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実際に行われていた10の恐ろしい人体実験・手術 : カラパイア

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 人体を使った実験は、いつの時代でも論議を呼ぶ。人体についてより詳細な情報を得られる一方、そこに倫理的な問題が立ちはだかる。高度な知能をもつ人間として、人体をできるだけ傷つけずに実験が行われれるのが理想的なのだが、かつては同じ種である人間が、人間をただの実験材料としてしかみなさない恐ろしい人体実験や治療と称した手術が行われていたという事実がある。

 海外サイトにて、過去に行われていた10の人体実験に関しての特集記事があったので見てみることにしよう。
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10.精神障害を治療すると内臓除去手術

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 ドクター・ヘンリー・コットンは、地域の伝染病が精神障害の原因だと信じていた。1907年、トレントンの精神病院の院長になると、外科的細菌学と称した治療法を始め、患者の承諾なしに何千回もの外科手術を行った。まず、歯や扁桃を取り、エスカレートして病気の原因だとする内臓まで取り除いた。自分自身や妻やふたりの息子の歯も抜いてしまった。

 コットンは自分の治療なら高い確率で患者を治療できると主張したが、その主張は治療法があまりにもひどいという非難への反論となっていった。例えば、彼は49人の患者が結腸切除によって亡くなったことを正当化し、彼らは手術する前からすでに末期の精神障害に苦しんでいたのだと主張した。独自に調査をすると、コットンが手術の結果を相当誇張していることがわかった。1933年、コットンが亡くなると、精神病院での手術は中止され、彼の自説は忘れ去れていった。そのやり方が異常だったことは確かだが、彼が患者を治そうと努力していたことだけは確かだと言えよう。



9.麻酔なしで女性の性器を切除

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 J・マリオン・シムズは、アメリカの婦人科学の先駆者として多くの尊敬を集めているが、1840年代にアフリカ系アメリカ人の奴隷女性に多くの外科手術を行った。3年に渡って、膀胱と膣の間に異常な痩孔(ろうこう)ができてしまう膀胱膣痩の外科的治療に取り組み、麻酔なしで手術を行った。アナルーシャという女性は、30回もの手術に耐え、やっと治癒したという。

 シムズが行った恐ろしい手術はこれだけではない。口が開きにくくなる開口障害に苦しむ子供の奴隷を治そうと、靴屋の使う錐を使って、無理やり頭蓋を動かして調整したのだ。



8.不本意な腺ペスト

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 フィリピンの生物学科学研究所所長のリチャード・ストロングは、マニラの刑務所の囚人に何度か接種をして、コレラ菌のワクチンを作ろうとしていた。1906年の実験で、彼は誤ってコレラワクチンではなく、腺ペスト菌を注射してしまい、13人が死んだ。政府の調査が入り、ペストの血清がコレラの血清のビンと取り換えられていたことがわかった。

 この大失敗にストロングはしばらく息をひそめていたが、6年後、今度は囚人たちに脚気治療のための接種を行い始めた。何人かの患者が死に、生き残った者もタバコ数パックで埋め合わせされただけだった。のちにニュルンベルグ裁判のときに、ナチの戦犯たちはストロングのおぞましい実験を引き合いに出して、自分たちの残酷な研究を正当化しようとした。



7.熱湯をかけられた奴隷

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 治療というより拷問と言ったほうがいいかもしれない。1840年代、ドクター・ウォルター・ジョーンズは、チフス性肺炎を治すのに熱湯が効くと薦め、数ヶ月に渡って、この病に苦しむたくさんの奴隷に治療を施した。

 ジョーンズはある25歳の男性について詳しく報告している。男性を裸にして腹ばいにさせ、背中から5ガロンの熱湯をかけるという。もちろん、男性の苦しみは終わりになるはずはなかった。この治療は4時間おきに続けなくてはならず、毛細血管の循環が回復するのに効果があるのだと説明した。ジョーンズはこの治療で多くの患者が治癒したと主張しているが、決して証明できない主張だ。


6.脳に直接電流を流す

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 1847年、シンシナティの医師ドクター・ロバーツ・バーソローは、脳内にできた瘍に苦しむメアリー・ラファティという患者の脳に直接電流を流した。メアリーの脳に直接電極を刺して、さまざまな強さの電流を流して反応をみた。実験は4日間で8回繰り返された。最初はメアリーは大丈夫そうだったが、実験が進むにつれ、激しく震えるようになり、昏睡状態になって、まもなく死んだ。

 この結果に対する反発があまりに激しく、バーソローは同じ場所で仕事を続けることができなくなったが、フィラデルフィアに引っ越し、結局、ジェファーソン医科大学で教鞭をとることになった。運のいいマッドサイエンティストである。


5.精巣移植

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 カリフォルニア州サンクエンティンの刑務所で、1913〜1951年まで医長を務めていたレオ・スタンレーはとんでもない持論の持ち主だった。犯罪を犯した男は、男性ホルモンのテストステロンの数値が低いので、この値を上げれば、犯罪が減るというものだ。その持論を検証する為、スタンリーは死刑になったばかりの犯罪者の精巣を囚人に移植するという奇怪な手術を行った。

 刑務所での死刑は年に3回ほどしか行われないので、有効な精巣が手に入らないため、スタンリーはさまざまな動物の精巣を液化して囚人の皮膚に注射した。1922年までにスタンリーは600人以上の囚人に手術を行い、成功をおさめたという。ある年老いたカフカス人の囚人は、アフリカ系アメリカ人の精巣を移植された後、とても精力的になったという。



4.子どもへのショック療法とLSD

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 米国の精神科医ローレッタ・ベンダーは、ベンダーゲシュタルトテスト(簡単な図形を模写させるテスト)の考案したことで知られているが、物議をかもすいくつかの研究にも関与していた。1940年代、ベルビュー病院の精神科医として、ベンダーは子供の統合失調症の治療のために、98人の小児科の患者に毎日ショック療法を行った。

 ベンダーによれば、ショック療法は成功し、症状がぶり返したのはほんの一握りの子供だけだったという。さらに彼女は子供たちにLSDやシロシビンのような幻覚を起こす薬を何週間も大人と同じ用量与えた。表立っては明らかになっていないが、悪名高きCIAのMKウルトラ計画(洗脳実験)から、ベンダーは資金を得ていたと言われている。



3.グアテマラ梅毒実験

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 2010年、非人道的な梅毒実験の事実が明らかになった。忌まわしいタスキーギ実験を研究していた教授が、同じ保健機関がグアテマラでも似たような実験を行っていた事実をすっぱぬいたのだ。このため、ホワイトハウスは慌てて調査委員会をたちあげるはめになり、1946年に米政府の息のかかった研究者が実験のために1300人のグアテマラ人を意図的に梅毒に感染させたことがわかった。

 感染患者へのペニシリン治療の効果をみるため、この実験は2年間続いた。研究者たちは売春婦に金を払って病気を広めさせ、何も知らない兵士や囚人、精神障害患者たちが梅毒に感染した。この実験で83人が死んだ。この恐ろしい一大スクープのせいで、オバマ大統領はグアテマラ大統領と国民に個人的に謝罪することになった。



2.皮膚硬化実験

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 1960年代、アメリカの皮膚科学者アルバート・クリグマンは、米軍の援助を受け、ホルムスバーグ刑務所の囚人たちを使って、肌を硬くする人体実験を行った。理論的には肌を硬化させれば、戦地で兵士が刺激性の化学物質から皮膚を守ることができるというのだ。クリグマンはさまざまな化学薬品をクリームに混ぜて囚人に使わせたが、得られた結果は永久に残る傷痕と痛みだけだった。

 製薬会社もクリグマンに金を払って、囚人たちを実験台にして自社製品をテストしていた。被験者は実験の目的や副作用については詳しく知らされず、報酬をもらって実験に参加した。多くは肌が水ぶくれになったり、火傷のようにただれたりした。それでもクリグマンは非情にも囚人たちは人間ではなく、ただの実験台の皮膚としてしか見ていなかった。

 ついに世間が騒ぎ出し、調査の手が入って、クリグマンは実験を中止せざるをえなくなり、実験結果もすべて破棄した。実験台にされた囚人たちは補償されることなかったが、クリグマンはのちににきびに効くレチンAを開発して裕福になった。人生は不公平である。



1.子どもへの脊髄穿刺(髄液を採取すること)実験

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 特に神経や脊髄障害を処置するときに脊髄穿刺が必要なこともあるが、太い針を脊髄に刺して髄液を採取するやり方は激しい痛みを伴うことも確かだ。1896年、小児科医のアーサー・ウェントワースは幼い女の子に脊髄穿刺をする間、少女が痛みに身を縮めるのに気づいたのに構わずに続けた。当時はこの処置に痛みはないと信じられていたのだ。彼は29人の幼児にこの処置をした。

 ついにウェントワースは、一時的に痛みがあったとしても、この処置が病気の診断に非常に役立つという結論に達したが、賛否両論だった。すばらしいことだと称賛する者もいれば、人体実験以外のなにものでもないと非難する者もいた。実験に対する社会の怒りが大きくなって、ウェントワースはハーバード医大の教師の職を退くことになった。

via:listverse・原文翻訳:konohazuku


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