ケンブリッジ大、昆虫の脚に「生体歯車」を発見
ケンブリッジ大学の研究チームはこの度、欧州に生息する “ウンカ類” の一種が後ろ脚に「生体歯車」を備えており、跳躍する際にこれを利用していることを発見しました。このような高度な機能性を備えた人工物様の構造が生物から発見されるのは、これが初めてとのこと。
ウンカ類とは、カメムシ目ヨコバイ亜目に属する特定グループの総称のことで、日本では時折大発生して稲を荒らしたり、ウイルスなどを媒介する害虫として知られています。しかし、そんな体長が僅か5mm程度しかない害虫の後ろ脚には極めて精巧な生体機械が内蔵されていたのです。
下の顕微鏡写真を見るとわかる通り、この形状は明らかに歯車のそれと酷似しています。ウンカ類はこの「生体歯車」とでも呼ぶべき秘密の生体機械によって跳躍を行うのみならず、飛行中の脚の動作制御をも行っています。
これらの綿密な連携によりウンカ類の飛行速度は秒速3m(時速10.8km)にも達し、また、2つの後ろ脚を互いに30マイクロ秒ずつ動作させることで、姿勢も上手くコントロールしているのだそうです。同研究チームは「仮にこの生体歯車が無ければ空中で身体が回転して墜落してしまうだろう」と語っています。
ケンブリッジ大学の研究員であるMalcolm Burrows氏によると、歯車のような形状をした組織の存在はこれまでにも何例か確認されており、トゲヤマガメの甲羅の縁やワニの心臓にそれらが備わっているとのこと。しかし、これらは単なる装飾や模様であったり、血流を制御する弁としての役割しか持っておらず、ウンカ類のような「複数の歯車を組み合わせて同期を行う例」は初めてだと今回の件について説明しています。
ウンカ類の後ろ脚を拡大した写真。歯車のような突起が互いに組み合わさっている。
ただし、このような生体歯車を備えているのは幼虫のウンカ類に限られています。前述したとおり、ウンカ類の幼虫が上手く跳躍するためには生体歯車が完璧に作動していなければなりませんが、実際には跳躍を繰り返す度に生体歯車は損傷してしまいます。
幼虫はこれを脱皮という方法で新品に取り替えることが可能ですが、成虫は脱皮できないので、精巧でナイーブな生体歯車はかえって邪魔な存在になります。破損して役立たずになった生体歯車を抱えたまま捕食動物から逃れるのは容易ではないでしょう。
そのため、成虫は生体歯車に頼らずとも単純な摩擦で飛行できるようになっています。これらのことから、ウンカ類の幼虫に備わっている生体歯車は自転車の補助輪のような役割を持っていると言えます。成長に伴い不要となる道具ですが、幼虫が飛行するためには欠かせないものだという訳です。
ここで人類が作った歯車の歴史を簡単に振り返ってみましょう。実は歯車の正確な発明時期は明らかになっていませんが、2300年前のギリシャでは既に使われていたことが確認されています。9世紀頃には歯車で動く時計が発明されており、そして今日においても歯車はあらゆる機械の中核を担っています。
こうした背景から、歯車をシンボルとして掲げている国家や団体は数多く存在しています。歯車はかつて特定の集団を表す象徴でもあったのです。しかし、実際には人間よりも先に大いなる自然がそれを生み出し、既に活用していたことが今回明らかになりました。
もしかすると自然は、遥か昔から私たちに歯車をもたらそうとしていて、そのヒントをウンカ類の幼虫に託していたのかもしれませんね。
歯車の存在も驚きですが、
後ろ足を振動させて姿勢を制御してるってのにもビックリですね。
すごいもんだなあ。
生命の神秘って奴なのかね。
読みやすくて良記事
虫苦手だけどこうして考えてみるとロマンあるなぁ
生物ってなんか怖い
てくにてぃの記事全般に言えることだけど
読みやすくて好きです。
テクノロジーに興味を持つきっかけになっています。
うわー!これはすごい!
人間ってやっぱり愚かだね。小さな存在だよ。自然に追いつく事なんて絶対にできないし、追いつこうとする事すらできない。
人間も自然物だし追いつくとかではなくそれそのものなんすよ
他の生物と比べて知能が異常に高くてこれまで生み出したものを考えるとこいつらも相当ヤバイっすよ
いや、おもしろかったよ
こういう記事を見る度にインテリジェントデザイン論は本当なんじゃないかと思う
昆虫は宇宙人が地球に送り込んだ小型ロボット
昆虫がそうなら
昆虫以外は?
人は?・・・
〉歯車をシンボルとして掲げている国家や団体は数多く存在しています
五円玉ですねわかります