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http://japanese.engadget.com/2013/10/31/uq-wimax-2-7gb/


UQ野坂社長に WiMAX 2+ を聞く:複雑化する料金、将来の7GB制限、ガチャピン&ムックの去就 - Engadget Japanese


UQコミュニケーションズは、下り最大110Mbpsのモバイル通信サービス WiMAX 2+ を10月31日より開始。そこで今回、UQの野坂章雄社長に、 WiMAX 2+ への魅力から、サービスの裏話、ガチャピンやムックの行く末まで聞きました。

今回のインタビューの模様はこちら。WiMAX 2+ のサービス概要はこちら。発表会の模様はこちら

ガチャピンとムック、KDDI田中社長について

Engadget:ざっくばらんにお話いただければと思います。まずいきなり変な質問から。心配なんですが、WiMAX 2+ でも青いガチャピンとムックは続投ですか?

UQコミュニケーションズ 野坂章雄 社長:お好きですね(笑)。議論しましたが大丈夫、変える気はないですよ。最初の頃は気持ち悪いと言われ、ネガティブとポジティブが半々ぐらいだったんですけどね。コーポレートカラーもブルーのままでいきます。

Engadget:それを聞いて安心しました。今日はどうもありがとうございました! ......という、わけにもいかないので、続けます(笑)。野坂さん、表舞台だとすごくマジメな印象が強いですよね。

野坂氏:いやその通り、こういう質問は苦手で。KDDIは社長(KDDI 田中孝司社長)が関西人だからねぇ。



Engadget:田中社長はUQ社長時代から、発表会後に笑いという意味で、ウケたかどうかこっそり聞いてきましたからね。先日のUQの発表会に、田中社長がまたウケを狙いにやってきましたが、あれは正直やりにくいですか?

野坂氏:田中さんとは長い付き合いなんだよ。仕事には厳しい方だし、立場を離れて考えれば信頼感は強い。僕はおしゃべりな方だから、みんなが頑張っているのに、失言すると大変でしょ。それに、建設や技術、営業や企画、広報がそれぞれに動いていて、それを全部見ているのは僕以外いないから、きちんと伝えなければいけないと使命感があってさ。

7GB制限について、下り1Gbpsに「僕らは本気」

Engadget:その上で、WiMAX 2+への反応をどう感じていますか?

野坂氏:7GB制限という単語をUQが出したことによって、「それがどういう意味か?」とお客さまが少しはかりかねているところがあるようです。その一方、「WiMAX 2+出た!! 今月末だ」と期待感を持っている層がいて、ミックスしている感じ? それが僕の素直な感想。逆に、どうですかね?



Engadget:内緒にしておくこともないので言ってしまうと、実は自宅のメイン回線はずっとWiMAXなんです。

野坂氏:WiMAXだけ?

Engadget:あまり家にいないので(笑)。データ通信用にPHSもイー・モバイルも使っていた時期がありましたが、沖電気のルーターになるモデル UG01OK から、WiMAXがメイン回線。当時は珍しかったと思いますけど、今はWiMAXが自宅でも使う珍しいことではなくなった気がしています。サービスや料金のシンプルさが受けていると思っていますが、WiMAX 2+ で複雑になった印象です。

野坂氏:認知されたのは事実、それまではイー・モバイルのなんとか版て言われていましたから。「ノーリミット」、速度制限がなくて月額3880円というところが大きい。

BWA(ブロードバンド・ワイヤレス・アクセス)はパケ詰まりだとか、駅前の通信環境がどうのこうの、とか言うことなく、本来は空気とか水のような存在になっていくべきものだと思うんです。公称値110Mbpsや75Mbps、ヘタをすれば150Mbpsだと言っているサービスがある中で、WiMAXの40Mbpsがビハインド(負けている、遅れをとっている)した感じになったけど、実際使ってみると結局は実測でどうかって話だからね。

LTEが開始した時に、WiMAXはこれからどうなる? と言われ、やっぱりこれからはスマホでテザリングでしょ! と言われる時代もありました。だけど、使ってみるとスマートフォンだと電池の持ちが心配になる。(WiFiルーターを手にして)やっぱりコレだと。

そうはいうものの、僕らも40Mbpsだけじゃ限界だった。そこに電波をもらえて、今回は110Mbpsと言えるようになった。1年後には220Mbps、計画ではその先には440Mbps、550Mbpsとあるわけです。




Engadget:1Gbpsなんて話もありましたよね。高速化への期待は高いと思うんですが、一方でさらに周波数をもらわないとそれができないですよね。

野坂氏:そうそう。だけど僕らは本気。連続する50MHz幅になったということは、その先も可能なポジションにいるってこと。それが日本のBWAと言われるUQの使命だと思う。早く実現していきたいですね。

それに、UQはこれまでの40Mbpsの車のレーンがあって、そこにさらに110Mbpsのレーンが作れるようになったでしょ。今回の追加20MHz幅だけで、110Mbpsを実現しているわけで、そこはこれまでとは圧倒的に違うところです。周波数をうまく使えば通信速度が3倍になるわけで、充分高速化も射程に入っています。

3つの料金コース



Engadget:そんな中、WiMAX 2+の料金はシンプルとは言いがたいものになりました。

野坂氏:うーん、今回複雑になったのは、「ノーリミットモード」「ハイスピードモード」「ハイスピードプラスエリアモード」の料金体系のところ。実はこれ、今回のチャンスにある程度しっかり話しておかないといけないと思ったんですよ。

WiMAX と WiMAX 2+ が使えるハイスピードモードは、2年間、月額3880円で使い放題ってことですよね。3年目からは7GB制限で4405円になるということを書かない方が良い、というマスコミの人もいたんだけど、僕はそうじゃないと思うんです。

7GBの制限があって、本来月額4405円の価値あるものを提供している。そうきちんと言うべきなんです。もちろん我々は努力をするし、この2年間で、どうあるべきか考えたい。それが50MHz幅の電波をもらった人の役目でもあると思っていて、未来永劫使い放題と言うことはたぶん、間違っている。

そういえばこの前聞いたんですが、今の若い人は「YouTubeを聞く」って言うんだってね。

Engadget:聞いたことがあります。流しっぱなしで使うとか。

野坂氏:そう、一日中。それをWiMAX 2+ で、となってくると話は違って、無制限にすれば、必ずどこかでユーザー間で不公平が生まれてしまう。いろいろ考えて7GB制限の話があるんだけど、制限だけを見てしまうと、UQ WiMAXがノーリミットで良くなったのに、自分たちで逆のことを言い出すのはおかしい、と言われがち。ただ、制限は7GBか、10GBか、14GBがいいのか、通信速度が高速になるわけだから、バランスかなぁと思っています。

Engadget:携帯電話会社は7GBを制限の目安としていますが、今後制限をいれるにしても、7GBではない可能性もあると?

野坂氏:正直、言い切れないんだよね。とりあえず7GBで出したけど、僕もこれは携帯電話のマーケットで決まってきたものだと思っている。本来、増やしていく努力が必要だと思うんです。ベストなものにしたいですね。

まぁ当面、どう考えたって WiMAX 2+ はガラガラ、いかに使ってもらうかを考えなくちゃいけないんですよ。仮に速度制限をしても、40Mbpsのレーンを残しておくこともできるわけで、UQがしばらくいいのは、110Mbpsと40Mbpsのレーンを2つ同時に提供できることですから。

当初のエリアは400〜500局

Engadget:WiMAX 2+ のエリア、当初はかなり狭いですよね。

野坂氏:エリアにも同じことが言えて、今の40Mbpsのレーンがあるから、全くの0からサービスをやるわけではない。おいおい、WiMAX全然使えないじゃねーか! と言われていた時とは全然違う状況にあると思っています。だから、WiMAX 2+はできるところからどんどん提供していこうと。面を広げることも重要だけど、対応基地局ができたところから早く使ってもらいたい、それが10月31日というわけです。



Engadget:WiMAX 2+ 対応モデルが1モデルだけというのは寂しいです。

野坂氏:よくよく思い出して欲しいんだけど、7月29日に免許をもらって3カ月ですからね。免許をもらった後に、個別の総合通信基盤局に申請して1カ月ぐらいの審査がある。

もう隠すことないから全部言っちゃうけどね。実は10月31日の段階だと、せいぜいWiMAX 2+ の基地局は400〜500局ってところです。じゃ、1000局になるまで待たなきゃいけないかっていうと......、

Engadget:既存の40Mbps WiMAXがある、と。

野坂氏:そう。イー・モバイルが最初、お台場と某駅しか使えないなんて話もあったけど(笑)、僕らはああいうことをやるつもりはない。でも、使えるところをどんどん伝えていこうとは思っているんです。もらった電波を早く試してもらって、早く使ってもらって、早く良さをわかって欲しい。



Engadget:なるほど、ありがとうございました。


このほか、今回のインタビューの模様はこちら

【UQ野坂社長に WiMAX 2+ を聞く】

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