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技術コラム: IGZOの次はCAAC-ITAZO? 酸化物半導体の選び方 ―前編 - Technity

技術コラム: IGZOの次はCAAC-ITAZO? 酸化物半導体の選び方 ―前編

2013年12月3日 18:37 │Comments(18)

シャープが猛プッシュ中のIGZO。ディスプレイの高精細化に不可欠となりつつある酸化物半導体の一種です。しかし、IGZOは “ファイナルアンサー” なのでしょうか? その疑問に対する回答を明らかにすべく、今回は酸化物半導体の基礎から勉強し、「IGZO超え」を狙う材料たちについて調べました。

前編は、ディスプレイ用のシリコン&酸化物半導体の基礎知識について書いてゆきたいと思います。

[ページ構成]

1. 熟練選手・シリコンの引退危機
2. ノロノロとバラバラのジレンマ
3. “均一でそこそこ速い” 酸化物半導体
4. 酸化物半導体の周期表レシピ

熟練選手・シリコンの引退危機

SHARPのIGZO-TFT

液晶ディスプレイの中のIGZO-TFT
(シャープのIGZO特設サイト の “ディスプレイを革新するIGZO” [2012/12/24] の図3より引用)

電卓・腕時計に代表される、「白か黒」の液晶表示。そこから、高コントラストで細かな階調のカラー液晶パネルへと進化したおかげで、現在の情報社会が有ると言っても過言ではないでしょう。

その進化のためには、アクティブマトリクス型のTFTバックプレーンが必須でした。TFTとはサブピクセルのON/OFF用スイッチであり、半導体材料が使われています。その材料として、なぜ酸化物半導体が注目を浴びているのか?

理由を知るために、まずはTFT材料の歴史を簡単にひも解きましょう(なお、IGZOについては過去記事もご参照ください。ためになる情報が本文&コメント欄に満載です)。 

液晶ディスプレイ: TFT材料の発展の歴史
内容 現状は? 主な発明者
 1971  TFTを用いた
アクティブマトリクス型の提案
液晶/有機ELパネルに必須の技術  米RCA社, Bernie Lechner氏  
 1973 CdSe(カドミウム・セレン)
TFTのディスプレイ試作
CdSeの不安定さと高いコストのため、
実用化せず
 米Westinghouse社,
 Peter Brody氏
 1979 a-Si(アモルファスシリコン
TFTのディスプレイ試作
一般的なパネルの主流  英University of Dundee,
 P. G. LeComber氏
 1986 LTPS(低温ポリシリコン
TFTの試作
 
小中型の高精細パネルの主流  ソニー, 鮫島俊之 氏
 2003 IGZO(インジウム・ガリウム・
亜鉛酸化物)TFTの試作
小~大型の高精細パネルの主流へ?  東京工業大学, 細野秀雄氏

上の表で分かるように、材料の主流はシリコン(Si)です。技術が成熟しており原料も豊富で安いため、「TFTといえばSi」という状況が続いてきました。

しかし、その状況も変わりつつあります。液晶/有機ELディスプレイの大型・高精細化の流れにより、Siでは力不足になってきたのです。

酸化物半導体の立役者、東京工業大学の細野秀雄氏

酸化物半導体の立役者、東京工業大学の細野秀雄氏 (東京工業大学のWebサイトより引用)

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メジロオナガペンギン

著者 : メジロオナガペンギン

「ガジェットの根底に工学あり」をスローガンに、テクノロジーの面白さ伝えます。目指せ工学部の女性率50%超え。 Twitter@MzOngPeng

18 件のコメント

  1. No Name 2013年12月3日 18:39 No.565876 返信

    痛ゾー?

    Thumb up 6 Thumb down
  2. No Name 2013年12月3日 18:52 No.565903 返信

    すげー勉強になる。

    Thumb up 9 Thumb down
  3. No Name 2013年12月3日 18:54 No.565906 返信

    わかりやすいです(^^)

    Thumb up 11 Thumb down
  4. No Name 2013年12月3日 18:56 No.565907 返信

    科学苦手で根っからの文系脳でも凄く分かりやすかったです
    後編が待ち遠しい

    Thumb up 5 Thumb down
  5. No Name 2013年12月3日 19:05 No.565916 返信

    よし、

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    • No Name 2013年12月3日 19:28 No.565942 返信

      やめたまえ

      Thumb up 6 Thumb down
  6. No Name 2013年12月3日 19:28 No.565941 返信

    URLに2バイト文字だと!?
    あっ、記事はおもしろいですよ。
    電子工学出身の人間としてこうゆう記事を目にすると嬉しいです。

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  7. No Name 2013年12月3日 19:39 No.565954 返信

    白黒液晶の頃も表示が綺麗なシリコンと反応が早いシリコンを数万パターンブレンドして両方の特性が現れるものを血眼になって探していたらしい。
    母材が変わっても液晶の開発手法て同じなんだな。

    Thumb up 4 Thumb down
  8. No Name 2013年12月3日 19:51 No.565974 返信

    よーーーーし!!

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    • No Name 2013年12月3日 21:36 No.566128 返信

      いく〇 !

      Thumb up 2 Thumb down
  9. No Name 2013年12月3日 20:09 No.565996 返信

    こういう記事がたまに来るのでガジェ速は豆にチェックしている

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    • No Name 2013年12月3日 20:40 No.566051 返信

      ガジェ速が記者やとってよかったのはこの手の記事が増えたことだよなぁ。関心あったのでとてもいい記事。

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  10. No Name 2013年12月3日 20:46 No.566065 返信

    粒界あたりの説明はすごくわかりやすくてよかったです

    SHARPはIGZO以外の酸化半導体も研究してるのかな。
    IGZO以外の酸化半導体も触れるのなら楽しみです

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    • No Name 2013年12月3日 21:35 No.566127 返信

      SHARPはIGZO以外の酸化半導体も研究しているけど
      IGZO以上は難しくてあんまり押してはいないっぽい。
      と言うかIGZO自体もSHARPの開発した物ではなく
      IGZOを量産化することに成功したってだけだからね。

      ポストIGZOとして期待されていいるのは
      ITZO(In-Tin-Zn-O)がありますね。
      結構、量産性も優れていて電子移動度はIGZOの3倍以上、
      高精細化も容易(らしい)優秀な選手。
      開発はSONY、AUOが中心になっているらしい
      (JDIも関わっているかも)
      今は、基礎研究が終わって量産技術を選定、確立する所まで
      来ているっぽい。

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  11. No Name 2013年12月3日 22:23 No.566196 返信

    個人的には細野先生の透明金属の新書よりも分かり易い感じでした!

    久しぶりに引っ張り出してみようかなあ

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    • No Name 2013年12月3日 23:38 No.566510 返信

      ああいう新書(技術専門書系)は一定の知識を持っていて
      それを深めるために購入するものだから
      今の話を理解すればすんなり読めると思います。

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  12. No Name 2013年12月3日 23:15 No.566381 返信

    ✕テルル(Tl)
    ◯タリウム(TI)だと思います。
    ちなみに、テルルは(Te)ですよ。

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    • くまむん 2013年12月3日 23:25 No.566446 返信

      お世話になっております、ご指摘ありがとうございます。
      取り急ぎ、ライターに代わり私の方で修正させて頂きました。

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