2013年10月20日
【メディア / 書籍 /DVD 】 コミックス「 KIMURA 木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか vol.0 & vol.1 」発売 < 週刊大衆編集部
週刊大衆誌上にて連載中の「KIMURA〜木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」(原作・増田俊也、作画・原田久仁信)。10月21日に、コミックスvol.0とvol.1が発売されます。
本作品は、原作者・増田氏から原田氏への熱烈なラブコールにより、連載が実現した経緯があります。
増田氏が学生時代から愛読していた梶原一騎氏の自伝的漫画『男の星座』(原作・梶原一騎、作画・原田久仁信/日本文芸社 ※梶原氏の死により、未完のまま終了)。『男の星座』の冒頭で描かれた木村政彦vs力道山の「昭和の巌流島」対決は、増田氏が原作本『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』の原点とも言えるシーンです。
増田氏の本作品にかける想いは『ゴング格闘技』さんの対談をご一読いただければ、幸いです。
http://urx.nu/5oLp (原田久仁信×増田俊也「大河漫画連載『KIMURA』を語る。」/『ゴング格闘技』2013年8月号)
vol.0は、原作者・増田俊也が18年の歳月を費やして書き上げた原作本『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』(新潮社)の誕生までの秘話を描いたプロローグ作品です。
【KIMURA vol.0】
1993年春、ジャーナリスト・猪瀬直樹(現東京都知事)が、木村政彦の訃報に接し、週刊文春に発表した一本のコラム「枯れない殺意」。
そこには、かつて取材に訪れた猪瀬に対し、老年の域に達した木村政彦が吐いた、怨念にも似た言葉が記されていた。「あいつ(※力道山)は卑怯な男ですよ」「だから、(※念で)殺したんだ」とうそぶく木村。
そのコラムを読んだ若き日の増田は、木村の胸の中で力道山戦の敗北が生涯消えない傷として刻まれていた事実を知る。尊敬してやまない最強柔道家の仇を取る――27歳の増田俊也は、鉛筆を握り、原稿用紙に向かった。
時は流れ、1995年4月20日。
この日、日本武道館にはその後の総合格闘技ブームを生み出す、歴史的な興行が行われようとしていた。
バーリ・トゥード・ジャパンオープン95。
初期のUFCを席巻していたグレイシー柔術の本丸、ヒクソン・グレイシーが出場するとあって、格闘技関係者や熱心なプロレス・格闘技ファンが集まっていた。
増田俊也もまた、観客席からリングを見つめていた。その横に座る北大柔道部の同期、竜澤宏昌と松井隆。彼らがそこにいた理由は、ヒクソンを見るためではなかった。北大柔道部の後輩であり、1回戦で“喧嘩屋”ジェラルド・ゴルドーと相対するシューティング所属の格闘家・中井祐樹の“死に水”をとるためだった。
客席の大多数が「ゴルドー勝利」を望み、確信していたこの舞台。だが、中井は寝技を武器に劇的な勝利を収める。ゴルドーのサミングにより、とてつもなく大きな代償を負いながら……。
そのまま勝ち進んだ中井は、決勝でヒクソンの牙城に挑むも、ついに力尽きる。
戦前、誰も予想していなかった中井の快進撃。それにもっとも強く衝撃を受けたのは、「中井はゴルドーに勝てない」と信じ込んでいた増田自身だった。
「不可能なことなんてないんだ。中井がそれを証明してくれた。限界を作っていたのは自分自身なんだ」
後輩が大舞台で見せた折れない心と勝利への執念。
木村政彦の仇討を胸に誓ったあの日。
初志を貫徹するべく、増田はさらに自らの魂を原稿へと注ぎ込んだ――。
また、vol.1は、木村政彦が熊本で過ごした幼少期を描いています。
【KIMURA vol.1】
昭和初期、熊本。
武道を尊ぶこの地で、木村政彦は貧しい砂利採り人夫の子として生まれた。
幼少の頃から、父を手伝い、朝4時から川に入り、長い日には14時間も川の砂利をすくい上げる日々。この辛く、過酷な労働を繰り返す中で、強靭な足腰が培われていた。
ある日、尋常小学校に通っていた政彦が、柔道日本一と称えられる郷土の英雄・牛島辰熊の凱旋パレードに出くわした。
少しでも近くでみたいと、政彦は牛島が乗る馬車の下に潜り込む。間近で目にした、牛島辰熊の鋭き眼光。政彦の瞳には、そこに一匹の気高き虎が映っていた。
牛島の憧れを胸に、政彦は町道場へと通い始める。
酒飲みの師匠のもと、柔道に打ち込む中で、政彦は強さへの憧れをさらに強くしていく。
尋常小学生高学年で出場した相撲大会で、政彦は市大会、県大会を柔道技の大外刈りで制し、ついに全九州大会へと駒を進める。決勝は勇み足で敗れたものの、全九州2位の成績を残す。
この活躍が政彦の人生を変える。
熊本の柔道強豪校・旧制鎮西中学校。その柔道部顧問が、政彦に目を付けたのだ。
当時、貧しい砂利採り人夫の子は、進学などせず、そのまま稼業を継ぐことが普通だった。
強さが、一人の貧しい少年の運命を切り拓こうとしていた――。
原田氏が「還暦をすぎて週刊誌連載をするとは思いもしなかった。死ぬ気でやっています」と言い、増田氏もまた「命を賭して書いている」と語る本作品。
現代の男の星座たちからの命がけのメッセージを受けとるべく、ぜひご一読ください。
本作品は、原作者・増田氏から原田氏への熱烈なラブコールにより、連載が実現した経緯があります。
増田氏が学生時代から愛読していた梶原一騎氏の自伝的漫画『男の星座』(原作・梶原一騎、作画・原田久仁信/日本文芸社 ※梶原氏の死により、未完のまま終了)。『男の星座』の冒頭で描かれた木村政彦vs力道山の「昭和の巌流島」対決は、増田氏が原作本『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』の原点とも言えるシーンです。
増田氏の本作品にかける想いは『ゴング格闘技』さんの対談をご一読いただければ、幸いです。
http://urx.nu/5oLp (原田久仁信×増田俊也「大河漫画連載『KIMURA』を語る。」/『ゴング格闘技』2013年8月号)
vol.0は、原作者・増田俊也が18年の歳月を費やして書き上げた原作本『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』(新潮社)の誕生までの秘話を描いたプロローグ作品です。
【KIMURA vol.0】
1993年春、ジャーナリスト・猪瀬直樹(現東京都知事)が、木村政彦の訃報に接し、週刊文春に発表した一本のコラム「枯れない殺意」。
そこには、かつて取材に訪れた猪瀬に対し、老年の域に達した木村政彦が吐いた、怨念にも似た言葉が記されていた。「あいつ(※力道山)は卑怯な男ですよ」「だから、(※念で)殺したんだ」とうそぶく木村。
そのコラムを読んだ若き日の増田は、木村の胸の中で力道山戦の敗北が生涯消えない傷として刻まれていた事実を知る。尊敬してやまない最強柔道家の仇を取る――27歳の増田俊也は、鉛筆を握り、原稿用紙に向かった。
時は流れ、1995年4月20日。
この日、日本武道館にはその後の総合格闘技ブームを生み出す、歴史的な興行が行われようとしていた。
バーリ・トゥード・ジャパンオープン95。
初期のUFCを席巻していたグレイシー柔術の本丸、ヒクソン・グレイシーが出場するとあって、格闘技関係者や熱心なプロレス・格闘技ファンが集まっていた。
増田俊也もまた、観客席からリングを見つめていた。その横に座る北大柔道部の同期、竜澤宏昌と松井隆。彼らがそこにいた理由は、ヒクソンを見るためではなかった。北大柔道部の後輩であり、1回戦で“喧嘩屋”ジェラルド・ゴルドーと相対するシューティング所属の格闘家・中井祐樹の“死に水”をとるためだった。
客席の大多数が「ゴルドー勝利」を望み、確信していたこの舞台。だが、中井は寝技を武器に劇的な勝利を収める。ゴルドーのサミングにより、とてつもなく大きな代償を負いながら……。
そのまま勝ち進んだ中井は、決勝でヒクソンの牙城に挑むも、ついに力尽きる。
戦前、誰も予想していなかった中井の快進撃。それにもっとも強く衝撃を受けたのは、「中井はゴルドーに勝てない」と信じ込んでいた増田自身だった。
「不可能なことなんてないんだ。中井がそれを証明してくれた。限界を作っていたのは自分自身なんだ」
後輩が大舞台で見せた折れない心と勝利への執念。
木村政彦の仇討を胸に誓ったあの日。
初志を貫徹するべく、増田はさらに自らの魂を原稿へと注ぎ込んだ――。
また、vol.1は、木村政彦が熊本で過ごした幼少期を描いています。
【KIMURA vol.1】
昭和初期、熊本。
武道を尊ぶこの地で、木村政彦は貧しい砂利採り人夫の子として生まれた。
幼少の頃から、父を手伝い、朝4時から川に入り、長い日には14時間も川の砂利をすくい上げる日々。この辛く、過酷な労働を繰り返す中で、強靭な足腰が培われていた。
ある日、尋常小学校に通っていた政彦が、柔道日本一と称えられる郷土の英雄・牛島辰熊の凱旋パレードに出くわした。
少しでも近くでみたいと、政彦は牛島が乗る馬車の下に潜り込む。間近で目にした、牛島辰熊の鋭き眼光。政彦の瞳には、そこに一匹の気高き虎が映っていた。
牛島の憧れを胸に、政彦は町道場へと通い始める。
酒飲みの師匠のもと、柔道に打ち込む中で、政彦は強さへの憧れをさらに強くしていく。
尋常小学生高学年で出場した相撲大会で、政彦は市大会、県大会を柔道技の大外刈りで制し、ついに全九州大会へと駒を進める。決勝は勇み足で敗れたものの、全九州2位の成績を残す。
この活躍が政彦の人生を変える。
熊本の柔道強豪校・旧制鎮西中学校。その柔道部顧問が、政彦に目を付けたのだ。
当時、貧しい砂利採り人夫の子は、進学などせず、そのまま稼業を継ぐことが普通だった。
強さが、一人の貧しい少年の運命を切り拓こうとしていた――。
原田氏が「還暦をすぎて週刊誌連載をするとは思いもしなかった。死ぬ気でやっています」と言い、増田氏もまた「命を賭して書いている」と語る本作品。
現代の男の星座たちからの命がけのメッセージを受けとるべく、ぜひご一読ください。
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