岡部「ハッ!ここは…1975年か?」
- 2013年11月16日 21:10
- SS、シュタインズ・ゲート
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- 1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/16(土) 17:38:11.82 ID:HYsiAr+r0
1975年7月
病院の一室
岡部「イタタ…頭が割れるように痛い」
岡部「確か俺は…何千回もラボメンの皆とサイクリングに行って…」
岡部「鈴羽と一緒にタイムマシンに乗って…そうだ、鈴羽、鈴羽は?」
岡部「…ナースコールだ、この時代から既にあったのか」ピー
看護婦「!!先生ー!!3番の患者が目覚めました!」
- 3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/16(土) 17:42:00.28 ID:HYsiAr+r0
医者「岡部倫太郎君…か、意識ははっきりしてるようだね」
岡部「先生、鈴羽は無事ですか?」
医者「一緒に運ばれてきた女性の事かね?彼女なら無事だ。安心したまえ」
岡部「そうですか…安心しました」
医者「ただ、記憶の方がまだ曖昧でね…記憶喪失という状態だ」
岡部「…そうですか…ところで今は1975年でしたっけ?」
医者「西暦かね?今は昭和50年だから…そうだな、1975年だ」
岡部「そうですか、そうでしたね…」
- 4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/16(土) 17:45:11.29 ID:HYsiAr+r0
刑事「では名前は岡部倫太郎さん、年齢は十八。住所は思い出せない、と」
医師「彼も部分的な記憶喪失状態にあるみたいですね、もう一人の女性は橋田鈴羽、齢は同じく十八とのこと」
刑事「では岡部さん、これからいくつか質問をしますけど大丈夫ですか?」
岡部「…はい」
刑事「まず、あなた方が倒れてた傍に人工衛星のような物があったのですが、見覚えありませんか?」ピラッ
岡部「…いえ、わかりません」
刑事「…どんなわずかな事でもいいのですが、思い出せませんか?」
岡部「…はい、すいません」
- 5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/16(土) 17:48:05.24 ID:HYsiAr+r0
刑事「では次に、あなたと橋田鈴羽さんはどういう関係なのですか?」
岡部「…大切な友人であり、仲間です」
刑事「では次に、こちらの白衣はあなたのですかな?」
岡部「…はい、そうですが」
刑事「この中に妙な機械が入っていたのですが見覚えは?」
岡部 (しまった!携帯電話…!)
刑事「玩具にしては精巧すぎる」
- 8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/16(土) 17:50:17.68 ID:HYsiAr+r0
岡部「…それは俺と鈴羽が作った玩具です。俺達はそういった玩具を作るサークルでして…」
刑事「?サークル?輪が何か関係あるのかね?」
医者「サークルとは同好会のことですよ刑事さん」
岡部「…そうです。俺達は玩具を作る同好会仲間です…」
刑事「ふむ、ではこちらの千円札も作ったのかね?」ペラッ
刑事「財布に入ってたんだが、こんな精巧なものは初めて見たよ」
岡部「…はい、野口英世を尊敬してまして…」アセダラダラ
- 9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/16(土) 17:53:20.44 ID:HYsiAr+r0
岡部 (ふぅ、何とか切り抜けたな)
岡部 (指紋と血液は取られたが、俺はまだこの時代にいないのだ、判る訳あるまい)
岡部 (しかし病室なのにクーラーもないのか、天井も蛍光灯じゃなくて電球だ)
岡部 (…早くIBN5100を入手して柳林神社に奉納せねば…)
医者「岡部君、橋田鈴羽さんが君に会いたがってる。会ってあげなさい」
岡部「わかりました」
- 10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/16(土) 17:56:00.47 ID:HYsiAr+r0
鈴羽「ははは、こんにちは。で、君だれ?」
岡部「岡部倫太郎だ」
鈴羽「うーんごめん。あたし君の事全然思い出せないんだよねー?なんかごめんね?」
岡部「いや、今はいいんだ。そのうち思い出すだろう。だから安心して休んで欲しい」
鈴羽「ありがと、優しいね君。でもなーんか印象が違うんだよなー?もっと高笑いしてた様な…?」
岡部「鳳凰院凶真はしばらく封印だ」
鈴羽「ほうおう院…?なにそれ」
岡部「そのうち話す」
- 11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/16(土) 17:58:29.52 ID:HYsiAr+r0
1975年8月
アパート
岡部「あれから一ヶ月、民生委員の協力を経て現在は生活保護を受け取っている」
岡部「家庭裁判所に戸籍を貰うまでは仕事などできんからな」
岡部「しかし2万ドル、つまり600万円もするIBN5100を入手できるのだろうか…」
鈴羽「岡部倫太郎ー!蛙取ってきたよー!」バタン
岡部「あ、ああすまないバイト戦士よ」
岡部「…調べてみたところこの時代の大卒初任給は9万円程か」
鈴羽「新聞広げて何調べてんの?」
岡部「いい仕事が無いか調べてる、俺達は事情があって大金を稼がなけりゃならんのだ」
鈴羽「そうすれば美味しいものが食べれるね!マクドナルドのハンバーガーとか」
岡部「あ、ああ…あれは高級品だからな…いつか銀座に連れてってやる」
- 12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/16(土) 18:01:12.96 ID:HYsiAr+r0
岡部 (鈴羽は最初ゲテモノ料理を俺にふるまおうとしたが)
岡部 (釣竿を与えてやったら川魚を取るようになった)
岡部 (…ブルーギルって案外美味いんだな)
岡部 (それにヨモギやナズナなどの食べられる野草もこの時代には多い)
岡部 (…2036年では辛い思いをしたんだな、鈴羽)ウルウル
鈴羽「フンフ~ン♪」トントン
鈴羽 (料理って楽しいな)
- 13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/16(土) 18:04:07.90 ID:HYsiAr+r0
岡部「池袋の実家に来てみたが…相変わらず八百屋をしてるな」
岡部「!あれが親父か?まだ小学生だ!」ササッ
祖母「ちょっとあんた!そこで何してるんだい?」
岡部 (しまった見つかった!ここは…誤魔化すしかない)
岡部「ふむ失礼グラァーンドマダム。余りにマダムがお綺麗なために隠れてしまいました」
祖母「あらお上手ね、お兄さんも中々男前よ。白菜安くしとくけど買ってかない?」
岡部「では一つ頂こうか、最近野菜が足りてなかったからな」
岡部父「おにーさん、珍しい服きてるね」
岡部「ふふ、これは白衣といってだな。坊主もその素晴らしさに気付く日が来るだろう」
- 15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/16(土) 18:06:21.66 ID:HYsiAr+r0
1975年12月14日昼
工事現場
岡部「うー寒い寒い」
鈴羽「岡部ー、缶コーヒー買って来たよー」ポイッ
岡部「ああすまない」
ラジオ「…ザザ 日本全国を騒がせた三億円事件も今月10日に時効を迎え…」
鈴羽「岡部はだらしないなー、力仕事したことないみたい」
岡部「仕方ないだろう、俺は知的労働タイプなのだ。この時代にはヒートテックもないしな」
鈴羽「ヒートテック?」
- 16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/16(土) 18:08:39.39 ID:HYsiAr+r0
現場監督「おい新人、今日は終わりだ。上がって良いぞ。それから給料、年末だし色付けといたから」
岡部「ありがとうございます」
現場監督「それで鈴羽ちゃん温めてあげな」
作業員A「さーて、俺達は中山(競馬場)だな」
作業員B「俺はフジノバーシアから流すぜ」
岡部「…有馬記念!」
鈴羽「岡部、どうしたの?」
岡部「俺達も中山に行くぞ!」
- 18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/16(土) 18:10:51.65 ID:HYsiAr+r0
アパート
岡部「フ…ファーハハハ!あっという間に全財産10万円が130万円になったぞ!」
鈴羽「凄ーい岡部!聖徳太子がこんなに!」
岡部「しかしこれではまだ足りん、最終目標は2万ドル、すなわち600万円だ」
鈴羽「そんなに貯めて何に使うの?」
岡部「IBN5100というコンピューターを入手するのだ」
鈴羽「ふーん…よく解んないけど大事なものだった気がする」
岡部「…だがこの130万円をどうやって増やすかな」
- 20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/16(土) 18:13:21.44 ID:HYsiAr+r0
1975年12月31日
ラジオ「…ザザ…では次は沢田研二さんで『時の過ぎ行くままに』です…ザザ』
鈴羽「コタツ暖かーい、出たくなーい」
岡部「年末だからな、今日くらいは良いだろう」
鈴羽「ねえ岡部、あたし考えたんだけどさ」
岡部「何だバイト戦士よ」
鈴羽「あたし達玩具を作る仲間だったんだよね?じゃあこの125万円で玩具作って売らない?」
岡部「…そうだな、バイト戦士!アイディアは俺に任せてくれ!」
鈴羽「わーい楽しみー」
- 22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/16(土) 18:16:08.13 ID:HYsiAr+r0
1976年2月
岡部「できたぞ未来ガジェット十号機!その名も『F1イレイサー(仮)』だ!」
鈴羽「これ?単なる車型の消しゴムみたいだけど」
岡部「ふっ、これを見てもそんなことが言えるかな?」スッ
鈴羽「ボールペン?」
岡部「ボールペンのバネを利用して…ヤッホウ!」バチーン
鈴羽「わっ!凄い!走ったー!」キラキラ
岡部「これをコレクター魂を揺さぶる為12種類色違いで用意する」
鈴羽「これは子供が喜ぶと思うよー」
- 24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/16(土) 18:18:54.97 ID:HYsiAr+r0
岡部「さらぁに!これをこの未来ガジェット十一号機『ガチャガチャ・マシーン(仮)』で売るのだ!」
鈴羽「なにこの機械?回転レバーがついてるけど」
岡部「50円玉をここにいれて、回すとな…」ガチャガチャ カタン
岡部「とまあこんなふうに玩具がカプセルに入って出てくるのだ」
鈴羽「すごーい、よくこんなん作れたね」
岡部「まぁそれなりに金はかかったがな…実用新案も提出したのであとは製造してくれる工場を見つけねば」
鈴羽「工場か…本格的になってきたね」
- 27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/16(土) 18:21:38.71 ID:HYsiAr+r0
1976年8月
岡部「なかなかガチャガチャの売れ行きが良いみたいだ、資金は400万円に増えた」
鈴羽「次は何を作る?」
岡部「そうだな…チョロQでもつくるかな」
鈴羽「チョロQ?どんな玩具なの?」
岡部「車の模型にゼンマイを仕込んでだな…まあ実際作ったほうがいいか」
- 29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/16(土) 18:23:45.06 ID:HYsiAr+r0
1976年9月
岡部「ファーハハハ!できたぞ!未来ガジェット十二号機!『チョロッとQ(仮)』だ!」
鈴羽「ちっちゃな車だね、これもボールペンで押すの?」
岡部「ふふふ、そのような必要はない、少し後ろに戻して離してやると…」キリキリ
岡部「このように走り出すわけだ」ギュイン ガツン
鈴羽「わー!これおもしろーい!」キラキラ
岡部「これもガチャガチャに入れて売ろう。そうすれば売り上げはもっと伸びるはず」
- 33:
コメント一覧
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- 2013年11月16日 21:31
- ほう
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- 2013年11月16日 21:35
- フェイリス……
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- 2013年11月16日 21:36
- おう
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- 2013年11月16日 21:40
- 難しいことはわからんが、これも一つのグッドエンド。
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- 2013年11月16日 21:53
- うあー、何で最後がああなるのか理解できないー
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- 2013年11月16日 21:54
- すごい駆け足ではあったがなかなか悪くない
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- 2013年11月16日 22:32
- なかなかいいENDだった。
乙!
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- 2013年11月16日 22:32
- 非常にカオスである
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- 2013年11月16日 22:42
- 鈴羽ルートとフェイリスルートはその後は凄い気になる
ダイバージェンスメーターの演出がある以上ディストピア形成は逃れられんのだろうが…
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- 2013年11月16日 22:52
- 乙
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- 2013年11月16日 22:53
- 鈴羽ルートは二人とも記憶失って結末は変わらないバッドエンドだったはず
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- 2013年11月16日 23:01
- ※9
フェイリスルートedは別の世界線(Ω世界線)に来たからまゆりは救う事が出来たがフェイリス以外とのラボメンとの接点は消えてメーターは残っているという感じだったっけ
Ω世界線でも十分続編作れそうだよな
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- 2013年11月16日 23:15
- まゆしぃ頭良すぎだろワロタ
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- 2013年11月16日 23:46
- 滅茶苦茶な気がしないでもないが、親父世代と一緒に何かやるのは面白いな