水銀燈は動かない『密漁メメントリオン』
- 558 :名無しさん:2013/10/13(日) 21:08:28 ID:0.8ma.S60
- §柿崎めぐの部屋
めぐ「ちょっと水銀燈!」ドタドタ
水銀燈「なによぉ? 家に帰ってくるなり、いきなり大声出しちゃって」
めぐ「ジュン君がロゼリオン化したって本当なの!?」
水銀燈「……誰から聞いたの、それ?」
めぐ「金糸雀ちゃん」
水銀燈「ちっ、あの『お喋りクソ乙女』め……」
※詳細は桜田ジュンの感冒『その苦輪の運命』参照
- 559 :名無しさん:2013/10/13(日) 21:09:21 ID:0.8ma.S60
- めぐ「どうして、そんな大変なこと私には内緒にしてたの!?」
水銀燈「内緒にしていたわけじゃないわ。今のところ大した問題じゃないから……」
めぐ「そんなわけあるはずないでしょ! 金糸雀ちゃん言ってたわよ!
『ジュンの頭の中には、真紅細胞に侵されたグレープフルーツ大の腫瘍ができてる』って!」
水銀燈「……あのねぇ、それこそ金糸雀の頭の中で勝手に肥大化した妄想よ」
めぐ「そ、そうなの?」
水銀燈「あのオタンコナスと私、どっちが信用できるかぐらい分かるでしょう」
めぐ「う、うん」
- 560 :名無しさん:2013/10/13(日) 21:10:54 ID:0.8ma.S60
- めぐ「じゃあ、ジュン君はどれぐらいロゼリオン化してるの?」
水銀燈「さあ? 近々、槐のところで精密検査をするとか言っていたような気もするけど」
めぐ「ふーん……。それにしても野薔薇由来じゃなく
ローゼンメイデン由来でもロゼリオンはできるのね」
水銀燈「そのようね。そもそもオズ教団の馬鹿麻呂は当初
私たちをも(第1世代)ロゼリオン化させようとしていた節があった」
めぐ「……ねぇねぇ、水銀燈!」
水銀燈「?」
めぐ「私もロゼリオン化したい! 勿論、水銀燈で!」
- 561 :名無しさん:2013/10/13(日) 21:12:27 ID:0.8ma.S60
- 水銀燈「……」
めぐ「水銀燈? どうしたの? ノーリアクション?」
水銀燈「あっっっきれた!! 本当……もうっ! 呆れた!!
呆れすぎて少し時間の薇が止まっていたわよ! 私の!」
めぐ「何で怒るの~? 水銀燈の黒羽根の一枚でも
食べさせてくれたらいいだけの話じゃない」
水銀燈「嫌よ!! そんな気色の悪い! 大体、あなたロゼリオンになって何をしたいって言うの!」
めぐ「ううん、ロゼリオンはただの手段よ。私の目的はね、水銀燈と一つになりたい、それだけ」
水銀燈「ぐ……」
めぐ「だって水銀燈は一向に私の命を吸ってくれないし
ここは逆転の発想で、私が水銀燈を食べちゃおうって!」
水銀燈「何が『食べちゃおう』よ、このお馬鹿さん!」
めぐ「ええ~? グッドアイデアだと思ったんだけどな~」
- 562 :名無しさん:2013/10/13(日) 21:14:59 ID:0.8ma.S60
- 水銀燈「大体ね、野薔薇だろうと薔薇乙女だろうと
ただそれだけ食べたんじゃロゼリオンにはなれないの」
めぐ「知ってる。メメントリオンでしょ。
あれを『繋ぎ』として一緒に食べないと意味がない」
水銀燈「そうそう。お馬鹿さんなりによく覚えていたじゃない。だから諦めなさ……」
めぐ「薔薇水晶ちゃんもプチロゼリオン化していたわよねぇ……。
確か、槐先生の所に『メメントリオンのミイラ』があって、それを使った。
ひょっとしてミイラがまだ残ってるかも……」
水銀燈「くっ……、余計なことまでしっかり覚えていてくれちゃって」
めぐ「ネクストくんくん探偵ズヒントをちゃんと次週まで覚えてる私をなめちゃいけないわ水銀燈。
よし! そうと決まったら善は急げよ。行きましょう槐先生のアトリエへ!」
水銀燈「何がどう決まったって言うの! 私最初からずっと反対してたでしょ!
あなたって本当、昔から全然、他人の話聞かない子ね!
それに『善は急げ』なら、『悪はのんびり』よ。私はセカセカと動き回る気はない」
めぐ「むーっ! じゃあ、いいもんいいもん。水銀燈が協力してくれないなら
また雪華ちゃんと合体しちゃうもん。あれロゼリオンじゃないけど似たようなものだし」
水銀燈「はいはい。好きになさい。そんな脅しに私が屈すると思って?
何度でもアンタから末妹を引っぺがすだけのこと。
ま、次も上手くいくかどうかは分からないけどぉ」
めぐ「もう~~~っ! 水銀燈ったら憎まれ口ばっかり! もう知らない!」ダダダッ
水銀燈「やれやれだわ……」
- 563 :名無しさん:2013/10/13(日) 21:18:43 ID:0.8ma.S60
- §ドールショップ槐・最奥のアトリエ
槐「え~、それでは本日は桜田ジュン君の精密検査を行いたいと思います。
主な目的はジュン君の体内で実際にロゼリオン化してる部分を確認することです」
ジュン「……よろしくお願いいします」
薔薇水晶「……」
真紅「いぇ~い!」パフパフ
翠星石「検査です検査ですぅ!」ドンドン
雛苺「あいと、あいとー! ジュンー!」
ジュン「うるさいぞ馬鹿ども。鳴り物しまえ。大体、何でついて来た?」
真紅「『何で』とは、つれないわねジュン」
雛苺「ヒナ達はジュンのことが心配で心配でたまらないのよ!」
翠星石「そうですぅ! チビ人間の事で胸がいっぱいで
翠星石は今朝もフレンチトーストぐらいしか喉を通らなかったのですぅ」
ジュン「お洒落で高カロリーなものをがっつり食ってんじゃねぇかよ」
- 564 :名無しさん:2013/10/13(日) 21:22:36 ID:0.8ma.S60
- 槐「まあまあ、ジュン君も検査前にそう興奮するのは良くない」
ジュン「す、すいません」
槐「ちゃっちゃと始めちゃおうか。それじゃ服脱いで全裸になってそこの台に乗ってくれる?」
ジュン「え!? 全裸!?」
槐「そりゃそうでしょ。だって、ロゼリオン化の影響がどこに出てるか全身くまなく調べるんだからさ」
ジュン「そ、そうですよね。分かりました」
真紅「そうよそうよ! 検査のためよジュン!」
雛苺「恥ずかしがってちゃダメなの!」
翠星石「さっさと脱いでストリップ始めやがれですぅ!」
槐「君達、この部屋に残る気満々みたいだけど、邪魔だし
ジュン君にも精神衛生上よろしくないから出ていってくれる?」
翠星石「なんですとー!?」
雛苺「そんなのイヤなのー」
真紅「そうよ! 私達はジュンのケツの穴の皺の数まで見届ける義務がある。
どうしても出ていってほしいのなら力ずくで……」
- 565 :名無しさん:2013/10/13(日) 21:24:04 ID:0.8ma.S60
- 槐「薔薇水晶、その三馬鹿追い出して」
薔薇水晶「はい、お父様。では御三方、客間の方に。お菓子も用意してありますから」
雛苺「え! お菓子!?」トテテ
翠星石「こらチビ苺! 食べ物にあっさりつられてるんじゃあねーですよ」
薔薇水晶「さ、残るお二人も」
真紅「私達は雛苺のようにいかなくてよ薔薇水晶!」
薔薇水晶「くんくん探偵スペシャルDVDも用意してありますが?」
真紅「観る観る~」スタタタ
翠星石「真紅ぅ!?」
薔薇水晶「蒼星石も待ってますよ」
翠星石「え、本当ですか?」タタタッ
- 566 :名無しさん:2013/10/13(日) 21:25:46 ID:0.8ma.S60
- 薔薇水晶「三馬鹿を客間に置いてきました、お父様」ガチャッ
槐「ご苦労さん」
ジュン「え、ちょ!? 何で薔薇水晶戻ってきちゃってるの? 僕もう服を脱いじゃって」アタフタ
槐「何言ってるの? 薔薇水晶は僕の助手だよ。検査も手伝ってもらうに
決まってるじゃない。彼女のロゼリオン探知力も役に立つしね」
ジュン「うぇっ!?」
薔薇水晶「そういうことです桜田ジュン」
槐「よし、それじゃあ先ずはビデオ回して、ちゃんと記録とってね薔薇水晶」
薔薇水晶「はい」
ジュン「ビデオ撮るの!?」
- 567 :名無しさん:2013/10/13(日) 21:30:22 ID:0.8ma.S60
- §ドールショップ槐・隣の客間
______
\ |「 ̄ ̄ ̄ `||`l /
─ || ォ゚゚゚Πへ.:|| :| ─
/ |L二二二ニ!| ;| \
| ̄ ̄| ̄ ̄|~::|
|__|__|/
くんくん『貴方が水を与えていた観葉植物は造花だったんですよ、犯人さん!』
犯人『な、なんだってーっ!?』
くんくん『このペンションの主人らしく振舞うため、そうしたんでしょうが
もし本物の主人であれば、そんなことはしない!
つまり、貴方は主人に成りすました偽者だということです!』
犯人『くっ! そ、そうだったのか』
くんくん『ホンモノそっくりにできていても、僕の鼻はごまかされない。
作り物の花にも、犯人である貴方にもね』
けんけん『す、素敵です! 流石、くんくん先生』うるうる
真紅「全くだわ。くんくん探偵はいつも素晴らしい観察眼を披露してくれる……」
雛苺「うまうま。薔薇水晶の顔をした人形焼、美味しいの!」モシャモシャ
翠星石「いやー、本当に蒼星石も来てたんですねぇ」
蒼星石「そりゃ僕もジュン君の容態は気になるから」
- 568 :名無しさん:2013/10/13(日) 21:31:02 ID:0.8ma.S60
- §ドールショップ槐・アトリエ(検査室)
槐「ちゃんとビデオ回ってる薔薇水晶? 後で『撮れてませんでした』ってのが一番困るからね」
薔薇水晶「ばっちりです、お父様。桜田ジュンのケツの穴の皺の数まで鮮明に」
ジュン「そ、そこまでしなくても……!」
槐「動かないでジュン君! 今、ローション塗ってるんだから!」
ジュン「……すいません」
- 569 :名無しさん:2013/10/13(日) 21:35:20 ID:0.8ma.S60
- §ドールショップ槐・隣の客間
くんくん『ネークストくんくん探偵ズヒーントッ!』
けんけん『【硫酸】!』
くんくん『それじゃ来週も~っ! よろし~っ……くんくーん!!』
雛苺「くんくーん!」
真紅「くんくーん! くーっ! くぁー! くぁああッーーーー!」
蒼星石「ちょ、ちょっと真紅!? 興奮しすぎ……」
翠星石「大丈夫です蒼星石。真紅はくんくん探偵をぶっ続けで見ると、たまにこうなっちまうのです」
真紅「ふーふー……っ。はぁはぁ」ゼイゼイ
- 570 :名無しさん:2013/10/13(日) 21:39:13 ID:0.8ma.S60
- 雛苺「今日もくんくんは素敵で頼もしかったのよ!」
翠星石「それにしてもネクストくんくん探偵ズヒントを次週まで
ちゃんと覚えている奴なんているんですかねぇ。
これはDVDだから、すぐ次の事件が始まるんですが」
蒼星石「そうだね……」
♪カランコローン
真紅「ん? 何この音?」
蒼星石「ドア鈴だ。誰かお客さんが来たみたいだね」テクテク
翠星石「え? どこ行くんです蒼星石?」
蒼星石「応対だよ。槐先生と薔薇水晶の手が離せない間は
僕がお客さんの話を聞くように頼まれている」
翠星石「んー? そんなこと翠星石には一言も言ってなかったですよ槐と薔薇水晶は」
- 571 :名無しさん:2013/10/13(日) 21:41:46 ID:0.8ma.S60
- 蒼星石「そりゃ君達に接客なんてできるわけがないと……」
翠星石「なんですと!」
真紅「失礼ね。私達
- :-:2013/10/14(月) 16:31:53
- 早速最新ネタキタ━━(゚∀゚)━━!!
- :-:2013/10/14(月) 16:41:10
- あれ?水銀燈不在?と思ったら別働してる銀ちゃんマジツンデレ
そして肛門を観察するって薔薇水晶・・・(察し)
- :-:2013/10/14(月) 17:05:45
- ジュン… 喉と心臓って死のウエディングリングじゃねーか
日数制限がないだけマシか?
- :-:2013/10/14(月) 17:15:10
- 密漁海岸ネタってことは 二日で書いたのか…お疲れ様です。
真紅細胞は 肉の芽より厄介そうだな…
- :-:2013/10/14(月) 17:29:13
- あまちゃん(+密漁海岸)からの滝川クリステルっぽい薔薇水晶ときたんで半沢ネタも来るかと思った
伏線を回収するついでにばらしーのご趣味も収束してきてるな…
- :名無しのフィール:2013/10/14(月) 18:35:05
- しかしどこぞの密猟と違って随分簡単だったな
水銀燈はロゼリオン化することをどう思ってるのか…
- :-:2013/10/14(月) 19:10:50
- ケツの穴の皺の数とか観葉植物が造花だったとか
このシリーズの小ネタの多さには毎度恐れ入るでぇ……!
しかし薔薇水晶暴走し過ぎじゃね?
いいぞもっとやれ
- :-:2013/10/14(月) 19:32:50
- さりげなく鉄鍋のジャンネタも入れてくるとは、ヤルな
- :-:2013/10/14(月) 21:44:16
- ばらしーが ジュンをNTRために土台を着々と築いているな
どうせ ばらしーが後ろから攻める側かと思うと 全然ときめけないんですが…
- :-:2013/10/14(月) 22:26:25
- 槐先生は娘が腐る手助けをしていいんですかねえ・・・(困惑)
あと、金銀コンビはいい仕事をするなぁ。
- :-:2013/10/14(月) 22:49:16
- のんびり動いたのよね? 覚えてるんだから なんて
また意外に抜けてそうな黒羽根
- :-:2013/10/14(月) 22:59:56
- >真紅「失礼ね。私達は人間様に媚び売ってなんぼの人形よ。
お客様にヘーコラするぐらいで屁でもないのだわだわ」
そのくせマスターを下僕呼ばわりする真紅はゲス乙女の鑑