1961年1月、米国は壊滅の瀬戸際にあった…英ガーディアンが機密文書を公開
英紙the guardianは21日(日本時間)、情報公開請求にのっとって公開された機密文書を同紙ウェブサイト上に掲載しました。この文書によると、1961年に米国ノースカロライナ州の郊外にB-52爆撃機が墜落し、機体から2基の水爆が落下。このうち、1基が起爆寸前であったとのことです。
この水爆落下事件、実は英語版Wikipediaに以前から項目が存在しているほど一般に知られた事件でしたが、今回の文書公開によって、改めて事件の「決定的証拠」が示されたことになります。
以下が、問題の機密文書。1969年10月22日に米・サンディア国立研究所の管理官Parker F Jones氏によって作成されたもので、調査ジャーナリストのEric Schlosser氏による情報公開請求にのっとって公開されました。
Guardianが公開した文書。1ページ目が事件の報告で、
2ページ目には内容に対する注釈や見解が書かれています。
In one of these accidents, a B-52 bomber had to jettison a 2 4 megaton bomb over North Carolina. The bomb fell in a field without exploding. The Defense Department adopted complex devices and strict rules prevent the accidental arming or firing nuclear weapons. In this case, 2 4 megaton warhead was equipped with six interlocking(*) safety mechanisms, all of which had to be triggered in sequence to explode the bomb. When Air Force experts rushed to the North Carolina farm to examine the weapon after accident, they found that five of the six interlocks had been set off by the fall ! Only a single switch prevented 2 4 megaton bomb from detonating and spreading fire and destruction over a wide area.
(*)原文では6となっていますが、のちに4に訂正されています。
当該文書およびWikipediaの記述によると、1961年1月23日、大西洋沿岸の上空で空中待機ミッションを遂行中であったB-52戦略爆撃機は、同日深夜に空中給油機とランデブー。この時、給油機のクルーがB-52の右翼から燃料漏れが起こっていることを発見したために給油は中止、同機は急遽進路を付近のシーモア・ジョンソン空軍基地へ向けます。
しかし、基地に辿り着く前に燃料がロスト、B-52はコントロール不能の状態に。機体は空中分解を起こしながら最終的にゴールズボロの北およそ19kmの地点に墜落しますが、落下の最中に機体に取り付けられていた2基の「Mark 39」水爆のうち、1基が付近の農場に、もう1基は郊外の幹線道路 “Big Daddy’s Road” に落下してしまいます。
Mark 39水素爆弾。ゴールズボロで落下したのは、出力4メガトンの”Y2″型。(引用元)
この時、農場に落下した方の水爆では、地面に衝突した際に信管から発火信号が発生し、4段あるインターロックシステムのうち3段までは解除状態に切り替わっていたとのこと。しかし、最終段の低電圧スイッチによって、ギリギリのところで起爆が防がれていたそうです。
以下は、墜落現場の写真。
農場に落下したMark-39。パラシュートが開傘したため外装に大きな破損は
見られないが、この時4つある安全装置のうち3つまでは解除されていた。
幹線道路に落下したMark 39。こちらは外装のダメージが激しいものの、
インターロックは解除されていなかったとのこと。
ギリギリのラインでなんとか起爆せず、無事(?)に回収された2基の水爆ですが、仮に爆発していたらどの程度の被害が想定されていたのでしょうか。核爆発シミュレーター「Nukemap」で簡易的にシミュレーションをしてみると、guardian紙でも触れられている通り、1基が起爆しただけで放射性フォールアウト(いわゆる “死の灰” )がワシントンDCやボルチモア、フィラデルフィアといった大都市に降り注いでいたことがわかります。
1基が起爆した場合。火球の大きさは半径2kmに及び、7km圏内の建物は倒壊。
半径およそ19km以内にいると、全身に3度の火傷を負うことに。
1基が起爆した場合の放射性物質の降下範囲の一例。1rad/h≒10mSv/hなので、
上図のカラースケールは赤から順に10Sv/h、1Sv/h、100mSv/h、10mSv/hとなる。
参考までに、世界平均の年間被ばく線量は2.4mSv(出典)。
参考までに、爆発を同規模にしたままで爆心地を東京駅にとった場合では以下のような感じに。爆発の威力の凄まじさが実感できます。
1基が爆発した場合。最外部のオレンジ色のエリア内で、全身に3度のやけど。
放射性降下物は、風向きによっては東京以北を完全に汚染するほど広範囲に飛散する。
この事件以降、核兵器のインターロック・システムの最終段には暗号電波を受信した時のみ起動する電子スイッチが追加されたとのことですが、最先端の軍事技術の暴走を食い止めたのが、単純な機械的仕掛けであったというのは、なんとも皮肉な話ですね。
水爆の起爆のために原爆が入っているはずだけど、装備無しにこんなに近づいて大丈夫なのかな。
原爆だって核反応してない限りは
「近づくと即ヤバい」なんて状況にはならないだろ
外装が破損しているし、核燃料が漏れている可能性があると思ったんだけどね。
ウラン235もプルトニウム239も
世間で過剰に恐れられてるほど放射能強くないけどね
デーモン・コア実験でも分かるように
直に触っても問題ない
(核反応さえ起こさなければ)
デーモンコアをwikiで見れば分かるけど、
放射能が出てなかったとしても猛毒なので触らない方がいいです
でも実際は放射線が出ていて、比較的長生きしたとされるファインマン博士でさえ
がんを再発しながら69歳で亡くなっています
万一、衝撃を与えると青い光が出て即死もあります
もし”放射線が出ていない”のであれば
ウランもプルトニウムも普通の重金属程度の毒性しか無い。
だから、少しくらい触ったところで何も問題ない
ファインマンの癌の原因が
ウランやプルトニウムの核崩壊の放射線だってのは初耳だな。
核分裂の放射線が原因だっていうのならまだ理解できるけど。
ソースある?
その前にまず wikipedia 読みましょう
はい、読みました
「放射能が出てなかったとしても猛毒」も
「ファインマンの死因がプルトニウムの放射線」も
書かれていません
あのぅ、プルトニウムとベリリウムはともに猛毒であり、決して素手で触ってはならないこと、とされている[4]。
と書いてありますが。
ちゃんと読まないならもういいです。
その後も読めよ
そもそも、ベリリウムとプルトニウムを同列に猛毒と書いてるwikipediaなんて
信頼性ゼロだけどな
とりあえず、可及的速やかにどうにかする必要があるからな
そういう意味では(少なくともこの時代の)兵士は使い捨て
劣化ウラン弾なんかは、ずっと近くにいるだけでアレらしいけどね
起爆したら装備なんて気休めにもならない。
決死隊だなこれ。
>they found that five of the six interlocks had been set off by the fall !
6つあるインターロックのうち5つが解除されてたって書いてあるんですが
記事と乖離していませんか?
マウスを破線の上でホバーすると、後で6から4に訂正されたってあるね。ちょっと分かりにくいけど。
気づきませんでした。。。
忘れて下さい。すいません。
破線は専門用語の説明用じゃなかったのか
分かりにくいな
お世話になっております。
申し訳ございません、当該部分の書き方を少々変更させて頂きました。
客観的になると、たしかに元の表記では見づらいです…勉強になりました。
1rad/h≒10mSv/hって解説入れといた方が良いのでは
図は赤から順に10Sv/h、1Sv/h、100mSv/h、10mSv/h
ご指摘ありがとうございます!キャプション部分に追記させて頂きました。
核爆発シュミレータなんてあるんですね・・・
これいまだからわかるけど
突然領地内で混乱で核爆発が起こったら
ソ連の攻撃かっておもうよね
報復攻撃…((((;゚Д゚)))))))
コメントによって記事が洗練されていくといういい記事
このサイトはコメントが本体だしな
そうなの?
本文を見にくるのは素人、上級者はコメントしかみてない
そんな馬鹿な、と思いながら(自分が上級者かどうかは置いておいて)実際コメントしか見てないな。いいのか悪いのか・・・
皮肉じゃなくてマジで言ってそうで怖いわ
本文読まないでどうやって議論するんですかね……。
議論じゃない
ののしり合いだ
technityは良質なコメ多いけど
この50年後の公開制度はいいよなあ。日本でも導入すべきだろう。
自民党がいやがるから駄目だろう
秘密保全法案とか真逆に進んでるね
むしろ方向性は同じかもしれんよ。「秘密にします。でもいずれ必ず公開します。だってもうそんときには関係者みんなくたばってるもんね」という発想だから。背反するものじゃないかもしれんよ。
パイロットは20世紀で一番焦った人物だろうwww
こんだけセーフティかけてもギリギリとは…
日本じゃそこまでやらなさそうだわ…
経費削減とか言ってな
日本の原発‥いや、なんでもない
福島第一はGE設計だがな
東電を擁護する気は全くないが、あの隠蔽体質を作った原因の一つである無茶苦茶な法律を作った奴らも糾弾されるべきなんだがなぁ……
まぁ、糾弾するよりもあそこをとっととどうにかしてもらいたいっていうのが大きいけど、長くなりそうだな……
同じ穴のムジナ=原子力村