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姉「好きだよ、妹」
委員長「好きよ、女」
姉「学校祭、ですね」
姉「……春ですね、妹」
姉「夏ですね、妹」

1: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:02:02.48 ID:+DBuKrIC0

※注意

・百合





2: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:02:57.44 ID:+DBuKrIC0

妹「秋だね、お姉ちゃん」

姉「ええ、そうですね」

妹「秋といえば?」

姉「読書、でしょうか」

妹「んー、あー、まあ、そうなんだけど、ほら、イベントとか」

姉「イベント……ああ、妹の学校では、確かそろそろ学校祭ですね」

妹「あー……うん、そだね……」

姉「なにかあるんですか?」

妹「……んー、ううん、なにも」

姉「……? そうですか」






 
3: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:03:51.38 ID:+DBuKrIC0

〜登校中〜

妹「……自分の誕生日くらい覚えといてよね、まったく」

妹「あーあ、プレゼント、どうしよ……」

妹(お姉ちゃんが喜びそうなもの…………うーん)

妹「物欲がない姉を持つと、苦労するなぁ」

妹(とりあえず今日の帰りに探そっかな……)

妹「……」

妹「あー……こないだのお姉ちゃんも、こんな気持ちだったのかなぁ」

友「やほー、妹」

妹「おはよー!」

友「ひとりでぶつぶつ言ってたけど、どうかした?」

妹「うげ、聞かれてた……」





4: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:05:02.06 ID:+DBuKrIC0

友「で?」

妹「……お姉ちゃんの誕生日が近くて、プレゼントどうしよっかな、って」

友「プレゼントか……」

妹「お姉ちゃんってあんまり欲しいものとか無さそうだから、悩んでて」

友「んー……妹があげたいって思うものをあげたらいいんじゃないかな?」

妹「私があげたいって思うもの?」

友「うん。 これはお姉ちゃんに似合う、とか、そういうの」

妹「ふむふむ……」

友「妹が真剣に考えたプレゼントなら、きっとなんでも喜んでくれるよ」

妹「そっか……わかった! ありがとね!」





5: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:05:47.59 ID:+DBuKrIC0

────────────────────

「ありがとうございましたー!」

妹「……うーん、結局無難なところを選んじゃったけど……」

妹「なんかもっと、いいのないかなぁ……」

妹「……ん? この広告……」

妹「…………」

妹「……いいこと思いついた!!」





6: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:06:42.13 ID:+DBuKrIC0

────────────────────

〜数日後〜

姉「……」

姉「最近、妹の帰りが遅い……」

姉(こう何度も何度も夜遅くに帰ってこられると、不安で不安で……)

タダイマー!

姉「あっ」

妹「わはーっ、ただいま、お姉ちゃん!」

姉「おかえりなさい」

妹「んーっ、お腹すいたーっ!」

姉「夕飯にしましょうか」

妹「はーい!」





7: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:08:25.74 ID:+DBuKrIC0

妹「いただきまーす!」

姉「いただきます」

妹「はむ……ん〜、おいひ〜」

姉「……」

姉(どうして帰りが遅いんでしょうか……)

姉(まさか、浮気……?)

姉(妹がそんなことするわけ……)

姉「……」

妹「お姉ちゃん? どうしたの?」

姉「……最近帰りが遅いのですが、なにかあったんですか?」

妹「……あー、うん、ちょっとね」

姉「……そうですか」





8: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:08:55.19 ID:+DBuKrIC0

────────────────────

姉(妹が、わたしに隠し事なんて……)

姉「……」

妹「ふうっ、お姉ちゃん、お風呂どうぞー」

姉「……」

妹「……お姉ちゃん? えっ、ひゃあっ!?」ドサッ

姉「……妹」

妹「お、おねえちゃ……んぅ……」チュ

姉「んふ……」

妹「ど、どうしたの……?」

姉「どうして、隠し事なんかするんですか?」

妹「え」

姉「私のこと、嫌いになったんですか?」

妹「えっ、なっ、んんっ!?」





9: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:09:23.92 ID:+DBuKrIC0

妹「ぷはぁっ……」

姉「はぁっ……私にも、言えないことなんですか」

妹「お姉ちゃん……」

姉「私、心配で……あんな、遅くまで帰ってこなくて……っ」

姉「私、信用ありませんか? こんなに……グスッ、こんなに、妹を想ってるのに……」ポロポロ

妹「え、あ……」

姉「ごめんなさい……なにか悪いことをしてしまったのなら、謝ります。 だから、だから……」

姉「嫌いに、ならないで……っ」

妹「……ごめんなさいっ!!」ギュウッ

姉「ふぇ」





10: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:10:16.43 ID:+DBuKrIC0

妹「ごめん……ごめんね、お姉ちゃんっ……」

妹「お姉ちゃんを嫌いになんて、絶対にならないから! 私、お姉ちゃんをちゃんと信じてるから!」

妹「でも……この隠し事だけは、もうちょっとだけ、待ってて」

姉「……」

妹「ちゃんと、ぜっっっっっったいに、ちゃんと話すから! だから、その時まで待ってて! お願い!」

姉「……わかりました」

妹「ほっ……よかったぁ……ごめんね、お姉ちゃん」

姉「いえ、あの、私も……取り乱してしまって」

妹「ううん、だって、私が悪いもん」

妹「それに、私のこと、あんなに想ってくれててすっごく嬉しかったよ? 私が浮気してるって思ったんでしょ?」

姉「あ……いやあのっ、あれはっ」

妹「えー? ウソだったのー?」

姉「…………妹の、ばか」

妹「ふふー、ばかでいーもーん」ギュー





11: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:10:44.33 ID:+DBuKrIC0

〜数日後〜

妹「ただいまー!」

姉「おかえりなさい」

妹「ふふー、ねえねえ、見て見て!」ピラッ

姉「ん、と……これは?」

妹「これね、旅館のチケット!」

姉「旅館のチケット……? なんでそんなものを?」

妹「明日行くからね! 準備よろしく!」

姉「え? あ、ちょっと、妹!?」

姉「……行っちゃった」

姉「どうやってあのチケットを手に入れたんでしょうか……」





12: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:11:26.19 ID:+DBuKrIC0

〜翌日〜

妹「旅館、とーちゃああああく!」

姉「綺麗ですね、周りの紅葉」

妹「うん、ここで良かった〜」

姉「ところで妹、どうやってあのチケットを……」

女将「お待ちしておりました、妹さんですね?」

妹「はいっ」

女将「遠路はるばるようこそお越しくださいました。 お部屋はこちらです」

妹「はーい!」

女将「荷物はお運びいたしますよ」





13: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:11:55.64 ID:+DBuKrIC0

〜部屋〜

妹「おお、和風だね〜」

姉「外の景色も綺麗ですね……」

妹「わあ、夕焼けだぁ」

姉「いい眺めです」

妹「なーんか、秋って感じだね〜」

姉「そうですね……」

妹「……よし! お姉ちゃんはお風呂入ってて!」

姉「え?」

妹「私、ちょっと買ってくるものがあるから!」

姉「はあ……私も行きましょうか?」

妹「ううん、だいじょぶ!」

姉「そうですか……わかりました」





14: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:12:33.70 ID:+DBuKrIC0

〜露天風呂〜

姉「はふぅ……いい眺めですねぇ……」カポーン

姉「紅葉も見られて、秋満喫、というところでしょうか」

姉「ん〜〜、いい湯です……」チャプ

姉「……」ボー

妹「ばあっ!!」ザパッ

姉「……っ!? 〜〜っ!!?!?」ザブーン

妹「ぷっ、あははははっ!! お姉ちゃん、びっくりしすぎー!」

姉「はっ、はぁ〜〜っ……びっくりしたぁ……」

妹「いやいや、お風呂に来てみたらお姉ちゃんが蕩けきってたから、つい」

姉「勘弁してくださいよ……寿命が縮まりましたよ……」

妹「えへへー、ごめんごめん」





15: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:13:28.23 ID:+DBuKrIC0

妹「あー、いい湯だねぇ」

姉「ですねぇ」

妹「さてお姉ちゃん」

姉「はい?」

妹「温泉といえば?」

姉「温泉といえば……温泉卵?」

妹「せーかい! ほら、もうちょうどいい頃合いだと思うよ!」ジャーン

姉「おお〜、いただきます」

妹「えへへ、どうかな?」

姉「はぐ……うん、美味しいです」

妹「そうでしょそうでしょ!」

姉「なんだか、いたれりつくせりって感じで申し訳ないですね……」

妹「いいのいいの! ほらほら、お背中流しますよ〜」

姉「わわっ、もう体は洗いましたってば〜!」

妹「きにしなーいきにしなーい!」





16: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:14:06.11 ID:+DBuKrIC0

────────────────────

女将「こちら、お夕食になります」

姉「わあ……」

妹「すごい……」

女将「では、ごゆっくり」

姉「豪華ですね……」

妹「うん……って、まだ食べちゃダメっ!」

姉「え?」

妹「まだやることがあるの!」

姉「はあ」

妹「ちょっと後ろ向いてて!」

姉「後ろ……これでいいですか?」

妹「目も瞑っててね! いいよって言うまで見ちゃダメだよ!」

姉「はい」





17: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:14:46.56 ID:+DBuKrIC0

妹「んと、電気消して……」パチ

妹「よいしょ……」ガサガサ

姉「まだですかー」

妹「んー、もうちょっとー」

姉「わかりましたー」

妹「……これでよし! はい、もういいよ!」

姉「はい……と、これは、ロウソク……ケーキ?」

妹「お姉ちゃん、誕生日おめでとーーっ!!」パパーン





18: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:15:34.73 ID:+DBuKrIC0

姉「誕生日……あっ、そういえば今日でしたね」

妹「むううっ、やっぱり忘れてたのかっ」

姉「それじゃあ、この旅館はやっぱり妹が……」

妹「うん。 この旅館を予約したのは、もちろん私だよ」

姉「どうやって予約を……?」

妹「あのね、最近、帰り遅かったじゃん?」

姉「ええ」

妹「それね、バイトしてたの」

姉「ば、ばいと……!?」

妹「うん、今日のためにね!」

姉「そ、そんな、そこまでしていただかなくても」

妹「ううん、私がしたかったんだもん」

姉「妹……ありがとう……」

妹「えへへ、じゃ、ロウソク消して!」

姉「はい……ふーっ」

妹「誕生日おめでと、お姉ちゃん」

姉「ありがとう、ございます」





19: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:16:11.09 ID:+DBuKrIC0

妹「それじゃ、いただきまーす!」

姉「いただきます」

妹「……って、あっ!!」

姉「?」

妹「あ、あっ、忘れてたっ!」ガサゴソ

姉「何をです?」

妹「お姉ちゃん、これっ、誕生日プレゼント!」

姉「まだプレゼントが」

妹「えへへ、豪華でしょ?」

姉「どれどれ……」ガサガサ





20: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:17:26.05 ID:+DBuKrIC0

姉「……これは、写真立て?」

妹「そう!」

姉「この写真は……あっ、これっ、お花見に行った時の……!」

妹「えへへ、お姉ちゃん、可愛いでしょ」

姉「……」

妹「いろんな写真、飾ってね?」

姉「……」ストン

妹「お姉ちゃん……? お姉ちゃんの席、向かい側だよ?」

姉「……妹の隣にいたいんです」

妹「お姉ちゃん……」

姉「ありがとう、妹……すっごく、嬉しい」ギュ

妹「ん……えへへ」

姉「私のために、どうもありがとうございます」ナデナデ

妹「うん……お姉ちゃん」

姉「はい」

妹「これからも、ずっと、私のお姉ちゃんでいてね」

姉「……当たり前です。 これからも、妹のお姉ちゃんで……そして、妹の恋人でいます」

妹「お姉ちゃん……大好きっ!」





21: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:18:14.35 ID:+DBuKrIC0

────────────────────

妹「うあーっ、おいしかったー!」

姉「ですねぇ」

妹「ところで」

姉「はい」

妹「いつまでくっついてるのかな」

姉「ずっとです」

妹「……お姉ちゃん、キャラ変わってない?」

姉「今日だけは、私が妹を好きにしていい日です」

妹「もう……しょうがないなぁ」

姉「というわけで」

妹「うん」

姉「次は、妹をいただく番ですね」

妹「へっ!?」

姉「最後のプレゼントといえば、妹自身でしょう」

妹「えっ、それはっ、あのっ」

姉「ふふ、せっかく二人きりですし、愉しみましょうね……」

妹「え、あ、あ、だめ、あっ…………」





22: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:18:46.77 ID:+DBuKrIC0

〜翌日〜

妹「んっ……んぅっ、んんっ……」

姉「ちゅ……んふ、ちゅるっ……」

妹「んはぁっ……」

姉「ぷは……おはよう、ございます」

妹「おはよぉ、おねえちゃん……」

姉「は、ん……んちゅぅ……」

妹「ん……」

姉「ふぅっ……朝食に、しましょうか」

妹「……うん」





23: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:19:17.46 ID:+DBuKrIC0

────────────────────

女将「当館をご利用頂き、ありがとうございました」

姉「こちらこそ、美味しい食事をありがとうございました」

女将「また、ご利用くださいませ」

妹「はーいっ!」

女将「それでは、お気を付けて」

妹「ありがとうございました!」





24: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:19:46.14 ID:+DBuKrIC0

妹「んーっ、いい旅館だったなぁ」

姉「ですね」

妹「また来たいなぁ」

姉「紅葉も綺麗ですし」

妹「だよね! 紅くて、オレンジ色で、すっごく綺麗」

姉「落ち葉ひとつひとつに、しっかりと色がついてますからね」

妹「うん、ひらひら落ちてくるのも、すごくキレイ」

姉「秋ですね、妹」

妹「……うん、秋だよ、お姉ちゃん」





25: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:20:56.54 ID:+DBuKrIC0

妹「さてお姉ちゃん」

姉「はい?」

妹「実は、このあとにもイベントがあるのです」

姉「イベント……?」

妹「そそ! 秋といえば?」

姉「……んー、食……?」

妹「ぶぶーっ! 正解は、これっ!」ジャーン

姉「これは……オーケストラのチケット?」

妹「うん! 芸術の秋だよ、お姉ちゃん!」

姉「……妹、寝ちゃうんじゃないですか?」

妹「失礼な! 寝るわけ無いでしょ!」

姉「そうですか……?」





26: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:21:37.95 ID:+DBuKrIC0

〜コンサートホール〜

〜〜♪〜♪♪

姉「……」

妹「ん……すぅ……」

姉(思いっきり寝てるし……)

妹「ふへ……おねぇちゃん……」

姉「……はいはい」ナデナデ

妹「はぅ……」

姉「まったく、結局寝ちゃうんじゃないですか」ナデナデ

妹「んん……」

姉「……ありがとね、こんな素敵なサプライズを用意してくれて」

姉「お姉ちゃん、嬉しいよ……ん、ちゅ……」

妹「んぅ……」

姉「はふ……ふふっ、妹の誕生日、楽しみにしててね?」




終わり





27: ◆a/kVfvST9o:2013/09/29(日) 00:22:50.73 ID:+DBuKrIC0

ありがとうございました。


ちなみにこのSSは一応、
姉「夏ですね、妹」
の続きとなっているので、よろしければそちらもどうぞ。





28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/09/29(日) 00:24:14.09 ID:vthHaa78o

ええな





29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/09/29(日) 00:24:54.92 ID:Ebx4+Cejo

そのまま冬もいこう





 

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