNz0
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某日・早朝 事務所
P(ふぁ……眠いな……)カタカタ
ビュゥゥゥゥゥゥゥ ガタガタガタガタッ!
P「うお、これはまた強い風」カタカタ
P(……本当に直撃しちゃったなぁ、台風。これは帰れそうにもない……)カタカタ
P(家で整理しようとした資料のデータ、事務所のパソコンからUSBに移し忘れたのが運の尽きだったな……事務所着いた途端に台風来るとか、はぁ……)カタカタ
P(まぁ、仕方がない。台風が過ぎるまで、やれることやっちゃおうか)カタカタ
- 2 : ◆qKN1KEFb.k 2013/09/19(木) 22:49:10.17 ID:yc1//lNz0
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ガチンッ …コンコンコン
P「ん、ノック音……こんな日にお客? というか一度ドアノブを回した音がしたか?」カタ…
コンコンコン
P「はいー! 今出ますので、少々お待ち下さいー!」スタスタ
P「事務所のチャイムを鳴らさずに扉まで来るとは、急用なのか……?」スタスタ
- 3 : ◆qKN1KEFb.k 2013/09/19(木) 22:51:04.02 ID:yc1//lNz0
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カチッ ガチャッ
P「お待たせしました、何か御用で……」ギィ…
アーニャ「あっ、プロデューサー。ドーブラエ ウートラ、おはようです。……今日は凄い風ですね?」
P「………………えっ、アーニャ!?」
アーニャ「? はい、私ですよ?」
- 4 : ◆qKN1KEFb.k 2013/09/19(木) 22:51:51.79 ID:yc1//lNz0
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アーニャ「アー……今日はОтдых、お休みだったんですね。ロッカーに靴が沢山あって、通りで皆さん、寮から出ていないと思いました」
P「台風が来てるから、今日のスケジュールはほとんど休みなんだ。あれ? 寮の掲示板とかに、『今日はお休み』とか書いてなかったか?」
アーニャ「Извините、ごめんなさい。朝からお仕事があるという話だったので、今日は見てませんでした……」
P「あー、そうか。他のみんなは朝早くで寝ていそうだし、止める人も居なかったわけだな」
アーニャ「ごめんなさい……」
P「いやいや、謝らなくて良いさ。アーニャが無事で本当になによりだ。うん、良かった良かった」
アーニャ「ア……スパシーバ」
- 5 : ◆qKN1KEFb.k 2013/09/19(木) 22:52:30.32 ID:yc1//lNz0
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アーニャ「? そういえば、プロデューサーはどうして事務所に居たんですか? 今日はお休み……なんですよね?」
P「ん、ちょっとやり残したことがあってな。それで事務所に来た途端、台風で帰れなくなっちゃったんだ」
アーニャ「パニャートナ……なるほど。プロデューサーが居なかったら、私、大変な事になってましたね。スパシーバ、プロデューサー」
P「あ、確かに。しかし、自分のミスが感謝されるっておかしな気分だなぁ……」
アーニャ「ダー。ふふ、そうですね」
- 6 : ◆qKN1KEFb.k 2013/09/19(木) 22:53:15.79 ID:yc1//lNz0
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モグモグ……ゴクン
アーニャ「フゥ……Спасибо большое、美味しかったです、プロデューサー」
P「はは、礼を言って貰えるほどの朝食でもないんだけどな。事務所にあった食材で作った、あり合わせのサンドイッチだし……」
アーニャ「いえ、プロデューサーの優しさが、詰まってましたよ?」
P「そ、そうか。そう言って貰えると、嬉しいものだ」
アーニャ「ダー、嬉しいのは私もですね」
- 7 : ◆qKN1KEFb.k 2013/09/19(木) 22:54:06.79 ID:yc1//lNz0
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アーニャ「プロデューサー。私、これからどうすればいいんですか?」
P「台風が過ぎるまでこのまま事務所に待機、って感じかな。半日くらい経てば去ってくれると……ん、雨も降ってきたな」
ザァァァァァァ!
アーニャ「わぁ……これがТайфун、台風なんですね」
P「……あ、そうか。アーニャ、台風を体験するの初めてなのか」
アーニャ「ダー。ロシアと北海道には、台風は来ませんから……来るのはСильный дождь、大雨だけですね」
- 8 : ◆qKN1KEFb.k 2013/09/19(木) 22:54:36.98 ID:yc1//lNz0
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P「この季節になると、関東とかは結構台風が来るんだ。本当に危ないものだから、気を付けてな」
アーニャ「ダー。次からは、きちんとПогодный отчет、天気予報を見ようと思います」
P「それと、寮の掲示板もな?」
アーニャ「あ……そ、そうでした」
- 9 : ◆qKN1KEFb.k 2013/09/19(木) 22:55:11.28 ID:yc1//lNz0
-
P「……あっ、すっかり忘れてた。アーニャ、寮の管理人さんに連絡しないと。えーと番号は……」
アーニャ「ヤー、大丈夫です。携帯を持ってきているので、自分で掛けますよ?」
P「そうか? じゃあお願いするよ」
アーニャ「では、掛けますね……」スッ ポチ ポチ
P(スマホにまだ慣れていないのか、動きがたどたどしくて可愛いな……)
- 10 : ◆qKN1KEFb.k 2013/09/19(木) 22:56:07.81 ID:yc1//lNz0
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アーニャ「……あ、管理人さんですか? 私です、アーニャです」
「ダー、Извините……ごめんなさい。今日は、間違えて事務所まで来てしまって……」
「あ、それはОК、大丈夫です。Судьба、運良くプロデューサーが事務所に来てくれていました」
「それで管理人さん……シトー? まゆ、どうしましたか?」
「こっちに、来る? それはОпасность、危ないです。プロデューサーもそう言ってました」
「ヤー、プロデューサーと一緒なので、怖くないです、大丈夫です。まゆ、優しいですね」
「? まゆが怖いと思うんですか? よ、よく分からないです……」
「――――」
- 11 : ◆qKN1KEFb.k 2013/09/19(木) 22:56:46.05 ID:yc1//lNz0
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アーニャ「……終わりました、プロデューサー」
P「お疲れ様。どうだった? 話、分かって貰えたか?」
アーニャ「ダー、管理人さんには、安心して頂けました。ただ……」
P「ただ?」
アーニャ「どうしてか、まゆがとてもこっちに来たがってました。事務所、好きなんでしょうか?」
P「あー……そうかもな。まゆ、仕事熱心だもんな……うん」
アーニャ「? プロデューサー、どうして далёкий……遠くを見ているんですか?」
- 12 : ◆qKN1KEFb.k 2013/09/19(木) 22:57:41.03 ID:yc1//lNz0
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ビュゥゥゥゥゥゥゥ ガタガタガタガタ!
P「うーむ。台風、去ってくれるまでやっぱり半日くらいかかりそうだ……」
アーニャ「窓がガタガタ鳴ってますね。こんなに強い風があるなんて、びっくりです」
P「アーニャ、結構時間掛かりそうだから、テレビとか雑誌とか見てゆっくりしていいからなー」
アーニャ「ダー、分かりました。プロデューサーは、どうするんですか?」
P「さっき話した、やり残した仕事を終わらせようと思う。元々その為に来たからなぁ」
アーニャ「そうですか……Желаю удачи! お仕事、頑張って下さいね?」
P「ああ、ありがとな。……よし、やるとしますかっ」
- 13 : ◆qKN1KEFb.k 2013/09/19(木) 22:58:24.11 ID:yc1//lNz0
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P「……」カタカタ
アーニャ「……」ペラッ
P「……」カタタカタッ
アーニャ「……」ペラ
P「……」カッタタン
アーニャ「……」チラ
- 14 : ◆qKN1KEFb.k 2013/09/19(木) 22:58:50.36 ID:yc1//lNz0
-
P「……」カタカタ
アーニャ「……」ジッ
P「……む」カタカタタ
アーニャ「……」ジー
P「……んー」カタカタ カタカタタン
アーニャ「? ……!」ティン! スタスタ
- 15 : ◆qKN1KEFb.k 2013/09/19(木) 22:59:27.94 ID:yc1//lNz0
-
P「……」カタタ
アーニャ「プロデューサー。Чай……お茶、持ってきました」
P「おお、ありがとう。丁度、飲みたいと思ってたんだ」
アーニャ「ヤー、ずっと見……ニ、ニェート、それはタイミングが良かったですね」
P「いやぁ、助かったよ。アーニャ、後は好きなことしていて大丈夫だからなー」
アーニャ「ダー、分かりました。好きなこと、してますね?」
- 16 : ◆qKN1KEFb.k 2013/09/19(木) 22:59:59.10 ID:yc1//lNz0
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P「……」カタカタ
アーニャ「……」ジッ
P「……」カタッ カタカタ
アーニャ「……」ジー
P「……」カタカタ カタタタッ
アーニャ「……♪」ジー
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- 17 : ◆qKN1KEFb.k 2013/09/19(木) 23:00:33.64 ID:yc1//lNz0
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P「っと、終わったぁ……」タタンッ
アーニャ「……」ジー
P「ふわぁ……ぐ、そろそろ眠気が限界か。アーニャ、ちょっと……おお、こっち見てどうしたんだ?」
アーニャ「あっ……ニェート、なんでもないです」ブンブン
P「ん、そうか? ならいいんだが」
アーニャ「あ、あの、プロデューサーも、何かを言いかけたみたいですが……なんですか?」
- 18 : ◆qKN1KEFb.k 2013/09/19(木) 23:01:16.97 ID:yc1//lNz0
-
P「ああ、ちょっと眠くなってきたから、仮眠室で寝てこようと思って。もしも台風が治まったら、起こしてくれると嬉しいんだが……いいかな?」
アーニャ「ダー。では、台風が過ぎたら、お伝えしますね」
P「助かるよ。それじゃ、寝てくるわー……ふあぁ」スタスタ
バタン
アーニャ「…………」
アーニャ「……あっ、оцениваетの言葉、言いそびれました。プロデューサー……」
アーニャ「……!」ティン!
アーニャ「ふふ、良いこと……思いつきました」ステステ…
- 19 : ◆qKN1KEFb.k 2013/09/19(木) 23:02:32.37 ID:yc1//lNz0
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仮眠室
モゾモゾ
P(……ふぅ、こうして布団敷いて中に入るのなんて、何週間ぶりだろうか)
ザァァァァァァ…
P(雨の音が、なんだか心地よく聞こえる……)
P(……うむ。眠りたいときに眠れるって、最高のシチュエーションだよなぁ……)ボー
P(そういえば最近、しっかり眠ったことが無かったような気もする……良くないな)ボー
P(まぁそれも全てはアイドル達のためだし、多少の無理はしないとプロデューサーとして失格かな……)ウト
- 20 : ◆qKN1KEFb.k 2013/09/19(木) 23:02:58.51 ID:yc1//lNz0
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P(……あ、すごい、いま、すごい微睡んでる。眠る数秒前って感じだ)ウトウト
P(あ、眠れそう、ねむ、れ、そ……)ウトウト…
カチャッ キィィィィ
P(……んぁ? ドアが開いた……? あ、無理だ、確認する意識がもう、無……)
P「スヤァ……」
- 21 : ◆qKN1KEFb.k 2013/09/19(木) 23:03:27.05 ID:yc1//lNz0
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アーニャ「……プロデューサー?」コソッ
P「スピー……」
アーニャ「……寝てますね?コメント一覧
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- 2013年09月20日 00:45
- 台風が来ると喘息になるんだなぁ
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- 2013年09月20日 00:46
- アーニャにコロッケをご馳走しよう
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- 2013年09月20日 00:48
- ふんわりとしたマシュマロのようなss
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- 2013年09月20日 00:52
- 雨にもちゃんとした素敵な理由があるってわけよ
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- 2013年09月20日 00:54
- まゆさんも丸くなったなぁ
一昔前なら即鮮血endだったのにな
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- 2013年09月20日 00:55
- 今年の中秋の名月は凄い綺麗だな。台風が過ぎたばっかりってのもあると思うが。
1日遅れだけどアーニャ誕生日おめでとう!
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- 2013年09月20日 00:55
- 凛も来てたら違う結果になってたね(ニッコリ
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- 2013年09月20日 00:59
- 膝枕はまんまひざまくらって書いて有って笑った
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- 2013年09月20日 01:16
- 内容は良かったけど、ロシア語が読めなかった。
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- 2013年09月20日 01:16
- 凛「は?」
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- 2013年09月20日 01:35
- やったぜ久々の王道睡眠Pや!
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- 2013年09月20日 01:43
- ある意味台風よりキツイ
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- 2013年09月20日 01:46
- 傘を離した右手をアーニャに差し出したい
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