これから紹介するいくつかの写真は、同じ場面を見たときの人間の見え方(上)と猫の見え方(下)を表したもの。我々が当たり前のように見えている世界は、猫にとってはどのように見えているのかを知ることができる。
まずはその比較画像を見ていくことにしよう。
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猫と人間の見え方の違いについて
・人間の視野180度に対して、猫の視野は200度。要するに猫のほうが視野が広い。
・周辺視野(視線のすぐ外側の範囲)は人間の20度に対して、猫は30度。これはもののぼやけ具合を表わす。
・薄暗い中での視力は猫は人間の6〜8倍。猫は網膜の桿体細胞が多く、瞳孔が細長く楕円で、大きな角膜やタペタム層(網膜の裏にある細胞層)をもつため。
・鮮明に物が見える距離は、人間が30〜60メートル。猫は6メートルで人間の10分の1程度。
・猫は二色型色覚で、犬や第一色盲(赤色盲)の人と同じだと考えられている。450〜454ナノメートルと550〜561ナノメートル(青紫色と黄緑色)の領域が見えていることはわかっているが、研究ではさらに500〜520ナノメートル(緑のエリア)が見える第三の錐体細胞をもっている可能性があるという。
そうなると三色型色覚ということになるが、錐体細胞が紫黄の領域までない人間とは違う。第一色盲(赤色盲)の人は青と黄色しか見えず、おそらく猫もそれと同じだろうが、第三の錐体細胞の存在のせいでいくぶん緑も見えるのかもしれない。
・私たち人間の網膜は猫よりも多くの錐体細胞を持っているため、さまざまな色のバリエーションやきめ細かい解像度でものが見える。逆に犬や猫は人間より多くの桿体をもっているため、薄暗いところや暗闇の中でもものがよく見える。さらに相手の動きを素早くとらえることができ、急に逃げる方向を変える小動物を追いかけるのにとても役にたつ。
猫は人間と違って暗闇でもものが見え、速い動きについていける能力があるが、見えているものの色は鮮やかでないし、解像度も悪く、ゆっくり動くものに対する視力はあまりよくない。我々人間は猫の10分の1のスピード、つまり猫には止まってるように見えるゆっくりした動きを見ることができるということだ。
via:A Cat’s Actual View of the World・原文翻訳:konohazuku
こちらの映像は猫だけでなく、犬、鳥、昆虫などの見え方がわかる動画。
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コメント
1. 匿名処理班
だから、下僕と外で会うと知らない下僕だと持って逃げちゃうのか。
2. 匿名処理班
色が多彩で距離も優秀って動物はいるんだろーか
やっぱり環境に適してどれかに特化するものなのかな
3. 匿名処理班
うちのぬこさまはよく窓から外を見てるが、あれは何を見てるんだろうなぁ…
4. 匿名処理班
猫の反応速度を人間に置き換えれば、自分で投げたボールを自分でキャッチできるようなものじゃないかな。
5. 匿名処理班
「猫ビジョン」
なんかイイ響き
6. 匿名処理班
人間が奴隷と見えてないのでダメだな。
7. 匿名処理班
こんな視界でよく獲物つかまれるもんだよ
目以外の機能も強化されてるんだろうな
8. 匿名処理班
6,7すげー!
9. 匿名処理班
※2
鷹などの猛禽類は色彩も判別出来て尚且つ人間の目の8倍の解像力があるので遠い物も鮮明に見えるそうだ。ただ夜行性のフクロウ類以外は暗い所では見づらいらしい。
フクロウは夜も良く見える代り視野が狭いので、これを補う為に首が180度回るようになってるそうだ。
10. 匿名処理班
こういう人間と動物の視界はこう違うって比較画像よくみるけど
動物って人間と違って視覚以外の器官が発達してたりするから
本当にそう見える?というか感じる?って思う
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12. 匿名処理班
やっぱ、猫の視界の広さは獲物を狩る
ライオンの視界っぽいね
13. 匿名処理班
>我々人間は猫には止まってるように見えるということだ。
なるほどー。
ぬこさま的に我々下僕は「温かいただの棒」で間違いないということですね。