1: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/19(土) 17:02:54 ID:IWyDQLRw
―立体機動訓練―

エレン「よし!これで10体目!」ザシュ!

ミカサ「(ああ…今日もエレンは輝いている…)」ズバッ!

ジャン「クソ!立体機動はオレの方が上手いはずなのに…」

ライナー「撃破数で点数が決まる訓練だからな。移動が速くても標的を先に見つけられなかったら意味無いぞ」

ジャン「それにしたっておかしいだろ!あの死に急ぎ野郎もう二桁だぞ!?なんでいつもいつもあいつの行く先には誂えたかのように模型があるんだよ!ズルしてんじゃないのか?!」イライラ

ベルトルト「ははは…エレンがそんな卑怯なことするとは思えないけど…」

ライナー「まあ、運が良いやつなんだろ。そういう奴はいる。神様にでも気に入られてるんじゃないか?」



2: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/19(土) 17:04:38 ID:IWyDQLRw
10巻くらいまでのネタバレ注意です。
完全に書きたいことだけ重視で書いたので不親切な展開注意




3: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/19(土) 17:05:50 ID:IWyDQLRw
ジャン「あんな死に急ぎ野郎を気に入るなんざ、よほど見る目のない神様がついてんだな…」

エレン「よし!20体目!ミカサに追いつくぞ!」

ミカサ「(!エレンが私を意識している…!私の横に並びたい=ともに夫婦として歩いて行きたい=結婚しよ)」

ミカサ「わかった。エレン。望むところ。(あなたのプロポーズを断るわけがない…)」ザンッ!

エレン「うおおおおおお」ズバババッ

アルミン「(…まだ一体も倒せてない…)」グスッ




4: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/19(土) 17:07:19 ID:IWyDQLRw
――昼食――

エレン「あー腹減ったー」グウウ…

ミカサ「エレンは頑張った。ので、ご褒美にわたしのパンも分けてあげよう」

エレン「いやそれはお前が食えよ。飯食わなきゃ体壊しちゃうだろ」

ミカサ「(やっぱりエレンはやさしい‥‥)」

キース「飯の前に話がある!訓練兵は全員こちらを向け!」

ザワザワ ナンダナンダ??

キース「貴様ら訓練兵達は所属兵団は違えど、卒業後はともに戦う戦友である。よって仲間どうしで仲良くするのは良いことだ。」

キース「しかし貴様らはライバル同士でもあるのだ。お互い負けん気を発揮して競いあうことが優秀な兵士になるためには不可欠だ」

キース「よってこれから定期的に、その日の訓練で特に成績の良かったものには褒美を与え、悪かったものには罰を与える!」

キース「今日の立体機動訓練!アッカーマン訓練兵並びにイェーガー訓練兵は非常に優秀であったため、両者のシチューは肉入りだ!」

エレン「まじか!やったああああ!」

ミカサ「(エレン…あんなに喜んで…可愛い)」ホッコリ




5: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/19(土) 17:08:13 ID:IWyDQLRw
マジカ!!!ウラヤマシイ…サキニイッテクダサイヨオオオオ!!!ワタシノニクウウウウ!!!

キース「なお、アルレルト訓練生は撃破数ゼロなどという大変けしからん成績を残した。このようなことは私が教官になって以来例をみない。」

キース「アルレルト訓練生のシチューは具なしだ。パンも無し。」

アルミン「……えっ?」




6: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/19(土) 17:10:31 ID:IWyDQLRw
エレン「うおおお肉うめえええ!!!いつ以来だろう…」モグモグ

ミカサ「エレン、慌てて食べてはダメ。消化に悪い。ゆっくりかんでたべないとせっかくの栄養が体に吸収されない。」モグモグモグモグモグ

エレン「うるさいなーお前は俺の妻かよ」

ミカサ「!!!!!!?????」

ミカサ「もう思い残すことはない…」




8: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/19(土) 17:11:18 ID:IWyDQLRw
ライナー「お前ら肉いいなぁ。隣座っていいか?」コトッ

エレン「おー。いちいち確認とらなくてもいいぞ。遠慮すんなよ」

ベルトルト「サシャに取られないように気をつけてね」コトッ

サシャ「人聞きの悪いコト言わないでください!」バッ

ライナー「うおっ?!いつの間に座ってたんだ?!」ビクッ

サシャ「エレンとミカサのシチューの肉の匂いを嗅ぎながら自分のシチューを食べる…私はそれだけで満足なんです…」モグモグモグモグモグ

ベルトルト「な、なんか目が怖いよ…」

ライナー「しかし俺とベルトルトもいつもより多くシチューがもらえたな?訓練で上位にはいったからか?」

ベルトルト「あっちで食べてるジャンは普通の量みたいだけど…」

サシャ「ああ…お肉の匂い…心なしか食感までお肉みたいに…」モグモグ

サシャ「あれ?」




9: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/19(土) 17:12:08 ID:IWyDQLRw
サシャ「!!!!」

サシャ「うわあああああ!!!」

ライベルエレミカ「???!!!」ビクッ

エレン「ど、どうしたサシャ?」

サシャ「お、お…








お肉のかけらがはいってましたあああああ!!!!」

サシャ「小さいけど!間違いなくお肉です!!!きっと作ってる時に紛れたんや!」ガツガツ




10: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/19(土) 17:12:43 ID:IWyDQLRw
ミカサ「サシャ。エレンのお肉をかすめたんじゃないの…?」ゴゴゴゴ

エレン「そんな怖い顔するなよミカサ。俺は取られてないぞ。サシャの言うように間違えて入ってたんだろ。」

サシャ「ラッキーです!ついてます!神様ありがとうございますうう!!!」ガツガツガツ




アルミン「…あ、なんか入ってる……」モグモグ ヒョイッ

アルミン「…なんだゴキブリか」ポイッ




クリスタ「」ジーッ
ユミル「どうしたクリスタ?肉がうらやましいのか?」




12: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/19(土) 17:14:57 ID:IWyDQLRw
――夜・男子寮――

エレン「疲れたけど今日も良い一日だったな。肉食えたし」

ジャン「…ケッ!立体機動の成績が良かったのはただの運だろ?」イライラ

エレン「なんだと?喧嘩売ってんのか?!」

ジャン「事実を言ってるだけだが?実際お前は立体機動の技術は…」ネチネチ

エレン「ふざけやがって!表にでろ!」

ジャン「望むところだ!どっちが上か教えてやるよ!」

ガヤガヤガヤバタン!

アルミン「ふぅ‥‥やっと静かになった。本でも読むか」

キース「おい!騒がしいぞ!」ガチャ

キース「む、アルレルト訓練生一人か。何を騒いでいるんだ!」

アルミン「えっ…いや、ジャンとエレンが…」

キース「この部屋にはお前しか居ないだろう!人のせいにするとは兵士失格だぞ!明日の朝食は抜きだ!」

アルミン「えっ?!そ、そんな…」




13: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/19(土) 17:16:19 ID:IWyDQLRw
数分後


ライナー「おーっす。あれ?アルミンだけか?」

アルミン「ああ…ライナー…」

ライナー「ほかの奴らはジャン「うおおおお!」ガチャ

ライナー「どうかしたのか?」

ジャン「外でエレンと喧嘩してたらミカサが止めに来たんだよ!」

ライナー「そ、そうか(いくらミカサに相手してもらえないからって喧嘩を仲裁されただけでこの喜びようはどうなんだ…)」

ジャン「おい!なんかバカにしてるだろ?!誤解だ!」




14: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/19(土) 17:16:55 ID:IWyDQLRw
ジャン「ミカサにあいつとの喧嘩を止められるのなんていつものことだろ?」

ライナー「まあそうだな。ほかになんかあったのか?」

ジャン「俺達の声を聞いて慌てて駆けつけたんだろうな…ミカサ、あいつな」

ジャン「風呂あがりで上透けてた…!!!!」

ジャン「ウヒョおおおおお!!最高だぜえええ!ついてるうううう!!」

ライナー「そ、そうか」ドンビキ




15: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/19(土) 17:18:04 ID:IWyDQLRw
エレン「あーくそ、うるせえぞ」ガチャ

ライナー「おーエレン。ジャンが嬉しそうだぞ」

エレン「見りゃ分かるよ。あーあなんかイライラもなくなっちまったな」

ライナー「ははは。いいことじゃないか。あんまり喧嘩してるとそのうちほんとに教官から罰もらうぞ」

エレン「それは怖いな…」

エレン「でも、運がいいんだろうな。なぜかあれだけ騒いでても教官にジャンと喧嘩してるのバレたこと無いんだ」

ライナー「お前ら結構な頻度で争ってるのにな」

エレン「案外教官も見逃してくれてたりしてな」

ライナー「あーそれもあるかもな。今日もライバルがどうこうって言ってたし。対抗意識は悪いものじゃないからな」

エレンライナー「ははははは」

アルミン「……………」




アルミン「はぁ…」




16: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/19(土) 17:18:47 ID:IWyDQLRw
アルミン「」トボトボ

アルミン「(いつからだろうか。いや、忘れてるだけで生まれた時からかも知れない。)」

アルミン「(ぼくにはどうやら、人の不運をもらって自分の幸運を近くの人に与えてしまう体質らしい。)」

アルミン「(ミカサは僕に貯まるこの不運のことを厄って呼んでたっけ…)」

アルミン「(そしてこの力は年々強くなっていく…)」

アルミン「(開拓地に居た頃もこの力はあったけど、ミカサやエレンが助けてくれたし、なにより二人が僕の力で幸せになっていると思うと僕もうれしかったんだ。)」




17: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/19(土) 17:19:28 ID:IWyDQLRw
アルミン「(最近ではある理由から二人とも関われなくなっちゃったんだけど…)」

アルミン「(ほかの訓練兵も僕には近寄ろうとしない。僕に集まった厄が、陰鬱な空気を出して近寄りがたくしてるらしい。)」

アルミン「(まあそれはぼくにとっても好都合なんだけど…)」

アルミン「(仲間は、傷つけたくないから)」ユラッ…

アルミン「(…さっきライナー僕に話しかけてきたけど、明日大丈夫かな)」シンパイダ‥




18: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/19(土) 17:20:27 ID:IWyDQLRw
――翌日食堂――

ライナー「うおおおおお!?」ガシャーン

コニー「ああっ!ライナーが寝起きで機嫌の悪いアニから特に理由のない暴力を!」

アルミン「(やっぱこうなったか…)」

アルミン「(不運のほうが世の中多いからね。厄を集めすぎて消化できてない状態の僕に好意や善意を向けると、どうやら厄が伝染ってしまうらしい)」

アルミン「(そして…)」




19: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/19(土) 17:21:32 ID:IWyDQLRw
キース「アルレルト訓練兵、昨日のことは反省したか?」

アルミン「はい、もう夜中に騒いだりしません。立体機動訓練も自主練をして能力向上につとめ、二度とあのような失態はしないことを誓います。」

キース「うむ。良い心がけだ。反省したのなら朝食は食べてよい。食べなければ訓練にも身が入らないだろうからな。」

アルミン「ありがとうございます」

アルミン「…こんなふうに、幸運とは言わなくても僕も人並みの幸運度に一時的に戻ることができる」

アルミン「だから目立たないようにしてたんだけどなぁ・・・ライナーには悪いことしちゃったや」ションボリ

アルミン「(開拓地に居た頃はまだ僕のなかで厄を消化できたのに…やっぱり訓練兵たちに囲まれてると厄が集まりすぎるや。お陰でミカサやエレンにも近づけない。悲しいなぁ…)」

アルミン「…がんばろう」





クリスタ「………」ジーッ




20: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/19(土) 17:22:44 ID:IWyDQLRw
――対人格闘訓練――

ユミル「クリスタ~一緒に組もうぜ~」ヒラヒラ

クリスタ「うん!負けないんだから!手加減とかしないでよ!」ブンブン

ユミル「クリスタは頑張りやさんだなぁ(可愛い)」



ユミル「とうっ!」スパーン
クリスタ「はうっ!?」コテーン

クリスタ「ううう…全敗だ…」グスッ

ユミル「!!く、クリスタもう一回だけやろう!こんどは私が暴漢な!」アタフタ

クリスタ「…手加減してわざと負けるつもりでしょ。そんなことしないでよ」ウルウル

ユミル「クリスタ…」

クリスタ「でも!次は負けないんだから!覚悟しといてね!」グッ

ユミル「!おうっ!クリスタは頑張ってるからきっとすぐ強くなるぞ!」




21: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/19(土) 17:23:35 ID:IWyDQLRw
コニー「サマーソルト!」ドカッ

サシャ「甘いですよ!コニー!」バッ

アルミン「グハッ」

コニー「うおおお??!!居たのかアルミン!すまん!」

アルミン「ダイジョウブダヨ」




クリスタ「……‥」チラッ




22: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/19(土) 17:24:45 ID:IWyDQLRw
――夜・女子寮――

クリスタ「ねぇねぇユミル。アルミンってお話したことある?」

ユミル「はぁ?どうしたんだいきなり。一目惚れでもしたか?クリスタは私の嫁なんだから浮気は許さないぞ?」グリグリ

クリスタ「もうユミルったら…そういうのはいいから。あとあたまグリグリしないで」

ユミル「ちょうどいい位置にあったから…」

ユミル「アルミンだっけ?いや、ないな。てかあいつ影薄いからなぁ‥なんか気になるのか?」

クリスタ「うん、アルミンっていつも不幸に巻き込まれてる気がして…」




23: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/19(土) 17:26:57 ID:IWyDQLRw
ユミル「そうかぁ?我らが優しき女神様にはそう見えるのかもしれないが、私はとくにはきがつかなかったなぁ」

ユミル「てか話したこともないやつそんな注目してみないし。どんなやつなんだ?」

クリスタ「わたしもあんまり知らないんだけど‥あ、でもミカサやエレンの居る机でいつもご飯食べてるよね?ミカサは仲いいのかな?」

ミカサ「よんだ?」

ユミル「うおっ?!音もなく背後から近寄るなよ!」ビクビク




24: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/19(土) 17:27:40 ID:IWyDQLRw
クリスタ「ちょうどよかった。ミカサってアルミンと仲いいの?」

ミカサ「アルミンとは幼なじみ。私がエレンに出会うまえからエレンとアルミンは友達だった。」

ミカサ「特にエレンはアルミン以外に友達が居なかったから…」

ユミル「クッ‥ハハハハハ!!なんだよあの死に急ぎ野郎の親友だったのかよ!」ゲラゲラ

クリスタ「もう!ユミルったらなにがそんなにおかしいの!」

ユミル「わりーわりー」

クリスタ「でも、アルミンってエレンやミカサともはなししてると込みたこと無いけど・・・ 無口な子なの?」

ミカサ「そんなことはない。アルミンは頭も良くて話題も豊富なおしゃべり上手。」

ミカサ「開拓地に居た頃はアルミンに何度も助けてもらった」

クリスタ「今はあまり関わってないように見えるけど…」




25: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/19(土) 17:28:11 ID:IWyDQLRw
ミカサ「…ここで訓練するようになってから、アルミンは私達と話をしようとしなくなった。」

ミカサ「とくに、好意や善意を向けると逃げるように離れてしまうのでアルミンが困っていても助けられない。」

ミカサ「エレンは反抗期だろって言うけど・・・アルミンは異常に運が悪いことがあるので、私は心配している。」

クリスタ「あ…やっぱり運悪いんだ…」




26: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/19(土) 17:28:44 ID:IWyDQLRw
ミカサ「でも、アルミンにも考えがあるはず。なので、私はアルミンが話してくれるのを待つことにしている」

ユミル「ただ単に嫌われてんじゃね―のw?死に急ぎ野郎とその保護者に愛想つかしたとかさw」

クリスタ「ちょっとユミル!」

ミカサ「そうだと悲しい…でも、アルミンは無理をしているようにみえる」

クリスタ「ミカサ…」




27: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/19(土) 17:29:47 ID:IWyDQLRw
ミカサ「しかしアルミンはとても、とても頭がよい、ので。きっとわたしには想像もつかないような考えがあるのだろう。そしてそれは正しいのだと信じている」

クリスタ「やけにアルミンの頭脳推すけど、ミカサは座学も名前載るくらい成績いいじゃない。ミカサのほうが上なんじゃないの?」




28: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/19(土) 17:30:53 ID:IWyDQLRw
ミカサ「?何言ってるの?アルミンは今期座学トップどころか歴代でもずば抜けて良い成績を残している」

ユミルクリスタ「はぁ?!」

ミカサ「…なにを驚いているの」

ユミル「いや、さすがにそれは…」

クリスタ「教科トップどころか、上位は貼りだされるし前に出る機会も多いからさすがに覚えてるよ…アルミンが貼りだされてるところ見たこと無いよ。」

ミカサ「ちゃんと貼りだされてる。なんならいまから見に行こう」




29: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/19(土) 17:31:36 ID:IWyDQLRw
移動中


ミカサ「ほら。」

クリスタ「ほ、ほんとだ」

ユミル「マジで気が付かなかった…紙の上でも存在感無いって、どんだけだよ」

ミカサ「『唯一の長所が誰にも認知されていない』という不幸なのだと思う。アルミンならあり得る」

ユミル「それもう魔法かなんかの類だろ…」

クリスタ「アルミンかわいそう…」




30: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/19(土) 17:32:33 ID:IWyDQLRw
ミカサ「私のお母さんが言っていた。こういう長く続く不幸の塊のようなものを、私達の一族は厄と呼んで忌み嫌っていたらしい」

クリスタ「厄が集まってくる体質ってこと…?」

ユミル「それすげーやだな」

ミカサ「厄を払う方法もかつてはあったらしいけど…私はその方法をしらない、ので、残念ながらアルミンを助けることが出来ない…指をくわえて(ry)

クリスタ「(…あれ、なんだろうこの違和感)」




31: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/19(土) 17:33:43 ID:IWyDQLRw
夜・ベッド

クリスタ「(なにか忘れている気がする…大切な何かを‥)」

クリスタ「(でもそれより今はアルミンのことだ。)」

クリスタ「(アルミンの特殊な体質。厄を集めるって言ってたっけ‥)」

クリスタ「(じゃあその厄はどこから集まってきたの?)」

クリスタ「(ミカサによると厄は人や物に付いているものらしい。じゃあアルミンの厄は…?)」




32: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/19(土) 17:34:36 ID:IWyDQLRw
クリスタ「(そういえば、アルミンの周りってみんな運がいい気がする)」

クリスタ「(それだけじゃない。もう訓練生活も2年目なのに…)」

クリスタ「(今年、誰も訓練中の事故で死んでないじゃない)」

クリスタ「(こんなことってありえるの?厳しい立体機動の訓練で?)」

クリスタ「(毎年少なくない訓練兵が事故で亡くなるというのに…)」

クリスタ「(アルミン…あなたまさか…)」




33: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/19(土) 17:35:19 ID:IWyDQLRw
――食堂・朝食――

アルミン「(ヤバイな…今日は厄のたまり方が半端じゃない…)」ズズズズズズ…

アルミン「(コレって、今日誰か死ぬ予定だったってことだろうなぁ…。まあ、僕がちょっと不幸になるくらいで人の命が助かるなら安いもんだ)」

アルミン「(まだきは抜けないな…今日好意を向けられたらその人にこの厄が伝染っちゃう…僕はダイジョウブだけど、耐性ない人に伝染ったら元が死ぬ厄なんだから命が危ない)」




アルミン「今日はエレンたちから離れて座るか…」




34: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/19(土) 17:36:03 ID:IWyDQLRw
クリスタ「(!!今日はアルミン一人か…話しかけてみようかな)」

クリスタ「(私にできることがあったら、何かしてあげたいし…)」

ユミル「おいクリスタ…また”善い事“しようとしてんのか?」

クリスタ「ユミル…」

ユミル「ほっとけよ。親友のミカサやエレンでさえ諦めてるんだ。お前が出てって何になるんだよ」

クリスタ「…わからない。でも‥」

ユミル「でもじゃねえ。あいつには関わるな。おせっかいだぞ」

クリスタ「‥‥‥」




35: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/19(土) 17:36:58 ID:IWyDQLRw
―――訓練――――

キース「今日は班ごとに分かれて目的地までの到達時間を競ってもらう!上位チームには褒美があるぞ!」

サシャ「うううおおおおおおきましたあああ!!!今日こそお肉を食べます!」

コニー「サシャ気合入ってんな―。まあ俺も肉食いたいし、頑張るか。」

サシャ「コニー?!足引っ張らないでくださいよ?!」

コニー「そのセリフ、そっくりそのまま返すぜ!ジャンもがんばろうじゃん」

ジャン「なんでお前らとなんだよ・・・」




36: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/19(土) 17:37:43 ID:IWyDQLRw
ミカサ「エレン、がんばろう」

エレン「お、ミカサ一緒の班か。お前となら心強いな」

ミカサ「!!嬉しい…まかせて。嫁の役割を私はちゃんと果たす」キリッ

エレン「お、おう。期待してるぞ(余命の役割…?なんだこいつ死ぬ気で頑張るってやつか!俺もまけてらんねぇな)」

ミーナ「アハハハ…」




37: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/19(土) 17:38:39 ID:IWyDQLRw
ユミル「なんてこった」
クリスタ「よ、よろしくね!アルミン!」
アルミン「うん、こちらこそ(まずい!グループに分かれての練習か!厄が伝染っちゃう!)」
アルミン「(なるべく距離をとろう。好意や善意を向けられないようにしなきゃ)」


キース「それでは、はじめッ!」




47: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/19(土) 23:38:07 ID:IWyDQLRw
キース「それでは、はじめッ!」

エレン「行くぞ!俺達の班がトップになるんだ!」バシュウッ!

ミカサ「任せてエレン」バシュッ

ミーナ「ちょ、置いてかないでよ~」バシュウウウッ!

ミカサ「ミーナ。ガスをふかしすぎ。それより慣性を利用して飛んだほうがよい」バシュッ

ミーナ「こ、こうかな」バシュウッ!

ミカサ「そう。上手。」

エレン「ミカサって周り結構見てるよなー。教えるのも上手いし」

ミカサ「!?(教えるのが上手い=教育上手=子供は3人以上ほしいんだが)」

ミカサ「分かった。エレンが望むのなら何人でも産もう」

エレン「(何にでも羽毛?)」

エレン「ああ、頼むよ(羽毛ぶとんでも作ってくれんのか?)」

ミカサ「今夜が勝負…」

ミーナ「……………」




48: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/19(土) 23:38:55 ID:IWyDQLRw
サシャ「うおおおおおお!!!!」バシュッ!タタタタ・・・・バシュッ!

ジャン「な?!木の間を縫うように…あいつ俺より上手いんじゃないか……?」ショボン

コニー「飯がかかってるからなぁ。おーい、サシャ!チーム戦だからお前一人行っても肉もらえないぞ―!」バシュウ!タンッ!




49: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/19(土) 23:39:56 ID:IWyDQLRw
アルミン「(クッ!ユミルはある程度予想していたけどクリスタもかなり速い!!)」バシュッ

アルミン「(でもスピード落としてなんて言ったら心配されるし……)」カンッ!バシュッ

アルミン「(そうなるとクリスタに厄が伝染っちゃう!)」

アルミン「(今日は、今日だけは絶対にそれはまずい!こんな量の厄を僕以外が背負ったら…)」スカッ!!!

アルミン「えっ…?」




50: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/19(土) 23:41:14 ID:IWyDQLRw
ユミル「おい?!」

アルミン「あ…(しまった…僕でも死ぬくらいに大きい厄だったのか…)」

アルミン「(ダメだ。アンカー引き始めれてない。絶対間に合わない)」

アルミン「(ああ…地面が近づいて…)」




51: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/19(土) 23:47:17 ID:IWyDQLRw
クリスタ「アルミイイイイイイン!!!!」バシュゥウウウ!

アルミン「くっ、クリスタ?!」

ギュッ




52: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/19(土) 23:49:13 ID:IWyDQLRw
クリスタ「アルミン、ダイジョウブ?!」ダキカカエル

アルミン「あ、ありがと…ってまずい!クリスタ、僕をはやく投げ捨てろ!」ズズズズズ…

クリスタ「はぁ?!何言ってるのそんなのできるわk」ギャリリリ…ギチッ!

クリスタ「え?(なにこれガスふかしてるのに巻取りが止まって…)」

アルミン「(故障か!落ちる)」




54: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/19(土) 23:53:44 ID:IWyDQLRw
ユミル「おらあああああ!!!」バシュ!

アルミン「ゆ、ユミル?!(すごい‥僕とクリスタを同時に抱えて…)」

ユミル「くっ、なんとか助かったな」ストッ

ユミル「貴様!アルミンなんで無茶した!ペース早いならそういえこの馬鹿野郎!クリスタをしなせるところだったんだぞ!」




55: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/19(土) 23:54:15 ID:IWyDQLRw
アルミン「ご、ごめんなさい……」

クリスタ「ちょ、ちょっとユミル…」

ユミル「クリスタは黙ってろ!こいつは言って聞かせねぇと……」

ギギギギギギ……




56: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/19(土) 23:56:30 ID:IWyDQLRw
ユミル「あ?何の音だ?」

アルミン「!!!!!拙っ!二人共僕から離れろ!」

クリスタ「アルミン?!」

ユミル「(……昨日のミカサの話が本当なら…)」

ユミル「こい、クリスタ」バシュッ!

クリスタ「えっ?!……!!!木が、倒れてくる…!」




57: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/19(土) 23:57:16 ID:IWyDQLRw
アルミン「(……ギリギリまで待つ…)」

バターン!!!!!



クリスタ「あああああ?!アルミンが!ユミル離して!!!」ジタバタ

ユミル「ば、ばかやろう!今行ったら危ないぞ!」

クリスタ「何言ってるの?!アルミンの立体機動装置も壊れてるんだよ!逃げられない!」

クリスタ「アルミーン!!!!」




58: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/19(土) 23:58:01 ID:IWyDQLRw
アルミン「イタタタ……」

ユミルクリスタ「アルミン?!」

アルミン「(“木が倒れてきて足が折れた”)」

アルミン「(まあ、死ぬよりは軽いけど、十分災厄だよね。8割くらいは消費出来たかな…しばらくは人にうつす心配もない。)」

クリスタ「アルミン!大丈夫?!」

アルミン「ごめん、手を貸してくれないかな?意識が…」クラッ




60: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 00:01:08 ID:.DmMK366
------――




?????「ひぅ…ぐすっ…」ポロポロ

????「どうしたの?」

?????「ぐすっ…あなただれ?」

????「ぼくは????。もう夕方だよ。そろそろおうちにかえらないとあぶないよ?」

?????「…………おうちかえりたくない」

????「おかあさんがしんぱいするよ?」




61: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 00:02:30 ID:.DmMK366
?????「おかあさんは………しんぱいしない…」

????「…………じゃあ、おとうさんは?」

?????「おとうさんはしんぱいするかもしれないけど………おしごとでいつもかえってこない」グスグス

????「そうなんだ…ねぇ、ちょっとこっちにおいでよ」




62: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 00:04:40 ID:.DmMK366
――------


―医務室――

ユミル「ったく……死に急ぎやろうの親友だけあって死に急ぐのがお好きらしいな」

クリスタ「ユミル!!」

アルミン「ハハハ…返す言葉もないです……」

ユミル「さっきは木が突然倒れてきたから有耶無耶になったが、元言えばお前が無理なスピードを出すから…」クドクドクドクド




63: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 00:05:30 ID:.DmMK366
アルミン「ごめん……」

クリスタ「ゆ、ユミルもうそれくらいにしてあげようよ。私達は怪我しなかったんだし…」

ユミル「クリスタ!お前もだぞ!お前の体格でアルミンを助けようなんて無茶しやがって…」

クリスタ「アルミンくらい抱えられるよ!何故かあの時アンカーが出なかったのが悪かっただけだよ!」

ユミル「“だけ”じゃねえ!実際私が行かなきゃあの時二人して死んでんだろうが!出来もしないことすんな!」




64: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 00:06:27 ID:.DmMK366
クリスタ「ううぅ…ごめんなさい」ションボリ

ユミル「…わかりゃいいんだよ。今日は運が悪かったんだ。」

クリスタ「(そう、運が…運が?)」

クリスタ「(アルミンがアンカーを打ち損ね、それを助けようとした私の立体機動装置が壊れ、私達を助けようとしたユミルはアルミンが叫ばなきゃ木に押しつぶされてたかもしれない)」




65: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 00:08:11 ID:.DmMK366
クリスタ「(ついてないってレベルじゃない…
     まさか、アルミンの体質が関係してるの?じゃあなんで私達まで?)」ムムム…



アルミン「(なにげにクリスタの“アルミンくらい抱えられる”が一番傷つくんだけど…)」イジイジ




66: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 00:09:58 ID:.DmMK366
―夜・女子寮――


ミカサ「二人共大丈夫?訓練中事故にあったと聞いた。」

ユミル「私達は大丈夫だよ。まあお前のとこのもう一人の死に急ぎ野郎は足を折ったけどな」

ミカサ「??!!アルミンが怪我をしたの?!大丈夫なの?!」




67: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 00:11:02 ID:.DmMK366
クリスタ「しばらくは訓練に出られないみたいだけど、状態は落ち着いてるよ」

ユミル「しかし、私達が危なかったのはみんなに知れ渡ってるのに怪我した
アイツのことは噂にならないのな。」

ミカサ「アルミンは、そういうことがたびたびある。例の体質のせいだと思う」

ミカサ「二人が危なかったのも、本人は悪くはないとはいえアルミンの
体質に巻き込まれたのだと思う。申し訳ない。」




68: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 00:11:50 ID:.DmMK366
クリスタ「そのことなんだけど…アルミンの不幸に巻き込まれるのって、昔もあった?
三人は一緒だったんでしょ?」

ミカサ「…そういえば、ない。エレンや私はむしろ運がいいくらい。」

ユミル「たしかに死に急ぎ野郎はそうとう強運の持ち主だよなー」

クリスタ「…………」




69: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 00:12:22 ID:.DmMK366
就寝前

クリスタ「ねえ、ユミル起きてる?」

ユミル「…ふぁぁ。なんだよクリスタ?添い寝なら大歓迎だが?」

クリスタ「もう……そうじゃなくて、アルミンのことなんだけど」




70: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 00:13:34 ID:.DmMK366
ユミル「またアルミンか。無事だったんだし、運が悪いのは仕方ないだろ」

クリスタ「そうじゃなくて……おかしいと思わない?」

ユミル「何が?」

クリスタ「アルミンはすごく不運。そしてアルミンのまわりは運が良い人が多い」

クリスタ「アルミンが不幸なのは厄が集まるからでしょ?だったらその厄ってどこから来てるのかな…」




71: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 00:14:12 ID:.DmMK366
ユミル「…まさか、アルミンが周りの不幸を肩代わりしてるっていいたいのか?」

クリスタ「うん。だって、今期はおかしいよ。けが人は少ないし、事故死する訓練兵は0人」

クリスタ「そしてアルミンと特に近い人達の強運とか……」




72: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 00:15:01 ID:.DmMK366
ユミル「…は、ばかばかしい。じゃあ今日の私達はスペシャルラッキーってことだな。
アルミンと同じ班だったんだぜ。」

ユミル「それともうちのネガティブな死に急ぎ姫が“仲間を助けようとして死ぬ”
って幸運に恵まれたと考えるか?」




73: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 00:16:39 ID:.DmMK366
クリスタ「…」

ユミル「もうねろ。そんな非科学的で馬鹿馬鹿しいことあるわけないさ。偶然だよ、偶然」スヤァ…





クリスタ「(いや、違うよユミル…アルミンはみんなを避けてた。でも、今日の事故ではわたしが助けに行った。つまり……)」




74: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 00:21:01 ID:.DmMK366
------――


????「ほら、ぼくのてをにぎって」ギュッ

?????「……あんしんする…ありがとう」ニコ

????「ふふふ、どういたしまして。そんなふうにわらってればいいこともあるよ。」

?????「そうかなぁ……!!あ、お父さんだ!」

????「ほんと?よかったじゃない。いっしょにかえりなよ」

?????「うん!ありがとう!おとーさーん!」タタタタ




75: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 00:21:37 ID:.DmMK366
―朝食――


アルミン「いててて……松葉杖ってなかなか使いにくいな…腋に体重かかってつらい……」ピョンピョン

アルミン「あ、ご飯運ばなきゃ…こぼさない様にいけるかな…」ピョン…




76: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 00:22:40 ID:.DmMK366
クリスタ「アルミン!おはよう!」

アルミン「あ、おはようクリスタ(まだ厄はそんなに溜まってないし‥挨拶くらいなら大丈夫かな)」

クリスタ「さ、速く行こっ!出遅れちゃうと座るとこなくなっちゃうよ!」ギュッ

アルミン「?!えっちょっクリスタ?!なにしてるの?!」

クリスタ「なにって、一緒に御飯に行こうと…」




77: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 00:23:10 ID:.DmMK366
アルミン「な、なんで急に…」ドキドキ

クリスタ「アルミン杖ついてるからご飯運びにくいでしょ?運んであげる!それにアルミンとお話したいんだ」ニコ

アルミン「(可愛い…ってそうじゃないだろ!厄がクリスタに行っちゃう!)」ズズズズズ・・・




78: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 00:24:15 ID:.DmMK366
アルミン「クリスタ、気持ちはうれしいけdクリスタ「分かったならはやくー!」グイグイ

アルミン「あわわわ、ちょ、クリスタ!」ヒッパラレル


ユミル「おいクリスタなんでこいつ連れてきたんだよ」

アルミン「あ、アハハハ…」

クリスタ「もう!そんなこと言わないでよ!一緒に御飯食べるくらいいいじゃない!」プンプン




79: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 00:24:45 ID:.DmMK366
ユミル「私はクリスタとイチャコラしながら飯を食いたいんだよ」キリッ

クリスタ「そう………(無関心)」

ユミル「クリスタァ?!」ジワッ

アルミン「(うーん困った…)」


「「「いただきまーす」」」
モグモグモグ




80: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 00:25:44 ID:.DmMK366
ユミル「ったく…こんな死に急ぎやろうその2のどこがいいんだか………」モグモグ

ユミル「おっ!今日はいつもよりスープの具が多いな!ラッキー!」

クリスタ「えっ本当?私のはむしろ少ないくらいなんだけど…」ショボン

ユミル「!!クリスタ、私の具を分けてやるから!落ち込むな!」ヒョイヒョイ

クリスタ「え、わ、悪いよ……」

ユミル「いいからいいかrサシャ「あー!ユミル食欲無いんですか?!」




81: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 00:28:03 ID:.DmMK366
ユミル「ば、バカちがう!」

サシャ「え……でもクリスタに具を………」

ユミル「(このバカに説明するだけ無駄だな………)」

ユミル「ちがうから。ほら自分で喰ってるだろ?」モグモグ

ユミル「スマンなクリスタ。サシャが………」

クリスタ「いいよ。もともとユミルのなんだし。」モグモグ




82: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 00:28:37 ID:.DmMK366
クリスタ「あ、私のにも大きい具が…」ヒョイ

クリスタ「…………コレ………人参のヘタだ………」ポイッ

ユミル「はぁ?!調理当番は何やってんだよ!ゴミ入れんじゃねえ!しかも私のクリスタのスープに!!!」プンプン!

クリスタ「ま、まあ間違いは誰にでもあるって」




83: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 00:29:18 ID:.DmMK366
アルミン「(ヤバイな…ユミルからは厄を貰えるけど、クリスタには逆に厄が流れていっちゃってる…
僕の食事運ぶの手伝ってくれたから…)」

アルミン「そしてぼくのスープには具が全く入ってないんだけど…」



サシャ「私はヘタでも美味しく食べれますよ。クリスタ、いただきますね」パクッゴリゴリッ




84: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 00:32:21 ID:.DmMK366
―座学――


アルミン「今日は座学の日か。これなら足が折れてても受けられる」

アルミン「なるべく人の居ない方nクリスタ「アルミーン!」

クリスタ「隣いいかな?!」

アルミン「く、クリスタ?!なんで…」

クリスタ「アルミン成績いいでしょ?わからないところあったら教えてほしいかな―なんて」テヘヘ

アルミン「(ミカサとエレン以外で気づいてる人いたんだ)」




85: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 00:32:55 ID:.DmMK366
クリスタ「あっ、松葉杖邪魔だよね、ほらかして。後ろにおいてきてあげる」ヒョイ

アルミン「あっクリスタいいって!(僕を助けると君に厄が!)」ズズズズ…




86: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 00:33:51 ID:.DmMK366
―授業中――


教官「えーではこの問題をレンズ訓練兵」

クリスタ「(ど、どうしよう。簡単なはずなのに公式ど忘れしちゃった…わからないよ…)」

教官「ちなみにこんな問題もわからないなら今日課題2倍だからな」

クリスタ「えっ、そんな………」

アルミン「…」スッ

クリスタ「!(アルミンが公式を………ありがとう!)」

クリスタ「~~~~~より300km/secです」




87: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 00:34:29 ID:.DmMK366
教官「…レンズ訓練兵。解き方はあっているが、単位をミスしているぞ………」

クリスタ「あっ?!(しまった、うっかりミス!せっかくアルミンが助けてくれたのに…)」

教官「ほとんど正解何だがな…私も言ってしまった以上取り消すことは出来ん。レンズ訓練兵は課題3倍だ」




88: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 00:35:41 ID:.DmMK366
クリスタ「えっ?!2倍の間違いでは…?」

教官「む?確かに3倍といったぞ。ごまかして量を減らそうとは感心せんな。レンズ訓練兵の課題は4倍とする」

クリスタ「…っ?!そんな………」ガックリ


ユミル「」ピキピキピキピキ




89: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 00:36:47 ID:.DmMK366
―自由時間――

ユミル「あのメガネじじい!私のクリスタになんてことを…」ワナワナ

クリスタ「ははは………しかたないよ。たしかに2倍ってきこえたんだけどなぁ」

ユミル「わたしもそう聞こえたぞ!あいつ耄碌してんじゃねえか?!」

サシャ「わたしも2倍と聞こえました。酷いですよね………」

クリスタ「そもそも私がミスしたのがいけなかったんだし‥しかたないよ」




90: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 00:37:19 ID:.DmMK366
ユミル「クリスタ、課題を出せ。手伝ってやる。4倍なんて絶対終わらない。」

クリスタ「ユミル、気持ちは嬉しいんだけど…課題コレなの。」パサッ

ユミル「コレって…………」

サシャ「歴史の、年表書き取り‥」

クリスタ「同じ表をずっと写すやつだから………筆跡違ったら一発でバレちゃうよ」




91: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 00:37:52 ID:.DmMK366
ユミル「あああああ!!!なんでよりによってコレなんだよおおお!!いつもの計算問題だしとけよおおお!!」

サシャ「ほんと…ついてないですね………」

クリスタ「ははは…」



アルミン「……ゴメン」




94: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 00:42:21 ID:.DmMK366
―夜・休暇の前日――

クリスタ「アルミン!明日の休日なんだけど一緒にお買い物行かない?アルミン本が好きって聞いたよ!
私もよく本読むから一緒に本屋さんに…」

アルミン「…ねえ、クリスタ。ひょっとして、気づいてるでしょ?」

クリスタ「…何のこと?それより明日何時に行こうか?お昼はオススメのお店が」

アルミン「ごまかさないでよ。僕の体質のこと、わかってるんでしょ?」




96: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 00:43:14 ID:.DmMK366
クリスタ「…うん、ミカサから聞いて‥でも!哀れんでとかじゃなくtアルミン「違うよ」

アルミン「全部、知ってるんでしょ?」

クリスタ「アルミン…」

アルミン「やっぱり理解してるみたいだね。ってことは、わざとだよね。」

アルミン「僕の厄を自分に移るようにしてるのは。」

クリスタ「…………」




97: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 00:43:52 ID:.DmMK366
アルミン「クリスタ‥君は優しいから、そんなことするんだろうけど」

アルミン「正直、必要ないよ。僕は今までこうやって生きてきた。コレは僕の役割なんだ。」

アルミン「君が何とかしようとして、つらい目に合う必要なんてこれっぽっちもない。」

アルミン「だかr クリスタ「でも!アルミンすごくつらそうだよ?!!」
 
アルミン「…クリスタ?」




98: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 00:44:25 ID:.DmMK366
クリスタ「それにこの前足を折った時だって、そもそも私が助けなきゃアルミン死んでたじゃない!」

アルミン「それは…」

クリスタ「幼なじみのエレンやミカサにもほんとのこと言わないし!自分でばっかり抱えちゃって!」

クリスタ「せめて事情に気がついた私くらい少し頼ってくれてもいいじゃない!」

クリスタ「アルミンが一人でつらい目に会ってるの見るのほうがつらいよ…」




99: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 00:44:57 ID:.DmMK366
アルミン「…………クリスタ、なんでそこまでしてくれるの?」

クリスタ「…………それは分からないなら、分からなくていいよ。」

クリスタ「でも、わたしがアルミンを助けたいってことはわかってほしい」

クリスタ「困ったときは‥頼ってよ………」

アルミン「……………」




100: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 00:46:21 ID:.DmMK366
------――


?????「はぁ……」

????「あれ、ひさしぶり。きょうもげんきなさそうだね」

?????「あ!このまえの…」

????「なにかつらいことあったの?」

?????「うん……」

????「…いいづらいこと?」

?????「そう、だね。…ねえ、しばらくいっしょにいてくれない?……」プルプル




101: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 00:47:01 ID:.DmMK366

????「いいよ。ぼくにできることならなんでも。となりすわるね」スッ

?????「ありがとう…ううぅ…なんでわたしばかりこんなにつらいことばっかりなんだろう…」ギュッ

????「そういえば、きみのなまえきいてなかったね」

?????「わたし?わたしは?????だよ」

????「いいなまえだね。ねえ、?????。」





????「その厄、もらってあげようか?」




102: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 00:47:40 ID:.DmMK366
―――兵站行進―――


キース「今日は兵站行進訓練だ!各々班に分かれて雪山を超えてもらう!」

キース「雪山の反対側に物資を運び、そこに簡易基地をたててもらう」

キース「先に行っておくが、この訓練では死者が出ることも多い。非常に危険な訓練だ。」

キース「体調の悪いものはやめておけ。そうでないものも逃げてもらっても構わんぞ!!」

キース「点数よりも、命のほうが大切だ。」




103: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 00:51:37 ID:.DmMK366
アルミン「(やばい!やばい!)」

アルミン「(厄の集まり方がやばいいいい!!!!)」ズズズズズズ!!!!

アルミン「(5.6人死ぬ予定だったんだろうな……)」

アルミン「(さすがに今回はダメかもしれない。でも僕が棄権すれば、間違いなく5.6人死ぬ。)」

アルミン「(その5.6人にミカサやエレンや…)」

アルミン「(クリスタが入ってるかもしれない…)」

アルミン「僕は、逃げない。絶対に勝つ。」

アルミン「勝って、守りたいんだ。」




104: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 00:52:43 ID:.DmMK366
―訓練中盤・山中――

アルミン「さて」ボロボロ

アルミン「“運悪く”ココ十年で最大の吹雪がおこって」

アルミン「“運悪く”雪崩が起きて」

アルミン「“運悪く”足場が崩れて、僕だけが下に落ちみんなからはぐれ」

アルミン「“運悪く”左腕が折れて」

アルミン「しかも僕の荷物には寝袋も食事もない」




105: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 00:53:53 ID:.DmMK366
アルミン「運が悪いにも限度があるだろ!なんでこんな時に限って僕の担当が
簡易基地作るための工具と木材なんだよ!重いし食えないし!」

アルミン「まあこれだけ厄がたまってたらある意味当たり前だけど…」

アルミン「あと火も起こせない。かな。他に何かあるかなぁ。なんかもう感覚が麻痺しちゃったや……」

アルミン「とりあえず、歩くか。」




106: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 00:54:50 ID:.DmMK366
―クリスタの班――


教官「おい!連絡だ!訓練は中止だ!」

サシャ「どうしたのですか?」

教官「バカ!この吹雪だぞ!こんな雪山超えさせたら訓練兵の半分も生き残らない!
がけ崩れも起こってるみたいだし…とにかく、戻れ!」

ダズ「(まじかあああ!!!ラッキー!これで減点されずにすむ!体調悪かったけど無理して来てよかった…)」ゲロゲロ

ユミル「おいどうした汚いな。しかし災難だなぁ。まあ私達のルートは幸いにも歩きやすかったから良かったけどな」




107: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 00:55:38 ID:.DmMK366
ミーナ「ね~。吹雪いてるけど追い風だし…ってあれ?戻ろうとしたら風向きかわった!また追い風だ~楽ちんだね」

アニ「ほんとだ。ついてるね」

クリスタ「(多分アルミンのおかげなんだろうな……アルミン大丈夫かな)」

クリスタ「す、すみません。他の訓練兵は無事なのでしょうか?」




110: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 00:58:56 ID:.DmMK366
教官「伝令は全班に向かってるが…第7グループはがけ崩れに巻き込まれたらしい。
ほとんどは無事だが、一人崖下に落ちたらしい。この吹雪では救出も出来ない。残念だが…」

クリスタ「え……?第7グループって……」

クリスタ「あ……アルミンの……」ガクガク

ユミル「おい、クリスタ。バカなこと考えてないよな?私達は戻るぞ?」

クリスタ「うん……わかってる……」




111: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 00:59:52 ID:.DmMK366

ザッザッザッ


クリスタ「(助けなきゃ…でもどうやって?アルミンの場所も分からない。)」

クリスタ「(隣の班だから、ルートも近いはず。ならスタート地点に戻っている今、アルミンには近づいているはずだけど…)」

クリスタ「(考えろ…考えれば…)」

ユミル「おい、クリスタ。本当に勘弁してくれよ。それにアルミンが不運を集める体質なら、
アイツのそばに行くのなんか自殺行為だぞ。二人して死ぬだけだ。」

クリスタ「(!!!そうか!)わかったよ・……」




112: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 01:02:39 ID:.DmMK366
クリスタ「(いまここでいちばん“運が悪い”のは、厄だらけのアルミンのそばにいること。)」

クリスタ「(そして、アルミンに善意を向ければ私にも厄が集まるのなら…)」

クリスタ「(距離的にもアルミンはこの近くのはず!よし!)」


クリスタ「アルミンを助けたいアルミンを助けたいアルミンを助けたいアルミンを助けたいアルミンを
助けたいアルミンを助けたいアルミンを助けたいアルミンを助けたいアルミンを助けたいアルミンを
助けたいアルミンを助けたいアルミンを助けたい……」ブツブツブツ



アルミン「あれ……?なんか厄がどっかいくぞ…?」ズズズズ




113: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 01:05:00 ID:.DmMK366
アルミン「厄が勝手に減るなんて、初めてだなぁ」

アルミン「ハハハ、さすがに神様が助けてくれてるのかな。こんなに死にそうなんだし」ゲホッビチャッ!

アルミン「うわぁ……喀血してるんだけど…」ゲホゲホ




クリスタ「アルミンアルミンアルミン」ガラララ!

クリスタ「!!!足元に崖が?!雪で気が付かなかった!落ちる!」




114: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 01:06:33 ID:.DmMK366
ユミル「くっそ、吹雪いて前が見えねぇ…クリスタ大丈夫か?」

ユミル「……クリ、スタ?」


ダズ「どうした?早く戻るぞ!(熱出てきた…)」




115: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 01:07:48 ID:.DmMK366
アルミン「やばい死ぬ」ゲホゲホ

アルミン「落ちた時に何処か痛めたのかな・・……?」ゴソゴソ

アルミン「ウワァ…胸のあたりが真っ黒なんだけど……内出血…?」ゲホッ

アルミン「そりゃあ、血も吐くよね。ああ、寒いなぁ・……」ブルブル

アルミン「ゲホッ!ゲホッ!……寂しい。僕はみんなのためにみんなの分のつらい思いをしてきたのに…」




116: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 01:08:28 ID:.DmMK366
アルミン「なんでこんな最期をすごさなきゃいけないんだ。」


アルミン「べつに感謝してもらおうと思って頑張ったわけじゃないけど」


アルミン「だれも僕に気づかない。誰もぼくのそばに居ない」


アルミン「最期まで、こんな誰も居ないところで一人さみしく死んでいくの…………?」




117: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 01:09:31 ID:.DmMK366

アルミン「流石5.6人が死ぬだけの厄がいっきに集まっただけあるね。死に方が最悪だ…」ゲホッゲホッ


アルミン「寂しいよ」


アルミン「つらい…つらい!」ゲホッ


アルミン「つらいよ!!!!!!」ゲホッゲホッ




アルミン「誰か助けて!!!」


クリスタ「アルミン!!!!!」




118: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 01:15:51 ID:.DmMK366
アルミン「く、クリスタ??!!」

クリスタ「アルミン!!そこにいるの??!!」

アルミン「なんでだ!どうしてここにいるんだクリスタ!」ゲホッ

クリスタ「崖から落ちちゃって…」ハハハ

アルミン「そ、そんな…………なんでよりによってクリスタが崖から落ちなきゃならないんだ……!!!」ゲホッゲホッ

アルミン「あ!まさかさっき僕から消えた厄はクリスタのところに??!!」




119: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 01:16:50 ID:.DmMK366
アルミン「ご…ごめんクリスタ!!!!僕が!僕が弱音をはいたりするから!!」ゲホゲホ

アルミン「君みたいな優しい子をこんな目に…!」ポロポロ

アルミン「僕は……クリスタの優しさに甘えて…結局クリスタを殺してしまうことに…」ゲホ

クリスタ「アルミン、そんなこと考えないで。」




120: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 01:18:37 ID:.DmMK366
クリスタ「アルミン、さっきつらいって言ってたでしょ?わたしは安心してるんだ。
だって、アルミンが辛い時にそばに居てあげられるんだから。」

アルミン「クリスタ…」

クリスタ「ねえ、アルミン、こっちにきて」

アルミン「僕に近づいちゃだめだクリスタ。厄が伝染る…それに僕はもうダメなんだ。血を吐いてる。臓器を痛めたみたいだ。」ゲホゲホ

アルミン「きみだけでも、麓にいくんだ。一人ならまだ助かる。残りの力で君の厄を全部もらってあげるから…」ゲホッ



クリスタ「…・だめだよ。ダメなんだよアルミン。それよりもっとこっちにきてくれない?」

クリスタ「アルミンがどこに居るのか………わからないんだからさ………」




121: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 01:20:59 ID:.DmMK366
アルミン「…………クリスタ?……………君………まさか」フラッ



クリスタ「ははは、目、両方共潰れちゃった。運が悪いよね。」

クリスタ「最後にアルミンの顔も見れないなんて。」


アルミン「く、クリスタ!」ヨロヨロ

クリスタ「アルミン…」ギュッ




122: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 01:23:26 ID:.DmMK366
アルミン「ごめん!ほんとうにごめん!僕のせいで!」ポロポロゲホゲホ

クリスタ「ううん。さっきも言ったでしょ?わたしはアルミンのそばに居られるのがうれしいんだ。」

クリスタ「あはは………こうしてるとあったかいね。わたし今幸せだよ。」ギュッー

アルミン「なんで………きみはそんなことが言えるんだよ。本当に天使かなにかなのか?
僕とはついこの前まで話すらしたことなかった間柄じゃないか…………」ゲホゲホ

クリスタ「…私はそんな立派なものじゃないよ」




123: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 01:23:58 ID:.DmMK366

クリスタ「ただ、ね。わたしが死にかけてた時。」

クリスタ「助けてくれた人が…それも2回も。」

クリスタ「心が死にそうな時も、体が殺されそうな時も助けてくれたひとが」

クリスタ「大好きになっちゃっただけだよ」




124: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 01:25:04 ID:.DmMK366
クリスタ「ねえ、アルミン。あなたは今、つらくて、寂しくて、死にそうなんでしょ…?」

クリスタ「じゃあ、さ。」






クリスタ「その厄、もらってあげようか…?」




125: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 01:27:34 ID:.DmMK366
―翌日・訓練兵宿舎――

キース「…残念なことだが、アルレルト訓練兵並びにレンズ訓練兵は雪山で死んでるところが発見された。」

エレン「…………は???!!!嘘だろ!!??」ガクガク

ミカサ「アルミンが‥死ぬはずがない…」プルプル

ユミル「クリスタ…ッ!!!くそおおお!!!!」ポロポロ

エレン「…そんな…なんで……クソ、こんなことなら反抗期だなんていってないで無理にでも話してればよかった…!」グスッ




128: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 01:30:46 ID:.DmMK366
キース「(…アルレルト訓練兵は片方の肺に穴が空き、左手は折れて肝臓が打撲で内出血していた。そうとう苦しかっただろう。)」

キース「(レンズ訓練兵は両目を岩で打ち、失明したのち凍死していた。二人共決して楽ではない死に方だった。)」

キース「(だが………なぜだろうか)」

キース「(よりそって死んでいた二人の顔は…)」

キース「(清々しいほどに、幸せそうだった)」

キース「(悪い憑物でも落ちたみたいに、な。)」




はっぴーえんど?




130: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 01:31:22 ID:.DmMK366
エピローグ

?「あなたは居てはならない妾の子。ほんとうならここで殺すしかないけれど…」

?「兵士として、名前を変えて生きる選択肢を特別に与えます」

?「選びなさい。ここで死ぬか、別人として生きるか」

?????「(信じられない。いつか殺されると思ってたのに。)」

?????「(…あの子のおかげかな?だとしたら)」

?????「(いつか、恩返しがしたい。そして、あの子と仲良くなって)」

?????「(ずっと一緒にいられたら。そうしたら、たとえここで“私”が死んでも)」

?????「(名前を変えた、別の“私”として幸せになることもできる気がする)」

ヒストリア「また会えるかな…アルミン」




134: ◆Ey/GY3HtXQ 2013/10/20(日) 01:34:41 ID:.DmMK366
くう疲!
最後までお付き合いいただいてありがとうございました。進撃の巨人ではアルミン・ミカサ・エレンの三人が好きです。
でも、クリスタはもっと好きです。


どうでもいい補足:ダズが無理して出てこなかったらアルミンやクリスタが死ぬほどの厄にはならなかったから
ダズが悪いってことでお願いします。体調悪いダズさんを助けるのは大変なんや!(風向き・コース・伝令がくる速さすべてダズ仕様)
ダズさんの命マジ重い。




135: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/20(日) 01:36:37 ID:YaTPQ7OU
あのときの子どもはアルミンとヒストリアだったのか………

ある意味、二人は幸せな最期を迎えたんかな。
厄を受け止めきった二人の幸せな最期の代償に大切な人の涙と苦しみとかやるせない




142: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/20(日) 09:20:46 ID:7fm.bSFs
うっうわぁぁぁぁ(´;ω;`)





引用元: アルミン「その厄、もらってあげようか?」



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