アニメ『ストライク・ザ・ブラッド』原作者インタビュー…2010年代の同時代感 | RBB TODAY
<中略>
― 『ストライク・ザ・ブラッド』という作品の特徴を、三雲さん自身はどのように考えていますか?
― 三雲
望まない形で大きな力を与えられた主人公、というのが自分の中ではとても好きなテーマのひとつで、これまでも様々な形で書いてきたんですけど、古城の場合は、最初からその力をナチュラルに受け入れたところからスタートしているんですよね。
面倒くせえな、くらいの気安さで。こういうスタンスの主人公というのはわりと珍しいと思うし、個人的には、そこが彼の魅力ということで気に入っています。
もうひとつ『ストライク・ザ・ブラッド』の目標として、読者に無用なストレスを与えないということは、すごく意識して執筆しています。たとえば過去のトラウマをいつまでも引きずらせたり、くだらない誤解で人間関係を悪化させたり、ストーリーを盛り上げるためだけに意味もなく登場人物を苦しめるようなことはやめようと。仮に物語のラストでそのトラウマやわだかまりが解けたとしても、読者にそれまでの間ずっと我慢を強いるのは、今どきの娯楽としてちょっとどうなの、という思いがありまして。
心に傷を負っているキャラクターがいたとしても、すでにそれを乗り越えた段階で登場させて、その上で新たな人間関係を構築していく、そういう作劇にしています。これは先ほどの「吸血鬼の苦悩」とも関連した話ですね。
― その無用なトラウマやストレスは避けようと思ったのはなぜですか?
― 三雲
失われた10年という言葉もありますけど、90年代や00年代の前半ぐらいまでは、「世の中全部壊れてしまえばいいのに」みたいな鬱屈した空気があったと思うんです。書き手や読み手の世代的な問題もあって、ライトノベルというジャンルは、比較的最近まで、その影響を引きずっていた気がするんですよね。なので、もうそろそろそういうのはいいんじゃない? という気持ちはありました。
単純に自分がストレスフルな話を読みたくないというだけの理由なんですけど。
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