共産主義体制にもかかわらず、貧富の差や都市部と農村部の経済格差など矛盾をはらみ、実態が伴っ

ていない現状の中国。

画像：【都市部の生活と農村の生活の比較】

http://business.nikkeibp.co.jp/article/person/20070112/116831/

増加している凶悪犯罪の根底には、不条理な格差への”大きな怒り”が・・・

８月２５日、四川省成都市ではバスに乗車していた男性（41才）が車内で刃物を振り回し、降車した後も

通行人を襲い、死者４人、重軽傷者１１人の事件を起こしました。

某通信社の記者によると

「当局の発表によれば、犯人は経済的な問題で家族と喧嘩したことが原因で暴れたとしています。それ以上は明らかになっていませんが、現在、中国では、このような貧困を原因とする事件が増えているんです」

またこの事件が起きる６月７日にも福建省厦門（アモイ）のバスで、男性乗客（60才）が頭からガソリンを

被り、焼身自殺を図り、バスが炎上。

死者４７人、重軽傷者３４人という事件を起こしています。

画像：【燃えるバス】

http://slide.news.sina.com.cn/s/slide_1_840_11492.html

「中国」バスに放火、巻き添えで４７人死亡【画像】

同記者の話では

「地元警察は男性の遺書や事件前に残したネット上の書き込みを公表しました。
それによると、地元公安局が男性の生年月日を誤って登録したため、男性は年金がもらえず、生活苦に陥った。登録修正の陳情をしたものの、受け入れられずに犯行に及んだそうです」

と抗議をかねての自殺とみられています。

中国の元弁護士で現在日本で通訳の仕事をしている朱有子（シュユーツ）氏は

「厦厦門市の６０歳の犯人は農村部出身でした。
中国の経済が発展したとはいえ、農村部はその恩恵を受けられず、生活は貧しいまま。
そのため、農村出身者は都市部での就労を目指しますが、学歴もコネもないから、まともな仕事に就けず、屋台やバイクタクシーを無許可でやるしかない。
しかも、中国では農村から都市部への住所変更を基本的に認めていないため、社会保障さえ受けられない」

都市部と農村部には平均収入に３倍以上の大きな差があり、農村部の月収は日本円で約５万円。

まるでインドのカースト制度のように身分や住居も固定的とのこと。

さらに警察や役人もワイロ天国で市民に対する暴力も横行しているのだそう。

「警察や役人に拉致されて半殺しにされることは日常茶飯事です」

７月１７日には湖南省の都市部に農村部から出稼ぎに来たスイカ売りの農民夫婦を役人が撲殺する

事件が起き、遺族や周辺住民らの怒りも加わって、暴動寸前まで発展する騒動もありました。

ウリ農家を営む夫婦が、県城の文昌路の橋のたもとでスイカを売っていたところ、臨武県の都市管理局員に殴られ、夫は死亡、妻は病院に送られたことを明かした。人民日報が伝えた。

（引用元：http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=74432）

７月２１日には北京空港の到着口付近で車イスの男性（34才）による自爆テロ事件があり、これも抗議を

かねた自殺だったとみられ、事件前には次のようなビラを配っていました。

画像：【自爆テロ前の車イスの男性】

「私は過去に都市部でバイクタクシーの出稼ぎをしていました。
その走行中、取締りを行っていた治安当局者７～８人に転倒させられ、鉄パイプで殴るなどの暴行を加えられ、半身不随の大けがを負わされました。
政府に訴えたものの、相手にされないため、抗議します」

この男性は一命は取り留めましたが、片腕を切断する大ケガを負い、逮捕されています。

中国でも昨今の貧富の差への市民の目や抗議を恐れて来ているようで、朱氏は

「こうした現状を懸念しているのが習近平国家主席ら指導部です。
７月１８日に、中国河北省の貧困地区にある町の共産党委員会書記を解職しました。
その理由というのが、同書記が娘のために３３０万円の費用をかけて豪華な結婚式を挙げたこと。党が庶民の反発を、いかに恐れているかがわかります」

と語っています。

（引用元：「週刊大衆」9月23日号）

今回の件に【ネットの声】は・・

などがあるようです。

中国では不条理な貧富の差や警察・役人の横暴に市民の怒りがたまってきているようです。

いずれ国を動かす大きな動きになりうるのでしょうか・・？