ソフトバンクがロボット事業に本格参入 -新会社「アスラテック」を通じて
MSN産経ニュースは20日、ソフトバンクが人型ロボット事業に本格参入すると報じています。
人型ロボットと聞くと、多くの方はSFの世界を連想するだろうと思います。しかし、今では本当に人と見間違うほどのロボットが実現可能になりつつあります。例えば、2010年のDC EXPOにおいては、産総研が開発した人型ロボット「HRP-4C」が下の動画のようなパフォーマンスを見せています。
YouTube HRP-4C Dance ½ (中央のみがロボット)
まだ微妙にぎこちなさが残っていますが、ご覧になって驚かれた方も多いのではないかと思います。今はこのように「人の形で、しかも人に近い機能を持ったロボット」が実現可能なところに近づいています。
人型のロボットを開発する目的は、上のようなショー目的だけではありません。人型であると、人が自分自身の体になぞらえて操作できるので、直感的に操作しやすくなります。それに人の使う道具や、人の移動する場所はどれも人向けに作られているので、人型ロボットなら、従来の道具を使い、従来の施設を移動して回ることが可能です。例えば、福島の原発事故のような時にも、人型ロボットがあれば活躍したはずだと言われています。
また戦場においてロボット兵士を実現するという目的もあります。本サイトでは7月にこちらの記事でアメリカが軍事目的で開発している人型ロボットについてお伝えしました。
一方では、人型ロボットのテクノロジーは、手足に障害を受けた人々に高度な義手義足を提供することにも転用可能です。
このように様々な側面から、人型ロボットへの期待が高まっており、開発競争の時代に突入していると言われています。
このような背景を受けてソフトバンクも人型ロボット事業への参入を本格化したものと見られます。ソフトバンクは今年7月に設立した新会社「アスラテック」を通してロボット事業に参入すると伝えられています。
本記事では、この「アスラテック」で開発のメインに据えられている「V-Sido」(ブシドー)について解説したいと思います。
「V-Sido」は、吉崎航氏が個人的に人型ロボットの動作制御を行うために開発したものでした。2009年に、同氏はこのV-Sidoにより、情報処理推進機構による新規開発支援事業「未踏プロジェクト」においてスーパークリエータに選ばれ、開発支援を受けました。
その後、ニコニコ動画にて、「動くユニコーンガンダムを作ってみた」という動画を公開していたので、ロボットマニアの方ならご存じの方は多いかと思います。ニコニコ動画での一連の投稿はこちらのページにまとめられています。
上記動画をご覧になっていただけると直感的に理解できるかと思いますが、V-Sidoの素晴らしいところは、今まで専門知識のある人間が苦労して行わなければならなかったロボットモーションの制御を素人でも簡単にできるようにした点です。
例えば、ロボットの手を動かすと、それにつられて、腰や足も連動してうまく動いてくれないと、ロボットはバランスを失って倒れてしまいます。しかし、V-Sidoを用いると、手の動きを入力するだけで、他の動きはV-Sidoの側が自動的に計算してリアルタイムに制御してくれるようになっています。
上記動画の巨大ロボット「クラタス」もV-Sidoによって制御されています。ワンダーフェスティバル2012夏や魂ネイション2013などでデモンストレーションを行った経緯があるので、ご覧になった方もおられるかもしれません。こちらのURLでは「クラタス」の開発元、水道橋重工によるノリノリな紹介動画を見ることができます。
2013年7月にはアスラテックが設立され、吉崎航氏は事業企画本部チーフロボットクリエイターに就任しました。現在アスラテックでは、人型ロボット制御OSのV-Sido OSとロボット開発用基盤V-Sido Connectを発売すべく準備中です。今後はソフトバンクの協力により、独自AIを持つ人型ロボットの開発へと発展させる計画となっているそうです。
動画で動いているところを見ると、本当にインパクトがあってビックリさせられます。CGではなく、本物の三次元で動くミクさんが見られる日が近づいているように筆者は感じました。
[MSN産経ニュース via リンゲルブルーメン]
工場などにある産業用ロボット以外は日本では技術はあっても製品にまったくできてないからなぁ
ここはソフトバンクの今までとは違ったアプローチに期待
そうかな。
SBは本業ですらあまりR&Dに力を入れていないのに、技術力が重要になってくるロボ事業に急に手を出したところであまり期待できない。。