破傷風毒とボツリヌス毒、２つの最強毒素から強力な鎮痛剤が生まれる
英シェフィールド大学のBazbek Davletov氏らのグループはこのたび、自然界で最も強力な２つの毒素から、強力な鎮痛剤を作り出すことに成功したと発表しました。この鎮痛剤はがんの治療にも使えるほど強力なもので、ひとたび注射すればその効果は数ヶ月間継続するとのことです。
ボツリヌス菌（Clostridium botulinum）は、食中毒などを引き起こす “ボツリヌストキシン” という毒素を産生することで有名な細菌です。ボツリヌストキシンは神経伝達をブロックすることで自律神経の異常や四肢の麻痺などを引き起こすもので、体重1kgあたりの致死量が1μgと自然界で最も強力な毒素と言われています。
一方、破傷風菌（Clostridium tetani）により作られるテタノスパミンも、ボツリヌストキシンと並ぶ強力な毒素として知られています。テタノスパミンは、体内に入ると高速で神経系をさかのぼって中枢神経到達、ここで抑制性シナプスの働きをブロックすることで神経活動のバランスを破壊し、剛直性痙攣や呼吸筋麻痺などを引き起こします。
これら２つの毒素の正体はいずれも分子量が15万前後のタンパク質なのですが、研究グループは今回、”protein stapling” という最近開発された手法によりA型ボツリヌストキシンのプロテアーゼをテタノスパミンの結合ドメインに繋ぐことでキメラタンパク質を合成することに成功。このタンパク質が、強力な鎮痛作用をもつことを見出したとしています。
キメラの構造モデルとAFM観察像。BioconjugateのAbstractより引用。
Davletov氏は、今回新たに創りだされたタンパク質は、中枢神経を効率的に攻撃する破傷風毒と神経伝達をブロックするボツリヌス毒の「いいとこ取り」をしたものであると語っています。動物実験では既に有望な結果が得られており、副作用も確認されていないため、今後はヒトでの臨床試験に向けて研究を進めてゆくとのこと。
生物兵器にも使用されるような致死性の毒を組み合わさることで強力な薬が出来上がるというのは非常に興味深い結果ですが、臨床試験でも良い結果が出ることを願うばかりです。
[mailonline] [Bioconjugate Chemistry via University of Sheffield]
企業の研究所で家電関連技術の研究開発に携わっておりましたが、2013年4月をもって退職し、当サイトの専属となりました。今後ともよろしくお願いいたします。
副作用が怖い
正に毒をもって毒を制す
単に毒を盛ったら死んじゃうからねw
軍事利用されちゃうんだろうなぁ
死ねば痛みが無くなるとかそういう方面で?
テタノスパミンの活性ドメイン→結合ドメイン、でなくて？
ご指摘のとおりです(´Д⊂ヽ
ありがとうございます、修正させて頂きました。
痛みを感じないゾンビ兵士的な意味じゃない？
これは恐ろしい
効力が強いものは何か大きな問題がありそう
誰かやせる薬を開発してくれないか
昨日、東大で痩せる効果のある薬？の発表があったよ。
上手く行けば運動しなくても健康的に痩せる効果が期待できる可能性があるらしい。
このテックの記事で出てくると思ってるけど、まだみたいだな
体温あげてカロリー使う系だと内臓にダメージくるからなぁ
そっち系じゃないといいけど
くまむん朗報・・・
ソースです
http://www.u-tokyo.ac.jp/public/pdf/220609.pdf
むしろ太らない体質なので太る薬を出してください
美味しい物たくさん食べても・・・
太らない体質って言ってる人は大抵あんまり食べてない人が多い
女神転生的生成方法・・
でも日本で認めらる用になるまではまだ何十年もかかるんだろうな