桜田ジュンの感冒『その苦輪の運命』
- 518 :名無しさん:2013/10/07(月) 22:19:41 ID:x7gS1tn.0
- 真紅「ジュン、インターネット通販で買ってほしいものがあるの」
ジュン「ん? 何だ何だ? あまり高いやつは無理だぞ?」
真紅「ネコの死体」
ジュン「は!? 何!? 何だって? ネコの何っつった? 今!!」
真紅「死体よ、死体。ネコの死体」
ジュン「おいおいおいおいおいおいおい! 売ってるわけないだろそんなもの!!
それにどうして真紅がネコの死体なんて欲しがる!?」
真紅「そう……。では、やはり自分の足で探すしか……」クルリ
ジュン「だから、おいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおい!
どこへ行く気だ!? せめて僕の質問に答えてから出かけろ!」
真紅「うるっさいわねぇ。そんなの当然、ネコ除けのために決まっているでしょ」
- 519 :名無しさん:2013/10/07(月) 22:20:42 ID:x7gS1tn.0
- ジュン「ネコ除けのために何でネコの死体が必要なんだ」
真紅「カラスを寄せ付けないための対策として一番有効なのは
ベランダや軒先にカラスの死体を吊り下げることだと聞いたの」
ジュン「……あれって模型とか作り物じゃなかったか?」
真紅「それもある。けど、一番有効なのは、やはり本物の死体だそうよ。
そして宇宙的頭脳派美少女メイデン真紅ちゃんは、これをネコに応用することを閃いた」
ジュン「……美少女メイデンて。鳥バードみたいになっとるぞ」
真紅「水入りペットボトルの効果が薄れつつある今、私がネコから身を守るためには
ネコの死体を背負って生活するのが一番だという結論に到ったのだわだわ」
- 520 :名無しさん:2013/10/07(月) 22:23:14 ID:x7gS1tn.0
- ジュン「ネコは嫌いなくせに、ネコの死体を背負うのは平気なんですか真紅さん?」
真紅「死んだネコは最早ネコではない。ネコの形をした肉よ」
ジュン「……死臭とか腐臭とか、どうするの?」
真紅「お忘れ? この真紅はミイラ作りも嗜んでいる。
ネコをミイラ化すればその辺の問題は全て解決よ」
ジュン「ミイラもクソも、お前イカ捌いただけじゃなかったか(※)」
※真紅、ミイラを作る。 参照
真紅「まあまあ。とにかく、そういうわけで
車に轢かれたネコの死体でも探してくるのだわだわ」スタスタ
ジュン「探すのは勝手だが、自分が車に撥ねられるなよ。
そういうのミイラ取りがミイラになるって言うんだからな」
- 521 :名無しさん:2013/10/07(月) 22:25:34 ID:x7gS1tn.0
- §30分後・再びジュンの部屋
真紅「はぁ~、全然見つからない」ガチャッ
ジュン「帰ってくるの早すぎだろ」
翠星石「もっと根気良く探せです」
雛苺「真紅にはコンブがないのよ」
ジュン「根気な」
真紅「翠星石、雛苺……」
翠星石「話はチビ人間から全て聞かせてもらったですぅよ。
まぁた突飛なことを思いつきで始めちゃって……」
雛苺「うぃ!」
真紅「別にいいじゃない。思いたったが吉日とも言うでしょ。
その証拠(?)に、車に轢かれて、さらにアスファルトで焼かれて
御煎餅みたいになったトノサマガエルなら、すぐに見つかったのよ、ほら」サッ
ジュン「そんなの拾って帰ってくるな馬鹿」
真紅「馬鹿とは心外ね。私は当然、確固たる目的があってこれをもって帰ってきたのよ」
ジュン「目的ぃ?」
真紅「はい、雛苺。これ、あげる」
雛苺「わぁい!」←とりあえず物をもらうと喜ぶ
- 522 :名無しさん:2013/10/07(月) 22:26:54 ID:x7gS1tn.0
- 真紅「いいこと、雛苺。それをあなたのお友達のボス猫に与えなさい」
ジュン「ああ、そうか。ネコなら喜ぶかもな、カエル煎餅」
雛苺「うぃ! ありがとうなのよー真紅ぅ!」
真紅「待ちなさい。まだ話は半分よ。いい? ボス猫がカエル煎餅を食べて
油断している隙に、背後に回りこんで頚椎を狙ってキュッっと……!」
雛苺「きゅ?」
ジュン「こらこらこら! 何を物騒なことを雛苺にやらせようとしとる!!」
真紅「最早これしか残された作戦はないのよ! 分かって頂戴ジュン!」
ジュン「分かってたまるか!」
雛苺「ねぇねぇ、『きゅっ』ってどういうことなのぉ? 翠星石?」
翠星石「チビ苺は知らなくていいことですよ……」
- 523 :名無しさん:2013/10/07(月) 22:28:40 ID:x7gS1tn.0
- 真紅「くっ! もういい! もういいわ! 本当にやれやれって感じだわ!
こうなったら誰も頼らない! 私一人でネコの一匹や二匹! やってみせる!」ダダダッ
ジュン「あ! こら! 真紅!?」
翠星石「まずいですよ! 真紅の瞳には漆黒の殺意が宿っていたですぅ!
あの女はマジでネコをやっちまうつもりです!!」
ジュン「させるかっ! これでも食らえ! おりゃっ」ビュバッ
真紅「かはっ! こ、これはロープ!?」ぴーん
雛苺「ジュンの投げ縄が久しぶりに炸裂なのー!」
真紅「ギブギブギブ! は、離して! 首が……頚動脈が!!」ギチギチ
ジュン「頚動脈ないだろ、お前は。しばらく逆さ吊りで反省してろ」グイグイ
真紅「ひぃいいいい……」
翠星石「投げ縄も逆さ吊りもそうですが、全然チビ人間の手際が衰えねーですねぇ。
流石はマエストロってところですか」
ジュン「ん? そうかな。単にお前達の悪戯に対処する内に
自然と身についていっただけだと思うが……」
- 524 :名無しさん:2013/10/07(月) 22:30:47 ID:x7gS1tn.0
- 逆真紅「いいえ、違う。ジュンは成長している。ジュンに一番縛られているのは私だから分かる。
ここ、最近のジュンのテクニックは天井知らず。ひょっとして、私達の知らない内に
こっそり大人の階段を上ったわけじゃあないでしょうね」
ジュン「……どういう意味だよ、そりゃ」
逆真紅「柏葉巴や柿崎めぐあたりとキャッキャウフフなことしたのかって聞いてるのよ。
刃牙もそれで大幅にテクニシャンになったし」
ジュン「……」
雛苺「キャッキャウフフ? 何それぇ? 楽しそうなのよね?」
翠星石「いやいや真紅。みっちゃんさんという線もあるですよぉ、グヘヘヘヘ」
逆真紅「それもそうね、グヘヘヘヘヘ」
ジュン「下品なことを考えるな馬鹿」ユサユサ
逆真紅「あっ! やめて! 回さないで! ゲロが出そう!」グルグル
- 525 :名無しさん:2013/10/07(月) 22:32:48 ID:x7gS1tn.0
- 薔薇水晶「突然ですが、お邪魔します」ガララッ
ジュン「ッッ!?」
翠星石「ば、薔薇水晶!?」
逆真紅「あら、いらっしゃい。それにしても本当に唐突すぎない?
この真紅ちゃんに用があるのなら、ちゃんと下僕を通してアポを……」
薔薇水晶「……」スタスタ
ジュン「薔薇水晶?」
雛苺「どうしたの? 遊びに来たんじゃないのよ?」
薔薇水晶「動かないでください桜田ジュン」がしっ
ジュン「えっ? ちょっ? 何? 顔……っ! 近っ!?」
薔薇水晶「メガネ邪魔なので外させてもらいますよ」ポイッ
ジュン「うぇ!?」ドキドキ
- 526 :名無しさん:2013/10/07(月) 22:36:05 ID:x7gS1tn.0
- 翠星石「きゃーきゃーっ! 何です何ですぅ?
いきなりチビ人間の唇を奪うつもりですか薔薇水晶は~?」
雛苺「薔薇水晶がチューしちゃうの!」
逆真紅「ちょっ! 何を勝手に私の下僕を誑かそうと!? 新アニメで出番が
無かったことの腹いせ!? 翠星石、雛苺! 見てないで薔薇水晶を止めなさい!」
薔薇水晶「お静かにお三方。私はただ……桜田ジュンを検査しているだけです」
雛苺「けんさ?」
翠星石「そ、それとチビ人間と至近距離で見つめ合うことと何の関係が……?」
逆真紅「そう言えばジュンは以前、ギョウチュウ持ち(※)だったけど
それが駆除しきれずに、眼球にまでギョウチュウが登ってきたとか?」
※桜田ジュンの洗浄『トライアヌスの女帝』 参照
ジュン「……あ、あの薔薇水晶!?」
薔薇水晶「動かないで……」ジーッ
ジュン「……」ドキドキ
- 527 :名無しさん:2013/10/07(月) 22:38:29 ID:x7gS1tn.0
- 蒼星石「……どうだい? ジュン君の様子は? 薔薇水晶」テクテク
翠星石「そ、蒼星石まで!?」
逆真紅「いつの間に?」
蒼星石「急に押しかけてゴメン。迷惑ついでにもう一人、客が来ている」
雛苺「もう一人?」
蒼星石「うん。さ、どうぞ。こっちへ」
クキ「は、初めまして。自分はクキと申します」
逆真紅「あら? クキ……という御名前だということは」
蒼星石「そう、庭師十人兄弟の一人だ(※)」
※薔薇乙女のうた『王樹の夢』 参照
- 528 :名無しさん:2013/10/07(月) 22:41:08 ID:x7gS1tn.0
- 翠星石「庭師連盟からの使いなら、いつもトキボウズが来るはずですが
なんで、また今回はトキよりも、さらにチンチクリンの小僧が来たですぅ?」
雛苺「ジュンより背が低いの」
クキ「んんっ! お、俺は……! いや自分は、
こう見えてもトキの兄なんでございまして……!」
蒼星石「もう挨拶は終わったんだから無理しなくてもいいよクキ。
平素の言葉で喋ったらどうだい。誰も気にしないから」
クキ「そ、そうですか。それはどうも。では、失礼して言葉を崩します」
逆真紅「何かトキとは別方向に堅苦しそうな人ね」
クキ「……俺はこう見えてもトキよりは年上、兄です。お間違いなきよう」
逆真紅「名前的に9番目と10番目でしょ? どっちでもいいじゃない」
クキ「よくはないです。これはれっきとした事実」
翠星石「ま、気持ちは分かるですよ。翠星石も蒼星石の妹に間違われることが多いですから」
ジュン「そりゃ翠星石に問題があるからだろ。
それはそうとクキさんは何の御用で? 薔薇水晶が僕にしている検査とも関係が?」
蒼星石「勿論そうだ。ちょっと複雑で厄介な事件がnのフィールド絡みで起きている」
翠星石「庭師連盟が出張ってくるんですから、厄介事にゃあ違いねーですぅ。
しかし、さっきも少し疑問だったですが、何故トキではなくお前が来たですか?」
クキ「トキは怪我をして、今は動けない。だから代わりに俺が来ました」
雛苺「け、怪我しちゃったの!? 大丈夫なのよ? トキは?」
蒼星石「ああ。安静が必要だが、命に別状はないそうだ」
逆真紅「しかし、何でまたトキが怪我なんて?」
翠星石「水銀燈にちょっかいでも出したんじゃねーのです?」
- 529 :名無しさん:2013/10/07(月) 22:44:04 ID:x7gS1tn.0
- 蒼星石「順番に話そう。薔薇水晶はジュン君の検査を続けてくれ」
薔薇水晶「はい……」ジーッ
ジュン「え? まだまだ薔薇水晶と至近距離で見つめ合わなくちゃいけないの?」
薔薇水晶「我慢してください。かなり微妙な検査ですので」ジーッ
ジュン「は、はい」
クキ「それでは本題だが……『オズ残党軍の教皇(※)』、忘れてはいませんね?」
※薔薇乙女のうた『月に繭 海には魚影』 参照
逆真紅「勿論。あの糞
- :-:2013/10/08(火) 19:46:15
- ホモネタを挟んでくるのはさすがの一言
新シリーズ楽しみです
- :-:2013/10/08(火) 19:46:51
- 乙です
しかし7人中3人が底辺の薔薇乙女って…
- :-:2013/10/08(火) 21:24:34
- なんかもうロゼリオン根絶は不可能じゃねってレベルだな
でも(ジュンが庭師道具を使いまくるかも知れない)今後が楽しみだ
- :-:2013/10/08(火) 21:33:28
- なんか ばらしーが出てくるだけでホッとするわ
『新アニメ』の恐怖を乗り越えた今、恐れるものはなにもない!
いざ、底辺から主役の座を奪還するのだ!!
- :-:2013/10/08(火) 21:42:32
- 二葉さん普通に生存か、心配して損したぜ。
しかしあの頃の「幾らなんでも呪い人形成分強すぎだろ!」な展開が今になって伏線として使われるとは
相変わらず恐ろしいSSシリーズだ。
- :-:2013/10/08(火) 23:20:23
- その気になれば伏線だらけだしな、このシリーズ
ぶっちゃけちゃんと完結するのか不安だぜ