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http://japanese.engadget.com/2013/09/25/nexus-7-2013/


レビュー:Nexus 7 (2013) 試用後編。機能紹介・背面カメラ撮影例・使用感 - Engadget Japanese


Google Nexus 7 (2013) レビュー前編では、前モデル Nexus 7 (2012)とのハードウェア的な違いや、初期設定などの導入部を主に紹介しました。後編では、そのほかの設定やウィジェット、新搭載の500万画素アウトカメラ、そしてベンチマークテストについてお伝えします。

設定/タブレット情報に技適マークあり

前編で紹介しきれなかったのが、クイック設定とウィジェットです。画面右上から下にスワイプして現れるクイック設定の項目は固定で、例えばXperia Aのように、ユーザーがカスタマイズすることはできません。9マスのうち右下に1マス分の空きがあるので、個人的にはGPSのON/OFFが欲しいところです。

ウィジェットは全部で5画面、計30あります。先のクイック設定同様、素のAndroid 4.3のため、特別な部分はありません。Android 4.3へアップデートしたNexus 7 (2012)と同じです。


制限付きプロフィールにも対応しました。これによってペアレンタルコントロールが可能となります。マルチユーザーも含め、1台のNexus 7を家族で使う時も安心です。


クイック設定

ユーザー切替え、画面の明るさ、設定、Wi-Fi、自動回転、バッテリー、機内モード、Bluetoothの項目があります

ウィジェット1~2画面目

アナログ時計、カレンダー、デジタルクロック、おすすめのコンテンツを楽しむ、カレント、ドライブ、ドライブのショートカット、ブックマーク1、ミュージックプレイリスト、フォトギャラリー、ブックマーク2、メール



ウィジェット3~5画面目

経路を検索、書籍、電源管理、再生-マイライブラリ、設定をショートカット、連絡先1、連絡先2、Gmailのラベル、Google Keep1、Gmail、Google Keep2、Google Now、Google Playブックス、Google+投稿、Playストア、Google Playミュージック、Google検索、YouTube



Nexus 7(2013)固有の項目は、テザリングと規制情報です。今回Wi-Fiモデルのためテザリングは機能しませんが、設定/無線とネットワーク/テザリングとポータブルアクセスポイントで設定可能です。項目を見る限りUSBとWiFi、Bluetoothを使った接続ができるようです。

規制情報は、設定/タブレット情報にあります。Nexus 7(2012)には項目自体ありません。Japanとして技適マークが見えます。iOSデバイスと同様、ソフトウェアとして埋め込む手法で、グローバル版としてデバイスを一本化できる利点があります。

またボディにシールなどを貼る必要もなく、コストがかからない上、外観も損ないません。特にNexus 7(2013)のリアはマット調で美しく、シールがあると興ざめです。これなら並行輸入版(もしくは海外で購入後)も国内で問題なく扱えますので、是非今後のデバイスでも同様の対応をお願いしたいところです。


無線とネットワーク / テザリングとポータブルアクセスポイント / 規制情報

多彩な機能ながら、500万画素アウトカメラの実力はほどほど


Nexus 7(2013)には待望のアウトカメラが搭載されました。解像度は500万画素、最大出力サイズは2592×1944ピクセルとなります。その他の仕様は非公開ですが、撮影データより、焦点距離は3mmのようです。ISO感度は100から。レンズの明るさに関しては情報が無く不明です。

標準アプリのカメラでは、360°パノラマモード/パノラマモード/ビデオモード/カメラモードの4つのモードが選べます。真ん中の青い●はシャッター、その下は設定、中央の大きな○はAF用のフォーカスゲージです。デジタルズーム機能はありません。



カメラアプリ

360°パノラマモード / パノラマモード / ビデオモード / カメラモード。設定では、露出補正、その他のオプション、イン・アウトカメラ切り替えが選べます


露出補正、その他のオプション、イン・アウトカメラ切り替え / 露出補正 / その他のオプション

露出補正は-2、-1、0、+1、+2の5段階。その他のオプションでは、位置情報/セルフタイマー/画像サイズ/ホワイトバランス/撮影モードの設定ができます。

カウントダウンタイマーはOFFから最大60秒。画像サイズは5メガ/3メガ/2メガ/1メガ/VGA/QVGAの設定ができます。ホワイトバランスは、白熱灯/蛍光灯/オート/太陽光/曇り。撮影モードは、スポーツ/夜景/なし/夕焼け/パーティーが選択できます。


カウントダウンタイマー / 画像サイズ / ホワイトバランス

このように、カメラ機能に関してはそれなりに豊富と言えるでしょう。インカメラしかなかったNexus 7(2012)とは違って便利に使えそうです。

ただ各種設定は第二、第三階層になっているため、操作性はよくありません。露出補正やホワイトバランスなど、普段頻繁に切換える部分にはショートカットが欲しいところです。

実際Nexus 7(2013)のアウトカメラで撮影したサンプル写真を1点掲載します。露出的には適正ですが、赤い花がベタッとした色になっています。もう少しスムーズなグラデーションになって欲しいところです。等倍の写真を見ると、水玉がリアルに写って解像感はあるのですが、その分細かいノイズも確認でき、荒さも感じられます。また(ここに掲載していない写真も含め)少し青っぽくなる癖があるようです。

条件の良い明るい外での写真でもこのような状態ですので、今時の人気のあるスマフォ内蔵カメラより画質は劣ると言えるでしょう。


サンプル1
2592×1944ピクセルから幅620ピクセルへ縮小(上下は掲載フォーマットに合わせ若干トリミングしています)


サンプル2
2592×1944ピクセルから620×400ピクセルを切り出した等倍写真

Nexus 7やAndroid 4.3固有の機能ではありませんが、撮った写真を加工できる編集機能を持っています。エフェクト9種類、フレーム16種類、トリミング/傾き調整/回転/鏡、自動色補正/周辺減光/コントラスト/影/ハイライト/自然な彩度/彩度/シャープネス/ローカル/色相/モノクロ......と、機能も一通りそろっています。

カメラ自体の写りはほどほどですが、この編集機能や専用アプリで加工すれば素材としては楽しめます。サブカメラとしては十分でしょう。


撮影モード / 編集で色調整 / 自動色補正で色被りを除去

パフォーマンスはNexus 10とXperia Zの間

ベンチマークテストは、AnTuTuベンチマークを使いました。結果はご覧の通りです。カッコ内はNexus 7(2012)の値ですが、DalvikとRAM Operation以外は全ての項目で勝っています。ただ2項目とは言え、劣っている部分があるのは意外でした。

2D/3D Graphicsは2倍以上の差があります。解像度が高くなった分、描画にはパワーが必要になりますので妥当なところです。他は凸凹はあるにせよ、おおよそ1.5倍程度でしょうか。体感速度で2倍は速くないと思えるのも頷けます。

多機種と比較した棒グラフではNexus 10とXperia Zの間となりました。前編に書きましたが、2013年製のタブレットとしては最速ではないものの、標準的な性能と表現して差し支えないでしょう。


AnTuTuベンチマーク。カッコ内はNexus 7(2012)の値
総合 19831(13820)。Multitask 3358(2895)、Dalvik 1404(1051)、CPU Int 2261(1949)、CPU Float 1948(1313)、RAM Operation 1113(1532)、RAM Speed 1465(429)、2D 1627(722)、3D 5065(2337)、I/O Storage 980(942)、I/O Database 610(600)



最後にNexus 7 (2013)の使用感について。薄く軽くなったボディは片手で楽々持て、紙の印刷に近いppiを持ち、発色の良い綺麗な液晶パネルは、ネット、写真、動画......何を見ても楽しめます。

ステレオになったスピーカーは、音質も良く、パワーも十分あります。ただリアにあるため音が後ろへ抜けるので、より良く聴くには手で反射させるなど少し工夫が必要となります。通知があると点滅するLEDも便利です。

アプリに関しては、FacebookやTwitter、Feedlyなど、有名どころは全く問題なくスムーズに動き、画像のエフェクトも軽々こなします。試した範囲で唯一、Nexus 7(2012)で作動してNexus 7(2013)で不都合があったのは「Twonkey Beam」(3.4.5-300)でした。

このアプリは、DLNA/DTCP-IPに対応しているメディアサーバー、例えばnasneで録画した地デジを観るのに必需品なのですが、残念ながら録画によって、完全に再生するものもあれば、一瞬音が出てその後再生しないなど、うまく作動しません(DTCP-IPに無関係な動画は大丈夫です)。

Nexus 7(2012)の時も、OSをアップデートすると動かなくなったりと、ソフトウェア的にクリティカルな部分があるようなので、今後の対応に期待したいところです。


Twonkey Beam(3.5.0)
9月19日この問題に対応した新しいバージョンがリリースされました。アイコンやUIも一新しています。試したところ、録画した地デジの一部が観れないなど、まだ問題があるようです

以上、前編・後編でNexus 7(2013)の簡単なレビューをお届けしました。価格が高くなったのは残念ですが、デザイン、液晶パネル、作動速度、その他細かい部分など、Nexus 7(2012)と比較して、使えば使うほど違いが分かる仕上がりになっています。少し気が早いですが2014年版も楽しみです。