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「ヒッグス粒子」存在を改めて示唆する研究結果…ただし標準理論は完成などしていない - Technity

「ヒッグス粒子」存在を改めて示唆する研究結果…ただし標準理論は完成などしていない

2013年10月4日 09:46 │Comments(8)

Written by くまむん

毎日新聞は4日、東大などが参加する国際研究グループの実証実験により、質量の起源とも言われるヒッグス粒子の存在が確定的なものとなったと報じています。この研究成果は、7日付けの科学誌「Physics Letters B(ページ下部リンク)」に掲載されます。

CMS_Higgs-event 

全宇宙の物理法則を普遍的に説明し得るとされる標準理論のモデルでは、ビッグバンによって誕生した直後の宇宙が「ヒッグス粒子の海」に浸かったことで自由に飛び回っていた素粒子の動きが抑制され、このことが質量誕生のきっかけになったと考えられています。

このヒッグス粒子、1964年にイギリス・エディンバラ大学(当時)のPeter Higgs博士によってその存在が予見されてはいたものの、ごく最近まではその存在を実証することができていませんでした。しかし2012年7月、欧州原子核研究機構(CERN)の大型ハドロン衝突型加速器(Large Hadron Collider, LHC)を使用した実験によって “非常に高い確率でヒッグス粒子と思われるもの” が検出されており、以降、その精度と再現性を確認する作業が進められていました。

今回発表された論文は、2011年から2012年にかけてLHCにおいて得られたデータを再検証したもので、解析の結果、これまでに報告されているものよりも高い精度で理論モデルと実験データの一致を見出したとしています。ちなみに、ソース元の記事では「標準理論完成」と書かれていますが、当該の論文を読んでみるとわかる通り、これは決してヒッグス粒子を巡る議論に最終決着をつけるものではありません。

This Letter presents measurements of several properties of the newly observed particle, including its mass, production strengths and couplings to fermions and bosons, using diboson final states1: H→γγ, H→ZZ⁎→4ℓ, and H→WW⁎→ℓνℓν.
― 当該論文(ページ下部にリンク)のIntroductionより抜粋
The reported results include measurements of the mass and signal strength, evidence for production through vector-boson fusion, and constraints on couplings to bosons and fermions as well as on anomalous contributions to loop-induced processes. The precision exceeds previously published results in several cases. All measurements are consistent with expectations for the Standard Model Higgs boson.
ー 当該論文 (ページ下部にリンク)のConclusionより抜粋

現在CERNでは、より詳細な検証を行ってゆくためにLHCの大改装を行っており、2014年末に再び稼働を開始する予定。

ヒッグス博士は、2013年のノーベル物理学賞の最有力候補と目されており、今回の研究成果はその受賞を後押しするものの一つとなりそうです。いよいよ4日後に迫ったノーベル賞の発表ですが、日本からも何人かの先生方が受賞候補に挙がっているため、発表が待ち遠しく感じます。

今回の成果は、標準理論の核心部の一つ「重力場の量子化」解明に大きく寄与するものですが、これによって標準理論が完成されたわけではないことを、改めて強調しておきます。ちなみに、国際グループに参加しているコーネル大学では既にウェブサイト上で当該論文のアーカイブを掲載していますが、10/3 AM11:00の時点では、東大からはまだ正式なプレスリリースが出ていないようです。

[毎日新聞]
[Physics Letters B  Volume 726, Issues 1–3, 7 October 2013, Pages 88–119(Sciencedirect)]

くまむん

著者 : くまむん

企業の研究所で家電関連技術の研究開発に携わっておりましたが、2013年4月をもって退職し、当サイトの専属となりました。今後ともよろしくお願いいたします。

8 件のコメント

  1. No Name 2013年10月4日 11:40 No.465885 返信

    標準理論の完成なんて永遠に来ないでしょ。
    力の介在がなんらかの粒子によって行われるというドグマがあるかぎり、
    じゃあ最少の粒子のふるまいはどう説明するの?
    となると必ずもっと微細な粒子の存在が予言される。
    この繰り返しなんだし、

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    • No Name 2013年10月4日 11:49 No.465890 返信

      粒子というか関数みたいなものなのでは
      まず仮説してどういうものか詰めていく

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  2. No Name 2013年10月4日 12:35 No.465930 返信

    人間に宇宙を理解する事なんて出来ない。という事が結論だ

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  3. No Name 2013年10月4日 16:53 No.466206 返信

    と、とにかく世界崩壊の危機って事ですか?\(^o^)/

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    • No Name 2013年10月4日 19:28 No.466433 返信

      話聞いてた?

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      • No Name 2013年10月4日 20:05 No.466468 返信

        元記事とソースをまとめると人類は滅亡するってことだろ
        講談社の編集や海外の預言者もそう言ってるんだ。間違いない

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  4. No Name 2013年10月4日 22:34 No.466610 返信

    こういう、宇宙の心理に少しでも近づける様な研究成果があると
    この時代に生まれて良かったと思うと同時に
    あと100年は後に生まれたかったという気持ちも強くなる。

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    • No Name 2013年10月4日 22:40 No.466615 返信

      凄く分かる
      せめて生きてるうちに宇宙旅行に行きたいなw

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この記事にコメント
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