アメリカ・カリフォルニア州で起きたとされる原発事故で、三菱重工業(以下三菱重工)に

約4000億円損害賠償を求めて、仲裁裁判が起こされました。

画像:【サンオノフレ原子力発電所(アメリカカリフォルニア)】
サンオノフレ原子力発電所
http://cryptome.org/eyeball/san-onofre/san-onofre-npp.htm

17日、アメリカカリフォルニア州南部のサンオノフレ原発を運営していたサザン・カリフォルニア・エジ

ソン社(SCE)が三菱重工に対し、約4000億円の損害賠償を求めて国際仲裁裁判所に仲裁を申し

立てました。

2012年1月、サンオノフレ原発の3号機で放射性物質を含む水漏れが発見され、緊急停止されまし

たが、燃料補充のために停止中だった2号機も検査したところ、計約1万5000ヶ所の配管磨耗も発

見され、今年6月7日、SCE社は2号機3号機ともに廃炉とすることを決定しました。

7月、SCE社は

「三菱重工がテストを適正に行わず、配管の破損を回避するような構造を設計しなかった」

として、責任を求めることを発表。

これに対し、三菱重工は次のように反論していました。

画像:【三菱重工(公式サイトより)】
三菱重工
http://www.mhi.co.jp/ee/index.html

米国サザンカリフォルニアエジソン社
サンオノフレ原子力発電所廃炉について

漏えいの直接的原因は、U字管部における伝熱管同士の接触による摩耗と判断されました。この摩耗現象は、他のU字タイプのSGにおいて、これまで発生したことのないものです。

また、SONGS向けSGは、十分に確立され認められた規格・基準に加え、当社及び社外専門家の知見・経験を踏まえて設計され、SCE承認を得て製作されたものです。

3号機においてSGの伝熱管漏えいが発生してからこれまで、当社は関係法令や産業界の知見、当社の蓄積された経験等に基づき、摩耗の原因分析を行い、当該プラントを安全に運転再開する為に必要な技術事項の検討をSCEとともに行うとともに、安全かつ現実的な補修プランを検討、提案してまいりました。当社は今後も米国原子力規制委員会のSONGSに関連する調査に協力いたします。

SCEによる今回の通知を受け、今後は当事者間で契約に基づく紛争解決手続きに入ります。SCEが紛争通知の中で述べている主張および要求は、交渉の経緯、契約履行の事実を正確に反映していない不適切な内容であり、根拠のないものです。当社は今後の紛争解決手続きを通じて、関連する事実を正確に説明することによってSCEの主張および要求が不当であることを主張してまいります。なお、当社は当該手続きの過程において、当社として必要な対抗措置を取ることも検討してまいります。

SCEが米国証券取引委員会に提出したレポートに記載されているとおり、契約上の当社の責任上限は約1億3,700万米ドルであり、代替燃料コストを含め間接損害は排除されています。前述の契約上の責任上限及び当社が契約を適切に履行してきたこと等を踏まえ、現時点で当社業績への影響はないと考えております。本件に関して今後新たに開示すべき事項が発生した場合には、速やかにお知らせいたします。

注.Mitsubishi Nuclear Energy Systems, Inc.は、当社の100%子会社であり当社原子力事業の米国拠点です。

以 上

(引用元:http://www.mhi.co.jp/notice/notice_130719.html)

賠償請求の仲裁を受けて、17日、三菱重工は新たに次の内容を発表しました。

当社に対する仲裁申立に関するお知らせ

三菱重工業株式会社とMitsubishi Nuclear Energy Systems, Inc.(注1)(以下両社を合わせて単に「当社」といいます)は、米国において下記のとおり仲裁を申し立てられましたので、お知らせいたします。なお、本件仲裁は、平成25年7月19日付「(開示事項の経過)米国サザンカリフォルニアエジソン社サンオノフレ原子力発電所廃炉について」でお知らせした米国サンオノフレ原子力発電所(San Onofre Nuclear Generating Station、以下「SONGS」といいます)の取替用蒸気発生器(Replacement Steam Generator)供給契約(以下「本件契約」といいます)上の紛争解決手続きに基づくもので、新たな紛争ではありません。


1. 仲裁申立の場所等
(1) 場所 サンフランシスコ (米国カリフォルニア州) (2) 仲裁ルール 国際商業会議所仲裁規則 (3) 準拠法 米国カリフォルニア州法 (4) 申立日 平成25年10月16日(米国時間)2. 仲裁を申し立てた者
(1) 名称
(ア) Southern California Edison Company (以下「SCE」といいます)
(イ) Edison Material Supply LLC(注2)(以下「EMS」といいます) (2) 所在地
(ア)、(イ)とも
2244 Walnut Grove Avenue, Rosemead, California 917703. 仲裁申立の経緯および内容
(1) 経緯
平成25年7月18日、当社はSCEから本件契約上の紛争解決条項に基づく紛争通知を受領、その後当社から反論書を提出し、両者で協議を実施しておりましたが、解決に至らなかったとして、今般同条項に基づきSCE及びEMSが仲裁を申し立てたものです。 (2) 内容
SCE及びEMSは、本件契約の保証義務違反等に基づき、当社に対し下記金額の損害賠償を求めております。4. 請求額
40億米ドル(約3,920億円)以上

5. 今後の見通し
平成25年7月19日にお知らせしたとおり、SCEの請求は、交渉の経緯、契約履行の事実を正確に反映していない不適切な内容であり、根拠のないものです。当社は今後の仲裁手続きを通じて、関連する事実、並びに根拠となる法令を正確に説明することによってSCEの主張および要求が不当であることを主張してまいります。また、当社はSCEの不適切なSONGS再稼働や補修・取替に対する対応に伴い、損害を被っており、同仲裁手続き内で反対請求をしてまいります。

SCEが米国証券取引委員会に提出したレポートに記載されているとおり、契約上の当社の責任上限は約1億3,700万米ドルであり、代替燃料コストを含め間接損害は排除されています。前述の契約上の責任上限及び当社が契約を適切に履行してきたこと等を踏まえ、現時点で当社業績への影響はないと考えております。

なお、SONGSの共同所有者であるSan Diego Gas & Electric Company及び City of Riverside(注3)が当社に対し、本件契約の保証義務違反や当社の不法行為責任等に基づき、訴訟を提起しました(現在、米国連邦地裁(南カリフォルニア地区)に係属中)。当社は本件契約に関連するすべての紛争は契約上の規定に従い仲裁で解決されるべきと考えますので、同地裁に当該訴訟の停止を求めております。

本件に関して今後新たに開示すべき事項が発生した場合には、速やかにお知らせいたします。

注1. Mitsubishi Nuclear Energy System, Inc.は、当社の100%子会社であり当社原子力事業の米国拠点です。
注2. Edison Material Supply LLCは、SCEの100%子会社です。
注3. SONGSは、SCEが78.2%、San Diego Gas & Electric Companyが20%、City of Riversideが1.8%の比率で共同所有しております。

以 上

(引用元:http://www.mhi.co.jp/notice/notice_131017.html)

三菱重工とSCE社間での契約上の賠償限度は約137億円となっていますが、SCE社は全損害の賠償を

請求しています。

契約上の賠償限度を大きく上回る請求ですが、仲裁裁判所はどのような結論を出すのでしょうか・・?