1:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 21:43:34.61ID:CD39ZXTP0
書き溜めてるので適当に投下していきます。
俺 26 ♂ ブサメン ブラック会社勤務 童貞
女性 23 ♀ 可愛くもなくブサイクでもない普通の子(年齢は色々あった後に知った)
2:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 21:44:05.22ID:CD39ZXTP0
俺はその日、仕事でヘトヘトに疲れて帰る途中だった。
仕事先で火災が起こった事を想定した防災訓練をした帰り道だった。
そこそこ大きな建物の訓練だったので消防署から指導者も来ていて、
なぜか「火元責任者」にさせられていた俺は現役の消防士に怒られ、
指摘され、みっちり絞られた日の帰りだった。
3:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 21:44:40.55ID:CD39ZXTP0
足にジンジンした独特な疲労を感じながらホームで電車を待った。
なんで素人の俺がボロクソに怒られにゃならんのだ!だの
素人相手に説教を垂れる消防士の文句をブツクサと頭の中で呟きながら何度も溜息をついた。
4:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 21:45:55.91ID:dOJ9bzgt0
期待
俺が電車に乗る駅は帰宅ラッシュ時にかなり込み合う。
その日は夜9時頃で、ラッシュは過ぎていたがホームはそれなりに混雑していた。
普段は、夜遅くまで仕事をしているので
夜9時に帰途につけるというのは久しぶりだった。
ただ、訓練後に発生したクレーム処理や本来の仕事をこなして疲労困憊。
身体と精神はかなり疲れていたのだが、大変だった一日を乗り越えたという達成感と、
早めの帰途につけた開放感で、若干ほわほわした状態だった。
6:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 21:46:52.14ID:GZwVN6X/0
はよ
8:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 21:47:00.61ID:9xsZ7Wwy0
がんば
9:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 21:47:03.13ID:CD39ZXTP0
程なくしてホームに電車が入ってきた。
最前列にいた俺は電車に乗り込んですぐに空席を探した。
空席を見つけだし、一目散にそこへ向かう。
新幹線のように進行方向に向かって2人掛けの座席があるタイプの車両だった。
人数があまり収容出来ないタイプなので東京のような大都会ではあまり見かけないが
俺の地域ではこちらの座席タイプの方が多い。理由はわからん…。
10:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 21:47:41.96ID:CD39ZXTP0
俺が窓際の席に座ると後から入ってきた人もそそくさと座席に座り始める。
そして、後からやってきた一人の女性が俺の隣の席に座った。
………。
俺は女性を避けるように窓際に寄った。
12:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 21:47:50.44ID:+pVgLDpP0
んでんで
13:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 21:48:15.68ID:XB9KI0Fr0
パンツ脱いだ
14:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 21:48:18.37ID:CD39ZXTP0
自分より少し年下だろうか。
随分と小柄な女性だった。
ただ、思いっきり具合が悪そうで、髪はグシャグシャに乱れていた。
そして何より気になったのがしばらくして漂ってきた強烈な酒臭さである。
夜9時の時点で既にかなりの酒を飲んでいたらしい女性は、
口に手を当てて前屈みになり、ハァハァ息をしていた。
かなり苦しそうだった。
15:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 21:48:51.85ID:CD39ZXTP0
…。
まぁ、所詮他人である。
むしろあまり構わない方が相手の為だと思い、
横目でチラリと女性の状態を確認したあとはガン無視を決め込んだ。
スマホを取り出し、適当にネットを眺めていた。
17:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 21:49:26.78ID:CD39ZXTP0
そして電車が動き出して10分が経った頃、事態は起こった。
横でうずくまる女性が小さくえずき出したのだ。
二人掛けタイプなので周りの乗客は気付いていないが隣に居た俺は気付いた。
吐く。
この人、絶対に吐く。
19:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 21:50:08.33ID:CD39ZXTP0
あとどれくらい保ってくれるかわからなかったが、そうもたないだろうと思った。
今の状況が、もし出勤時の出来事であれば俺はこの場から逃げていた。
ただでさえ憂鬱な仕事前に、隣でゲロなんて吐かれたらたまったものではない。
だが俺は帰宅時における気の余裕と、
偶然持ち合わせた良心が丁度いい具合に混ざり、
慌てず女性を介抱するべく行動に移った。
20:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 21:51:00.05ID:CD39ZXTP0
まず、俺のバッグに入っていた歯ブラシや手鏡や香水やらが入ったポーチを取り出し、
中身は全てバッグの中にぶちまけ、ポーチを開いて女性の口元へ持っていった。
ビニール袋でもあればその方がよかったのだが、
あいにく持ち合わせがなかったので、ポーチでエチケット袋の代用をした。
布製のポーチなのであまり役に立たないかもしれないが、床にぶちまけるよりマシである。
女性の方も、近づけられたポーチの意味を察したらしく払いのける様な事はしなかった。
拒否する余裕もなかったらしい。
21:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 21:51:33.98ID:CD39ZXTP0
次に、窓側に座っていた俺の方に女性を移動させようとした。
酒が入っているので羞恥心があるかどうかはわからなかったが
普通の人間ならば電車の中で嘔吐物と異臭を撒き散らし
周囲の注目を浴びるなんて完全にトラウマものである。
窓際ならば周囲の視線も若干ではあるが遮れるだろうと思っての行動だったのだが…
女性の限界は目前だったらしい。
今にも吐きそうだった。
もう間に合わない…。
23:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 21:52:14.77ID:CD39ZXTP0
俺は右手のポーチを半ば強引に女性の口に押し付け、
女性の肩に左手を回して引き寄せた。
女性は俺の両膝の間に顔を突っ込む体制。
………男女による「アレ」に見えなくもない卑猥な体制である。
少しでも周囲の目から遠ざける為に咄嗟にとった行動だったので不可抗力だ…。
…うん。
すると、その体制になったまさにその時、女性が小さな声で
女性「グエ…ッ!」
女性「ゥエエゴブ……」
息を殺して吐き始めた。
24:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 21:52:56.74ID:CD39ZXTP0
一応周りに人がいるという意識はあったらしく、
声を出さないように努めているみたいだった。
が、一度吐き始めたらなら無理に止めたりせずに全部吐いてしまった方がいい。
俺は空いていた左手で女性の背中を摩った。
吐いている人の背中を摩るなんてした事なかったのでなんとなく新鮮な感じだった。
25:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 21:53:34.02ID:CD39ZXTP0
女性の嗚咽が周りに漏れ、近い場所にいた乗客が
こちらに冷ややかな視線を送り始め、一部は離れ(逃げ)始めた。
俺は目が合った乗客に申し訳なさそうにぺこりと頭を下げた。
状況的に女性と俺が知り合いのフリをした方が自然だと思ったので
女性を心配する素振りで耳元へ近寄って
俺「大丈夫、大丈夫。」
と何が大丈夫なのか自分でもよく分からない慰め言葉を呟きつつ背中を摩ってあげた。
26:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 21:54:07.82ID:CD39ZXTP0
右手のポーチは水分の許容量を超えたらしく滴っていた。
汚臭は思ったほど酷くなかったがさすがに無臭とはいかず、独特な臭いが周りに漂い始めていた。
俺は摩っていた左手を止め、自分のバッグの中に放った香水を取り出し、辺りに無雑作に振りまいた。
持ち歩いていた香水が柑橘系のフレッシュなタイプだったので
消臭の役割も十分果たしてくれたと思う。
バッグに香水を戻し、再び女性の背中を摩り始めた時に、俺の右手首がピチャピチャと濡れた。
どうやら女性が泣いているらしかった。
27:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 21:54:51.36ID:CD39ZXTP0
そういえば吐く時って涙出るよなぁと感傷に浸っていた。
手首にポタポタ落ちてくる涙がなんとも切なかった。
俺が降りるはずの駅はもう間もなく着く頃だが、
この女性を放って降りる気にはなれなかったのでやむを得ず乗り続けるのを覚悟した。
それより、この状況で見て見ぬ不利をする周りの人々にさすがにやや苛立ち始めていた。
でも無理もない。俺だって逆の立場であれば見て見ぬ不利をしていただろうし…。
はぁ…。
28:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 21:54:52.28ID:XB9KI0Fr0
>>1の対応が完璧すぎる
おれがその女だったら完全に惚れるわw
29:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 21:55:25.51ID:CD39ZXTP0
さて、これからどうしようかと途方に暮れそうになっていた時。
乗客「大丈夫?」
と、俺が降りるはずだった駅から乗り込んできた40代かそこらの男性が声をかけてきてくれた。
俺 「あ、はい。すみません…。」
乗客「その子具合悪いの?車掌さん呼ぼうか?」
おお。なるほど。そんな手があったか。
俺 「すみません。お願いできますか?」
乗客「えぇ、呼んで来ますんで待ってて下さい。」
心優しい乗客のおいちゃん。ありがとう。
30:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 21:56:11.33ID:CD39ZXTP0
おいちゃんは言うとすぐに後方へ向かって行った。
おいちゃんが車掌さんを連れてくるまでの間、俺は女性の背中を摩っていた。
女性も既に吐き尽くしたのか、嗚咽もおさまり呼吸も整っていた。
しかし、恐らくは恥ずかしくて顔を上げられないのだろう。
ずっとうつ伏せのまま俺の右ひざにおでこを乗せ固まっていた。
しばらく女性を観察して大丈夫そうだと確認した後、
俺がポーチの口をそっと閉めた時に車掌さんが現れた。
車掌「大丈夫ですか?お客様。」
俺 「えぇ、大丈夫です。」
車掌「コレ使って下さい。」
厚めのビニール袋を俺に差し出してくれた。
既にマスクを着用した車掌さんはこれまた持ってきていた
毛布のようなタオルケットを女性に被せ、
そしてこれまた持ってきていた消臭剤やら消毒剤やらを辺りに振りまいていく。
(……慣れてるな…。)
34:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 21:57:18.20ID:CD39ZXTP0
きっと車内で吐く人ってそれなりにいるんだろうなと思った。
車掌さんは俺に対して
「次の停車駅で駅員を呼んで待機させているので一旦降りましょう」
と促し、電車の後方に戻っていった。
どうやらここへ来る前に次の停車駅へ連絡しておいてくれたらしい。
完璧過ぎるぞこの人……。 社会人としてすごく劣等感を抱いた………。
35:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 21:58:24.66ID:CD39ZXTP0
程なくすると次の駅に近づいてきた為、俺はタオルケットを女性の頭の上に改めて被せ直した。
顔さえ見られなければ起き上がっても恥ずかしさは随分軽減出来る筈である。
タオルケットの上から女性に話しかけた。
俺「次、降りますよ。」
女性から返事はなかったが頭が少し頷いた。
36:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 21:58:37.31ID:IEIqMMtm0
前に満員電車で吐いた大学生がいたけど見事に仕事帰りのリーマンのスーツにぶちまけてリーマンが次で降りろと大憤慨してたよ
1はイケメンだな
38:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 21:59:07.19ID:CD39ZXTP0
電車がホームに入り速度が緩やかになったのにあわせて
女性の身体をゆっくり持ち上げ、立ち上がらせる。
バッグを取ろうとする女性を制し、扉の方へ促した。
俺は汚れていない手で女性のバッグと自分の荷物を全て持って扉へ向かった。
改めて気付くと俺が居た車両にはほとんど人が居なかった。
そりゃゲロった車両に居たくないだろうし当然か。
しかし、よく見ると両側の車両からこちらをじろじろ見る人影が……。
あぁ憎い…視線が痛い…憎い痛い……こっち見んなクソッタレ。
41:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 21:59:40.84ID:CD39ZXTP0
扉が開きホームへ出ると、連絡を受けていたのであろう女の駅員さんが立っていた。
ほとんど吐き尽くして酔いも冷めたのか女性の足取りはそんなに乱れていなかった。
女性は駅員さんに具合を聞かれた。
が、まだ喋る余裕はなかったらしい。
俺「えっと・・・」
俺は女性の代わりに駅員さんに状況を説明した。
せっかく早く帰れたのにタイムロスだなぁ…と心無い事を思いながら…。
42:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:00:16.07ID:CD39ZXTP0
手短に説明を終えた俺は
俺「これ、バッグ。」
ずっと持ったままだった女性のバッグをそっと返した。
俺「すみません。自分はこれで失礼します。」
と言いそそくさとその場を後にした。
駅員「どうもご協力ありがとうございました。」
と駅員さんにお礼を言われ軽く会釈し、女性にも視線を送った。
女性も駅員に合わせて小さく頭を下げていた。
女性にも会釈を返し、反対側のホームへ向かった。
途中、男子トイレに入り、手洗いとうがいを済ませた。
どうやら女性は駅の控え室のようなところへ誘導されて行ったらしい。
43:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:00:50.15ID:CD39ZXTP0
…やれやれ災難だった。
ちなみにポーチは車掌さんにもらったビニール袋にぶち込み処分してもらった。
あの小物入れの代用品をまた探さないと…。
やってきた逆方面の電車に乗り込んだ俺はスマホを使いAm○zonで物色を始めた。
44:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:01:22.57ID:CD39ZXTP0
―
それからしばらく経ったある日の事。
46:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:01:28.49ID:BOdpJDkR0
後日再開するんですね!
47:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:01:52.94ID:IEIqMMtm0
後日談だと?!
48:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:01:55.77ID:CD39ZXTP0
俺は相変わらず残業の毎日を送っていてその日も会社を出たのは夜の11時過ぎだった。
終電の1つ前の電車に乗るのがもはや日課になりつつある。
人がポツポツとしか居ない駅のホームで電車を待つ。
―すると
ふと横から視線を感じた。
視界ギリギリのところで人の顔がチラチラ見切れる。
第六感とかではなく、完全に俺を2度見、3度見していた。
俺はチラ見する人に視線を移した。
視線を送っていたのは女性…。
50:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:02:45.13ID:ytwizq7I0
そんなこともあるんだね
51:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:02:48.18ID:CD39ZXTP0
…
あ…。
本来であれば他人と偶然にも目が合ってしまった場合、すぐに視線を外すのだが
横にいた女性は以前、電車内でゲロった女性となんとなく雰囲気が似ていた。
ので、疑念のような視線を送ってしまった。
すると女性が
女性「あ、あの」
話しかけられた瞬間「あぁ、やっぱりあのゲロった人だ」と確信した。
52:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:02:59.10ID:dOJ9bzgt0
寒いからはよ
55:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:04:17.69ID:qSRv45z3O
>>52
いいからパンツ脱げよ(´・ω・`)
58:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:04:46.72ID:IEIqMMtm0
>>55
これ以上何を脱がすんだよ
53:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:04:03.68ID:CD39ZXTP0
実のところ逃げ出したかった。
知らんぷりをしてしまいたかった。
が、返答した。
俺 「……はい。」
女性「こ、この前、電車で………の方ですよね?」
ずいぶん省略された質問だったが、無理もない。
俺はコンマ数秒悩んでから覚悟を決め…。
俺 「あ……。はい。…もう具合、大丈夫ですか?」
57:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:04:44.49ID:CD39ZXTP0
あれから数日経っているのだからまだ具合が悪いわけがない。
ただ、返答としては間違っていなかったらしい。
女性「やっぱりそうですよね?!本当にご迷惑おかけしました。」ペコッ
返答一発目で物凄く丁寧に謝られ、俺は密かにホッとした。
改めて女性を見ると随分物腰の柔らかそうな人だった。
美人とか可愛いとかいうタイプの顔ではなかったが、おっとりした優しげのある顔だった。
61:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:05:25.13ID:CD39ZXTP0
なんだかんだで、あの日は最初から最後まで女性の顔はほとんど見えなかったからなぁ…。
俺 「い、いいえ…俺なんもしてないですよ。」
女性「そんな事ないです。本当に助かりました。」
元々女性と話すのは得意でもなく、職場も年配のおばさん以外に若い女性は居ないので
俺は少し緊張していた。
丁度その頃、待っていた電車がホームに入ってきた為
俺と女性は電車の中に乗り込んだ。
62:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:06:08.25ID:CD39ZXTP0
空席はたくさんあったが、なんとなく扉横の隅にある手すりに?まり立っている事に決めた。
すると女性も俺に添う形で近くの取っ手に捕まって俺に喋り始めた。
女性「いつもこんな時間まで残業とかされてるんですか?」
俺 「あ、はい。最近はほぼ毎日ですね…。 えっと…、」
女性「はいw 私も残業です…w でもまぁ今日はたまたま、というか。」
俺 「あぁ、そうなんですか。お仕事、何されてるんですか?」
女性「っと…。その。ゲームを作ってます。」
俺 「ゲーム?」
ゲームという言葉に思わず反応してしまった。
俺はけっこうゲーム好きである。
64:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:06:39.83ID:CD39ZXTP0
女性「はい。PS3とかのソフトを作ってる会社で働いてます。」
俺 「おー、凄いっすね。俺もゲームやりますよ。」
女性「本当ですか?!普段どんなのやってらっしゃるんですか?」
俺 「…オンラインゲームとかよくやってますね…。」
女性「お~・・・。」
・・・。
どうやら女性が期待していた答えではなかったらしい。
68:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:07:13.10ID:CD39ZXTP0
俺 「どんなゲームを作ってらっしゃるんですか?」
女性「…うーん。最近は対戦系のゲームを…。あまり有名な会社ではないので、知らないと思いますけど。」
俺 「なんて名前の会社です?」
興味津々の俺。
女性「えっと、○×って会社です」
俺 「ぁ、知ってる」
何が『あまり有名じゃない』だ。
ゲーム好きならそれなりに知れてる会社だった。
73:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:08:38.28ID:CD39ZXTP0
女性「ご存知でしたか?」
俺 「はい。でもすみません。そこのゲームはやった事ないです。」
女性「あらら…。」
俺 「すみません……。」
ちょっと気まずくなってしまった。
この空気は嫌なので話題を変えようと思った時
女性「…そ、それよりこの前の事なんですけど。」
俺 「え?」
女性「その…会えてよかったです。本当にありがとうございました。ずっとお礼言いたくて」
俺 「あ…いや、別に…。」
ドキッとした……。心臓がドクンってするのがわかった。
「会えてよかった」とか女性に言われるのは初めてだったから。
76:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:09:22.04ID:CD39ZXTP0
女性「あの日、友達との飲み会の帰りでして」
女性は淡々とゲロッた日の事を話し始めた。
きっと気にしているのだろうと思い、あえてあの日の話題は避けていたのだが、
まさか向こうから話を振ってくるとは
俺 「お酒は弱い方なんですか?」
女性「はい。なのであまり飲みません。」
俺 「あんまり飲まないタイプなのに、飲まされちゃった感じですか。」
女性「久しぶりに会った友達と居酒屋に行って…、少ししか飲まないつもりだったんですけど…」
俺 「…隣に居ただけでもお酒の匂い凄かったですよ。」
女性「はい。私、飲めないわけじゃないんです。飲むとすぐ頭が痛くなるから飲まないだけで。あまり悪酔いしたりもしませんし。」
俺 「あぁ・・・そういう事ですか。」
77:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:10:04.85ID:CD39ZXTP0
女性「ただ、あの日は…。」
俺 「飲んだと。」
女性「はい…。ガブガブ飲んでました。」
俺 「ガブガブってw」
女性「お酒は嫌いなわけじゃないんです。でも、しばらくすると頭が凄く痛くなってきて、後悔するんですよね…。」
俺 「あらら、それはまた難儀な体質ですね…」
女性「はい…。」
80:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:10:43.13ID:CD39ZXTP0
俺 「で、その帰りだったわけですね。」
女性「えぇ。店を出た時点で既に頭は痛かったんですけど、改札口を通った辺りで吐き気までしてきて…」
俺 「…。」
女性「その日は、仕事で先輩に理不尽な怒られ方して、イライラしてたので…自棄酒飲んじゃいました。」
俺 「なるほど…。」
女性「あとは……あんな感じです。」
俺 「色々大変でしたね。」
女性「いえ、本当にご迷惑おかけしました。」ペコッ
俺 「あぁ、もう謝んなくていいですから」オタオタ
女性は思っていた以上にお喋り好きだった。
81:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:12:01.74ID:CD39ZXTP0
俺も会話をしていて楽しかったのだが
どうしても払拭して起きた事があった。
女性の態度からして大丈夫だと思いつつもハッキリさせておきたい事が。
俺 「というか、すみませんでした。」
女性「??」
俺 「その…身体ベタベタ触ってすみませんでした。」
女性「え?」
82:ninja:2013/12/12(木) 22:12:03.49ID:oIJrqZmI0
ちょっと電車のってくる
83:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:13:01.79ID:JlWcSaAe0
パンツ飛んだ
84:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:13:03.65ID:+pVgLDpP0
俺もそんな体験したい
85:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:13:19.70ID:CD39ZXTP0
―
(軽く愚痴の篭った私事です…)
俺は過去に、駅のホームで並んでいる時に「お尻を触られた!」と前の女に叫ばれ、警察に突き出された事がある。
当時、俺は就職したばかりだった。
慣れないスーツに身を包んで会社へ向かう際に痴漢呼ばわりされたのだ。
完全に冤罪だった。でも証拠が何もなかった。
結果から言うと俺は幸い逮捕はされずに済んだ。
ホームの監視カメラに俺と女が映っていたらしく、
俺が女の尻を触っていないのが映像で確認出来たとの事だった。
しかし、警察に取調べを受けている時間は正直、生きた心地がしなかった。
それからというもの、俺は電車を使わずに出勤する手段を考えた。
ただ、仕事を始めたばかりの平社員には金銭面で無理をする余裕なんてなかった。
電車出勤はやむを得なかったので、出勤時間早めにずらし、駅のホームでは最前列か男性の前にしか並ばないようにし、電車内では両手を手すりに置くか、座って手を組んだりスマホを扱うよう心がけた。
俺はその日から冤罪の恐怖を植え付けられた。
このゲロった女性が始めに俺の隣に座ってきた時、
避けるように窓際に寄ったのはその名残だったと思う。
88:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:14:45.69ID:CD39ZXTP0
女性「はい?」
俺 「あ、いや。色々とお節介だったかなって思ってたので。」
女性「?? いや、そんなわけないじゃないですかw ホントに感謝してますから。」
俺 「…だったら、よかったです。」
女性「ははw」
女性が微笑んでくれて心底ホッとした。
言葉に例えるのが難しいけど本当にホッとした。
90:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:15:50.75ID:CD39ZXTP0
俺は今日このホームで女性と再会した瞬間逃げ出そうと思った。
冤罪の事が頭から離れない俺はいつかこのゲロッた女性が現れて
「ドサクサに紛れて私の身体触ったでしょ!!」と
俺を引っ立てにこないか一縷の不安と恐怖を抱えていた。
親切心で介抱してあげたのだから、そんな筈が無いと思ってはいても
別に女性に介抱を頼まれたわけでもない。
それに身体を触ってまで色々してあげる理由もなかった。
だから俺はホッとした。
この女性が俺に対して心から感謝してくれていた事に。
92:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:16:27.47ID:CD39ZXTP0
女性「それに、私の事かばってくれましたよね?」
俺 「え…?」
95:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:17:02.45ID:CD39ZXTP0
女性「私に袋を渡してくれたり、背中摩ってくれたり、顔にタオル被せてくれたりとか」
俺 「……。」
女性「あと、私に『大丈夫、大丈夫。』って言って励ましてくれたり。あれはホントに嬉しかったです。」
俺 「…え……??」
97:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:17:49.99ID:yYf9dpR20
涙のわけくるか
98:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:18:10.46ID:CD39ZXTP0
女性「見ず知らずに人にここまでやってくれる人がいるんだってちょっと感動してたくらいです。」
俺 「あ、…いや…。」
なに言ってんだこの人。
俺は内心で「運わりぃ~」とか「早く帰りてぇ…」だの思ってた腹黒だぞ。
別れたあとトイレですぐ手洗いうがいしたし。
99:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:19:15.39ID:CD39ZXTP0
女性「私の方こそ、ごめんなさい。一言すらお礼も言わずに…。
何度お礼言っても足りないと思ってます。」
俺 「いや。…そんなに感謝してもらえたなら、俺も嬉しいです。」
本音だった。
こんなにイイ人もいるんだなって思った。
ここまで親切に感謝出来るこの女性の方が
腹黒の俺なんかよりよっぽどイイ人である。
そんな事を思っていると…
102:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:19:48.02ID:CD39ZXTP0
女性「あの。」
俺 「はい?」
女性「よかったら、連絡先とか教えていただいていいですか?」
俺 「え?」
女性「あ、ご迷惑であればいいんですけど」
自分の情報を女性に渡す事に反射的に不安を抱いたがすぐに迷いは消えた。
俺 「全然構いませんよ。」
女性「ありがとうございます。ちなみにLINEとかやってます?」
俺 「はい。」
女性「おー!じゃあID教えて下さい!」
てな感じでゲロッた女性とLINEでやりとりをするようになった。
106:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:20:38.34ID:qSRv45z3O
一方その頃、車掌を呼んでくれたおいちゃんは‥‥
109:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:22:15.00ID:CD39ZXTP0
連絡先を交換した翌日に女性からLINEで連絡があって
『袋、弁償したいので今度一緒に買い物に行きませんか?』とお誘いがありました。
弁償なんてしなくていいと断りましたが、どうしても!
という女性の強い押しに負けて、一緒に買いに行く事になりました。
その日、生まれて初めて女性とデートをしました。
そんな出来事があったのが丁度去年の12月のクリスマス前の事です。
いまもその女性とは恋人同士という形でお付き合いさせていただいています。
終
お話尻すぼみな感じですみませんです…。
……なんか質問ありましたら答えます。
110:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:23:15.32ID:zCHy95500
感動した
111:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:23:22.85ID:IEIqMMtm0
ちょっと電車乗ってこようと思ったらもう終電間に合わねえ
112:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:23:23.91ID:GZwVN6X/0
なんだと…?
電車男おおおおお
114:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:23:41.82ID:6HTEKPNI0
おめでとー!!
ちょっと電車でゲロ吐いてくる
116:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:24:01.29ID:dOJ9bzgt0
乙
面白かった
118:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:24:08.19ID:McO0Di6x0
女性とはどこまで行ったんだ?
127:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:25:37.67ID:CD39ZXTP0
>>118
結婚はしていません。性の関係にはなってます。
お互いに仕事が忙しいので月に1,2回しかデートに行けませんが仲良くさせてもらってます。
119:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:24:18.22ID:IEIqMMtm0
彼女もいま一緒に見てんのか?
130:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:26:24.04ID:CD39ZXTP0
>>119
彼女はまだ仕事してると思います・・・。
頑張り屋ですね。
124:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:25:24.35ID:vHD3nVHD0
いいないいな電車男
125:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:25:30.96ID:3CReg8svP
今ならまだ電車動いてるし乗ってくるわ
131:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:26:55.32ID:XB9KI0Fr0
いい話だった(*´∀`*)
132:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:27:04.60ID:ytwizq7I0
初デートのことも書いてくれないか
135:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:28:46.57ID:CD39ZXTP0
>>132
初デートですか…。
正直あまり覚えていませんが、年下の彼女にリードされっぱなしだった事ははっきり覚えてます。
134:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:28:43.76ID:FHJTvdGC0
おめでとう
仲良くしてください
学生の頃朝の通学電車で横に立ってた女の人が突然盛大に吐いて
私の服にもそれがかかり、そばに座ってたお婆ちゃんと私でひたすらその女の人の背中なでた
でも次の駅に止まった途端に女の人は飛び出していった
私はゲロのついた服で移動もできずにどうしたらいいかわからないまま呆然と立ち尽くし
目的の駅で降りてからトイレで泣いた思い出が蘇ってきた
140:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:30:20.88ID:CD39ZXTP0
>>134
ゲロの話で綺麗におさまる事なんてないと思います…。
私も彼女にゲロられた時はやっぱり萎えましたし……。
138:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:29:26.63ID:RAbRHUfYO
書き溜めの準備期間はどれほど?
143:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:31:32.42ID:CD39ZXTP0
>>138
基本的に見る事しかしないのでスレを立てたのは初めてです。
語りをされてる方のスレも何度か見ていたので溜めていた方がよさそうだと思い2日前から書いてました。
141:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:30:41.88ID:e2qmKZ3z0
出会いってすげえな
145:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:33:10.49ID:CD39ZXTP0
すみません…。明日も早いのでそろそろ寝ます。
読んで下さった方ありがとうございました。おやすみなさい。
148:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:34:46.03ID:oT4ozeNS0
いい話を読ませてもらったよ!ありがとうおやすみ!!
149:名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:35:39.56ID:R97Jo7l90
ほんといい話だったわー
おやすみー!
いじめから自殺までハーフの俺が聞いた日本人の鬼畜エピソード
3年間かけて膣肛門拡張した32才の彼女を捨てた結果wwwwwwwwwwwwwwww
彼女のポルチオ開発したらセックス中毒みたいになってワロタwww
セックスが好きなJDが本気で人を好きになってしまったら面倒なことになった
森下千里でシコったことある奴wwwwwwwwwwww
http://hayabusa3.2ch.net/test/read.cgi/news4viptasu/1386852214/
コメント一覧
よい話だった
男前すぎる
何があろうと電車内で吐くようなクソ女、絶対に彼女にしたくない。
愛とゲロにまみれて一生を終えろw
ゲロテロする気満々じゃん。
周りの人はそりゃ逃げるわ。
臭いし、吐いてる人が、
何で吐いてるかわからないし。
もしかしたら、
ノロで吐いてるかもしれないし。
イライラすることじゃないだろうが。
自分の良心を人に押し付けるな。
相変わらず会話文が臭いなw
ゲロったが乗ってたの私一人(´・ω・)
上着で全部拭き取って
コンビニ袋入れて
除菌ウエットで知らん人の名残まで拭いて
車掌さんにゴメンナサイしてきたよ(´;ω;)