01


サーニャ「きみのなかに~わたしをずっと~」芳佳「……」


千早「ひゃっ!今のバイク!?」
アニ「そこ退きなよ」 ミカサ「絶対に 嫌 」
エレン「ゴリラになったライナー」






1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 19:20:37.71 ID:PYqY49R30




サーニャ「ブックマークしてね~」



サーニャ「笑いながらっ、頑張ったと、めちゃくちゃっ、ほめてねっ」



芳佳「……」



サーニャ「どんな時も全部ほ……!?」ビクッ



芳佳「続けて続けて」



サーニャ「あ、もうこんな時間……夜間哨戒に行ってきます」



芳佳「待って!!サーニャちゃん!!」



芳佳「いっちゃったぁ……。可愛い歌だったからもっと聴きたかったのに」



美緒「宮藤。こんなところで何をしている。さっさと自室に戻れ。それとも自主訓練か」



芳佳「すいません。戻ります」



美緒「うむ。寝る前に歯を磨けよー」



芳佳「はぁーい」








6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 19:25:51.27 ID:PYqY49R30




次の日



サーニャ「……」キョロキョロ



サーニャ「……きみのなかに、わたしをずっと~、ブックマークしてね~」



サーニャ「笑いながらっ、頑張ったと、めちゃくちゃっ、ほめてねっ」



サーニャ「どんな時もっ、全部本気っ、ギャップにも、驚かないでっ」



サーニャ「たった今を進まなくちゃっ、未来もないでしょ?」フリフリ



芳佳「……」



サーニャ「……!!」



芳佳「アンコールアンコール」



サーニャ「夜間哨戒に行かなきゃ」



芳佳「あぁ!!もっと歌ってよぉ!!」



バルクホルン「宮藤。何をしている」



芳佳「あ、バルクホルンさん。あのですね」



バルクホルン「ほら、風呂に行くぞ」グイッ



芳佳「あぁ……」








8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 19:31:33.00 ID:PYqY49R30




次の日



サーニャ「きみとなら~きっとぉ、できること~。ココロ~とココロで、手~を~結んで~」



サーニャ「うんめいぃ~せぇ~ん」クルッ



サーニャ「ぎゅっとっ、かさねたら~。夢へ~のきょ~は~んしゃ~。どこまででも翔べそうっ」



サーニャ「眠れるっ、翼をっ、信じてっ」



サーニャ「……ふぅ」



芳佳「わー!いいね!」パチパチ



サーニャ「……!!」ビクッ



芳佳「今の歌なに?聞いたことないけど」



サーニャ「……行って来ます」



芳佳「サーニャちゃん、ちょっと待ってよぉ」



サーニャ「でも……」



芳佳「今の歌って、もしかしてサーニャちゃんが作ったの?」



サーニャ「……う、うん」



芳佳「へぇー。すごいねー!」








10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 19:36:10.73 ID:PYqY49R30




サーニャ「もう行かなきゃ」



芳佳「ねえねえ。サーニャちゃん、また聞きたいな」



サーニャ「……ダメ」



芳佳「どうして?いい歌なのに」



サーニャ「まだ、完成してないから」



芳佳「夜間哨戒に行く前はいつも歌ってるよね?まだ完成じゃないんだ」



サーニャ「うん」



芳佳「聞きに来るのはいいよね?」



サーニャ「でも……」モジモジ



芳佳「おねがいっ」



サーニャ「誰にも内緒だよ?」



芳佳「エイラさんも知らないの?」



サーニャ「きちんと出来上がってから歌いたいから……」



芳佳「そうなんだー。うん!誰にも言わない。約束する」



サーニャ「ありがとう。それなら明日も聞きにきていいよ」








12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 19:41:56.48 ID:PYqY49R30




次の日



サーニャ「うんめいせ~ん」クルッ



芳佳「ねえねえ」



サーニャ「なに?どこかおかしかった?」



芳佳「ううん。そうじゃなくて、うんめいせ~んのときだけクルって回るのはどうしてかなぁーって思って」



サーニャ「……なんとなくだから。気になるならやめるけど」



芳佳「ごめん!気にしないで!!ちょっとだけ疑問に感じちゃっただけだから!!」



サーニャ「うん……」



芳佳「でも、本当にサーニャちゃんって歌が上手だよねー」



サーニャ「ありがとう……」



芳佳「この前もネウロイが真似してたぐらいだし」



サーニャ「あれは私を狙っていただけ」



芳佳「そうかな?もしかしたらサーニャちゃんの歌声に惹かれて真似してたのかも」



サーニャ「違うと思う」



芳佳「そんなのわからないよ。サーニャちゃんの歌声、とっても綺麗だし、素敵だもん」








15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 19:46:47.34 ID:PYqY49R30




サーニャ「……あまり褒めないで」



芳佳「どうして?」



サーニャ「は、はずかしい……から……」



芳佳「そっか。じゃあ、もう言わない」



サーニャ「それは少し寂しいけど……」



シャーリー「おーい。サーニャー。夜間哨戒はどうしたんだー?坂本少佐が遅れてるっていってるぞー」



サーニャ「あ。もうこんな時間……」



芳佳「ごめん!!私が引きとめたから……!!」



サーニャ「ううん。聴いてくれてありがとう」



芳佳「サーニャちゃん」



シャーリー「早くいかないと怒られるぞー」



サーニャ「今から出ます」



芳佳「いってらっしゃーい!!またきかせてねー!!!」



シャーリー「何をだ?」



芳佳「え!?えーと……秘密ですっ!!」








17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 19:53:15.40 ID:PYqY49R30




翌朝 宮藤の部屋



芳佳「すぅ……すぅ……」



サーニャ「……」ガチャ



芳佳「すぅ……すぅ……」



サーニャ「きみのなかに~わたしをずっと~ブックマークしてぇね~」



芳佳「ん……?」



サーニャ「笑いながらっ、頑張ったと、めちゃくちゃっ、ほめてねっ」



芳佳「……サーニャちゃん、おかえりなさい。どうしたの?」



サーニャ「どんな時もっ、全部本気っ、ギャップにも、驚かない……で……」フラッ



芳佳「サーニャちゃん!?」



サーニャ「すぅ……すぅ……」



芳佳「あぁ!サーニャちゃん、起きて!!ここ私の部屋だから!!」



サーニャ「ん……すぅ……すぅ……」



芳佳「あ、もしかして、私がまた聴かせてって言ったから……。今日だけなら、いいよね。きっと」



サーニャ「うぅん……」








20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 19:57:32.27 ID:PYqY49R30




食堂



エーリカ「はむっ」



ペリーヌ「またじゃがいもを蒸しただけですの?」



シャーリー「いいじゃないか。栄養あるし、美味しいし」



ペリーヌ「でも、淡白すぎます……」



エイラ「……なぁ」



バルクホルン「どうした?朝から覇気がないな」



エイラ「サーニャ、みなかったか?」



バルクホルン「いや、見ていないが」



エイラ「そうか……」



バルクホルン「何か気になることでもあるのか?」



エイラ「いや。サーニャの部屋に行ってみる」



バルクホルン「……?」



リーネ「芳佳ちゃーん。ルッキーニちゃんがおかわりだってー」



芳佳「はぁーい!!今行くぅ!!」








22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 20:07:46.63 ID:PYqY49R30




廊下



美緒「以前、出現したネウロイだが。やはりサーニャの歌に反応していたのは間違いない」



ミーナ「そうね。ネウロイは一体……」



エイラ「たいへんだぁー!!」



美緒「騒々しいぞ。何があった?」



エイラ「たいへんなん、だぁー!!」



ミーナ「落ち着いて」



美緒「叫ぶだけでは何が大変なのかわからんぞ」



エイラ「だ、だって!!サーニャがいないんだぞ!!」



美緒「なんだと?」



エイラ「朝、私の部屋にこないからおかしいなって思ったんだ。それで、サーニャの部屋を見たら、サーニャがいなかった……」



美緒「哨戒中になにかあったか?」



ミーナ「いいえ。今朝、サーニャさんは任務を終えて基地に……」



エイラ「なら、どうしていないんだ!?」



美緒「どこかで寝ているのだろう。探してみよう」








23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 20:13:19.35 ID:PYqY49R30




食堂



シャーリー「ふー。食った食った。よし、訓練はじめるか」



ルッキーニ「にしし。たしか、芳佳とリーネも一緒なんだよねー」



シャーリー「ああ。あたしが宮藤と、ルッキーニがリーネとだな」



芳佳「よろしくお願いします!!」



シャーリー「うん!あたしにまかせとけ!マッハで飛べるようにしてやるから!!」



芳佳「そ、それは少し怖いような……」



リーネ「あはは……」



美緒「お前たち、ちょっといいか?」



ルッキーニ「あ、少佐。どうしたのー?」



美緒「サーニャが行方不明なんだ。誰か見た者はいないか」



シャーリー「いや、みてないな。ルッキーニは?」



ルッキーニ「みてなーい」



リーネ「私も見てないです……」



芳佳(どうしよう……。私の部屋でまだ寝てること言ったら、理由をきかれちゃう……。そうなるとサーニャちゃんが歌を作っていることもバレるかも……)








24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 20:16:48.12 ID:PYqY49R30




シャーリー「宮藤は?」



芳佳「え!?いや!!全然、みてないです!!昨日の夜からずっと!!」



美緒「……宮藤?」



芳佳「は、はい!!」ビクッ



美緒「何を焦っている?」



芳佳「な、なにをいってるんですか!!焦ってなんていませんよー!!」



美緒「知っているなら話せ」



芳佳「だ、だから!知らないですっ!!」



シャーリー「みやふじぃ?嘘が下手だなぁー」



芳佳「えぇ!?なんでわかっちゃうんですかぁ!?」



シャーリー「ほら、嘘ついてた」



芳佳「あぁー!!しまったぁー!!」



美緒「宮藤の部屋に行くか」



シャーリー「りょーかーい」



芳佳「ま、待ってください!!サーニャちゃんは私の部屋で寝ているだけなんです!!それだけなんです!!」








25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 20:22:35.66 ID:PYqY49R30




ルッキーニ「それだけなら、なんで隠すのぉー?」



シャーリー「だよなぁ」



芳佳「そ、それは……」



リーネ「芳佳ちゃん、正直に言ったほうがいいと思うよ?」



芳佳「だ、だけど……」



リーネ「何かいえない事情でもあるの?」



美緒「……まぁ、その……プライベートなことなら……あまり詮索はしないほうがいいだろうが……」



シャーリー「あ、そっち?悪い悪い」



芳佳「そっちってどっちですかぁ!!」



美緒「嘘をつくのは構わんが、ついた分だけ疑われるのは仕方のないことだ」



シャーリー「ほら、楽になっちゃいな」



芳佳「……あの。な、内緒にしてくれますか?」



美緒「内容によるが、まぁ内密でいうならそうしよう」



リーネ「うん。絶対、秘密にする」



芳佳「実は――」








26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 20:27:48.22 ID:PYqY49R30




シャーリー「へぇー。歌をねえ」



美緒「なるほどな」



芳佳「サーニャちゃん、きっとエイラさんをびっくりさせようと思ってるんです。だから……」



シャーリー「そういうことならいいんじゃないですか、坂本少佐?」



美緒「隊の規律を乱すようなことでもない。いいだろう。これはここだけの話として処理する」



芳佳「ありがとうございます!!」



リーネ「でも、いいなぁ。芳佳ちゃんだけ歌を間近で聴けて」



芳佳「完成したらみんなの前でも歌ってくれるよ!!」



ルッキーニ「そうなんだぁー!たっのしみぃ!」



芳佳「だよね!」



美緒「では私は他のものにサーニャが見つかったことを報告してくる。お前達は予定通り訓練に入れ」



芳佳「はい!!」



美緒「サーニャの歌か……」



シャーリー「で、宮藤。どんな歌なんだ?」



芳佳「それは言えません。サーニャちゃんとの約束ですからっ」








27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 20:31:58.09 ID:PYqY49R30




滑走路



エイラ「サーニャー!!!!」



エーリカ「おーい。サーニャ、見つかったってさー」



エイラ「どこにいたんだ!?」



バルクホルン「宮藤の部屋で寝ていたそうだ。まぁ、部屋を間違えたのだろう」



エイラ「ど、どうして……!」



エーリカ「寝ぼけてたんじゃないの?」



エイラ「そういうことじゃなくて!!」



バルクホルン「無事に発見されたんだ。良かったじゃないか」



エイラ「……」



エーリカ「まぁ、トゥルーデとしても気が気じゃないよねぇ?」



バルクホルン「何の話だ?」



エーリカ「えー?宮藤の部屋で寝ていたってきいたとき変な声だしたのってぇ、だれだっけぇ?」



バルクホルン「さぁ。鶏かなにかじゃないか?」



エイラ「サーニャ……どうして私の部屋と宮藤の部屋を間違えるんだ……」








28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 20:38:40.45 ID:PYqY49R30








サーニャ「タタカイのい~み、ア~タ~タカイな~ら~」



芳佳「……」



サーニャ「どうかした?」



芳佳「え?」



サーニャ「ちょっと、元気がなさそうだから」



芳佳「な、なんでもないよ!!ごめんごめん」



サーニャ「もしかして……歌を聴くの飽きた……?」



芳佳「そ、そんなことないよ!!こんな可愛くて素敵な歌を毎日聴けるなんて、私は幸せ者だもん!!」



サーニャ「……」



芳佳「もうね。1日の終わりはサーニャちゃんの歌を聴かなきゃ眠れない感じだよ!!」



サーニャ「……ありがとう。私も一人で歌っているときよりも、なんだか楽しい」



芳佳「歌ってやっぱり人に聴いてもらうほうがいいもんね。それで聴いてくれた人たちが笑顔になったら、こっちも嬉しいし」



サーニャ「だからかも。笑ってくれる人がいるから、褒めてくれる人がいるから、今が楽しいのかも」



芳佳「サーニャちゃん……」








29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 20:44:04.39 ID:PYqY49R30




サーニャ「行って来ます」



芳佳「うん!気をつけてねぇー!!」



サーニャ「……そうだ」



芳佳「なに?」



サーニャ「明日から、一緒に歌う?」



芳佳「いいよ!!私、そんなに上手じゃないし!!サーニャちゃんの邪魔になるだけだよ!!」



サーニャ「私が一緒に歌いたいの」



芳佳「……」



サーニャ「エイラ以外で貴方が初めてだから。こんなに真剣に聴いてくれたのは……」



芳佳「そうなんだ」



サーニャ「嫌なら、いいけど。歌ってほしいな」



芳佳「……それじゃあ、私も歌う。上手じゃないから色々、教えてね」



サーニャ「うん」



芳佳「えへへ」



サーニャ「これから、よろしくね」








30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 20:49:05.07 ID:PYqY49R30




別の日 夜 シャーリーの部屋



シャーリー「……うんうん」



バルクホルン「リベリアン。魔法を使って何を聞いている?」



シャーリー「ん?ああ、秘密だよ」



バルクホルン「ふん。どうでもいいがな。それより、明日の任務だが……」



シャーリー「うーん……うん、かわいいなぁ……」



バルクホルン「聞いているのか!!!」



シャーリー「声が大きい!!」



バルクホルン「盗聴でもしているのか、貴様」



シャーリー「まぁ、そんなとこ。あたしはやっぱり……宮藤かな……」



バルクホルン「……」ピクッ



シャーリー「いや、サーニャもいいけど……うん……うん……」



バルクホルン「イェーガー大尉。何を聴いているのか詳しく話してもらおうか?」



シャーリー「だから、秘密だっていって――」



バルクホルン「盗聴なら軍規違反の可能性もある。答えろ」








31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 20:55:30.77 ID:PYqY49R30




ミーナの部屋



ミーナ「宮藤さんとサーニャさんが?」



美緒「これは秘密だからな」



ミーナ「分かりました。二人で何をしているかと思えば……歌を……」



美緒「中々、愛らしい歌だぞ。私も何度かこっそり聴いてみたが、気合を入れていないと時間を忘れそうになる」



ミーナ「そんなに?ふふ、なら私も聴いてみたいわね」



美緒「ハンガーのほうへ行けば聴けるぞ。ただし、気配を悟られたら逃げられてしまうが」



ミーナ「そう。なら、もう少し様子をみましょうか。完成が楽しみね」



美緒「全くだ」



ミーナ「ところでネウロイの件だけど」



美緒「ああ。そうだったな。より詳細なデータが届いた」



ミーナ「これは……」



美緒「どう思う?」



ミーナ「検討してみる価値はあるかもしれないわね」



美緒「そうだな。こんなことができるなら、これからの作戦も楽になる」








32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 21:00:10.34 ID:PYqY49R30




翌日



シャーリー「おーい、ルッキーニ。そっちのももってきてくれー」



ルッキーニ「うん!」テテテッ



リーネ「あれ?何を作っているんですか?」



シャーリー「ん?ああ、お立ち台」



リーネ「お立ち台……?」



ルッキーニ「やっぱり歌姫は舞台の上で歌わなきゃね!!」



リーネ「それって芳佳ちゃんとサーニャちゃんの?」



シャーリー「ルッキーニが作ったほうがいいってうるさくてさ」



ルッキーニ「あとは、基地全体に歌が届くようにしないと」



シャーリー「いや、島全体のほうがいいんじゃないか?」



ルッキーニ「おぉー!!そうしよー!!」



シャーリー「だな!」



リーネ「あ、あの!!秘密なのにそんなことしちゃダメだと思います!!」



ルッキーニ「芳佳とサーニャには黙っておけばばれないって」








33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 21:04:44.02 ID:PYqY49R30








芳佳「サーニャちゃん!!おまたせ!!」



サーニャ「誰にも見られなかった?」



芳佳「うん!もう慣れちゃったよ!!」



サーニャ「ところで、これなんだと思う?」



芳佳「台とマイクかな?」



サーニャ「どうしてこんなものがここに……」



芳佳「さぁ……?」



サーニャ「あーあー。声は響かない……」



芳佳「わかった!!きっとミーナさんじゃない?」



サーニャ「中佐?」



芳佳「坂本さんが前に言ってたもん。ミーナさんは歌がうまいって!!」



サーニャ「それは知っているけど」



芳佳「ミーナさんが歌の練習してるんじゃないかな?」



サーニャ「そうなの……?」








34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 21:09:00.09 ID:PYqY49R30




芳佳「折角だし、使わせてもらおっか?」



サーニャ「いいのかな?」



芳佳「借りるだけだし、今は私たち以外にいないでしょ?」



サーニャ「うん」



芳佳「やっぱり舞台の上に立つと気分も出る!」



サーニャ「それじゃあ……」



芳佳「歌うよ!」



シャーリー「(こっちだ。こっち)」



エーリカ「(おぉー。ホントにやってるよぉー)」



バルクホルン「(全く、こんなコソコソせずとも良いだろうに)」



美緒「(ならば出て行けばいい。サーニャは逃げるがな)」



バルクホルン「(そんな無粋な真似はしない)」キリッ



エーリカ「(素直に聴きたいっていえばいいのに)」



芳佳「きみのなかに、わたしをずっと~、ブックマークしてね~」フリフリ



サーニャ「笑いながらっ、頑張ったと、めちゃくちゃっ、ほめてねっ」








35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 21:14:34.06 ID:PYqY49R30




食堂



エイラ「あれ?みんなは?」



ミーナ「エイラさん。今、みんなはハンガーにいると思うわ」



エイラ「どうして?」



ミーナ「そこまでは……」



エイラ「……中佐。きいてくれ」



ミーナ「どうしたの?」



エイラ「サーニャが……最近、つめたいんだ……」



ミーナ「え……?」



エイラ「サウナもはいってくれない。最近はずっと大浴場のほうを使っているみたいなんだ」



ミーナ「それは好みが変わっただけじゃ」



エイラ「それだけじゃない!!私の部屋に来る回数も激減した……。少し前まではほぼ毎日だったのに、今じゃ週二日だけだ……」



ミーナ「……」



エイラ「私の部屋で服を脱ぐこともあったのに!!もう私はサーニャの白い肌をみることは――」



ミーナ「エイラさん。あなた、サーニャさんと今まで何をしてきたのかしら?」








36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 21:19:31.07 ID:PYqY49R30




ペリーヌ「全く。坂本少佐もどうしてあんな豆狸の歌なんかに……」



ミーナ「ペリーヌさん」



エイラ「歌?」



ペリーヌ「あ、エイラさん」



エイラ「おい。歌ってなんだ?」



ペリーヌ「え、えーと……」



エイラ「なんなんだよ、歌って!」



ペリーヌ「絶対に秘密ですからね?ハルトマン中尉から絶対に喋るなと言われているのですから」



エイラ「わかった」



ミーナ「あぁ……」



ペリーヌ「実は最近、宮藤さんとサーニャさんが歌の練習をしていると……」



エイラ「なんだと……?」



ペリーヌ「いいですか?本人には勿論、他の人にも……。ああ、でも坂本少佐とハルトマン中尉とバルクホルン大尉とシャーリー大尉とルッキーニさん……あら?知らない人って……」



エイラ「サァァァニャァァァ!!!!」ダダダダッ



ミーナ「エイラさん、待って!!」








37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 21:24:28.90 ID:PYqY49R30




芳佳・サーニャ「「ぎゅっとっ、かさねたら~。夢へ~のきょ~は~んしゃ~。どこまででも翔べそうっ」」クルッ



芳佳・サーニャ「「眠れるっ、翼をっ、信じてっ」」ビシッ



芳佳「おぉ……これって……」



サーニャ「できた、かも」



芳佳「やったね!!サーニャちゃん!!」ギュッ



サーニャ「うんっ!」



バルクホルン「……」ガタッ



エーリカ「(どうどう、トゥルーデ)」



リーネ「(かわいい歌ですね)」



ルッキーニ「(にしし。明日は島中に聞こえるようにしよっと)」



シャーリー「(それがいいな)」



エイラ「サーニャ!!!」



美緒「!?」



サーニャ「エイラ……?」



芳佳「エイラさん?」








38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 21:30:03.23 ID:PYqY49R30




エイラ「なんだよこれぇ!?」



サーニャ「もしかして……聴いてたの……?」



エイラ「酷いじゃないかぁ!!私に隠し事なんてぇ!!」



芳佳「あの!!これはね……!!」



エイラ「宮藤はだまってろよぉ!」



芳佳「ごめん!!」



エイラ「説明しろ!!どうして私にまで秘密にしてたんだ!?私のこと嫌いなのかぁ!?」



サーニャ「違うの。エイラには完成した歌を聴いてほしかったから、黙ってただけ」



エイラ「でも、宮藤と一緒に歌う必要はないんじゃないか?」



サーニャ「ずっと聴いているだけじゃ、退屈だと思って」



エイラ「宮藤じゃなくて私をさーそーえーよー!!」



サーニャ「……」



芳佳「エイラさん!!ちょっと待って!!」



エイラ「私だってサーニャと歌いたいのにぃ……」



サーニャ「わかった。これからは一緒に歌おう。歌も振り付けも完成したから」








39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 21:34:21.71 ID:PYqY49R30




シャーリー「なんだ、できたのかぁー」



サーニャ「……!?」ビクッ



美緒「サーニャ。悪いがここ数日の特訓は皆知っている」



サーニャ「ど、どうして……」



ルッキーニ「それはねー芳佳がー」



バルクホルン「ルッキーニ少尉。口元に食べかすがついているぞ」グッ



ルッキーニ「むぅ!?!」



バルクホルン「綺麗にしておかなければな」ゴシゴシ



ルッキーニ「うにゃぁ……うぶぶぶ……!!」



シャーリー「あれだけ歌ってれば嫌でも耳にはいるって。ま、二人の歌声は嫌じゃないけどさ」



リーネ「ごめんね」



サーニャ「いえ……」



芳佳「あははは……。なんだか、恥ずかしい……」



エイラ「サーニャ、これからは隠し事なしだからな!な!」



サーニャ「うん。わかってる」








40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 21:40:22.32 ID:PYqY49R30




エーリカ「あれだけ完成度が高いなら明日ぐらいコンサートを開いてもいいんじゃない?」



サーニャ「コンサート……?」



美緒「良い考えだ。特訓の成果を見せてもらうとしよう」



サーニャ「でも、伴奏が……」



バルクホルン「スコアはないのか?」



サーニャ「ありますけど」



エーリカ「なら、ミーナに演奏させちゃえばいいよ」



美緒「そうだな。それぐらいならできるだろう」



サーニャ「……」



芳佳「どうする?」



エイラ「嫌なら嫌って言っていいんだぞ?」



芳佳「私は、歌いたいな」



サーニャ「え?」



芳佳「サーニャちゃんと一緒に練習した歌だもん。歌いたいよ、やっぱり」



サーニャ「……そうだね。歌おう」








41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 21:48:04.62 ID:PYqY49R30




翌日



シャーリー「ルッキーニ!!マイクチェックしてみてー」



ルッキーニ「こほんっ。――シャーリー、ボインっ。ペリーヌぺったんこぉー!!リーネはある意味、エースきゅうぅ!!美乳のバルクホル~ン!!!」



シャーリー「よぉーし!!完璧だ!!島中に聞こえる」



バルクホルン「ルッキーニ少尉ぃぃぃ!!!!なんだぁ!!!今の歌はぁぁぁ!!!!」



ペリーヌ「ルッキーニさん!!!貴女にだけは言われたくないと何度言ったらわかりますの!?」



リーネ「ある意味エース級ってなんですか!!」



ルッキーニ「芳佳もぺったんこ~!!」



シャーリー「おーい。マイクチェックはもういいぞー」



芳佳「ルッキーニちゃん、やめてぇぇぇ!!!」



サーニャ「……」



エイラ「ホントにやるのか?」



サーニャ「うん」



エイラ「サーニャがそういうなら……」



サーニャ「聴いててね。一生懸命、歌うから」








42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 21:56:32.39 ID:PYqY49R30




ルッキーニ「レディースアンドジェントルメーン!!おー待たせしましたぁ!!本日のメインイベント!!!歌姫のぉ~とーじょーでーす!!」



芳佳「あはは……どうもどうも」



サーニャ「うぅ……やっぱり恥ずかしい……」モジモジ



シャーリー「お、なんだ。衣装まで凝ってるなぁ。あんなフリフリのズボン、持ってたのか」



リーネ「可愛い。あれ、ほしいなぁ」



美緒「サーニャはいいとして、宮藤があんなズボンを持っているとは意外だな」



ミーナ「そうね……。買って来たのかしら?」



エーリカ「誰かが作ったんじゃない?ねえ、トゥルーデ?」



バルクホルン「宮藤!!しっかり歌え!!」



エイラ「サーニャ!!!サーニャ!!!」



ペリーヌ「はぁ……くだらないですわ……」



ルッキーニ「おしずかにぃ~!!ではぁ!!おねがいします!!」



芳佳「宮藤芳佳!!」



サーニャ「アレクサンドラ・ウラディミローヴナ・リトヴャクです」



芳佳「歌います!!来てください!!ブックマークア・ヘッド!!」








43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 22:04:10.01 ID:PYqY49R30




ミーナ「伴奏はまかせて」



サーニャ「はい」



芳佳「――きみのなかにっ わたしをずっとっ」



サーニャ「ブックマーク、してねー」



芳佳「わらいながらっ、頑張ったとっ」



サーニャ「めちゃ、くちゃ、ほめてねっ」



ルッキーニ「ひゅーひゅー!!」



シャーリー「あはははは。これはいい。可愛いぞぉー」



バルクホルン「……」



エーリカ「トゥルーデ、鼻血でてない?」



バルクホルン「ででにゃい」



エイラ「サーニャ!!サーニャ!!!」



美緒「おい!!静かにしろ!!聞こえないだろ!!」



ペリーヌ「もう……坂本少佐まで……」



芳佳・サーニャ「「うんめいせぇ~ん」」クルッ








45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 22:08:08.65 ID:PYqY49R30




ウー!!ウー!!



美緒「……!!」



ミーナ「敵襲!?」



美緒「総員、出撃準備!!」



ルッキーニ「えぇー!!まだ2番あるのにぃー!!」



シャーリー「文句言うな。ネウロイにここを落とされたら永遠に聞けなくなるぞ」



ルッキーニ「そうだけどぉ」



エーリカ「さくっと倒してコンサートの続きにしよー!!」



リーネ「そうですね!!」



エイラ「許さないぞ……ネウロイ……!!」



バルクホルン「消し炭にしてやる」



美緒「バルクホルンとエイラは気合が入ってるな!!いいことだ!!宮藤、サーニャ!!そのままで出られるな!?」



芳佳「はい!!いけます!!」



サーニャ「やれます」



美緒「よし!!総員、続けぇ!!」








46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 22:13:51.29 ID:PYqY49R30




空中



バルクホルン「おのれぇぇぇぇ!!!!砕けろぉぉぉ!!!!」スドドドドド!!!



エイラ「サーニャの歌をきかせろぉぉぉ!!!!」ズガガガガ!!!



芳佳「バルクホルンさん、すごーい」



リーネ「なんだか、いつも以上にキレがあるというか……」



エーリカ「これはまけてられないね!!!」



ペリーヌ「わたくしも!!」



ミーナ「坂本少佐!!コアを!!」



美緒「任せろ。バルクホルン、エイラ!!私が後ろにつく!!波状攻撃でトドメをさすぞ!!!」



バルクホルン「了解!!」



エイラ「サーニャの歌を邪魔すんなぁー!!!」



サーニャ「エイラ……」



芳佳「サーニャちゃんの歌を一番楽しみにしてたのは、やっぱりエイラさんみたいだね」



サーニャ「うん……」



美緒「宮藤の歌を途切れさせた罪を重いぞぉぉぉ!!!!であぁぁぁぁ!!!!」ザンッ








48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 22:19:19.29 ID:PYqY49R30




基地 滑走路



シャーリー「はぁー。終わったー。みんなー、おつかれー」



ルッキーニ「よっしか!サーニャぁ!ほら、ステージが二人をまってるよぉ」グイッ



芳佳「ちょっと、ちょっとまって……少し休ませて……」



サーニャ「つかれた……」フラッ



芳佳「わぁぁ!!サーニャちゃん、大丈夫!?」



サーニャ「うん……」



エイラ「ほら、みろ!!休まないからだぞっ」



サーニャ「ごめんね」



エイラ「いや、いいんだけど」



ルッキーニ「ねえねえ!コンサートぉ」



バルクホルン「残念だが、延期だな。宮藤とサーニャに無理はさせられない」



ルッキーニ「えぇぇー!?」



美緒「宮藤のズボン……。悪くないな……。あれを制服にできないものか」



ミーナ「美緒、ちょっといいかしら?」








49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 22:21:51.12 ID:aYmiZvuA0




お姉ちゃん必死すぎてちょっと怖い









50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 22:24:36.15 ID:PYqY49R30




ミーナの部屋



美緒「結果は?」



ミーナ「まだなんとも……。でも、可能性は高いわね」



美緒「サーニャの歌に釣られてネウロイが……な」



ミーナ「勿論、偶然かもしれないわ。今回だって予報よりも1日早いだけだったし」



美緒「しかし、無視はできない」



ミーナ「そう」



美緒「……危険だが、試してみるか?」



ミーナ「美緒……」



美緒「やるなら明後日だな」



ミーナ「……」



美緒「心配するな。その代わり明日は1日休暇を全員に与える」



ミーナ「そうね……」



美緒「それに決めなくてはいけないこともある」



ミーナ「それじゃあ、ブリーフィングルームにみんなを集めましょうか」








51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 22:33:43.46 ID:PYqY49R30




ブリーフィングルーム



美緒「えー、おほん。宮藤、サーニャのコンサートは中断という形になってしまったが、それでも島中に歌が流れたことで既に様々な声が届いている」



ミーナ「はい。赤城の乗組員からも「宮藤軍曹マジ萌え」「宮藤軍曹マジ天使」などの不要で不快な声もありました」



エーリカ「その声の主はもうこの世にいないね」



シャーリー「あはは。怖いこというなって」



エイラ「サーニャにはなかったのか」



ペリーヌ「サーニャさんの声はか細くて、よく聞こえませんでしたし……」



エイラ「なんだとぉー!!文句があるのかぁ!!」



ペリーヌ「客観的な意見を述べているだけです」



エイラ「ツンツン眼鏡めぇ……」



サーニャ「すぅ……すぅ……」



美緒「そしてこんな意見もあった。「是非とも、ウィッチーズ全員の歌声が聞いてみたい」とな」



ミーナ「これは杉田淳三郎大佐からの要望ね」



芳佳「赤城の……」



美緒「でだ、折角だからみんなでサーニャの歌を歌ってみようと思うのだが、どうだ?」








52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 22:44:09.76 ID:PYqY49R30




バルクホルン「まってくれ。そんなことをしている余裕はないはずだ」



ミーナ「わかっています。これは興味のある人だけが参加してください」



バルクホルン「なんだ。そういうことなら構わない」



美緒「二人一組を作り歌ってもらう。好きな者と組んでいい」



バルクホルン「……!」ガタッ



ペリーヌ「まぁ!!あの!!坂本少佐ぁ!!」



美緒「どうした?」



ペリーヌ「是非ともわたくしと……歌を……」モジモジ



美緒「うーん……。宮藤は?」



芳佳「え?私は勿論サーニャちゃんと……」



ミーナ「ごめんなさい、宮藤さん。できるだけ違う人を選んでくれるかしら?」



芳佳「どうしてですか?」



ミーナ「色んな人との組み合わせがあったほうがいいと思うから。ダメかしら?」



芳佳「そういうことなら……」



ミーナ「ありがとう」








53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 22:51:36.28 ID:PYqY49R30




エーリカ「みーやふじ!私と歌わない?」



芳佳「あ、はい」



ルッキーニ「芳佳はわたしとなのぉー」グイッ



芳佳「ちょっと、ルッキーニちゃん」



エーリカ「いま、はいっていったぁー」グイッ



芳佳「いたたたっ」



シャーリー「宮藤はあたしとだよなぁ?」ギュゥゥ



芳佳「むぐぅ……!!」



芳佳(胸が顔に……息が……!!)



リーネ「わ、わたしも芳佳ちゃんとがいいー!!」ギュゥゥ



芳佳「もがぁ……もが……」



ミーナ「あらあら。宮藤さん、モテモテね」



エイラ「サーニャ。私はサーニャと歌うからな」



サーニャ「すぅ……すぅ……」



美緒「おーい。宮藤は一人しかいないんだ。公平にくじかなにかで決めろ」








54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 22:59:10.92 ID:PYqY49R30




バルクホルン「それがいい。そんなこともあろうかと、作っておいた。さ、一本引け。先端が赤いものが当たりだ」



エーリカ「えーと、どれにしようかなぁ」



ルッキーニ「大尉、当たりどれぇ?」



バルクホルン「私に訊くな」



シャーリー「当たり、あるんだろうな?」



バルクホルン「当たり前だ」



美緒「どれどれ……魔眼で調べるか」



バルクホルン「坂本少佐!!それは不公平ではないだろうか!!」



ペリーヌ「少佐……なぜくじを……?」



美緒「一応だ。一応」



リーネ(あたりますようにあたりますように……)



ルッキーニ「せーのっ!!――あーん、はじゅれー」



エーリカ「あーあ」



バルクホルン「うむ。よし。私だな」



美緒「ちょっとまて、バルクホルン。お前は参加しないと言ってたではないか」








55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 23:04:26.14 ID:PYqY49R30




バルクホルン「証拠がない」



シャーリー「つーか、なんで辺りが都合よくバルクホルンのところにいくんだ?」



ルッキーニ「あーやーしーいー」



エーリカ「トゥルーデがズルしたー」



ルッキーニ「ズルだー!!」



エーリカ「ズルだー」



バルクホルン「ええい!!憶測だけでそんなこというな!!!」



シャーリー「お前、そこまでして宮藤と歌いたいのか?」



バルクホルン「だから……!!」



芳佳「あ、あの!」



リーネ「芳佳ちゃん?」



芳佳「私、みんなと歌います。それなら喧嘩しなくてもいいですよね」



リーネ「でも、疲れちゃうんじゃ……」



芳佳「私なら大丈夫っ!!坂本さんに鍛えられてるし!!」



バルクホルン「宮藤……」








59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 23:11:25.19 ID:PYqY49R30




シャーリー「うーん……。ルッキーニ、あたしと歌うか?」



ルッキーニ「そうしようかなぁ。芳佳、疲れちゃいそうだし」



芳佳「シャーリーさん……」



エーリカ「どうする?トゥルーデ?」



バルクホルン「……宮藤だけに負担をかけさせるわけにもいかないか。ハルトマン、私と組むぞ」



エーリカ「はいでありますっ」



芳佳「……」



芳佳(これはこれで寂しい……)



美緒「よし。なら、宮藤は私とだな」グイッ



芳佳「え?あ、はい。おねがいします」



ペリーヌ「えぇぇぇ……!!!」ガクッ



リーネ「……」オロオロ



ペリーヌ「リーネさん……組みますわよ……」



リーネ「はい。お願いします」



ミーナ「決まったみたいね。それじゃあ、各自練習しておいて。明日の夕方ぐらいに練習の成果をここで披露してもらうから」








60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 23:16:49.97 ID:PYqY49R30




滑走路



美緒「では!!宮藤!!」



芳佳「はい!!」



美緒「歌の練習をおこなう!!準備はいいか!!!」



芳佳「はいっ!!!」



バルクホルン「……」



エーリカ「恨めしそうに少佐を見ない」



バルクホルン「しかしだな……」



シャーリー「そんなに歌いたいなら、頼みに行けばいいんじゃないか?宮藤なら喜んで歌ってくれるぞ」



バルクホルン「もう決まったことだ!!軍人に二言はない!!」



エーリカ「無理しちゃってー」



ペリーヌ「きーみとならー!!」



リーネ「きーみとならー」



エイラ「あ、一番星だ」



サーニャ「ホントだ」








61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 23:22:55.23 ID:PYqY49R30




大浴場



芳佳「……」ブクブク



リーネ「芳佳ちゃん、大丈夫?」



芳佳「うん……」



バルクホルン「だらしがないな」



ルッキーニ「きみのなかにぃ~」



シャーリー「半音あげるなって」



エーリカ「でもさぁ、みんなで歌うのはいいんだけど、張り合いがないよね」



美緒「どういうことだ?」



エーリカ「やっぱり目標があったほうがいいと思わない?」



シャーリー「そうだなぁー。折角歌うんだから、誰かに評価してほしいよ」



ペリーヌ「そんなのどうしますの?」



美緒「うーん。歌を録音して、その録音したものを売れば分かりやすいな」



ルッキーニ「おぉぉ!!売り上げ勝負だ!!」



芳佳「えぇ!?勝負するんですかぁ!?」








62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 23:28:03.13 ID:PYqY49R30




空中



エイラ「サーニャ、無理するなよ」



サーニャ「大丈夫。しっかり休んだから」



エイラ「ならいいんだけどさ」



サーニャ「きみのなかに~わたしをずっと~」



エイラ「ブ、ブックマークしてねー」



サーニャ「ふふ……。楽しいね」



エイラ「そうだな。折角だし、練習しながら哨戒するか?」



サーニャ「いいのかな……」



エイラ「誰も聴いちゃいないって」



サーニャ「……うん」



エイラ「なら、私からな。――笑いながら頑張ったと」



サーニャ「めちゃ、くちゃ、ほめてねっ」



エイラ「……サーニャ、その『ほめてねっ』のときにウインクしてみてくれ」



サーニャ「えっと……。ほめてねっ」キラッ








63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 23:34:32.81 ID:PYqY49R30




ミーナの部屋



ミーナ「売り上げって……」



美緒「悪い考えではない。予算も削減されたばかりだからな」



ミーナ「上層部がそんなお小遣い稼ぎを許してくれるかしらね」



美緒「構わないだろう。現状士気も上がっているし、歌を聴きたいという要望が多いのもまた事実だ」



ミーナ「……美緒、まさか」



美緒「録音したものでもネウロイを惹きつける効果があるのなら、世界中で活用できる」



ミーナ「そのこと、みんなには?」



美緒「完成してから伝えようと思っている。今は皆が盛り上がってる。水を差すのは気が引けてな」



ミーナ「それならいいのだけど」



美緒「ミーナは歌わなくていいのか?」



ミーナ「私は……別に……」



美緒「組んでやろうか?」



ミーナ「貴女には宮藤さんがいるでしょう?」



美緒「あっはっはっは。なぁに。宮藤だって、誰かと浮気する可能性は高い。未だに全員から狙われているようだしな」








66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 23:40:08.96 ID:PYqY49R30




宮藤の部屋



芳佳「どきっとするっ、気がついたら~崖っぷち、ギリギリだったっ」



コンコン



芳佳「はぁーい」



バルクホルン「もうすぐ消灯時間だぞ。明日は休みだが、いつまでも起きているのは感心しないな」



芳佳「すいません。まだちょっと練習したいなと思って」



バルクホルン「そうか……」



芳佳「すぐに寝ますね」



バルクホルン「いや。まだ消灯までは時間に余裕がある。練習するといい」



芳佳「はいっ」



バルクホルン「……」



芳佳「えーと。ぽわっとして、ごめんごめんっ」



バルクホルン「テレっ、パシ~ありがとうっ」



芳佳「え?」



バルクホルン「なんだ?」








67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 23:44:10.43 ID:PYqY49R30




コンコン



芳佳「はぁーい」



リーネ「芳佳ちゃん、歌のパートでちょっとわからないところ……が……」



バルクホルン「……」



リーネ「……おじゃましました」



芳佳「リーネちゃん、はいってはいって」



リーネ「で、でも……」



バルクホルン「気にするな。私も宮藤から指導を受けていたところだ」



芳佳「そ、そんな!!」



リーネ「やっぱりずっとサーニャちゃんと練習してきただけあって、上手だもんね」



芳佳「そんなことないよぉ」



バルクホルン「いや、あるぞ。自信を持つといい」



コンコン



芳佳「は、はい?」



シャーリー「いやぁー。ちょっと練習につきあってくれないか、宮藤。どうにもあたしとルッキーニだけじゃ、あっているのか分からない箇所が……。って、なんでリーネとバルクホルンが」








68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 23:48:40.32 ID:PYqY49R30




廊下



ペリーヌ『あー!!あ~!!あぁぁぁ~!!!』



ミーナ「ペリーヌさーん。消灯時間ですよー」



ペリーヌ『中佐!?も、申し訳ありません!!』



ミーナ「明日が非番でも夜更かしはダメですよ」



ペリーヌ『は、はい!!』



ミーナ「……よし」



『次、あたしとな!!』



『おい。順番でいえば私のはずだ』



『えぇー?トゥルーデはさっきやったじゃーん』



『あの……もう一度、私と……』



『みなさん!!仲良くしてください!!』



ミーナ「……宮藤さん?」



芳佳『あ、は、はい!!』



ミーナ「賑やかね。誰かのパーティーかしら?」








69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 23:57:51.55 ID:8IDQWrZi0




モテモテだな









71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 23:59:32.10 ID:PYqY49R30




翌日 ブリーフィングルーム



バルクホルン「どんな時もっ全部本気っ、ギャップにも驚かないでっ」



エーリカ「たった今を進まなくちゃ、みら、いも、ないでしょっ」キラッ



芳佳「すてき……」



リーネ「うん」



シャーリー「バルクホルンもウインクしたら面白いのにな」



美緒「……」



サーニャ「すぅ……すぅ……」



エイラ「ふん。サーニャのほうが何倍も上手いな」



バルクホルン・エーリカ「「――眠れるっ、翼をっ、信じて」」



芳佳「わー!!すごーい!!」パチパチ



バルクホルン「宮藤、どうだった?私の歌は」



芳佳「力強い歌声で、また歌の印象が変わってて、良かったです!!」



バルクホルン「宮藤の指導がよかったんだな」



エーリカ「その分、怒られたけどねー」








72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/31(土) 00:08:35.90 ID:9SkOG+dx0




芳佳「ぽわっとして、ごめんごめん」



美緒「てれっぱしーっありがとっ」キラッ



ミーナ「うーん……」



ルッキーニ「何難しい顔してるのー?」



シャーリー「自分の歌いたいってことしてますねー」



ミーナ「シャーリーさん。からかわないで」



シャーリー「気になることでも?」



ミーナ「え、ええ……」



芳佳・美緒「「眠れる!つばさをっ!!信じてっ!!」」キリッ



バルクホルン「うん……うん……」ホッコリ



エーリカ「宮藤、さっすがぁ!!」



ペリーヌ「坂本少佐!!歌姫そのものでしたわ!!」



美緒「そうか。そういわれると歌ってよかったと思えるな」



ミーナ「これで全員ね。録音も完了したし。みんな、お疲れ様。とてもよかったわ」



エイラ「で、このあとどうするんだ?」








73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/31(土) 00:14:52.16 ID:9SkOG+dx0




ミーナ「みんなの歌を録音したものを1度、島全域に流します」



美緒「それで気に入った歌があれば買いに来るようにと告知する」



バルクホルン「気に入った歌って、全部同じ歌詞だが」



美緒「宮藤が言っていただろ。歌い手によって歌の印象が変わるものだ」



エーリカ「つまり、好きな歌声で選べってことか」



ミーナ「そうなるわね」



ルッキーニ「誰が一番売れるかなぁ?」



リーネ「うーん。やっぱり、サーニャちゃんとエイラさんかなぁ……?」



シャーリー「坂本少佐と豆だ……宮藤さんペアに決まってますわ」



バルクホルン「同感だ」



エーリカ「トゥルーデ、珍しく手元に大金置いてたけど、あれ、なんのため?」



バルクホルン「なんのことか分からないな」



芳佳「なんだか、ドキドキするね」



サーニャ「うん。でも、こうやって色んな人に歌って聴いてくれるだけで嬉しい」



芳佳「そっか。そうだよね。サーニャちゃんの歌が広まるほうが嬉しいね」








75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/31(土) 00:20:24.29 ID:9SkOG+dx0




夜 滑走路



きみのなかに~わたしをずっと~ブックマークしてね~



サーニャ「……」



芳佳「サーニャちゃーん!!」



サーニャ「どうかした?」



芳佳「どうしてここにいるの?みんな食堂で聞いてるよ?」



サーニャ「うん。外のほうが綺麗に聞こえるから」



芳佳「そうなんだ」



サーニャ「……ごめんなさい。戻るわ」



芳佳「いいよ。私もここで聴きたい。サーニャちゃんの歌」



サーニャ「……」



芳佳「ダメ、かな?」



サーニャ「ううん。一緒にきこ」



芳佳「ありがとう!」



うんめいせ~ん ぎゅっと、かさねたらぁ~








76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/31(土) 00:26:42.60 ID:9SkOG+dx0




芳佳「ホントにいい歌だよね。こういうのってどうやって思いつくの?」



サーニャ「わからない」



芳佳「え?どうして?」



サーニャ「寝て起きたときにふっと歌詞やメロディーが頭の中に出てきて……」



芳佳「すごーい!!天才みたーい!!」



サーニャ「ううん。きっと、偶然だから。もう作れないと思う」



芳佳「そんなことないよ!!」



サーニャ「そうかな」



芳佳「これだけの良い歌が偶然で作れるわけないもん!!」



サーニャ「だといいな」



芳佳「もっといっぱいつくって、家族の人と再会したときに聞かせて上げよう。それでびっくりさせよう!」



芳佳「全世界で歌われている歌は実は私が作ってたんだよーって。絶対に驚くよ、うん」



サーニャ「ふふっ」



芳佳「なに?変なこといったかな?」



サーニャ「違うの。なんだが、そういわれるとそうしたくなるなって……。不思議な気持ち」








77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/31(土) 00:31:46.81 ID:9SkOG+dx0




ミーナの部屋



美緒「ネウロイは発見されずだな」



ミーナ「そう……」



美緒「サーニャの歌はハズレか……。歌は関係なかったか」



ミーナ「ねえ、もしかして宮藤さん、という可能性はないかしら?」



美緒「まて。以前のネウロイは明らかにサーニャを真似ていた。宮藤は関係ないだろ。それに今日だって宮藤の歌は流れていた。素敵だっただろ」



ミーナ「そうだけど」



美緒「どうしても気になるか」



ミーナ「ええ、そうね。歌に何らかの反応があったのは間違いないと思うの」



美緒「宮藤か……」



ミーナ「考えられないかしら?」



美緒「お前がそこまでいうなら、宮藤にやってもらうか」



ミーナ「ええ。ただし、このことは」



美緒「……あまり宮藤に隠し事はしたくないがな。今回は致し方あるまい」



ミーナ「お願いね」








79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/31(土) 00:39:11.97 ID:wby5COKA0




翌日 滑走路



ルッキーニ「歌姫たちの歌声ありまーす!!」



美緒「ルッキーニが売り子とはな」



ルッキーニ「にひひ。あたしからやるって立候補したんだ!!」



美緒「ほう?」



ルッキーニ「目の前で誰の歌が売れて行くのか見てみたかったしぃ!」



美緒「で、どうなんだ?」



ルッキーニ「あっち」



美緒「ん?」



「宮藤軍曹のを!!!」



「ルッキーニ少尉のください!!」



「宮藤ヴァージョンをあるだけもらう!!!」



「坂本少佐のをあるだけくださいな!!!」



美緒「盛況だな。いいことだ」



ルッキーニ「でっしょ?この分だと、芳佳と少佐の歌が断トツ一位かな?」








80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/31(土) 00:44:54.86 ID:wby5COKA0




廊下



リーネ「芳佳ちゃん!!はやくはやく!!」



芳佳「ま、まってぇぇ、リーネちゃーん」



美緒「宮藤、何をしている?」



リーネ「あ、坂本少佐」



芳佳「あのハルトマンさんが、売るならサインと握手も一緒にしたほうがいいって……」



美緒「……そんなことはしなくていい」



リーネ「いいんですか?」



美緒「不必要に男性隊員と接触すればミーナ中佐が良い顔をしないからな」



芳佳「そういえば……」



美緒「それよりも宮藤、お前に頼みたいことがある」



芳佳「は、はい。なんでしょうか」



美緒「隊の各人とペアを組み、歌ってくれ」



芳佳「はいっ!!え?」



リーネ「全員って……全員ですか?」








82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/31(土) 00:51:57.70 ID:wby5COKA0




芳佳「でも、どうして……」



美緒「……」



芳佳「どうしてなんですか?みんなは歌いました。それでいいじゃないですか」



美緒「とにかく頼む」



芳佳「坂本さん。何か隠してますか?」



美緒「何故だ?」



芳佳「何となくです」



美緒「そうか。ならば、隠していないと言っておくか」



芳佳「坂本さん。私にできることならなんでもします。だから、理由を言ってください」



リーネ「芳佳ちゃん……」



美緒「理由を言えば、お前は歌わないかもしれない」



芳佳「……」



美緒「だが、疑ったままでもお前は歌わないかもしれないな」



芳佳「はい。言ってくれないなら歌いません!!」



美緒「……分かった。話そう」








83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/31(土) 00:59:28.78 ID:wby5COKA0




リーネ「歌に惹かれてネウロイが現れる?」



芳佳「そうなんですか?」



美緒「ああ。もしこの仮説が立証できれば、我々人類は好きな場所、時間にネウロイを誘き寄せることができる」



リーネ「それでサーニャちゃんの歌を……」



美緒「ああ。しかし、サーニャの歌と歌声では結果がでなかった。そこでだ、宮藤。お前の声ならどうだろうと中佐が言った」



リーネ「すごい、すごいよ、芳佳ちゃん。これでネウロイとの戦いも俄然有利になるね



美緒「どうだ?」



芳佳「……坂本さん。サーニャちゃんはそんなことのために歌を作ったわけじゃないですし、私も戦争のために歌の練習をしたわけじゃないです」



美緒「やはり、嫌か」



芳佳「嫌です」



リーネ「芳佳ちゃん、どうして?」



芳佳「ごめん、リーネちゃん。ネウロイに勝てやすくなるのはわかるけど、それでも戦争のためにサーニャちゃんの歌が利用されるのは……」



美緒「宮藤。お前が歌うだけで守れるものが広がることも事実だ」



芳佳「……」



美緒「考えてくれ」








84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/31(土) 01:01:26.41 ID:2SWuAts9P




おぼえていーますかー









86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/31(土) 01:05:47.10 ID:9SkOG+dx0




食堂



ルッキーニ「ではぁぁ!!結果発表ー!!」



シャーリー「誰が一番売れたんだ?」



ルッキーニ「えっと。まず、第5位!!ペリーヌ、リーネペア!!」



リーネ「あぅ……」



ペリーヌ「ま、まぁ、想定内ですわっ。ほーっほっほっほっほ!!」



ルッキーニ「第4位!!バルクホルン大尉、ハルトマン中尉ペア!!」



エーリカ「ま、妥当な順位かな」



バルクホン「ふん」



ルッキーニ「第3位!!エイラ、サーニャペア!!!」



エイラ「くそぉ!買い占めたのにぃ!!」



ルッキーニ「第2位!!ルッキーニ、シャーリーペア!!!」



シャーリー「お。意外だなぁ」



ルッキーニ「第1位はぁぁ……!!芳佳、坂本少佐ペア!!」



芳佳「……」








87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/31(土) 01:12:51.64 ID:9SkOG+dx0




ルッキーニ「ちなみに、第6位のミーナの歌は一つもうれなかったってー」



バルクホルン「ミーナ!?歌っていたのか!?」



シャーリー「どうした、宮藤?元気ないな。一位だぞ?うりうり」



芳佳「は、はい……」



エーリカ「組織票での一位じゃ嬉しくないよねぇ?」



バルクホルン「ハルトマン。組織票とはなんのことだ?」



エーリカ「あれ?手元にあった大金はどうしたの?どこかで使ったの?」



バルクホルン「なんのことかさっぱりだな」



ペリーヌ「ぬぅぅ……。坂本少佐が一位なのはいいですけど、あの豆狸まで一位なのは許せませんわ」



シャーリー「なんにしても、売り上げ一位の宮藤と少佐の歌は他の基地や戦艦でも流すんだろ。ちょっとしたものだな」



バルクホルン「そのうち、音楽の教材に載るかも知れないな」



エーリカ「それはないでしょー」



芳佳「……すいません。失礼します」



リーネ「あ、芳佳ちゃん!?」



バルクホルン「どうしたんだ……」








88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/31(土) 01:17:23.24 ID:9SkOG+dx0




滑走路



芳佳「はぁ……」



サーニャ「……」



芳佳「はぁ……私、どうしたらいいのかなぁ……」



サーニャ「きみのなかに、わたしをずっと、ブックマークしてねー」



芳佳「わぁ!?サ、サーニャちゃん!!いつからいたの!?」



サーニャ「今、きたところ」



芳佳「びっくりしたぁ……。声かけてよぉ」



サーニャ「歌で驚かせたほうがいいって言われたから」



芳佳「それは意味が違うよ!!」



エイラ「(いた……。また宮藤と一緒かぁ……)」



芳佳「サーニャちゃんは聞いた?」



サーニャ「何を?」



芳佳「サーニャちゃんが作った歌でネウロイを好きな時間、好きな場所に誘導できるって話」



サーニャ「……うん」








90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/31(土) 01:23:51.59 ID:9SkOG+dx0




芳佳「ネウロイは人類の敵。倒すべき相手。それはよくわかってる」



サーニャ「……」



芳佳「だけど、だけどね。私はサーニャちゃんの歌をこんなことに……」



サーニャ「芳佳ちゃん」ギュッ



芳佳「サーニャ……ちゃん……」



エイラ「(あー!!なにやってんだー!!)」



サーニャ「ありがとう。私の歌なのに、真剣に悩んでくれて」



芳佳「当然だよ!!だって、サーニャちゃんの歌は人を笑顔にするためにあるんだよ?戦争で使うなんて……!!」



サーニャ「私の歌でネウロイを倒せるなら、私はそれでいい」



芳佳「でも!!」



サーニャ「それで笑顔になれる人が多くいるから」



芳佳「サーニャちゃん……」



サーニャ「だから、使って。ううん。歌って欲しい。宮藤さんにだからこそ、歌を託すことができるの」



芳佳「……うん」



サーニャ「がんばって」








91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/31(土) 01:30:46.80 ID:9SkOG+dx0




ブリーフィングルーム



美緒「えー。急に召集をかけてすまない。今から全員でとあることをやってもらう」



バルクホルン「勿体ぶらずに教えて欲しい」



美緒「そうだな。これから夜の空に出る。そこで全員に歌ってもらう」



シャーリー「歌うって?」



ミーナ「実験……と言ってしまうと聞こえは悪いけれど、どうしても試してみたいことがあります」



美緒「これが成功すれば、現在の勢力図が一気に覆る可能性も秘めている」



エーリカ「歌うとネウロイがやられちゃうとか?」



美緒「それに近いかもしれない」



リーネ「……」



ペリーヌ「そんなこと……信じられませんわ……」



美緒「私も100%信じているわけではない。だが、可能性にかけてみたいんだ」



芳佳「あの!!みなさん!!どうか私に力を貸してください!!」



バルクホルン「いいだろう」



シャーリー「おいおい。もっと考えてからにしたほうがいいんじゃないか?あたしも賛成だけど」








95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/31(土) 01:41:11.85 ID:9SkOG+dx0




ルッキーニ「夜の空でコンサートだぁ!!たのしそー!!」キャッキャッ



バルクホルン「遊びにいくのではないのだぞ。ネウロイとの戦闘もあり得る危険度の高い任務だ」



ルッキーニ「わかってるよぉ」



エーリカ「で、全員で合唱するわけ?」



美緒「いや。全員で歌う必要はない。宮藤ともう一人が歌っていればそれでいい」



ミーナ「宮藤さんとパートナーは隊の最後尾へ。パートナーは歌が終わると同時に交代していきます」



美緒「他の者は宮藤たちの盾になるように陣形をつくる。いいな」



シャーリー「歌に釣られてやってきたネウロイを波状攻撃してやるんですね?」



美緒「そういう形をとる。いつ現れるかは分からん。常に警戒を怠るな」



エーリカ「でも、本当に歌に誘われて出てくるかなぁ」



ミーナ「失敗しても構わないと考えています」



バルクホルン「神経をすり減らすコンサートになりそうだな」



エイラ「なんだか、疲れそうだな」



サーニャ「そうだね……」



エイラ「……」








96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/31(土) 01:48:08.16 ID:9SkOG+dx0




ハンガー



美緒「出撃は15分後だ。焦らなくていい。しっかり準備をしろ」



バルクホルン「こちらから仕掛けるのは初めてだな」



エーリカ「腕と喉がなるねぇー」



シャーリー「考えてみれば、これでさ宮藤と歌ってネウロイが現れたら、各地に引っ張りだこになるんじゃないか?」



リーネ「え?」



シャーリー「だって、ネウロイを誘い出せるんだ。みんな欲しがるだろ、そんな人材」



エーリカ「確かにねー。もう宮藤と一生のバディになるね」



バルクホルン「……きみのなかに~。んんっ!!きみのなかに~。ちがうか……」



ペリーヌ「はぁ……その役目が坂本少佐とわたくしならよかったですのに……」



リーネ「……一生、ペアになるかもしれないんだね、わたしたち」



芳佳「あはは。ドキドキするね」



リーネ「うん!」



サーニャ「……」



エイラ「サーニャ、ちょっと」








97:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/31(土) 01:52:10.06 ID:9SkOG+dx0




サーニャ「なに?」



エイラ「いいのか?お前の歌を軍事利用されるんだぞ」



サーニャ「いいよ」



エイラ「でも」



サーニャ「大好きな人に歌ってもらえるなら、私は満足だから」



エイラ「それって……宮藤か?」



サーニャ「うん」



エイラ「……」



サーニャ「みんなに歌ってほしいから」



エイラ「サーニャ……」



サーニャ「私、みんなが大好きだから」



エイラ「その中で一番好きなのはだれだよー」



サーニャ「それは――」



美緒「よし!!そろそろ出撃する!!全員、続け!!」



芳佳「はい!!!」








98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/31(土) 01:55:10.08 ID:9SkOG+dx0




空中



美緒「このあたりでいいだろう。宮藤、リーネ。頼むぞ」



芳佳「はい」



リーネ「がんばります!」



ミーナ「では、作戦を開始します」



芳佳「いくよ、リーネちゃん」



リーネ「芳佳ちゃん。手、握っててもいい?」



芳佳「うん」ギュッ



リーネ「ありがとう。こうしてると安心する……」



芳佳「そうだね。私もだよぉ」



リーネ「芳佳ちゃん……えへへ……」



芳佳「えへへ」



美緒「何をしている!!!早く歌え!!」



芳佳「は、はい!!!」



リーネ「ごめんなさい!!」








99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/31(土) 01:59:26.57 ID:9SkOG+dx0




ミーナ「――次、バルクホルン大尉。お願いします」



バルクホルン「了解した」ブゥゥゥン



エーリカ「私じゃだめだったかぁ」



美緒(やはり歌では来ないか……)



ミーナ(それともサーニャさんと宮藤さんが……?)



芳佳「はぁ……はぁ……」



バルクホルン「宮藤、辛そうだな」



芳佳「はい。もう3回も熱唱してますから」



バルクホルン「ほら、水を飲め」



芳佳「すいません……」ゴクッゴクッ



バルクホルン「宮藤……」ギュッ



芳佳「バ、バルクホルンさん!?」



バルクホルン「手を握ったまま歌えばきっとネウロイは来る。そんな気がする」



芳佳「は、はい!!そうですね!!」



バルクホルン「よし!!歌うぞ!!!絶対にネウロイをここに呼ぶんだ!!!私たちでっ!!!」








101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/31(土) 02:05:13.25 ID:9SkOG+dx0




ミーナ「――お疲れ様。次……サーニャさん。お願いします」



サーニャ「わかりました」ブゥゥゥン



バルクホルン「……」



エーリカ「よしよし」



シャーリー「なんか、相当自信があっただけに、失敗の反動がすごいなぁー。だいじょうぶかぁー?」



ペリーヌ「な、なんだか、大尉の背中が一回り小さく見えますわ……」



美緒「(分かる。分かるぞ、バルクホルン)」



リーネ「……」



ルッキーニ「リーネもおちこんでるよー」



シャーリー「おいおい。お前たち、宮藤のこと好きすぎだろぉ。あたしも好きだけどさー」



エイラ「まったくダメだな」



芳佳「ふぅ……。サーニャちゃん」



サーニャ「大丈夫?」



芳佳「うん。平気だよ。サーニャちゃんと歌うのなんだか久しぶりな気がする」



サーニャ「そうだね。他の人とたくさん歌ってたから……」








102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/31(土) 02:12:28.62 ID:9SkOG+dx0




ミーナ「では、開始します」



芳佳「きみのなかに~わたしをずっと~ブックマークしてね~」



サーニャ「笑いながら~がんばったと~めちゃ、くちゃ、ほめてねっ」キラッ



芳佳「どんな時もっ 全部本気っ ギャップに~も驚かないでっ」



サーニャ「たった今をっ 進まなくちゃっ みら、いも、ないでしょ?」



芳佳「タタカイの意味、アタタカイならっ!」



サーニャ「戦いぬく~よっ 戦いなどないっ」



芳佳・サーニャ「「わたしたちの~せ~かいのっ ために~!」」キラッ



バルクホルン「……」



エーリカ「トゥルーデ、前見なきゃ」



バルクホルン「見ている」



シャーリー「おーい。誰か、バルクホルンを正気に戻せー」



ミーナ「坂本少佐?どうかしら」



美緒「まて……きた。ネウロイがきたぞ!!」



芳佳「……!」








103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/31(土) 02:18:17.83 ID:9SkOG+dx0




ネウロイ「……」ゴォォォ!!!



美緒「構えろ!!」



ルッキーニ「芳佳とサーニャの歌かぁ!!」



シャーリー「なるほどね!!この前のネウロイもそうだったわけだ!!」



ミーナ「宮藤さん、サーニャさんは歌い続けて」



芳佳「で、でも」



ミーナ「お願い」



芳佳「は、はい」



サーニャ「大丈夫。私がいるから」ギュッ



芳佳「……うんっ」



芳佳・サーニャ「「きみとなら~きっとっ できること~!」」



芳佳・サーニャ「「ココロ~とココロでっ 手をっ 結んで~!!」」



芳佳・サーニャ「「うんめいせ~ん」」クルッ



芳佳・サーニャ「「ぎゅっとっ かさねたら~」」



リーネ「――目標補足!!撃ちます!!」








105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/31(土) 02:24:55.64 ID:9SkOG+dx0




美緒「まて!!まだ来るぞ!!」



シャーリー「なんだって!?」



ミーナ「まって。数を確認するわ」



美緒「私が視認できるだけでも5体……いや、7体か」



リーネ「あの!!どうしたら……!!」



エーリカ「ペリーヌ。出番じゃないの?」



ペリーヌ「そのようですわね」



美緒「ペリーヌは私の後ろにつけ!!」



ペリーヌ「了解!!」



ルッキーニ「あれ!?上からもくるよ!!」



ミーナ「上!?」



ネウロイ「……」ゴォォォ!!



美緒「これは……!!」



バルクホルン「クロステルマン中尉!!頼む!!数が多すぎる!!」



ペリーヌ「は、はい!!――トネール!!!」バリバリバリバリ!!!








106:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/31(土) 02:30:20.05 ID:9SkOG+dx0




芳佳「きゅっと結ぶ 口もとから~ホホエミが消えた~」



サーニャ「ちょっとわたしっ フライングぎみっ 前しか見てない~」



芳佳「どきっとするっ 気がついたら崖っぷち ギリギリだったっ」



サーニャ「ぽわっとしてっ ごめんごめんっ テレ、パシーありがと~」キラッ



ネウロイ「……」ゴォォォ!!!



エーリカ「なにこれー!!撃墜数稼ぎ放題にもほどがあるってー!!」



バルクホルン「中佐!!敵の数は!?」



ミーナ「だめ!!際限なく増えていく!!」



リーネ「そ、それって!!」



エイラ「おいおい。なんでだよ」



ペリーヌ「なんでって……」



美緒「――宮藤!!歌うのをやめろ!!」



芳佳「え?あ、はい!!」



サーニャ「あ、ネウロイいっぱい……」



リーネ「芳佳ちゃん!!気をつけて!!」








107:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/31(土) 02:37:04.02 ID:9SkOG+dx0




ネウロイ「……」ゴォォン!!!



芳佳「きゃぁ!!」ギィィン!!!



サーニャ「なにこれ……」



シャーリー「こりゃ、とんでもないコンサートになったもんだー!!」



ルッキーニ「キリがなぁーい!!!」スガガガガ!!



美緒「ふっ!!」ザンッ!!



ネウロイ「……」キャー



エーリカ「トゥルーデー、弾足りる?」



バルクホルン「問題はないが、魔法力はどうかな」



芳佳「こ、これって……」



サーニャ「私のせい……」



芳佳「た、戦わないと!!」



サーニャ「……私の歌でみんなが……」



芳佳「サーニャちゃん!!」



サーニャ「そんな……」








109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/31(土) 02:44:28.75 ID:9SkOG+dx0




芳佳「しっかりして!!」



サーニャ「でも……宮藤さん……」



芳佳「サーニャちゃんの歌は笑顔になれるよ。ううん、もしかしたらネウロイたちもサーニャちゃんの歌を聴きにきただけかもしれないよ」



サーニャ「そんなわけ……」



芳佳「ううん。違うよね。私とサーニャちゃんの歌を聴きにきてくれたのかもしれない」



サーニャ「……」



芳佳「もう戦いになっちゃって、ネウロイに訊ねたりはできないけど、きっとそうだよ」



サーニャ「そうなのかな……」



芳佳「だって、サーニャちゃんの歌で幸せになれないなんてことは絶対に――」



ネウロイ「……」ゴォォォ!!!



リーネ「芳佳ちゃん!!!危ない!!」



美緒「宮藤!!後ろだ!!」



バルクホルン「くっ!!」ブゥゥゥン!!!



エイラ「サーニャ!!!」ブゥゥゥン!!!



芳佳「――ないからっ!!!」








111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/31(土) 02:49:11.52 ID:9SkOG+dx0




芳佳「つっ……」ギィィィン



サーニャ「あ……」



ネウロイ「……」ゴォォ



芳佳「くぅぅ……!!」



サーニャ「……そのままシールドを展開して」



芳佳「うん!」



サーニャ「――発射」ボシュッ



ドォォォン!!



シャーリー「ふぅー。あぶないなぁー。宮藤ー」



バルクホルン「まったく……」



エイラ「宮藤……」



美緒「各個撃破だ!!最後の一体まで気を抜くな!!」



バルクホルン「了解!!」



エーリカ「はいはーい」



リーネ「発射っ!」








112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/31(土) 02:57:35.03 ID:9SkOG+dx0




基地 滑走路



ルッキーニ「あぁぁ……つかれたぁぁぁ……」



シャーリー「流石に……な……」



リーネ「うぅん……」ガクッ



芳佳「リーネちゃん、大丈夫!?」



リーネ「な、なんとか……」



エイラ「宮藤、おまえこそ大丈夫か?」



芳佳「私は平気。エイラさんこそ怪我はない?」



エイラ「まぁ、掠り傷程度だ。気にするな」



バルクホルン「はぁ……はぁ……」



エーリカ「結構稼げたね、トゥルーデ?」



バルクホルン「ふっ。流石だな。ハルトマン」



ペリーヌ「もう……たてませんわ……」



サーニャ「ねむい……」



美緒「みんな。すまない」








113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/31(土) 03:03:58.32 ID:9SkOG+dx0




芳佳「坂本さん?」



美緒「私の責任だ。こういった事態を考えなかった、私の……」



ミーナ「いえ。この作戦は私が考案したものです。坂本少佐は……」



美緒「何をいう。私が……」



ミーナ「いや、私が……」



芳佳「あぁ……あの……」



シャーリー「はいはい。少佐も中佐も悪いってことでいいんじゃないですか?」



美緒「な……うむ……」



ミーナ「……そうね。本当にごめんなさい」



バルクホルン「そうだな。この作戦の重大な危険性を考慮しなかった、二人に責任があるといえる」



美緒「その通りだ。気を急いていたのかもしれない」



ミーナ「美緒……」



バルクホルン「そこでだ。処罰があって然るべきだと、私は思うのだが。皆の意見は?」



芳佳「えぇぇ!?そんなぁ!!坂本さんもミーナさんもいつもがんばってくれてるのに!!」



シャーリー「でも実際、誰か死んでいてもおかしくなかったわけだしさ。少佐も中佐も何もなしじゃ気がすまないだろうし。罰ゲームぐらいはアリなんじゃないか?」








115:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/31(土) 03:11:13.03 ID:KRr1/gU60




ルッキーニ「じゃあじゃあ、少佐と中佐のペアで歌って踊ってもらおー!!」



シャーリー「それいいな!!」



美緒「まて!!きちんとした……」



バルクホルン「少佐、中佐。そういうわけだ」



エーリカ「トゥルーデ、最高にフリフリしたズボンでも作ってあげてよぉ」



バルクホルン「うん。それは妙案だ。冴えているなハルトマン」



ミーナ「あらあら……」



ペリーヌ「そ、そんなの!!ダ、ダメですわよ!!!」



シャーリー「おいおいー。クロステルマン中尉?みたくないのかぁ?フリフリのズボンで躍る坂本少佐をさ」



ペリーヌ「そ、それは……それは……でも……それは……でも……いや……えー……でも……うーん……」



シャーリー「宮藤とリーネも賛成だよな」



芳佳「あ、えっと……」



リーネ「賛成とはいえないですけど……」



シャーリー「じゃ、賛成ってことで」



芳佳・リーネ「「えぇぇ!!」」








116:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/31(土) 03:16:52.18 ID:KRr1/gU60




エーリカ「どんなのにしよっか」



バルクホルン「そうだな……」



エイラ「部屋に戻るか、サーニャ?」



サーニャ「うん……」



芳佳「サーニャちゃん!!」



サーニャ「宮藤さん……」



芳佳「あの……どういっていいか……わからないけど……」



サーニャ「……」



芳佳「歌うの嫌いにならないでね!!」



サーニャ「……大丈夫だよ。また私、歌うから」



芳佳「サーニャちゃん。ありがとう!!」



サーニャ「私がありがとうって言わなきゃいけないのに……」



芳佳「ん?」



サーニャ「――芳佳ちゃん、おやすみ」



芳佳「……う、うん!!おやすみ!!サーニャちゃん!!」








117:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/31(土) 03:20:01.58 ID:KRr1/gU60




サーニャの部屋



サーニャ「おやすみ、エイラ……」



エイラ「なぁ、サーニャ」



サーニャ「なにぃ……?」



エイラ「……一番、好きなのって、やっぱり、宮藤なのか?」



サーニャ「うぅん……」



エイラ「なぁ……」



サーニャ「みんな……大好き……」



エイラ「私は何番目なんだよぉ」



サーニャ「……」



エイラ「サーニャ……」



サーニャ「……エイラは一番」



エイラ「サーニャぁ!!だよなぁ!!」



サーニャ「芳佳ちゃんも一番」



エイラ「……わかった。ありがと。サーニャ」








119:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/31(土) 03:24:02.33 ID:KRr1/gU60




翌朝 宮藤の部屋



芳佳「すぅ……すぅ……」



コンコン



芳佳「うぅ……?はぁーい?」



サーニャ「芳佳ちゃん。おはよう」



芳佳「あれ……?今、何時?」



サーニャ「起床時間から2時間過ぎてるけど」



芳佳「えぇぇぇ!?!?!」ガバッ



サーニャ「……」



芳佳「あぁ!!寝坊ってもんじゃないよぉ!!!」



サーニャ「大丈夫。ゆっくりでいいよ」



芳佳「え?どうして?」



サーニャ「みんなお休みになったから」



芳佳「そーなの?」



サーニャ「昨日のお詫びだって」








120:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/31(土) 03:27:42.21 ID:KRr1/gU60




芳佳「よかったぁ……」



サーニャ「芳佳ちゃん。また歌を作ったの」



芳佳「ホントに!?どんなの!?」



サーニャ「今度は芳佳ちゃんに歌ってほしいの。それで私が伴奏する」



芳佳「え?いいの?そんな大役、つとまるかなぁ」



サーニャ「芳佳ちゃんのために作るから」



芳佳「嬉しい!がんばって良い歌にしようね!」



サーニャ「うんっ」



エイラ「――おい!!宮藤ぃ!!」バンッ



芳佳「きゃあ!?エイラさん!?どうしたの!?」



エイラ「……サーニャはわたさないからなぁ!!」



芳佳「え?」



エイラ「わたさないからなぁぁ!!」



芳佳「エイラさん!!待って!!」



サーニャ「エイラー」テテテッ








121:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/31(土) 03:35:02.66 ID:KRr1/gU60




滑走路



美緒・ミーナ「「あ~いされたい!愛して会いたい!ア~~イタイシタイ!!」」キラッ



美緒「独りで~は~!きっとダメなこと~!!」フリフリ



ミーナ「願い~と願いを~!リンクしようね~!」フルフリ



バルクホルン「……」



エーリカ「あははははは!!!あははははは!!!!」



シャーリー「あー……うーん……」



ルッキーニ「なんか似合ってなぁ――」



バルクホルン「ルッキーニ少尉!!口元に食べかすがついているぞ?」グイッ



ルッキーニ「むぐぐぐ!!!!」



ペリーヌ「坂本少佐ぁ……はぁぁ……何をきても……すてきですぅ……」



リーネ「あはは……は……」



シャーリー「というか、あの二人目が笑ってないよな……。あとが怖いぞ、これ」



バルクホルン「だが、これぐらいの罰はあっていいだろ……?」



エーリカ「あははは!!ミーナも少佐もかわいいー!!!あはははは!!!」








122:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/31(土) 03:41:52.47 ID:KRr1/gU60




エイラ「向こうは楽しそうだなー」



芳佳「坂本さん、可哀相……」



サーニャ「芳佳ちゃん、これ」



芳佳「なになに?え、えーと……どう歌えばいいのかな?」



サーニャ「わーたしにでーきることー。はい」



芳佳「わ、わーたしにでーきることー」



サーニャ「そんな感じ」



芳佳「これ、難しそうだね」



サーニャ「きっとできる」



エイラ「むー……」



サーニャ「エイラも歌おう」



エイラ「……いいのか?」



サーニャ「うん。私の歌は大好きな人に歌ってほしいから」



エイラ「そ、そういうことなら今日だけ歌ってやる。今日だけだかんなー」



芳佳「それじゃ、歌おっか!」

                    おしまい








126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/31(土) 03:57:36.25 ID:W4S+xkcy0






芳佳とサーニャの組み合わせは和む








キョン「朝比奈さんなら今、俺の隣で寝ているが?」
春香・千早「仲のいいユニットは大成しない?」
京太郎「上京して一人暮らししようとしたら咲がついてきた」