マイクロソフトが10月にリリースした Windows 8.1 の開発名は「Blue」でしたが、さらに次の Windows メジャーリリースのコードネームは「Threshold」(スレッショルド)になるようです。
「Threshold」について伝えたのは、マイクロソフトのインサイダー情報といえばこの人の Mary Jo Foley 氏。マイクロソフトのOS部門責任者 Terry Myerson 氏による社内向けメールのなかで、次期Windows の開発名としてこの Threshold が使われたことを、複数の情報提供者に確認できたとしています。
Terry Myerson 氏といえば、マイクロソフトが
先日実施した大規模な組織改編で Operating Systems Engineering Group 担当のエグゼクティブバイスプレジデントに就任した人物。新設のOSエンジニアリンググループは PC の Windows / RT だけでなく、携帯向けの Windows Phone や、Xbox One も含めた全製品のOSを開発する部門です。
コードネーム「Threshold」の中身については、今の時点で具体的な話はありません。しかしThreshold は単一のWindows リリース(たとえば Windows 9)といったものを指すのではなく、Windows と Windows Phone、Xbox One や主要なサービスまでを含む一連のアップデートを示すと考えられています。コードネーム " Blue " も、Windows 8.1 ( " Windows Blue " )だけでなく、Windows Phone やクラウドサービスでのアップデートを含む内容でした。
リリースの時期は、Threshold の名が出てくる前からのうわさでは2015年春が目標。現在のWindows 8.1向けには2014年にもうひとつ小規模なアップデートがあり、さらにその次が、これまでの表現でいえば Windows 7 から 8のような「メジャー」アップデートになると考えられています。が、Windows のリリースはかつてマイクロソフトが積極的にロードマップを公言していた時期でもずれたり遅れたりすることがたびたびあり、最近では8 から 8.1 のように、リリースサイクルの考え方も変わりつつあります。
Threshold に向けた流れの話でいえば、マイクロソフトはWindows Phone とWindows 8、Xbox で共通のタイルUIを導入したことに加えて、内部的にもNTカーネルで揃え、開発者に対してはひとつのコードを最小の手間でマルチデバイス / マルチプラットフォームのサービスとして展開できる環境を整備するなど、OSとデバイス間の統合・統一を着々と進めています。
Threshold の世代になるかはさておき、Windows ならば PCで使っているアプリやサービスが携帯でもテレビ (Xbox One)でも、各デバイスに最適なかたちでシームレスに使えて当たり前、という世界を目指すことは、バルマーCEOをはじめ幹部もたびたび言及する既定路線といえます。
なおコードネームの Thresholdは家の「敷居」や抽象的な「閾」、境界などを示す言葉。理想のWindows 世界が実現する臨界点的な意味もありそうですが、マイクロソフト的には、人気ゲームシリーズ Halo に登場した架空の巨大ガス惑星の名前でもあります。
(先史銀河文明が残した謎の環状人工天体 Halo ( Installation 04 = 人類にとってはファーストヘイロー、管理AIギルティスパークさん) は、惑星 Threshold と衛星のあいだのラグランジュ点で建造されたという設定。覚えなくても試験には出ません)。