CEATEC 2013 の富士通ブースでは、先進技術展示として同社研究所の研究成果を発表中。今回、「次世代UI FingerLink」「眠気検知技術」「スマホをかざして生中継のテレビ映像から情報を取得する技術」などを参考出展として披露しています。
FingerLink
FingerLink は、カメラやプロジェクター、スキャナーなどを組み合わせたユニットを利用し、3次元空間の中でさまざまな操作を実現するというもの。今回の試作機は、スタンドライトのような筐体に2つのカメラ、プロジェクター、スキャナーを搭載しており、展示の裏側でPCと繋がっています。2つのカメラとプロジェクターによって、3次元で指の位置を把握し、たとえば紙の資料で説明しながら、付加情報を投影したり、資料を切り抜いたりといった使い方が可能です。現時点で二本指で操作できます。
説明員によると、商品説明や小規模での会議などを想定して開発を進め、2014年度実用化する計画です。
眠気検知技術
眠気検知技術は、運転者の眠気をリアルタイムにモニタリングし、事故防止に役立てようというもの。今回の展示では、耳たぶに装着した心拍数センサーを利用し、計測したデータをBluetooth経由でスマートフォンに転送、眠気を検知すると画面タッチを要求します。富士通研究所では、 覚醒度検知アルゴリズムを運行管理システムや、ドライブレコーダーと連携していく計画。また、眠気検知データをビッグデータとして扱い、たとえば事故多発地点に入るとカーナビで注意を促すといった使い方も想定しています。
テレビ生中継から情報取得
最後の技術は、スマートフォンをテレビやデジタルサイネージにかざして、映像の中から情報を取得しようというもの。「トンツー」とも呼ばれるモールス信号と、QRコード(二次元コード)を動画にあてはめたような技術で、動画の一部に、人間の目では確認できない程度の小さな明滅をが仕込み、スマートフォンをかざすと、動画の中から秒間16bit程度の情報が取得できます。
スマートフォンやタブレットを利用し、動画の中から16〜32bit程度のコードを取得、このコードを元に特定のURLにアクセスして、番組と連携したクーポンなどが得られるという仕組み。
なお、こうした技術は、これまでも研究開発が進められてきましたが、今回、生放送の映像にもコードが仕込めるようになり、実用化が見えてきました。このため、この技術は研究所ではなく、富士通の展示となっています。同社は年内にも導入する計画で、まずは放送局やコンテンツプロバイダーを通じて、試験提供する予定です。