金糸雀とバカマツタケ
- 602 :名無しさん:2013/10/28(月) 21:33:34 ID:WTde/CvE0
- 金糸雀「さあ! 今夜も始まりました! 『熱狂!!スーパー薔薇乙女プロレスリング!!』
実況はお馴染み乙女番長こと私、金糸雀が!」
真紅「そして解説は真紅でお送りします」
金糸雀「では、早速! 選手入場です! 赤コーナー!
今宵も自慢の悪戯殺法が炸裂するか! 3度目の防衛戦! チャンピオン翠星石ーーッ!」
翠星石「オーイェー! やる気! 元気! 翠星石ぃ!!」ババッ
真紅「彼女は近頃チャンピオンとしての自覚と貫禄も備えてきました」
金糸雀「青コーナー! 挑戦者ぁ! ゴーゴーレッツゴー雛苺ーーっ!!」
雛苺「うぃーー!!」シュバッ
真紅「幾度倒されても起き上がる不屈の精神はなおも健在。さらには実力も、ここ最近
メキメキと上達している。今度こそ、ついにチャンピオンのベルトに手が届くかもしれません」
金糸雀「両者見合って待ったなし! 運命のゴングが今、鳴り響くかしらーっ!」カーン
翠星石「でやーーーっ」
雛苺「うにゅーーーっ」
- 603 :名無しさん:2013/10/28(月) 21:34:39 ID:WTde/CvE0
- 翠星石「ローゼン首切り水平チョーーープ!」ぐわっ
金糸雀「アッーーー! 出たっー! いきなり急所狙いの必殺技!」
真紅「獅子は兎を狩るにも全力よ。今夜のチャンプに慢心は無いようね!」
雛苺「そう来ることは見切っていたのよ! 雛苺フライングボディプレスーー!」ぴょいーん
金糸雀「うまい! 挑戦者、チョップを避けて高く跳ぶーーっ! そしてそのままボディアタック!」
真紅「防御がそのまま攻撃に繋がっている。流れるような美しい技の応酬よ。目が離せないわね」
- 604 :名無しさん:2013/10/28(月) 21:36:26 ID:WTde/CvE0
- 翠星石「がーはっはっはっは! かかったですねぇチビ苺!」
雛苺「にゅわっ?」
翠星石「チョップはてめぇを跳ばせるための布石ですぅ! その体勢で! これは、かわせるですかぁ!?」
金糸雀「アッーーーーと! チャンピオン、この流れまで読んでいた!? 即座に対空技の構えだぁー!」
真紅「あの構えは!? まさか!」
翠星石「必殺ぅ~! ローゼン竜巻アッパー!」ずばっ
雛苺「うぎゃーーーなのーーーー!」ドゴオッ
金糸雀「入ったー! 空中から落ち来る雛苺に翠星石渾身のジャンピングアッパーがジャストミート!
雛苺選手、見事な車田ふっとびを見せてリングに沈むーーーッ!」
真紅「空振りしたチョップの回転の勢いをそのまま止めずにアッパーに繋げている!
さらにはカウンター気味に挑戦者のアゴを打ち抜いた! これは強力よ!」
金糸雀「ボディではなく正確にアゴを狙ったことといい
チョップからアッパーへの淀みの無い連携! やはり、これは真紅さん……?」
真紅「ええ。チャンプは最初からここまでの状況を頭の中で描いていたに違いないわ」
- 605 :名無しさん:2013/10/28(月) 21:37:34 ID:WTde/CvE0
- 雛苺「きゅ~~」ピヨピヨ
翠星石「がーはっはっはっは! がーはっはっはははは!!」
金糸雀「挑戦者、立てない! 不屈の雛苺、まさかの超スピード敗北!
そしてチャンピオンの馬鹿笑いが高らかに響くーーーっ!!」
真紅「こうまで見事に決まってしまったのだもの。流石の雛苺の闘志が折れたとしても仕方が無い。
それにしても素晴らしいわ翠星石。今夜のリングはまさにあなたの美技を描くキャンバスだった」
翠星石「がーはっはっは! アーイアム! ナンバッワーーーーン!!」びしっ
金糸雀「それでは皆様、また次回をお楽しみに~っ」
真紅「来週はくんくん探偵スペシャル特番『温泉旅館湯煙殺人事件!血に染まるメロンパン!』の
放送を予定していますので、再来週の放送となりますのだわだわ」
- 606 :名無しさん:2013/10/28(月) 21:39:05 ID:WTde/CvE0
- ジュン「……何やってんだ。僕の部屋でドタバタと」ガチャッ
翠星石「お? チビ人間のお帰りですか。今日は遅かったですねぇ」
雛苺「お帰りなの~、ジュン~」
金糸雀「お邪魔しているかしら」
ジュン「あ! このリング!? ひょっとしてお前ら、またプロレスごっこを!?」
真紅「何か文句でもあるの? ジュン」
ジュン「大ありだよ馬鹿! 桜田家お約束条項その37! 言ってみろ!」
翠星石「お約束条項~? これまた随分と久しぶりにそんなものを……」
ジュン「いいから言ってみろ。まさか忘れてるわけじゃあ……?」
真紅「そんなわけ無いでしょ。その37は『庭の雑草にマヨネーズをかけて食べてはいけない』よ」
ジュン「それは第137条だ」
- 607 :名無しさん:2013/10/28(月) 21:40:15 ID:WTde/CvE0
- 雛苺「うにゅにゅ? 『象さんにお酒を飲ませて暴れさせてはいけない』?」
ジュン「それは76条」
金糸雀「と言うか、そんなお約束が桜田家にはあったのね」
翠星石「むむむ! 第37条だなんて、そんな初期で古いお約束、いちいち覚えてねーですぅ」
ジュン「ああもう! 37条は『僕の部屋の中でプロレスごっこをしない』だ!」
真紅「そう言えばそうだった」
ジュン「分かってるだろうな! お約束条項に違反したら……」
真紅「ちょ、ちょっと待ってジュン! 私たちはプロレスごっこをしていない!」
翠星石「そ、そうですそうです! 翠星石達がやっていたのは『熱狂!!薔薇乙女プロレスリング!!』です」
雛苺「ごっこじゃないのー! 真剣な勝負だったのよー!」
金糸雀「まったくもって、そのとーりかしら」
ジュン「やかましい! 何を今更な言い逃れを! 産地偽装の言い訳の方がまだもっともらしいわ!」
- 608 :名無しさん:2013/10/28(月) 21:41:29 ID:WTde/CvE0
- ジュン「大体、真紅達はいつもいつも……」
のり『みんな~? ごはんよー!』
ジュン「っ!?」
翠星石「お! のりの声ですぅ!」
雛苺「わぁい! ごはん! ごはん!」
金糸雀「カナもお呼ばれしちゃうかしら~」
ジュン「あ! こら、まだ話は……」
真紅「説教なら、ご飯を食べながらでもできるでしょ?」
翠星石「翠星石が先に行って美味しいの全部食べちゃうですー」
雛苺「あー! ずるいのー! そんなことさせないの!」
金糸雀「そうよ! 客人であるカナを優先してかしら~」
ジュン「ったく……」
- 609 :名無しさん:2013/10/28(月) 21:43:16 ID:WTde/CvE0
- のり「みんな、ちゃんと手は洗ってきたわね?」
雛苺「は~い!」
翠星石「今日の晩御飯は何ですか? のり!」
のり「ふふふ、今日はちょっと豪華よ!」
金糸雀「豪華!? ひょっとしてカナのために、すぺしゃるなディナーを用意してくれたのかしら!?」
ジュン「くんくん? この匂いは……」
真紅「……」
のり「じゃじゃーん! 今日は松茸ご飯でーす!」
翠星石「ま、マツタケですとーーーーっ!!」
雛苺「ふぉおおおおお! ヒナ知ってるの! マツタケって凄い高いのよ!」
金糸雀「ま、まさかの国産マツタケかしら!?」
のり「流石にそれは無理だから、今日のはカナダ産!」
ジュン「カナダでもマツタケって取れるんだ」
のり「そうみたいね」
ジュン「最近、流行の産地偽装じゃないだろうな?」
のり「なんでカナダ産に偽装しなくちゃいけないのよ」
ジュン「中国産とかよりはイメージ良くなるだろ」
金糸雀「それが本当だとしたら、随分と中途半端な産地偽装かしら」
真紅「それでも偽装は偽装。薔薇乙女は産地偽装には厳しくてよ! 私個人はマツタケよく知らないけど」
のり「そ、そうなんだ」
翠星石「何しろ産地偽装メイデンにアリスゲームを引っ掻き回された前例があるですからね……」
雛苺「ノーモア薔薇水晶、ウェルカム雪華綺晶なのよね!」
ジュン「お前らって、妙なところで薔薇水晶に辛く当たるよな」
のり「ま、まあとにかく、いただきましょう! ごはん冷めちゃうわ」
- 610 :名無しさん:2013/10/28(月) 21:44:57 ID:WTde/CvE0
- 全員『いっただきまーす』
翠星石「うっひょー! マツタケ、マツタケどこですかー?」グリグリ
ジュン「茶碗のご飯の中を箸でまさぐるな。下品だぞ」
翠星石「そんなこと言ったって、マツタケが見あたらねーのが悪いんですぅ」
雛苺「うぃ! 見た目、ただの茶色いご飯なのよー」
金糸雀「香りはすれども姿は見えずかしら」
真紅「……」
翠星石「お! それっぽいもの発見ですぅ! ……て、これは?」ピラッ
金糸雀「な、何という薄さ! まるでセロファンかしら!」
雛苺「向こう側が透けて見えるのー!!」
ジュン「姉ちゃん……」
のり「ご、ごめんねー! 外国産でもそれが精一杯で……」
翠星石「くっ! なんてことです! おじじの家にいた頃はマジモンの国産マツタケを七輪で焼いて
食べさせてくれたと言うですのに……これが、これが現代日本の格差社会ですかっ!」
ジュン「うるせぇよ。だったら薔薇屋敷に帰れ、お前」
- 611 :名無しさん:2013/10/28(月) 21:45:41 ID:WTde/CvE0
- 雛苺「ヒナはご飯が美味しければそれでいいのー!」ムシャムシャ
金糸雀「高級な味付きご飯と思えば、凄い贅沢かしら」モグモグ
のり「ヒナちゃん、カナちゃん……!」
ジュン「そうだな。マツタケ自体ありがたいものだし……」
真紅「……」
ジュン「ん? どうした真紅? さっきから全然食べてないみたいだが……」
のり「ま、まさか真紅ちゃんも、こんなマツタケご飯は嫌?」
真紅「いや、その……そういうわけじゃあないんだけど。できれば、ただの白ご飯は無い? のり?」
ジュン「お、お前! そんな嫌味を!」
真紅「い、嫌味じゃないわ!」
のり「ごめんなさい真紅ちゃん。今日はこれしか……」
- 612 :名無しさん:2013/10/28(月) 21:46:53 ID:WTde/CvE0
- 真紅「うぐ……」
翠星石「どうしたんですぅ真紅? 食べてみりゃ、そこそこマツタケの風味はあるですよ」
真紅「……あなた達、平気なの? この風味……というか、匂いに」
雛苺「匂い?」
金糸雀「あ! ひょっとして真紅! マツタケ食べるの初めてなのかしら!?」
真紅「!」
のり「え? あ! そ、そう言えば……」
ジュン「真紅がうちに来てから、食卓にマツタケ出たのは確かにこれが最初だが……」
翠星石「翠星石も日本にきて、おじじの家で食べたのが初めてだったですね」
雛苺「ヒナもトモエのお家にいた時に初めて食べたのよ」
金糸雀「カナもみっちゃんにご馳走してもらったのがマツタケ初体験だったかしら」
真紅「……」
ジュン「食わず嫌いは良くないぞ真紅。マツタケなんて、この機を逃したら次はいつ食べられることだか」
真紅「そ、そうね。なら仕方ない。いただきます!」パクッ
のり「し、真紅ちゃん? あまり無理しなくても……」
- 613 :名無しさん:2013/10/28(月) 21:48:27 ID:WTde/CvE0
- .ィ/~~~"ヾ
、_/ /  ̄`ヽ}
,》@ i(从 _从))
||ヽ||゙゚'ω゚'ノ: ピクピク
≦ :/ つとl:
テ :しー-J :
金糸雀「し、真紅!? 何だか小刻みに震えてるかしら!?」
ジュン「まずい! みんな、自分のお茶碗と持てるだけの皿をテーブルから持ち上げろ!」
翠星石「らじゃーですぅ!」ササッ
雛苺「うぃ!」ババッ
のり「ほら! カナちゃんも早
- :-:2013/10/29(火) 22:49:41
- この話を蒼星石にして真実を知った翠星石が、いちゃもんを付けに行くのが目に浮かぶよう
- :-:2013/10/29(火) 22:50:01
- あれ?ゲロッた回数そんなもんだったっけ?
マツタケよりマイタケの方がうまいと思う
- :-:2013/10/29(火) 23:44:07
- 香り松茸味しめじって言うからな…
ぶっちゃけ味だけで言えば椎茸の方が美味い
後ばらしーいじめるのはやめたげてよぉ!
きらきーに比べりゃ万倍マシじゃない