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律「さぷらいずむぎ」



恒一「いないものになってから逆セクハラが凄い」
P「どうやら響に嫌われたみたいなんだが……」
一夏「性欲を持て余す」





1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 20:29:17.27 ID:pPF7v43h0




律(7月2日、ムギの誕生日)



律(私達は部室でムギの誕生パーティーをやったんだ)



律(ムギのやつは大はしゃぎで・・・あ、唯のほうがはしゃいでたかもしれないけど)



律(澪もみんなを宥める側にまわってたけど、実はかなりはしゃいでたと思う。多分梓も)



律(そんな中、私だけははしゃげなかった)



律(・・・)



律(パーティーの片付けが終わったあと、少し残るようにムギに頼んだ)



律(それから私はムギに告白した)



律(好きだ、って)








5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 20:34:48.61 ID:pPF7v43h0








紬「り、りっちゃん?」



律「返事はいつでもいいから」



紬「う、うん//」



律「じゃあ」







律(あの時は逃げるように走り去ってしまった)



律(告白なんてはじめてだし・・・)



律(緊張したから仕方がないと思う)



律(ムギ、戸惑ってたなぁ)



律(でも顔がほんのり赤かった・・・ような気がする)



律(私の見間違いじゃなければ)








7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 20:39:36.42 ID:pPF7v43h0




律(ムギを好きになったきかっけ)



律(きっかけらしいきっかけと言えば、あのお出かけかな)



律(偶然出会って、駄菓子屋にいって、ゲームセンターにいって・・・アレってデートだったんだろうか)



律(・・・)



律(あの別れ際の笑顔が心にひっかかって)



律(いつの間にかムギから目を離せなくなっていたんだ)



律(自分は同性愛から遠い存在だと思ってたけど)



律(ほんと、いつの間にか・・・)





律(・・・今ではムギのことが気になって仕方ない)



律(まぁ、それはいい)



律(それはいいんだ)



律(それより問題なのは・・・)








9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 20:42:43.18 ID:pPF7v43h0








紬「りっちゃん、はい」



律「ありがとう」



紬「唯ちゃんも、どうぞ」



唯「これなーに?」



紬「親戚の人からもらったの。フランスの地方の焼き菓子だって」



唯「いただきまーす」パク



唯「うん、うん、これは!?」



紬「これは!?」



唯「とっても美味しいよー!!」



紬「そう、おかわりもあるわよ」



唯「え。ほんと!」



紬「ええ」



唯「わ~い、ムギちゃん大好き!」ダキッ



律(お、おい)








10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 20:45:21.68 ID:pPF7v43h0




紬「うふふ、唯ちゃんったら」



唯「えへへー」



律「・・・ムギ、私ももう一つもらっていいか?」



紬「りっちゃんも気に入ってくれたんだ!」



律「お、おう」



律(なんて眩しい笑顔だ)



紬「はい、りっちゃん」



律「さんきゅー」



紬「・・・」ウズウズ



律「むぎ?」



唯「ちっちっちっ、りっちゃんはわかってないねー」



律「え」



唯「ムギちゃんはりっちゃんに抱きついて欲しいんだよ」



律「え、え」



紬「うふふ、冗談よ。はい、お茶のおかわりもいれるね」








11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 20:45:41.48 ID:pPF7v43h0








律(という感じにどぎまぎさせられっぱなしなのである)



律(・・・)



律(あの時抱きついてたら・・・ううん、なに考えてるんだ)



律(私とムギはまだそういうんじゃ・・・)



律(と、とにかく、こういうのは困る)



律(この前だって)








12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 20:46:03.23 ID:pPF7v43h0








紬「そっかぁ、りっちゃんは小海老のかき揚げが好きなんだ」



律「あぁ、ムギは?」



紬「私は紫蘇の葉かな」



律「美味しいよな、紫蘇の天麩羅」



梓「こんにちはー、あ、お二人だけでしたか」



紬「いらっしゃい、梓ちゃん」



律「おう」



梓「むーぎ先輩」ダキッ



紬「あ、梓ちゃん//」








14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 20:47:05.05 ID:pPF7v43h0




梓「ふふふ」ギュ



紬「も、もうっ、どうしたの?」



梓「抱きついちゃダメですか?」



紬「えっと・・・ダメではないけれど、どうして?」



梓「私にだって誰かに抱きつきたくなることはあります」



紬「そ、そうなんだ」



梓「それにムギ先輩はいいにおいがしますから」



律「・・・」



梓「あ、律先輩も混ざりますか?」



律「え」



律(確かにムギはいい匂いがするけど・・・混ざれるわけないだろ)



梓「いいです、私ひとりで堪能させてもらいますから」



紬「もう、梓ちゃんったら・・・」








15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 20:47:35.41 ID:pPF7v43h0








律(梓までこんな有り様である)



律(まさかみんなグルになって私をからかってるんじゃ・・・)



律(いや、ムギに限ってそんなことないはずだ)



律(・・・たぶん)



律(と、とにかく、そろそろ返事が欲しい)



律(でも『いつでもいいから』と言った手前、催促するのも気がひける)



律(私の勝手な勘だけど、ムギは『同性だから』という理由で断ることはないと思う)



律(そして、答えを保留することでキープするようなやつでもない)



律(だからきっとムギはまだ迷ってるんだと思う)



律(・・・)








17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 20:48:07.31 ID:pPF7v43h0








澪「見ら  に来 ?」コソコソ



紬「・・・う 大 夫」コソコソ



律(あれ、あそこにいるのは澪と・・・ムギ?)



律(空き教室の端っこで何をはなしてるんだろう・・・?)



律(・・・小声で全然聞き取れない)



澪「・・・」コソコソ



紬「・・・」コソコソ



澪「・・・」コソコソ



紬「・・・」コソコソ



澪「はは」



紬「うふふ」



律(笑ってるのはわかるけど、さっぱり聞き取れない)



澪「・・・」ポカ



紬「・・・」ニコッ








18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 20:48:30.07 ID:pPF7v43h0




律(あ、澪が叩いた。ムギは嬉しそうにしてる)



律(あの二人、いつの間に仲良くなったんだろう・・・)



律(なんだか悔しいな)



律(・・・)



律(澪に嫉妬する日がくるなんて・・・)



律(でもムギのやつ、昔は私にスキンシップされて喜んでたのに)



律(さいきんは澪や唯や梓と・・・)



律(・・・)



律(や、やめよう、これ以上考えるのはいけない)



律(あ、出てくる、隠れなきゃ)








19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 20:48:59.56 ID:pPF7v43h0




ガラッ



澪「それじゃあ・・・」ジー



紬「どうかした? あら・・・」ジー



律「・・・あ、あはは」



澪「律、こんなところでどうしたんだ」



律「ちょ、ちょっと通りかかっただけだよ」



紬「そっかぁ、ねぇ、りっちゃん。りっちゃんの好きな食べ物について教えてくれる」



律「へ」



紬「今ね、澪ちゃんと誕生パーティーの料理について相談してたの」



澪「あぁ、律の好物について教えてたんだ」



律「そ、そうなのか?」



紬「うん」



澪「楽しみにしてくれ。最高の誕生パーティーにするから」








20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 20:49:20.73 ID:pPF7v43h0








律(私の誕生パーティーの相談・・・)



律(そっかそっか、ムギが私のために料理を・・・)



律(それはいい。それはいいんだけど・・・何かひっかかるような)



律(ま、いっか)



律(ムギの手料理楽しみだし)



律(そんなこんなで月日は流れ8月21日)



律(私の誕生日当日のこと)








21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 20:49:48.27 ID:pPF7v43h0








パーン

パパパパーン



唯「りっちゃん」

紬「りっちゃん」

澪「律」

梓「律先輩」

唯・紬・澪・梓「誕生日おめでとう!!」



律「おう、ありがとう」



律(やっぱり友達に誕生日パーティーをやってもらうのっていいものだな・・・)



律(ごちそう・・・飾り付け・・・みんな頑張ってくれたんだ)



律(・・・いけない、ちょっと泣きそうだ)








22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 20:50:53.11 ID:pPF7v43h0




唯「さ、りっちゃん、座ってどーぞ」



梓「あ、飲み物注ぎますね」



律「さんきゅ」



梓「どういたしまして」



澪「じゃあ、料理をとりわけてっと・・・」



澪「さ、じゃあ乾杯の前に、ムギから一言」



律「え、ムギから?」



紬「こ、こほん・・・あー、あー」



律(なにがはじまるんだろう)



紬「えー、えー、っと、りっちゃん」



律「は、はいっ」



紬「わ、私、琴吹紬は、りっちゃんのことが大好きです!! 付き合って欲しいとです!!」



律「え」








24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 20:51:18.32 ID:pPF7v43h0




唯「ひゅーひゅー」



梓「お熱いです」



澪「やったな、律・・・・・・律?」



律「・・・」



紬「えっと、りっちゃん?」



律「・・・」



紬「りっちゃん・・・もしかして怒ってる」



律(よく考えがまとまらないけど、とりあえず)



律「私がムギに告白したって、みんな知ってたのか?」



唯「うん」



梓「告白のとき、扉の影から聞いてましたから」



律(な、なんだと・・・!?)








25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 20:52:56.89 ID:pPF7v43h0




唯「それでちょっと気を利かせたりもしたんだけど」



梓「はい。律先輩はほとんど乗ってくれませんでしたが」



梓「ムギ先輩。こんなののどこがよかったんですか?」



紬「りっちゃんは優しくて、かっこよくて、とっても気が利くのよ~」



梓「そ、そうですか・・・」



澪「ほら、律。最高の誕生パーティーになっただろ」ドヤッ



澪「告白現場をみたときに閃いちゃってさ。ムギに返事を先延ばしにしてもらったんだ」



澪「サプライズパーティーは去年やったからさ、今度はパーティーの中でサプライズを・・・ってさ」



律「・・・」








26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 20:53:31.29 ID:pPF7v43h0




律(あ、わかった)



律(わかってしまった)



律(こいつらは馬鹿だ)



律(それも愛すべき最高の馬鹿だ)



律(それなら私もそれに答えてやらないと)



律「あぁ、確かに最高の誕生日だよ、誕生日だけど・・・」



律「この野郎!」ポカ



澪「り、律が殴った」



律「誰が『こんなの』だ!!」ポカ



梓「あわわわ、ごめんなさい、律先輩」



律「唯は・・・ムギに抱きつくのはほどほどに」



唯「ひー、ムギちゃん、お助けを~」



律「逃すか」ポカ



唯「わ~ん、・・・・あれ、あんまり痛くないや」








28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 20:53:56.35 ID:pPF7v43h0




律「そして、最後はムギ」



紬「・・・」ウズウズ



律「ふむ。叩いてもお仕置きにならなそうだ・・・」



紬「そ、そんなぁ・・・」シュン



律「だからムギにはこうだ・・・」チュ







律(たんこぶをつくった3人と、顔を真っ赤にした2人が写った記念写真は、私達の宝物になった)







おしまいっ!








29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 20:54:11.95 ID:pPF7v43h0




りっちゃん誕生日おめでとおおおおおおおおおおおおお!









30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/21(水) 20:54:57.62 ID:08pre1ZA0




乙!








鈴乃「ルシフェルが…バイトだと!?」
紬「御嬢様と呼びなさい」
タモリ「世にも奇妙なニートの物語」