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姉「好きだよ、妹」
委員長「好きよ、女」
姉「学校祭、ですね」
姉「……春ですね、妹」
姉「夏ですね、妹」
1: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:02:02.48 ID:+DBuKrIC0
※注意
・百合
2: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:02:57.44 ID:+DBuKrIC0
妹「秋だね、お姉ちゃん」
姉「ええ、そうですね」
妹「秋といえば?」
姉「読書、でしょうか」
妹「んー、あー、まあ、そうなんだけど、ほら、イベントとか」
姉「イベント……ああ、妹の学校では、確かそろそろ学校祭ですね」
妹「あー……うん、そだね……」
姉「なにかあるんですか?」
妹「……んー、ううん、なにも」
姉「……? そうですか」
3: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:03:51.38 ID:+DBuKrIC0
〜登校中〜
妹「……自分の誕生日くらい覚えといてよね、まったく」
妹「あーあ、プレゼント、どうしよ……」
妹(お姉ちゃんが喜びそうなもの…………うーん)
妹「物欲がない姉を持つと、苦労するなぁ」
妹(とりあえず今日の帰りに探そっかな……)
妹「……」
妹「あー……こないだのお姉ちゃんも、こんな気持ちだったのかなぁ」
友「やほー、妹」
妹「おはよー!」
友「ひとりでぶつぶつ言ってたけど、どうかした?」
妹「うげ、聞かれてた……」
4: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:05:02.06 ID:+DBuKrIC0
友「で?」
妹「……お姉ちゃんの誕生日が近くて、プレゼントどうしよっかな、って」
友「プレゼントか……」
妹「お姉ちゃんってあんまり欲しいものとか無さそうだから、悩んでて」
友「んー……妹があげたいって思うものをあげたらいいんじゃないかな?」
妹「私があげたいって思うもの?」
友「うん。 これはお姉ちゃんに似合う、とか、そういうの」
妹「ふむふむ……」
友「妹が真剣に考えたプレゼントなら、きっとなんでも喜んでくれるよ」
妹「そっか……わかった! ありがとね!」
5: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:05:47.59 ID:+DBuKrIC0
────────────────────
「ありがとうございましたー!」
妹「……うーん、結局無難なところを選んじゃったけど……」
妹「なんかもっと、いいのないかなぁ……」
妹「……ん? この広告……」
妹「…………」
妹「……いいこと思いついた!!」
6: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:06:42.13 ID:+DBuKrIC0
────────────────────
〜数日後〜
姉「……」
姉「最近、妹の帰りが遅い……」
姉(こう何度も何度も夜遅くに帰ってこられると、不安で不安で……)
タダイマー!
姉「あっ」
妹「わはーっ、ただいま、お姉ちゃん!」
姉「おかえりなさい」
妹「んーっ、お腹すいたーっ!」
姉「夕飯にしましょうか」
妹「はーい!」
7: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:08:25.74 ID:+DBuKrIC0
妹「いただきまーす!」
姉「いただきます」
妹「はむ……ん〜、おいひ〜」
姉「……」
姉(どうして帰りが遅いんでしょうか……)
姉(まさか、浮気……?)
姉(妹がそんなことするわけ……)
姉「……」
妹「お姉ちゃん? どうしたの?」
姉「……最近帰りが遅いのですが、なにかあったんですか?」
妹「……あー、うん、ちょっとね」
姉「……そうですか」
8: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:08:55.19 ID:+DBuKrIC0
────────────────────
姉(妹が、わたしに隠し事なんて……)
姉「……」
妹「ふうっ、お姉ちゃん、お風呂どうぞー」
姉「……」
妹「……お姉ちゃん? えっ、ひゃあっ!?」ドサッ
姉「……妹」
妹「お、おねえちゃ……んぅ……」チュ
姉「んふ……」
妹「ど、どうしたの……?」
姉「どうして、隠し事なんかするんですか?」
妹「え」
姉「私のこと、嫌いになったんですか?」
妹「えっ、なっ、んんっ!?」
9: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:09:23.92 ID:+DBuKrIC0
妹「ぷはぁっ……」
姉「はぁっ……私にも、言えないことなんですか」
妹「お姉ちゃん……」
姉「私、心配で……あんな、遅くまで帰ってこなくて……っ」
姉「私、信用ありませんか? こんなに……グスッ、こんなに、妹を想ってるのに……」ポロポロ
妹「え、あ……」
姉「ごめんなさい……なにか悪いことをしてしまったのなら、謝ります。 だから、だから……」
姉「嫌いに、ならないで……っ」
妹「……ごめんなさいっ!!」ギュウッ
姉「ふぇ」
10: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:10:16.43 ID:+DBuKrIC0
妹「ごめん……ごめんね、お姉ちゃんっ……」
妹「お姉ちゃんを嫌いになんて、絶対にならないから! 私、お姉ちゃんをちゃんと信じてるから!」
妹「でも……この隠し事だけは、もうちょっとだけ、待ってて」
姉「……」
妹「ちゃんと、ぜっっっっっったいに、ちゃんと話すから! だから、その時まで待ってて! お願い!」
姉「……わかりました」
妹「ほっ……よかったぁ……ごめんね、お姉ちゃん」
姉「いえ、あの、私も……取り乱してしまって」
妹「ううん、だって、私が悪いもん」
妹「それに、私のこと、あんなに想ってくれててすっごく嬉しかったよ? 私が浮気してるって思ったんでしょ?」
姉「あ……いやあのっ、あれはっ」
妹「えー? ウソだったのー?」
姉「…………妹の、ばか」
妹「ふふー、ばかでいーもーん」ギュー
11: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:10:44.33 ID:+DBuKrIC0
〜数日後〜
妹「ただいまー!」
姉「おかえりなさい」
妹「ふふー、ねえねえ、見て見て!」ピラッ
姉「ん、と……これは?」
妹「これね、旅館のチケット!」
姉「旅館のチケット……? なんでそんなものを?」
妹「明日行くからね! 準備よろしく!」
姉「え? あ、ちょっと、妹!?」
姉「……行っちゃった」
姉「どうやってあのチケットを手に入れたんでしょうか……」
12: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:11:26.19 ID:+DBuKrIC0
〜翌日〜
妹「旅館、とーちゃああああく!」
姉「綺麗ですね、周りの紅葉」
妹「うん、ここで良かった〜」
姉「ところで妹、どうやってあのチケットを……」
女将「お待ちしておりました、妹さんですね?」
妹「はいっ」
女将「遠路はるばるようこそお越しくださいました。 お部屋はこちらです」
妹「はーい!」
女将「荷物はお運びいたしますよ」
13: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:11:55.64 ID:+DBuKrIC0
〜部屋〜
妹「おお、和風だね〜」
姉「外の景色も綺麗ですね……」
妹「わあ、夕焼けだぁ」
姉「いい眺めです」
妹「なーんか、秋って感じだね〜」
姉「そうですね……」
妹「……よし! お姉ちゃんはお風呂入ってて!」
姉「え?」
妹「私、ちょっと買ってくるものがあるから!」
姉「はあ……私も行きましょうか?」
妹「ううん、だいじょぶ!」
姉「そうですか……わかりました」
14: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:12:33.70 ID:+DBuKrIC0
〜露天風呂〜
姉「はふぅ……いい眺めですねぇ……」カポーン
姉「紅葉も見られて、秋満喫、というところでしょうか」
姉「ん〜〜、いい湯です……」チャプ
姉「……」ボー
妹「ばあっ!!」ザパッ
姉「……っ!? 〜〜っ!!?!?」ザブーン
妹「ぷっ、あははははっ!! お姉ちゃん、びっくりしすぎー!」
姉「はっ、はぁ〜〜っ……びっくりしたぁ……」
妹「いやいや、お風呂に来てみたらお姉ちゃんが蕩けきってたから、つい」
姉「勘弁してくださいよ……寿命が縮まりましたよ……」
妹「えへへー、ごめんごめん」
15: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:13:28.23 ID:+DBuKrIC0
妹「あー、いい湯だねぇ」
姉「ですねぇ」
妹「さてお姉ちゃん」
姉「はい?」
妹「温泉といえば?」
姉「温泉といえば……温泉卵?」
妹「せーかい! ほら、もうちょうどいい頃合いだと思うよ!」ジャーン
姉「おお〜、いただきます」
妹「えへへ、どうかな?」
姉「はぐ……うん、美味しいです」
妹「そうでしょそうでしょ!」
姉「なんだか、いたれりつくせりって感じで申し訳ないですね……」
妹「いいのいいの! ほらほら、お背中流しますよ〜」
姉「わわっ、もう体は洗いましたってば〜!」
妹「きにしなーいきにしなーい!」
16: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:14:06.11 ID:+DBuKrIC0
────────────────────
女将「こちら、お夕食になります」
姉「わあ……」
妹「すごい……」
女将「では、ごゆっくり」
姉「豪華ですね……」
妹「うん……って、まだ食べちゃダメっ!」
姉「え?」
妹「まだやることがあるの!」
姉「はあ」
妹「ちょっと後ろ向いてて!」
姉「後ろ……これでいいですか?」
妹「目も瞑っててね! いいよって言うまで見ちゃダメだよ!」
姉「はい」
17: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:14:46.56 ID:+DBuKrIC0
妹「んと、電気消して……」パチ
妹「よいしょ……」ガサガサ
姉「まだですかー」
妹「んー、もうちょっとー」
姉「わかりましたー」
妹「……これでよし! はい、もういいよ!」
姉「はい……と、これは、ロウソク……ケーキ?」
妹「お姉ちゃん、誕生日おめでとーーっ!!」パパーン
18: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:15:34.73 ID:+DBuKrIC0
姉「誕生日……あっ、そういえば今日でしたね」
妹「むううっ、やっぱり忘れてたのかっ」
姉「それじゃあ、この旅館はやっぱり妹が……」
妹「うん。 この旅館を予約したのは、もちろん私だよ」
姉「どうやって予約を……?」
妹「あのね、最近、帰り遅かったじゃん?」
姉「ええ」
妹「それね、バイトしてたの」
姉「ば、ばいと……!?」
妹「うん、今日のためにね!」
姉「そ、そんな、そこまでしていただかなくても」
妹「ううん、私がしたかったんだもん」
姉「妹……ありがとう……」
妹「えへへ、じゃ、ロウソク消して!」
姉「はい……ふーっ」
妹「誕生日おめでと、お姉ちゃん」
姉「ありがとう、ございます」
19: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:16:11.09 ID:+DBuKrIC0
妹「それじゃ、いただきまーす!」
姉「いただきます」
妹「……って、あっ!!」
姉「?」
妹「あ、あっ、忘れてたっ!」ガサゴソ
姉「何をです?」
妹「お姉ちゃん、これっ、誕生日プレゼント!」
姉「まだプレゼントが」
妹「えへへ、豪華でしょ?」
姉「どれどれ……」ガサガサ
20: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:17:26.05 ID:+DBuKrIC0
姉「……これは、写真立て?」
妹「そう!」
姉「この写真は……あっ、これっ、お花見に行った時の……!」
妹「えへへ、お姉ちゃん、可愛いでしょ」
姉「……」
妹「いろんな写真、飾ってね?」
姉「……」ストン
妹「お姉ちゃん……? お姉ちゃんの席、向かい側だよ?」
姉「……妹の隣にいたいんです」
妹「お姉ちゃん……」
姉「ありがとう、妹……すっごく、嬉しい」ギュ
妹「ん……えへへ」
姉「私のために、どうもありがとうございます」ナデナデ
妹「うん……お姉ちゃん」
姉「はい」
妹「これからも、ずっと、私のお姉ちゃんでいてね」
姉「……当たり前です。 これからも、妹のお姉ちゃんで……そして、妹の恋人でいます」
妹「お姉ちゃん……大好きっ!」
21: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:18:14.35 ID:+DBuKrIC0
────────────────────
妹「うあーっ、おいしかったー!」
姉「ですねぇ」
妹「ところで」
姉「はい」
妹「いつまでくっついてるのかな」
姉「ずっとです」
妹「……お姉ちゃん、キャラ変わってない?」
姉「今日だけは、私が妹を好きにしていい日です」
妹「もう……しょうがないなぁ」
姉「というわけで」
妹「うん」
姉「次は、妹をいただく番ですね」
妹「へっ!?」
姉「最後のプレゼントといえば、妹自身でしょう」
妹「えっ、それはっ、あのっ」
姉「ふふ、せっかく二人きりですし、愉しみましょうね……」
妹「え、あ、あ、だめ、あっ…………」
22: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:18:46.77 ID:+DBuKrIC0
〜翌日〜
妹「んっ……んぅっ、んんっ……」
姉「ちゅ……んふ、ちゅるっ……」
妹「んはぁっ……」
姉「ぷは……おはよう、ございます」
妹「おはよぉ、おねえちゃん……」
姉「は、ん……んちゅぅ……」
妹「ん……」
姉「ふぅっ……朝食に、しましょうか」
妹「……うん」
23: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:19:17.46 ID:+DBuKrIC0
────────────────────
女将「当館をご利用頂き、ありがとうございました」
姉「こちらこそ、美味しい食事をありがとうございました」
女将「また、ご利用くださいませ」
妹「はーいっ!」
女将「それでは、お気を付けて」
妹「ありがとうございました!」
24: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:19:46.14 ID:+DBuKrIC0
妹「んーっ、いい旅館だったなぁ」
姉「ですね」
妹「また来たいなぁ」
姉「紅葉も綺麗ですし」
妹「だよね! 紅くて、オレンジ色で、すっごく綺麗」
姉「落ち葉ひとつひとつに、しっかりと色がついてますからね」
妹「うん、ひらひら落ちてくるのも、すごくキレイ」
姉「秋ですね、妹」
妹「……うん、秋だよ、お姉ちゃん」
25: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:20:56.54 ID:+DBuKrIC0
妹「さてお姉ちゃん」
姉「はい?」
妹「実は、このあとにもイベントがあるのです」
姉「イベント……?」
妹「そそ! 秋といえば?」
姉「……んー、食……?」
妹「ぶぶーっ! 正解は、これっ!」ジャーン
姉「これは……オーケストラのチケット?」
妹「うん! 芸術の秋だよ、お姉ちゃん!」
姉「……妹、寝ちゃうんじゃないですか?」
妹「失礼な! 寝るわけ無いでしょ!」
姉「そうですか……?」
26: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:21:37.95 ID:+DBuKrIC0
〜コンサートホール〜
〜〜♪〜♪♪
姉「……」
妹「ん……すぅ……」
姉(思いっきり寝てるし……)
妹「ふへ……おねぇちゃん……」
姉「……はいはい」ナデナデ
妹「はぅ……」
姉「まったく、結局寝ちゃうんじゃないですか」ナデナデ
妹「んん……」
姉「……ありがとね、こんな素敵なサプライズを用意してくれて」
姉「お姉ちゃん、嬉しいよ……ん、ちゅ……」
妹「んぅ……」
姉「はふ……ふふっ、妹の誕生日、楽しみにしててね?」
終わり
27: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:22:50.73 ID:+DBuKrIC0
ありがとうございました。
ちなみにこのSSは一応、
姉「夏ですね、妹」
の続きとなっているので、よろしければそちらもどうぞ。
28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/09/29(日) 00:24:14.09 ID:vthHaa78o
ええな
29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/09/29(日) 00:24:54.92 ID:Ebx4+Cejo
そのまま冬もいこう
姉「好きだよ、妹」
委員長「好きよ、女」
姉「学校祭、ですね」
姉「……春ですね、妹」
姉「夏ですね、妹」
1: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:02:02.48 ID:+DBuKrIC0
※注意
・百合
2: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:02:57.44 ID:+DBuKrIC0
妹「秋だね、お姉ちゃん」
姉「ええ、そうですね」
妹「秋といえば?」
姉「読書、でしょうか」
妹「んー、あー、まあ、そうなんだけど、ほら、イベントとか」
姉「イベント……ああ、妹の学校では、確かそろそろ学校祭ですね」
妹「あー……うん、そだね……」
姉「なにかあるんですか?」
妹「……んー、ううん、なにも」
姉「……? そうですか」
〜登校中〜
妹「……自分の誕生日くらい覚えといてよね、まったく」
妹「あーあ、プレゼント、どうしよ……」
妹(お姉ちゃんが喜びそうなもの…………うーん)
妹「物欲がない姉を持つと、苦労するなぁ」
妹(とりあえず今日の帰りに探そっかな……)
妹「……」
妹「あー……こないだのお姉ちゃんも、こんな気持ちだったのかなぁ」
友「やほー、妹」
妹「おはよー!」
友「ひとりでぶつぶつ言ってたけど、どうかした?」
妹「うげ、聞かれてた……」
4: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:05:02.06 ID:+DBuKrIC0
友「で?」
妹「……お姉ちゃんの誕生日が近くて、プレゼントどうしよっかな、って」
友「プレゼントか……」
妹「お姉ちゃんってあんまり欲しいものとか無さそうだから、悩んでて」
友「んー……妹があげたいって思うものをあげたらいいんじゃないかな?」
妹「私があげたいって思うもの?」
友「うん。 これはお姉ちゃんに似合う、とか、そういうの」
妹「ふむふむ……」
友「妹が真剣に考えたプレゼントなら、きっとなんでも喜んでくれるよ」
妹「そっか……わかった! ありがとね!」
5: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:05:47.59 ID:+DBuKrIC0
────────────────────
「ありがとうございましたー!」
妹「……うーん、結局無難なところを選んじゃったけど……」
妹「なんかもっと、いいのないかなぁ……」
妹「……ん? この広告……」
妹「…………」
妹「……いいこと思いついた!!」
6: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:06:42.13 ID:+DBuKrIC0
────────────────────
〜数日後〜
姉「……」
姉「最近、妹の帰りが遅い……」
姉(こう何度も何度も夜遅くに帰ってこられると、不安で不安で……)
タダイマー!
姉「あっ」
妹「わはーっ、ただいま、お姉ちゃん!」
姉「おかえりなさい」
妹「んーっ、お腹すいたーっ!」
姉「夕飯にしましょうか」
妹「はーい!」
7: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:08:25.74 ID:+DBuKrIC0
妹「いただきまーす!」
姉「いただきます」
妹「はむ……ん〜、おいひ〜」
姉「……」
姉(どうして帰りが遅いんでしょうか……)
姉(まさか、浮気……?)
姉(妹がそんなことするわけ……)
姉「……」
妹「お姉ちゃん? どうしたの?」
姉「……最近帰りが遅いのですが、なにかあったんですか?」
妹「……あー、うん、ちょっとね」
姉「……そうですか」
8: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:08:55.19 ID:+DBuKrIC0
────────────────────
姉(妹が、わたしに隠し事なんて……)
姉「……」
妹「ふうっ、お姉ちゃん、お風呂どうぞー」
姉「……」
妹「……お姉ちゃん? えっ、ひゃあっ!?」ドサッ
姉「……妹」
妹「お、おねえちゃ……んぅ……」チュ
姉「んふ……」
妹「ど、どうしたの……?」
姉「どうして、隠し事なんかするんですか?」
妹「え」
姉「私のこと、嫌いになったんですか?」
妹「えっ、なっ、んんっ!?」
9: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:09:23.92 ID:+DBuKrIC0
妹「ぷはぁっ……」
姉「はぁっ……私にも、言えないことなんですか」
妹「お姉ちゃん……」
姉「私、心配で……あんな、遅くまで帰ってこなくて……っ」
姉「私、信用ありませんか? こんなに……グスッ、こんなに、妹を想ってるのに……」ポロポロ
妹「え、あ……」
姉「ごめんなさい……なにか悪いことをしてしまったのなら、謝ります。 だから、だから……」
姉「嫌いに、ならないで……っ」
妹「……ごめんなさいっ!!」ギュウッ
姉「ふぇ」
10: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:10:16.43 ID:+DBuKrIC0
妹「ごめん……ごめんね、お姉ちゃんっ……」
妹「お姉ちゃんを嫌いになんて、絶対にならないから! 私、お姉ちゃんをちゃんと信じてるから!」
妹「でも……この隠し事だけは、もうちょっとだけ、待ってて」
姉「……」
妹「ちゃんと、ぜっっっっっったいに、ちゃんと話すから! だから、その時まで待ってて! お願い!」
姉「……わかりました」
妹「ほっ……よかったぁ……ごめんね、お姉ちゃん」
姉「いえ、あの、私も……取り乱してしまって」
妹「ううん、だって、私が悪いもん」
妹「それに、私のこと、あんなに想ってくれててすっごく嬉しかったよ? 私が浮気してるって思ったんでしょ?」
姉「あ……いやあのっ、あれはっ」
妹「えー? ウソだったのー?」
姉「…………妹の、ばか」
妹「ふふー、ばかでいーもーん」ギュー
11: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:10:44.33 ID:+DBuKrIC0
〜数日後〜
妹「ただいまー!」
姉「おかえりなさい」
妹「ふふー、ねえねえ、見て見て!」ピラッ
姉「ん、と……これは?」
妹「これね、旅館のチケット!」
姉「旅館のチケット……? なんでそんなものを?」
妹「明日行くからね! 準備よろしく!」
姉「え? あ、ちょっと、妹!?」
姉「……行っちゃった」
姉「どうやってあのチケットを手に入れたんでしょうか……」
12: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:11:26.19 ID:+DBuKrIC0
〜翌日〜
妹「旅館、とーちゃああああく!」
姉「綺麗ですね、周りの紅葉」
妹「うん、ここで良かった〜」
姉「ところで妹、どうやってあのチケットを……」
女将「お待ちしておりました、妹さんですね?」
妹「はいっ」
女将「遠路はるばるようこそお越しくださいました。 お部屋はこちらです」
妹「はーい!」
女将「荷物はお運びいたしますよ」
13: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:11:55.64 ID:+DBuKrIC0
〜部屋〜
妹「おお、和風だね〜」
姉「外の景色も綺麗ですね……」
妹「わあ、夕焼けだぁ」
姉「いい眺めです」
妹「なーんか、秋って感じだね〜」
姉「そうですね……」
妹「……よし! お姉ちゃんはお風呂入ってて!」
姉「え?」
妹「私、ちょっと買ってくるものがあるから!」
姉「はあ……私も行きましょうか?」
妹「ううん、だいじょぶ!」
姉「そうですか……わかりました」
14: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:12:33.70 ID:+DBuKrIC0
〜露天風呂〜
姉「はふぅ……いい眺めですねぇ……」カポーン
姉「紅葉も見られて、秋満喫、というところでしょうか」
姉「ん〜〜、いい湯です……」チャプ
姉「……」ボー
妹「ばあっ!!」ザパッ
姉「……っ!? 〜〜っ!!?!?」ザブーン
妹「ぷっ、あははははっ!! お姉ちゃん、びっくりしすぎー!」
姉「はっ、はぁ〜〜っ……びっくりしたぁ……」
妹「いやいや、お風呂に来てみたらお姉ちゃんが蕩けきってたから、つい」
姉「勘弁してくださいよ……寿命が縮まりましたよ……」
妹「えへへー、ごめんごめん」
15: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:13:28.23 ID:+DBuKrIC0
妹「あー、いい湯だねぇ」
姉「ですねぇ」
妹「さてお姉ちゃん」
姉「はい?」
妹「温泉といえば?」
姉「温泉といえば……温泉卵?」
妹「せーかい! ほら、もうちょうどいい頃合いだと思うよ!」ジャーン
姉「おお〜、いただきます」
妹「えへへ、どうかな?」
姉「はぐ……うん、美味しいです」
妹「そうでしょそうでしょ!」
姉「なんだか、いたれりつくせりって感じで申し訳ないですね……」
妹「いいのいいの! ほらほら、お背中流しますよ〜」
姉「わわっ、もう体は洗いましたってば〜!」
妹「きにしなーいきにしなーい!」
16: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:14:06.11 ID:+DBuKrIC0
────────────────────
女将「こちら、お夕食になります」
姉「わあ……」
妹「すごい……」
女将「では、ごゆっくり」
姉「豪華ですね……」
妹「うん……って、まだ食べちゃダメっ!」
姉「え?」
妹「まだやることがあるの!」
姉「はあ」
妹「ちょっと後ろ向いてて!」
姉「後ろ……これでいいですか?」
妹「目も瞑っててね! いいよって言うまで見ちゃダメだよ!」
姉「はい」
17: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:14:46.56 ID:+DBuKrIC0
妹「んと、電気消して……」パチ
妹「よいしょ……」ガサガサ
姉「まだですかー」
妹「んー、もうちょっとー」
姉「わかりましたー」
妹「……これでよし! はい、もういいよ!」
姉「はい……と、これは、ロウソク……ケーキ?」
妹「お姉ちゃん、誕生日おめでとーーっ!!」パパーン
18: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:15:34.73 ID:+DBuKrIC0
姉「誕生日……あっ、そういえば今日でしたね」
妹「むううっ、やっぱり忘れてたのかっ」
姉「それじゃあ、この旅館はやっぱり妹が……」
妹「うん。 この旅館を予約したのは、もちろん私だよ」
姉「どうやって予約を……?」
妹「あのね、最近、帰り遅かったじゃん?」
姉「ええ」
妹「それね、バイトしてたの」
姉「ば、ばいと……!?」
妹「うん、今日のためにね!」
姉「そ、そんな、そこまでしていただかなくても」
妹「ううん、私がしたかったんだもん」
姉「妹……ありがとう……」
妹「えへへ、じゃ、ロウソク消して!」
姉「はい……ふーっ」
妹「誕生日おめでと、お姉ちゃん」
姉「ありがとう、ございます」
19: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:16:11.09 ID:+DBuKrIC0
妹「それじゃ、いただきまーす!」
姉「いただきます」
妹「……って、あっ!!」
姉「?」
妹「あ、あっ、忘れてたっ!」ガサゴソ
姉「何をです?」
妹「お姉ちゃん、これっ、誕生日プレゼント!」
姉「まだプレゼントが」
妹「えへへ、豪華でしょ?」
姉「どれどれ……」ガサガサ
20: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:17:26.05 ID:+DBuKrIC0
姉「……これは、写真立て?」
妹「そう!」
姉「この写真は……あっ、これっ、お花見に行った時の……!」
妹「えへへ、お姉ちゃん、可愛いでしょ」
姉「……」
妹「いろんな写真、飾ってね?」
姉「……」ストン
妹「お姉ちゃん……? お姉ちゃんの席、向かい側だよ?」
姉「……妹の隣にいたいんです」
妹「お姉ちゃん……」
姉「ありがとう、妹……すっごく、嬉しい」ギュ
妹「ん……えへへ」
姉「私のために、どうもありがとうございます」ナデナデ
妹「うん……お姉ちゃん」
姉「はい」
妹「これからも、ずっと、私のお姉ちゃんでいてね」
姉「……当たり前です。 これからも、妹のお姉ちゃんで……そして、妹の恋人でいます」
妹「お姉ちゃん……大好きっ!」
21: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:18:14.35 ID:+DBuKrIC0
────────────────────
妹「うあーっ、おいしかったー!」
姉「ですねぇ」
妹「ところで」
姉「はい」
妹「いつまでくっついてるのかな」
姉「ずっとです」
妹「……お姉ちゃん、キャラ変わってない?」
姉「今日だけは、私が妹を好きにしていい日です」
妹「もう……しょうがないなぁ」
姉「というわけで」
妹「うん」
姉「次は、妹をいただく番ですね」
妹「へっ!?」
姉「最後のプレゼントといえば、妹自身でしょう」
妹「えっ、それはっ、あのっ」
姉「ふふ、せっかく二人きりですし、愉しみましょうね……」
妹「え、あ、あ、だめ、あっ…………」
22: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:18:46.77 ID:+DBuKrIC0
〜翌日〜
妹「んっ……んぅっ、んんっ……」
姉「ちゅ……んふ、ちゅるっ……」
妹「んはぁっ……」
姉「ぷは……おはよう、ございます」
妹「おはよぉ、おねえちゃん……」
姉「は、ん……んちゅぅ……」
妹「ん……」
姉「ふぅっ……朝食に、しましょうか」
妹「……うん」
23: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:19:17.46 ID:+DBuKrIC0
────────────────────
女将「当館をご利用頂き、ありがとうございました」
姉「こちらこそ、美味しい食事をありがとうございました」
女将「また、ご利用くださいませ」
妹「はーいっ!」
女将「それでは、お気を付けて」
妹「ありがとうございました!」
24: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:19:46.14 ID:+DBuKrIC0
妹「んーっ、いい旅館だったなぁ」
姉「ですね」
妹「また来たいなぁ」
姉「紅葉も綺麗ですし」
妹「だよね! 紅くて、オレンジ色で、すっごく綺麗」
姉「落ち葉ひとつひとつに、しっかりと色がついてますからね」
妹「うん、ひらひら落ちてくるのも、すごくキレイ」
姉「秋ですね、妹」
妹「……うん、秋だよ、お姉ちゃん」
25: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:20:56.54 ID:+DBuKrIC0
妹「さてお姉ちゃん」
姉「はい?」
妹「実は、このあとにもイベントがあるのです」
姉「イベント……?」
妹「そそ! 秋といえば?」
姉「……んー、食……?」
妹「ぶぶーっ! 正解は、これっ!」ジャーン
姉「これは……オーケストラのチケット?」
妹「うん! 芸術の秋だよ、お姉ちゃん!」
姉「……妹、寝ちゃうんじゃないですか?」
妹「失礼な! 寝るわけ無いでしょ!」
姉「そうですか……?」
26: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:21:37.95 ID:+DBuKrIC0
〜コンサートホール〜
〜〜♪〜♪♪
姉「……」
妹「ん……すぅ……」
姉(思いっきり寝てるし……)
妹「ふへ……おねぇちゃん……」
姉「……はいはい」ナデナデ
妹「はぅ……」
姉「まったく、結局寝ちゃうんじゃないですか」ナデナデ
妹「んん……」
姉「……ありがとね、こんな素敵なサプライズを用意してくれて」
姉「お姉ちゃん、嬉しいよ……ん、ちゅ……」
妹「んぅ……」
姉「はふ……ふふっ、妹の誕生日、楽しみにしててね?」
終わり
27: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:22:50.73 ID:+DBuKrIC0
ありがとうございました。
ちなみにこのSSは一応、
姉「夏ですね、妹」
の続きとなっているので、よろしければそちらもどうぞ。
28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/09/29(日) 00:24:14.09 ID:vthHaa78o
ええな
29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/09/29(日) 00:24:54.92 ID:Ebx4+Cejo
そのまま冬もいこう
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