杉下右京「毛利探偵事務所の監視?」
- 1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/15(金) 00:24:00.63 ID:kj1JUj+40
――警視庁内――
右京「それが我々の任務だと仰るのですか?」
内村「そうだ。あの事務所の関係者周辺では、やたらと事件が頻発するからな」
内村「本庁や所轄でも、不審がる声が相次いでいるんだ」
中園「本庁も忙しくて人員を割けないのだが、暇なお前達なら適任だろうと思ってな」
甲斐「監視対象は毛利探偵ってことですか?」
中園「いや、今回の対象は彼ではない。江戸川コナンという居候の少年の方だ」
右京「はいぃ?」
- 3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/15(金) 00:26:43.35 ID:kj1JUj+40
甲斐「江戸川コナンって……僕もニュースで見たことありますけど、彼はまだ小学生ですよ?」
右京「家主の探偵ではなく居候の子供を監視とは、一体どういうことなのでしょう?」
中園「コレを見ろ」カタカタ
甲斐「何ですか? このサイト……『毛利小五郎の事件ファイル』?」
内村「奴が世間で名を知られ始めた頃から、これまで解決した事件についてまとめたサイトだ」
中園「問題は、この項目だ」カチッ
右京「『江戸川コナンの関わった事件と死者の総数』……ですか」
甲斐「……これ、全部そうですか?」
中園「そうだ」
- 4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/15(金) 00:27:37.47 ID:kj1JUj+40
中園「あの少年が毛利小五郎の元に預けられたのは、半年ほど前のことだが……何せ事件の数が多すぎてな」
内村「いくら小学生でも、それはさすがに怪しいと思わんか?」
右京「確かに。ここまで事件遭遇率の高い小学生は、見たことがありませんねぇ……」
甲斐「うわ、すっげぇ。コナン君が関わった事件の総死者数、900名を超えてますよ」
内村「最近では、一課の高木や千葉と顔なじみになり、奴らをパシリにしているという噂まである」
内村「仮にも警視庁捜査一課の刑事とあろう者が、小学生に良いように使われるなど情けない」
- 6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/15(金) 00:28:25.18 ID:kj1JUj+40
内村「キッドキラーだか何だか知らんが、子供に大きな顔をされるのは不愉快だ!」
中園「と、とにかくあの少年の周囲で事件が多発するのは、何か原因があるのではないかと思ってな」
中園「明日から一週間ほど張り込みを続けて、江戸川コナンの周囲を探ってほしい」
中園「言っておくが、我々はあの少年を疑っているわけじゃないぞ?」
甲斐「……コナン君は、小田切さんと白馬警視総監のお気に入りですもんね」ボソッ
内村「何か言ったか!?」ムッ
甲斐「いえ、別に」
右京「では、失礼させて頂きます」
甲斐「失礼しました~」バタン
- 8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/15(金) 00:29:08.32 ID:kj1JUj+40
――翌日・毛利探偵事務所近くの路上・甲斐の車内――
甲斐「ったく……小学生を監視だなんて。これが警察の仕事ですか?」
右京「しかし偶然とはいえ、これだけ多くの事件に遭遇する小学生は非常に興味深い存在です」
甲斐「偶然だと分かってるなら、上の連中も割り切りゃいいのに」
右京「上層部は、コナン君が事件に関わるのが余程嫌なようですねぇ」
甲斐「小学生が事件に遭遇することを喜ぶ大人なんていませんって」
右京「ところでカイト君は、工藤新一という名を聞いたことはありますか?」
甲斐「あぁ……今、行方不明になってる高校生探偵ですよね」
右京「ええ。昨日、参事官達の前を辞した後、僕なりにコナン君のことを調べてみました」
- 9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/15(金) 00:29:56.46 ID:kj1JUj+40
右京「江戸川コナン君は、工藤新一君の遠い親戚だと警視庁のデータファイルにありましたが……」
右京「工藤君の親類縁者を調べた結果、江戸川コナンなる人物は存在していなかったのですよ」
甲斐「え!?」
右京「彼は現在小学一年生で、誕生日を迎えていますから、7歳のはず」
右京「もう役所の電子化が進んだ頃に生まれている年齢です」
右京「しかし7年前、役所に出された出生届のデータを閲覧・検索しましたが、彼のデータはなかった」
右京「出生届が出されていない……つまり、コナン君は無戸籍児ということになります」
甲斐「無戸籍児?」
右京「ええ。普通はコナン君の母親が、夫との間に何らかの確執があったために」
右京「コナン君の出生届を出せないままだったと考える所でしょうが……」
- 11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/15(金) 00:30:45.67 ID:kj1JUj+40
甲斐「いや、普通そうでしょ。警視庁のファイルでも、父親の情報は一切ありませんでしたし」
右京「もう一つ、可能性があります」
甲斐「もう一つ……?」
右京「誰かが何らかの目的で、江戸川コナンという架空の人物を作り出した可能性です」
右京「これならコナン君の出生届が出されていない、ひいては戸籍が無いのは当たり前ですし」
右京「父親についての情報が無いことにも説明が付きます」
右京「元々存在するはずのない人物の父親など、見つかるはずもありませんからねぇ」
右京「同様に、母親も本当に存在しているか、かなり怪しいものです」
甲斐「……杉下さんがそう考える根拠は、何ですか?」
- 12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/15(金) 00:31:35.57 ID:kj1JUj+40
右京「工藤新一君が行方不明になった日と、コナン君が米花町にやってきた日が同じなんですよ」
甲斐「はぁ?」
右京「消えた高校生探偵と、時期を同じくして毛利探偵事務所に表れた居候の少年」
右京「毛利小五郎が、眠りの小五郎として名を馳せるようになったのは、その後すぐのことです」
右京「もし工藤君が何らかの事件に巻き込まれて、その結果、コナン君になってしまったのだとしたら……」
甲斐「す、杉下さん?」
右京「おそらく何らかの理由で命の危険にさらされ、あの姿になって運良く生き延びたのでしょう」
- 13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/15(金) 00:32:17.26 ID:kj1JUj+40
右京「そして彼は、幼馴染みの父親で、私立探偵でもある毛利小五郎を頼った」
右京「小さくなっても、探偵であることを止められなかった工藤君は」
右京「毛利さんに陰で助言するなどして、探偵業を続けている……というのが僕の考えです」
甲斐「いやいやいや。高校生があんなに小っちゃくなるなんて、あり得ないでしょ!」
右京「ええ。あくまで、そう考えれば色々と辻褄が合うというだけの推論ですよ」
右京「証拠は一切ありません。ですから、信じるか信じないかは君次第です」フッ
- 14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/15(金) 00:33:34.61 ID:kj1JUj+40
甲斐「……とても信じられませんね」
甲斐「TVのキッド中継で見ただけですが、ちょっと頭の良い小学生としか思えませんよ」
右京「ともかく、彼の周囲に怪しい人物がいないか、徹底的に調べてみましょう」
右京「彼のすぐ傍に、事件を巻き起こす危険人物が潜んでいるかもしれませんよ?」
甲斐「危険人物って……何ですか、それ」
右京「実は角田課長から、面白い情報を聞きましてねぇ」
甲斐「お。コナン君、帰ってきましたよ」
右京「……まぁ、後でも良いでしょう」
- 16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/15(金) 00:33:54.86 ID:kjkiCHPb0
真実に辿り着くの早すぎワロタ
- 17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/15(金) 00:34:28.93 ID:kj1JUj+40
――毛利探偵事務所前――
歩美「ねぇねぇ。明日の土曜日、みんなでまた遊園地に行こうよ!」
コナン「遊園地ィ?」
元太「おっ、それ良いなぁ。賛成!!」
光彦「トロピカルマリンランドで、新しいアトラクションができたそうですよ」
灰原「私はパス」
歩美「え~、哀ちゃんも行こうよ~」
光彦「灰原さんも一緒じゃないと、楽しくありませんよ~」
歩美「チケットは哀ちゃんの分ももらってあるの。だからお願い、一緒に行って!」
- 18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/15(金) 00:35:09.00 ID:kj1JUj+40
灰原「……分かったわよ。でも小嶋君の買い食いのお金、博士は一切出さないから」
元太「ええ~!? 何でだよ!!」
灰原「自分で稼いだお金を自由に使う分には、誰も文句言わないわ」
灰原「でも、小嶋君が今まで好き勝手に飲み食いしてきたのは、他人のお金よ?」ジロッ
光彦「確かに元太君、城崎温泉に行った時も、牛丼と中華まんを食べ過ぎて……」
歩美「和葉お姉さんのお財布を空にして、怒らせちゃったもんねー」
元太「う……」
- 19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/15(金) 00:35:48.98 ID:kj1JUj+40
灰原「いい加減、バクバク食べ過ぎる癖を直しなさい」
灰原「このままだと健康にも良くないし、周りの人に嫌われちゃうわよ?」
元太「……わ、分かったよ」チッ
コナン(ぜってー分かってねぇな、こいつ……)
- 21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/15(金) 00:36:29.24 ID:kj1JUj+40
――探偵事務所近くの路上・甲斐の車内――
甲斐「……色々と、突っ込みどころの多い会話ですね」
右京「見たところ、あの元太という少年は肥満と言うべき体格ですし」
右京「あの茶髪のお嬢さんの言うことは、もっともだと思いますよ」
甲斐「いや、それは否定しませんけど。あ、コナン君が事務所に入りましたね」
甲斐「お友達はそれぞれ帰宅……至って平和ですね。監視の意味、あるんですか?」
右京「まぁ、そう言わずに。しばらく張り込みを続けましょう」
~2時間経過~
甲斐「さすがに日が落ちると、急激に冷えてきますね」ブルッ
右京「事務所に動きもないようですし、あのポアロという喫茶店で休憩といきましょうか」
甲斐「賛成でーす」
- 22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/15(金) 00:37:30.62 ID:kj1JUj+40
――ポアロ店内――
梓「いらっしゃいませ~。二名様ですね、こちらの席にどうぞ」
右京「どうも」
甲斐「……ここって、馴染みのお客さんが多いみたいですね」ヒソヒソ
梓「そうなんです。昔から通って下さってる方がたくさんいますよ」
甲斐「あ、聞こえてました?」ハハハ
梓「お二人は、刑事さんなんでしょう?」
右京「おや、お分かりになりましたか?」
梓「兄が事件に巻き込まれて、一課の方々が店で張り込んでたことがあったんですけど」
梓「その時、高木刑事から張り込み中の刑事さんの見分け方をこっそり聞いたんです」クスッ
甲斐(高木さん……何やってんすか)
- 23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/15(金) 00:38:13.38 ID:kj1JUj+40
安室「毛利探偵事務所の方を見ていたようですが、何か事件でもあったんですか?」
右京「……貴方は?」
安室「失礼、こちらでウェイターをしている安コメント一覧
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- 2013年11月15日 22:44
- 全員の声が脳内再生されてすごく面白かった!
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- 2013年11月15日 22:54
- The 中途半端
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- 2013年11月15日 23:30
- 久しぶりにまともなコナンssを見た
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- 2013年11月15日 23:36
- 続きはー!!!!みたいよ〜
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- 2013年11月15日 23:50
- 何をどうしたかったの?
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- 2013年11月15日 23:51
- 映 画 化 決 定
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