デイサービスを行う介護施設従業員が老人らを暴行した容疑で逮捕された事件で、介護施設

利用定員を超えて、認知症や知的障害を持つ老人らを詰め込んで「ざこ寝」させていたことが、

わかりました。

画像:【「デイサービスゆかりの家北本庄」】
「デイサービスゆかりの家北本庄」
http://news.livedoor.com/article/image_detail/8311961/?img_id=5726952

先月26日、広島県福山市北本圧の介護施設「 縁 ( ゆかり ) 」経営者の孫衛(42才)容疑者と介護士

の赤井千景(48才)とその長女・亜季(27才)の計3名が、介護老人らへの暴行容疑で広島県警福山

東署に逮捕されました。

そして今月3日、逮捕時の先月26日に行われた捜索で同社の運営する「デイサービス ゆかりの家北

本庄」(昼間の利用定員は10名)の寝室約70平方メートル(畳約43枚、約21坪)に、年齢61~

102才の男女17名を詰め混み、前日の25日から宿泊させていたことが公表されました。

詰め込まれた部屋にはプライバシーを保護する仕切りなどもない「ざこ寝」状態で、男女ら17名のうち、

半数以上は認知症や知的障害なども抱えていました。

また宿直を担当する従業員も1名だけというずさんさ。

市ではデイ施設での宿泊サービスは保険の適用外であるため、国の指針もなく、市の内規でも検査項

目は従業員数や配置など表面的なチェックのみで、劣悪な環境の実態把握ができていませんでした。

なお、「ゆかりの家」は2008年、「ゆかりの家北本庄」は2010年から運営され、従業員は計14名が

勤務し、同施設を利用している高齢者は約30名でした。

同業者は

「うちは3部屋に1人ずつしか泊めない。一度に17人なんて考えられない」

また従業員が逮捕されたとの報を聞いた近隣住民は

「従業員が利用者に罵声を浴びせている声が聞こえ、市に通報した。
なぜ、暴行を防げなかったのか」

とそれぞれ語っています。

今回の事件を受け、市は11月29日付けで事業者登録を取り消していますが、

「通報を受けてどう対応してきたかは、今となっては曖昧で、結果的に暴行を防げなかった。
今後、記録や情報共有を徹底する」

とコメントしています。

ずさんな介護の実態が明らかになってきています。

老人大国となった日本ですが、それを十分受け入れるだけのケアやサポートがまだまだ不十分です。

親や自分自身がいずれ介護施設にお世話になることを想像するとこのようなずさんな施設が野放しに

なっている現状は恐いものがあります。