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http://japanese.engadget.com/2013/11/18/paypal-here/


PayPal Here が「顔パス払い」を説明。初めての店でもなじみ客 (風)。ネスカフェ原宿で全品半額プロモ - Engadget Japanese


PayPalでは、FacebookFoursquareで位置登録するように、対応するリアル店舗にチェックインすることで支払いができる「顔パス支払い」を実施しています。PayPalアプリにクレジットカードやデビットカードなど、最大8つのカードが登録可能で、対応店舗にチェックインして注文すると、現金やクレジットカードを出すことなく、リアル店舗でオンライン決済ができるというものです。

11月18日より、原宿のカフェで「顔パス支払い」すると全商品が半額になるキャンペーンが始まります。あわせて開催された説明会で、PayPalの担当者に今後のビジョンについて話を聞きました。



PayPalといえば、ネットで商品やコンテンツを購入する際の仲介役となる決済サービスの企業です。クレジットカードなどを登録しておくと、商品やサービスの代金を支払う際、相手側にクレジットカード番号などを公開することなく決済できます。ネットオークション eBay の子会社で、日本法人はソフトバンクとの合弁会社

2012年からは、スマートフォンをクレジットカードの決済端末として利用できる「PayPal Here」をスタートし、オンライン決済だけでなく、リアル店舗の取り込みを開始。小型のクレジットカードリーダーをスマートフォンのイヤホンジャックに装着して利用し、スマートフォンを決済端末として利用できるものです。なお、PayPalでは導入店舗数やユーザー数について明らかにしておらず、1年間に1回以上使う人をアクティブユーザーとして100万人と案内しています。



同様のサービスとしては、SquareCoiney楽天スマートペイなど。いずれのサービスもスマートフォンに小型のアダプタを装着して利用します。各サービスの内容はほぼ横並びの状態で、クレジットカードの通常のサービスよりも初期費用が割安ですぐに導入でき、振り込みまでの期間が短いといったように、店舗側にメリットがあります。

あえて各サービスの位置づけを言えば、老舗ブランドの PayPal Here、Twitter創業者が作り三井住友カード系のSquare 、元PayPal日本法人メンバーが立ち上げ、クレディセゾンと資本提携するCoiney、楽天銀行などと連携する楽天スマートペイといったところ。国内の電子決済は12%程度、PayPalでは「日本はクレジットカード決済の利用は遅れている」としています。





PayPal Hereの対応店舗では、ユーザーが専用アプリでチェックインすると、現金やクレジットカードを利用することなく決済できる「顔パス決済」が使えます。もちろん、実際には顔パスではなく、初めて入った店でも顔パス「」の馴染み客のようにふるまえる、といった意味です。

チェックインすると、店舗側のスマートフォンやタブレット端末に、店舗へチェックインしたユーザーのアイコンと名前が表示されます。注文すると、登録情報を元にその場でオンライン決済します。

説明会でPayPalの杉江智彦部長は、「PayPalが作りたい未来は、お財布を持ち歩かない未来」と述べました。ただ、スマートフォンでは、日本ではFeliCaを使ったおサイフケータイが普及しており、海外では、NFCによる決済が広がりそうな機運もあります。これに杉江智彦氏は、FeliCaもNFCもスマートフォンに専用チップが必要な点をあげて、より汎用的に使えるサービスと返答。

今回の説明会では、実際の店頭での決済の様子をデモンストレーションで披露しました。ところが、ユーザー側も店頭スタッフ側も慣れない決済のやりとりに、どう考えても現金での決済よりも時間がかかっていました。



説明会終了後、杉江部長に率直に問うたところ、「普及してくれば顔なじみでツケで払えるような感覚で使えます。そもそも日本には、常連というか顔なじみでツケにするような商習慣があるので、顔パス払いは馴染みやすいはず」と語りました。

また、初めていくような高級店でも顔パス払いを利用することで、常連客のふりができる点もメリットと話していました。チェックインによって店舗側に名前が伝わるため、「○○さま、本日はありがとうございました」などと言ってもらえる場合があるとのこと。たとえ初訪問の高級店にヒザをがくがくと震わせていたとしても、それでも、鼻だけは高くしていられます。デートなどで「いいカッコ」がしたい時に良いかもしれません。

ちなみに、顔パス払いでは、来店回数や注文した商品などのユーザーの購買履歴データを取得しています。現時点では店舗側にこうした情報を提供していないものの、今後情報を店舗側に伝えていく方針。常連客向けの特典や、同じメニューを注文する客への特典などにつなげていくとしています。

11月18日〜12月1日のキャンペーンでは、カフェ ネスカフェ原宿で顔パス払いを利用すると、飲み物と食べ物が全て半額になるという、太っ腹な販売促進企画を実施中。