神娘「わしの眠りを妨げるのは誰じゃ……っていたたたっ!」
- 2013年11月27日 18:10
- SS、神話・民話・不思議な話
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- 1 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/14(木) 20:44:49 ID:Jdwga0bc
神娘「痛い痛い! やめぬか! やめて!」
神娘「起きるから! っていうか今起きたから! 髪を放せ!」
神娘「っくうぅ……つつ」
神娘「……チュウ助。大事な用か?」
神娘「乙女の髪をくわえて脇目もふらず突っ走ってしまうほど大事な用なんじゃな?」
神娘「そうでもない? なら起こすな。寝る」
神娘「……あいたたたたッ!」- 2 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/14(木) 20:59:27 ID:Jdwga0bc
神娘「そこに座れ」
神娘「いいかチュウ助。一つ聞くが」
神娘「わしは何者じゃ? そうじゃ、神じゃな」
神娘「その神の眠りを妨げるというのはどういうことか分かっておるか?」
神娘「うむ、そうか、分かっておるか」
神娘「ならおやすみ」
神娘「……いっつぁぁぁぁぁッ!」- 4 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/14(木) 21:38:47 ID:Jdwga0bc
神娘「そこに座れ」
神娘「いいかチュウ助。もう一つ聞く。認識に食い違いがあったら困るからな」
神娘「お主は大した用事もなく、神の眠りを妨げることの意味を分かっていて、わしを起こした」
神娘「よいな? そうか、よいか」
神娘「では、お主は神罰をくらっても文句は言えんのだが分かっておるのだよな?」
神娘「異議あり? 何故じゃ」
神娘「……いやまてこらこら」
神娘「敬うに値しない神に対しては罪ではないってわしを舐めとんのかこのネズ公」- 5 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/14(木) 21:51:08 ID:Jdwga0bc
神娘「いいか、チュウ助。よく聞け」
神娘「神というのはすごく偉いものなのじゃ」
神娘「この国には八百万の神がいると言われ、それはそれはいろいろな輩がおる」
神娘「優しいのがおれば乱暴者もおる。怖い奴もいれば可愛い奴もおる」
神娘「だがその全ての神はみな同じように敬われるべきなのじゃ」
神娘「そしてこの世の生き物はその敬う心によって謙虚さを」
神娘「……これ寝るなチュウ助。無礼じゃ。不敬じゃ」- 8 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/14(木) 22:08:20 ID:Jdwga0bc
神娘「ぬ。起きぬぞこのネズミ」
神娘「これ、聞け。聞かぬか」
神娘「聞かぬと今度こそ神罰が」
神娘「……いや待てよ」
神娘「チュウ助。チュウ助や」
神娘「よし、起きぬな」
神娘「ではおやすみ」
神娘「……あだぁッ!」- 13 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/15(金) 06:04:36 ID:N7VjUYis
神娘「チュウ助。チュウ助や」
神娘「もしかしてと思うのじゃが、お主、ただただわしに嫌がらせをしたいだけなんではないか」
神娘「そんな無礼なことはしない? どの口がいうか」
神娘「わしを崇めてはいないがネズミとしての礼儀はわきまえている?」
神娘「……」
神娘「ならよいのか」
神娘「いやよいわけあるか。騙されんぞ」- 14 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/15(金) 06:28:06 ID:N7VjUYis
神娘「わしを崇めていないとはどういうことじゃ。聞き捨てならん」
神娘「理由を聞きたいのかじゃと? そりゃ聞きたいに決まって」
神娘「……」
神娘「いややっぱりやめておく。余計に疲れる気がしてきた」
神娘「うう。やはり神主はしっかり選ぶべきじゃった」
神娘「いくら選択の余地がなかったとはいえ、さすがにネズミはないじゃろうが」
神娘「あの時のわしを殴ってやりたい」- 17 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/15(金) 17:37:16 ID:N7VjUYis
神娘「ああよいよい慰めるな。余計に悲しくなってくるわ」
神娘「いかんともしがたいこの脱力感。もうひと眠りしたい。が」
神娘「丸坊主にでもせん限り眠れそうにないのう」
神娘「髪をとるか、眠りをとるか。ううむ。迷いどころじゃ」
神娘「……」
神娘「いや、うむ、分かっておる。髪がなければ頭が涼しすぎる。それではぐっすり眠れん。本末転倒じゃ」
神娘「ん? なにかおかしいか?」
神娘「まあとにかく。しかたなく起きてやる。深めに感謝せよ。深めに。よいな?」- 18 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/15(金) 17:56:58 ID:N7VjUYis
神娘「してチュウ助。わしを起こしたからには用事はあれであろう?」
神娘「人間はすぐになくしよるからのう」
神娘「やれリモコンが見つからない。やれ眼鏡はどこだ。やれあの日のやる気はどこ行った」
神娘「まったく、学びもせずぽんぽんぽんぽん失いおって」
神娘「ん? だからこの仕事が成り立ってる? まあ、確かにそうじゃ」
神娘「仕事がなければわしも威厳が保てんからのう」
神娘「鼻で笑うなチュウ助。わしにも威厳はある。見えないところに積もっとる」
神娘「しっかりと、こんもりと」
神娘「そう、わたぼこりのようにな」
神娘「ん? 何か違うな」- 19 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/15(金) 18:19:52 ID:N7VjUYis
神娘「積年の恨みの方がまだ美しい比喩だったか」
神娘「まあそれはそれとして。解せんのう」
神娘「何がって、瑣末な案件はお主の担当じゃろうが」
神娘「実際認めるのは癪じゃが、お主は優秀じゃ。機転もきく」
神娘「わしに頼らんでも探し物の一つや二つ難なく見つけ出すじゃろ?」
神娘「照れる? お主そんなうぶじゃなかろう。言ってみただけ? だと思ったわ」- 20 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/15(金) 18:34:45 ID:N7VjUYis
神娘「ということは、じゃ。考えられることは三つ」
神娘「一つ目。見つけてやっていいものかどうかお主には判断がつきかねる」
神娘「二つ目。単純にお主の能力の範疇を超えている」
神娘「三つ目。もっと単純に嫌がらせでわしに押し付けようと思っただけ」
神娘「どれじゃ?」
神娘「三つ全部? そりゃ難題じゃ。っていうか三つ目入っとるのかくそう」- 25 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/16(土) 05:34:32 ID:H13oAggA
神娘「まあよい。いや本当はよくないが」
神娘「お主に解決できない問題ならば、わしが出張らんわけにはいかんしの」
神娘「よいか。仕方なーく、じゃぞ? お主がどうしてもー、と頼むからじゃぞ?」
神娘「うむうむ、それでよい。それが正しい態度じゃ」
神娘「いや違ったかな。毛づくろいをしながらの片手間返事は無礼な気もする」
神娘「そんなこと気にする暇があったら仕事しろ? じゃがしかし」
神娘「ううむ。そうか。確かに仕事を終わらせんと眠れんな」
神娘「仕方ない。ではさっそく取りかかるとしようか」- 26 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/16(土) 05:50:04 ID:H13oAggA
アパート
青年「さて。荷づくりはこんなもんか」
青年「あとは業者さんを待つだけだな」
青年(まだ十一時か)
青年「でも出発前に慌てるのはいやだし」
青年「ちょっと早いけど、なんか食べにいこうかなあ」
青年「……」
青年「ん? はーい!」
青年「はいはい、どちら様?」
神娘「神じゃ」
青年「はい?」- 27 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/16(土) 06:07:48 ID:H13oAggA
神娘「お主じゃな?」
青年「は? えっと」
神娘「うむ、やっぱりお主じゃ」
青年(いや……なにが?)
神娘「ん? どうした?」
青年「……それはこっちの台詞じゃないかな?」
神娘「む。おお、なるほど。このネズミはチュウ助という」
青年「そ、そうなんだ」
神娘「これでも我が神社の神主じゃ。変に思うのも無理はないが」
青年(なんだろう。なんなんだろう)- 28 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/16(土) 06:14:07 ID:H13oAggA
青年「ええと。あー。うん。そうか」
神娘「?」
青年「ごめん。うちちょっと引っ越しでバタバタしててね。お菓子とか今ないんだ」
神娘「なんと」
青年「いや悪いね。ハロウィン行事は今年から? 知らなかったよ」
神娘「はろうぃん?」
青年「え、あれ? 違うの?」
神娘「何の話じゃ?」- 29 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/16(土) 06:25:01 ID:H13oAggA
青年「ああ、そりゃそうか。ハロウィンにしてはちょっと遅いか」
神娘「のうのう。なんの話じゃ?」
青年「じゃあ何かな。近くの中学校の子だよね? 学校で何かやるの?」
神娘「??」
青年「違うか。じゃあ何かの宣伝? アルバイト?」
神娘「よく分からん。それより寒いから中にあげてほしいんじゃが」
青年「……宗教の勧誘とか?」
神娘「何をいっとるのかさっぱりじゃの」
青年「まさか……そういういかがわしい商売?」
神娘「寒いんじゃが。こぶ茶が飲みたいんじゃが」- 30 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/16(土) 06:41:39 ID:H13oAggA
青年「君、そういうのはよくないよ。まだ若いんだろう? 身体は大事にしなきゃ」
神娘「身体は丈夫じゃぞ?」
青年「そういうことじゃない。古い考えかもしれないけどね、貞淑さってのは大事なもんだよ」
神娘「ふむ確かに」
青年「分かってくれるかい?」
神娘「脈絡は不明じゃがわしもその考えに賛成じゃ。ここは大人しく引き下がろう」
青年「分かってくれてよかった」
神娘「では後ほど」
青年「じゃあねー」
青年「……後ほど?」- 33 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/16(土) 16:12:44 ID:H13oAggA
定食屋
青年「どうもー」
店主「おう、いらっしゃい!」
青年「焼き魚定食お願いします」
店主「おんや? 今日引っ越しだろ。最後の注文がそれでいいのか?」
青年「贅沢するのもありかと思ったんですけど、やっぱり定番で締めたくて」
店主「へっ、こんなときくらい店に金落としていけってんだ」
青年「こんなときだからいつも通り終わらせたいんですよ。いや、すみません」
店主「うん、まあ分からんでもないけどな」- 34 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/16(土) 16:23:15 ID:H13oAggA
店主「それにしてもお前ももう卒業か。早いもんだな」
青年「ですよね。四年ってそんなに短くもないのに」
店主「みんな言うんだ。まるでどっかに落として来ちまったみたいだとな」
青年「あー分かります分かります。なんていうか夢みたいですよね」
店主「目覚めてみれば全て過去ってか。ほいお待ち」
青年「ありがとうございます」- 35 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/16(土) 16:30:03 ID:H13oAggA
店主「就職は地元だったか?」
青年「ええ。一旦実家に戻ります」
店主「お、いいねえ。家族が恋しいだろ」
青年「え、あ……まあはい」
店主「なんだ、もうそんな歳じゃねえってか?」
青年「うーん……」
店主「カッコつけるのはてめえでてめえを養えるようになってからだ。じゃねえと逆にカッコ悪いぜ?」
青年「もっともです。ですがそうじゃなくて」
店主「うん?」- 36 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/16(土) 16:38:04 ID:H13oAggA
コメント一覧
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- 2013年11月27日 18:12
- ※1ならいちゲト
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- 2013年11月27日 18:17
- テンポ悪い
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- 2013年11月27日 18:23
- ほむぅぅぅぅぅぅぅほむぅぅぅぅぅぅぅほむぅぅぅぅぅぅぅほむぅぅぅぅぅぅぅほむぅぅぅぅぅぅぅほむぅぅぅぅぅぅぅほむぅぅぅぅぅぅぅほむぅぅぅぅぅぅぅほむぅぅぅぅぅぅぅ!
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- 2013年11月27日 18:23
- アンアンあんこちゃんアンアンあんこちゃんアンアンあんこちゃんアンアンあんこちゃんアンアンあんこちゃんアンアンあんこちゃんアンアンあんこちゃんアンアンあんこちゃんアンアンあんこちゃんアンアンあんこちゃん
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- 2013年11月27日 18:24
- まどまどまどま~ーーーー!~ーーどーーーーーーー!!ーま~ーーーーーどーーーーーーー!!ーまどまどま~ーーーどーーーーーーー!!ー
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- 2013年11月27日 18:25
- マミぃぃぃぃぃぃぃィマミぃぃぃぃぃぃぃマミぃぃぃぃぃぃぃマミぃぃぃぃぃぃぃマミぃぃぃぃぃぃぃマミぃぃぃぃぃぃぃマミぃぃぃぃぃぃぃマミぃぃぃぃぃぃぃマミぃぃぃぃぃぃぃマミぃぃぃぃぃぃぃマミぃぃぃぃぃぃぃマミぃぃぃぃぃぃぃマミぃぃぃぃぃぃぃマミぃぃぃぃぃぃぃ!!!ぶひぃーーー
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- 2013年11月27日 18:26
- さやかちゃんさーやさやさやさやさやさーやさやさやさやさやさーやさやさやさやさやさやかちゃんさーやさやさやさやさやさやかちゃんさーやさやさやさやさやさーやさやさやさやさやさーやさやさやさやさやさーやさやさやさやさやさやかちゃんさやかちゃんさやかちゃんさーやさやさやさやさやさーやさやさやさやさやさやかちゃんさやかちゃんさやかちゃんさーやさやさやさやさやさやかちゃんさーやさやさやさやさやさやかちゃんさーやさやさやさやさやさやかちゃんさーやさやさやさやさやさーやさやさやさやさやさーやさやさやさやさやさーやさやさやさやさやさやかちゃん
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- 2013年11月27日 18:27
- キュップイキュップイキュップイキュップイキュップイキュップイ!キュップイ!キュップイキュップイ!キュップイキュップイキュップイキュップイキュップイキュップイキュップイキュップイキュップイキュップイキュップイキュップイ!キュップイキュップイキュップイキュップイキュップイキュップイキュップイキュップイキュップイキュップイキュップイキュップイキュップイキュップイキュップイキュップイキュップイキュップイキュップイキュップイキュップイキュップイキュップイキュップイキュップイキュップイキュップイキュップイキュップイキュップイキュップイ
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- 2013年11月27日 19:07
- なにここ怖い
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- 2013年11月27日 19:39
- 米欄が荒れてるな
ちょっとくどい部分もあったけど捻り方がなかなか面白かった
シリーズ物で読んでみたいな
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- 2013年11月27日 19:58
- 無駄な会話で頑張って水増しした感じ
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- 2013年11月27日 20:13
- 内容について荒れてるんじゃなくてマジで荒らしでワロタ
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- 2013年11月27日 21:04
- ※がクレイジーだった
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- 2013年11月27日 21:22
- 可愛かったし、面白かった♪
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- 2013年11月27日 21:45
- それなりに面白かったと思うがなぁ。
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- 2013年11月27日 22:23
- 設定は面白かったけど店長のキャラがくどいし、段々テンポ悪くなってきたね。書いてて気分が乗ってきたのかな
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- 2013年11月27日 22:57
- ままれかと思った
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- 2013年11月28日 00:03
- 面白いと思った(小並感)