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"精神読み取り装置"の実現に繋がるかもしれない研究成果 ―米スタンフォード大 - Technity

“精神読み取り装置”の実現に繋がるかもしれない研究成果 ―米スタンフォード大

2013年10月16日 07:54 │Comments(14)

Written by くまむん

スタンフォード大学・医科大学院のJosef Parvizi氏らの研究グループはこのたび、「自然状態」における脳活動を高精度に記録・解析するシステムを開発し、実際にこれを用いて新たな脳機能を発見したと発表しました。この成果は、15日付けの科学誌 “Nature Communications” に掲載されています。

 mind-reading

これまでにも、様々な外的刺激に対して脳がどのような反応を示すのかを分析した研究は数多くなされてきました。近年では、fMRI(機能的磁気共鳴画像法)や脳波計などの測定装置も高性能化が進み、一昔前にはモヤがかったように曖昧にしか判らなかった脳の活動状況も、かなり正確に把握できるようになってきています。

しかし、これらの測定では脳の特定領域について1つの機能にフォーカスした測定しか出来ず、また被験者は測定時に特殊な環境下に置かれることから、我々がふだん身を置いている「自然な」環境下における実際的な脳活動パターンを測定した例はほとんど報告されていません。

<ワンポイント>
実際に脳波測定やMRIでの診断を受けてみるとわかりますが、真っ暗な部屋のなかでベッドに横になったまま延々と深呼吸をさせられたり、目の前で高速点滅する光を見せられたりと、その測定シーンはかなり非日常的なものです。Parvizi氏らの研究では、こうした特殊な環境下ではなく、実際の生活環境に近いシチュエーションで脳の反応をモニタリングしようとした、というわけです。

こうした状況にあってParvizi氏らは、「頭蓋内記録(intracranial recording)」という手法を用いることで、より現実的なシチュエーションでの計測を実施。投薬でも効果が見られず、外科手術が必要となっている三人のてんかん患者の大脳皮質表面に電極を設置し、脳の神経活動によって発生する電気信号を1週間にわたって記録しました。

X-ray-showing-electrodes

頭蓋内記録のために電極を取り付けた状態のX線写真。(引用元

この期間中に被験者は、テストの一環として「2+4=5は正しいか?」や「今朝、朝食のときにコーヒーを飲んだか?」といった質問に答えるなどのタスクを行っていますが、それ以外は通常の入院生活と変わらない状況に置かれており、飲食や会話、ビデオ鑑賞なども自由に行なうことが出来たとのこと。

こうした実験の結果、従来は数字を数えたり計算を行ったりした時にのみ神経活動が活発になると考えられていた「頭頂間溝(intraparietal sulcus)」と呼ばれる領域が、 “many(多くの)” “some more (もう少したくさん)” などの曖昧な量を表す単語を用いている時でも特異的に活発になっていることがわかったのです。

この成果の最大のポイントは、日常生活の中で自然に交わしている言葉や行動とリンクした脳活動を、高精度にトレースすることを可能にした点にあります。スタンフォードのプレスリリースでは、今後この技術が進んでゆけば、言語障害をもつ人々とのより相互的なコミュニケーションが可能になったり、ひいては「マインド・リーディング・デバイス(精神読み取り装置)」の実現にも繋がるものだとしています。

おまけ

脳に直接電極を貼り付けるというとショッキングに感じるかもしれませんが、脳外科の分野では割と日常的に行われているようです。

以前にBMI(Brain Machine Interface、脳波を利用して機械や機器を動作させる試み)のワークショップに参加したことがあるのですが、登壇者の方々がごくありふれた口調で「頭蓋内に長さ5cmほどの電極を挿入し〜…」などと語っておられるのを聞いてビックリした覚えがあります。

[Stanford School of Medicine via Sciencedaily]
[Numerical processing in the human parietal cortex during experimental and natural conditions (Nature Communications)]

くまむん

著者 : くまむん

企業の研究所で家電関連技術の研究開発に携わっておりましたが、2013年4月をもって退職し、当サイトの専属となりました。今後ともよろしくお願いいたします。

14 件のコメント

  1. ガジェ大好き名無しさん 2013年10月16日 08:05 No.481938 返信

    (ファミチキください)

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    • No Name 2013年10月16日 10:11 No.482027 返信

      こいつ直接脳内に・・・電極を!!

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    • No Name 2013年10月16日 10:21 No.482036 返信

      そのLAN直結者めいた彼のカキコミは、彼のバイオスモトリめいた風格を想像させるに実際充分だった。おお!ナムサン!

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    • No Name 2013年10月16日 18:26 No.482476 返信

      (うちはローソンです)

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  2. ガジェ大好き名無しさん 2013年10月16日 08:07 No.481941 返信

    マトリクスの世界が近づいたね

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  3. No Name 2013年10月16日 09:04 No.481977 返信

    実際の所、脳の生成は個々違うだろうから、ザックリした情報しか読み取れないでしょ。
    それか、個々の脳を予め登録し、海馬とか変化の大きい部分は随時更新記録。。

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    • No Name 2013年10月16日 09:35 No.481999 返信

      いや、機能局在は誰でも同じだし、同じ部分を測るようにしてあるから、情報は正確だよ。

      それより、これはNILSだろうから、表面部分しかわからないんだよね。扁桃体や島皮質みたいな部分は測定ご難しいから、また感情とか、の高次機能は難しいと思うけど。
      BMIは運動感覚だけなのかな?

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      • No Name 2013年10月16日 23:59 No.482670 返信

        >登壇者の方々がごくありふれた口調で「頭蓋内に長さ5cmほどの電極を挿入し〜…」

        とか言っているから外側溝を持ち上げて島皮質に電極を設置することは可能なんじゃないか
        また扁桃体も脳室からうまいこと設置することが出来そうなきがする。
        でも倫理的な観点からむりかな?
        BMIは0と1が測定できればいいからどこでも可能じゃね。

        あとこの技術があれば薬の効果をかくにんできそうだね

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  4. No Name 2013年10月16日 11:57 No.482127 返信

    また研究グループ部活動の戯言か

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  5. ガジェ大好き名無しさん 2013年10月16日 12:18 No.482155 返信

    >>脳に直接電極を貼り付けるというとショッキングに感じるかもしれませんが

    フハハ、怖かろう

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  6. No Name 2013年10月16日 13:02 No.482215 返信

    俺がニュータイプになる時が来たか

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  7. No Name 2013年10月16日 14:17 No.482252 返信

    脳に電極付けた状態でえろい事考える気にはならんだろうな。

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  8. No Name 2013年10月16日 18:45 No.482489 返信

    電極を差し込むと脳の細胞が破壊されないのかな?
    えろい事を思っていた所に電極がズブリと刺さりニューロンがプチッと切れて
    「あれ?俺、今、何を考えていたっけ」になりそうなんですが。

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  9. No Name 2013年10月16日 19:52 No.482538 返信

    ジェイス!

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