エレン「審議所で俺を救う?」ゲスミン「ああ、ただし報酬は」
- 1 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/01(金) 00:13:46 ID:xIJoJ5mk
- ゲスミン「五千万だ!!!」
エレン「」
ミカサ「」
ゲスミン「どうした、聞こえなかったのかい? このゲスミン・古美門がたっっっっっっったの五千万で受けようと言っているんだよ?」
ミカサ「なんか、とてもおかしい価格な気がする」
ゲスミン「何がおかしいと言うんだい!? あの汚い憲兵どもから命を救うんだよ!? 親友だからこそのお手頃価格!」
ミカサ「そんなはずない! だいたい親友に対してふっかけるような額じゃない!」
ゲスミン「いやいやいや! そんなことはないよぉ? いつもの僕なら二億程度なら平気で要求しているところだ。それが古くからの親友のよしみで破格の五千万まで落とした。これを良心的な値段と言わずになんて言うんだい?」
エレン「確かにな」
ミカサ「エレン!?」 - 2 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/01(金) 00:18:21 ID:xIJoJ5mk
- エレン「命を救ってもらうってのに、こんなところで渋っててもしょうがない。死んだら何もかもおしまいなんだ」
ゲスミン「はっはっはっ、まさにその通りだよエレン・イェーガー! 僕はただ純粋に親友である君を救いたいだけなんだ。ただほんのちょぉぉぉっとだけ対価をもらわないと示しがつかないからねぇ」
ミカサ「そもそもエレンは五千万なんていう大金は持ち合わせていない。それぐらいあなたも知っているはず」
ゲスミン「ふっふっふーん、甘いねぇミカサ! シガンシナ時代、僕は君達の家に訪れた時しっかり調べておいたのさ」
ゲスミン「エレン、君のお父さんは医者というだけあってずいぶんお金を貯めこんでいたねぇ。地下室になんと一億分の鋼貨が!!」
エレン「どうやって地下室入ったのお前」
ゲスミン「なんか鋼貨以外にも世界をひっくり返すような衝撃的な何かがあった気がしたが、お金になりそうにないからなんだったか忘れたよ」
ミカサ「それは思い出してくれなきゃ人類が困る」 - 3 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/01(金) 00:22:48 ID:xIJoJ5mk
- ゲスミン「とぉぉぉぉにぃぃぃぃかぁぁぁぁくぅぅぅぅ!!! 君の家には一億ぶんの財産があるというわけだ! いずれウォール・マリアを奪還したらその半分を報酬としていただくとしよう」
エレン「で、でも……」
ゲスミン「エレン……君はまさか忘れてしまったのかい?」
ゲスミン「僕らは必ず、故郷を取り戻すと誓っただろう?」キラキラキラ
エレン「!! そ、そうだ! ゲスミンの言うとおりだ」
ミカサ「あの、エレン」
エレン「俺は必ず巨人どもを駆逐し、ウォール・マリアを奪還する!」
ミカサ「それは分かるんだけど、エレン」
エレン「そして俺は父さんの地下室へ行って」
ミカサ「エレン、あの……エレぇン?」
エレン「ゲスミンに五千万を支払うんだ!!!!」
ミカサ「そうじゃないでしょエレン!?」 - 4 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/01(金) 00:27:46 ID:xIJoJ5mk
- ゲスミン「ふはははははは!! 契約成立だ、エレン!! 後はこの僕に任せたまえ!!!」
ゲスミン「相手は小汚い脇役面した憲兵団師団長様だ!! あんな小物など、この僕がちぎっては投げちぎっては投げ最後には審議所の片隅に掃き捨てられるチリの塊にしてくれるわ!!」シャラァァァン
ミカサ「その七三分けを指でなぞる癖やめて。イラッとくる」
ゲスミン「君にこの僕の七三の美しさが理解できないだけだよ! 恥を知れ!」ビシッ!m9
ミカサ「その人を指差す癖もほんとやめて」
ゲスミン「では明日の兵法会議を楽しみにしてくれ! それじゃあ僕はこれで失礼するよ!」スタスタスタ
バタン
ミカサ「…………エレン、どうしてあんな男に頼んでしまったの」
エレン「何言ってんだ、ゲスミンの頭の良さはお前だって知ってるだろ? それに何より、あいつは俺の親友だ。お前だって同じ幼馴染みだろ」
ミカサ「確かにゲスミンとはシガンシナ時代からの幼馴染み……」
ミカサ「でも私は昔からあの男がまったく好きになれない! あれは金の亡者! エレンもいい加減縁を切るべき!」
エレン「俺の親友を悪く言うのは許さねぇぞミカサ! 確かにちょっとゲスいところはあるけど、なんだかんだで良い奴なんだよ、ゲスミンは!」 - 5 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/01(金) 00:32:02 ID:xIJoJ5mk
- ミカサ「なら聞こう、ゲスミンのどこが”良い奴”なの?」
エレン「…………」
ミカサ「…………」
エレン「あ、頭がいいだろ? いつも着てるスーツが格好良いだろ? 顔も可愛いだろ?」
ミカサ「その顔もあの七三分けでだいぶ損してる気がする。というかそもそも私はどこが”良い奴”なのかを聞いたのだけど」
エレン「こ、こうして俺を助けようとしてくれている」
ミカサ「法外とも言える大金を要求してだけど」
エレン「…………」
ミカサ「…………」
エレン「明日の審議所、俺頑張るよ」
ミカサ「うん」 - 6 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/01(金) 00:37:34 ID:xIJoJ5mk
- ~翌日・審議所~
ザックレー「えぇ、それでは兵法会議を始める。本件はエレン・イェーガーの生死についてを――」
エレン(い、いよいよ始まった。なんか身動き取れないように縛られたけど、大丈夫だ。ゲスミンがすぐに助けてくれるはず)
ザックレー「では憲兵団より案を聞かせてくれ」
ナイル「我々はエレンの人体を徹底的に調べあげた後、速やかに処分すべきと考えております」
ナイル「彼の存在を肯定することの実害の大きさを考慮した結果、この結論に至りました。中央で実権を握る有力者達は――」
エレン(くそっ、やっぱり憲兵団は俺を殺すつもりなのか……まさに俺の全てが……いや、人類の全てがかかっている会議かもしれない)
ザックレー「ふむ……では次は調査兵団の案を伺おう」
エルヴィン「はい、調査兵団13代団長エルヴィン・スミスより提案させていただきます。我々調査兵団はエレンをm ゲスミン「エレンの無実を主張いたします!!!!!!」
エレン「」
ミカサ「」
エルヴィン「」
ザックレー「」
その他もろもろ「」 - 7 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/01(金) 00:41:28 ID:xIJoJ5mk
- ザックレー「あー……すまない、君は確かゲスミン……古美門?と言ったかな。エレン・イェーガーの弁護人として出席していると聞いたが、君は、え?なに?エレンの無実?を主張する?え?」
ゲスミン「ええ、その通りですよザックレー総統。この私ゲスミン・古美門はエレン・イェーガーが巨人であるという濡れ衣をこの場で晴らしたいのです!!」
エルヴィン「あの、ゲスミン君、すまないがちょっと黙っててほs」
バン!
ナイル「何を言っているんだ七三小僧!!! エレンが巨人に変身できることは今更過ぎる事実だ! それを否定することなどできるはずがない!!」
レディースエーンジェントルメーンオブザジュリィィィ!
ナイル「!?」
アイリストゥマイケース!!
リーゴハイ!!!!!
エレン(え、何このBGM) - 8 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/01(金) 00:47:41 ID:xIJoJ5mk
- パッパラ パッパラ パッパラ
ゲスミン「いいいいですかぁぁぁ? まずあなた達が最初に彼を巨人だと思い込んだ時のことを思い出してください」
ゲスミン「例の巨人は多くの他の巨人を倒した後、力尽きた。すると蒸発する巨人のうなじからエレン・イェーガーが姿を現した」
ナイル「そうだ! それを大勢の者が見たんだ!! 間違いなど無い!!!」
ゲスミン「ほ・ん・と・う・に……そう断言できるんですかねぇ?」
ナイル「はぁ?」
ゲスミン「あんた達はどこからその状況を見た? それはそれは遠く離れた安全地帯からだ! あの距離では望遠鏡を使っても、人間の男がうなじから出たぐらいしか把握できやしない!!」
ナイル「バカバカしい! 近くで見た者だっているではないか!」
ゲスミン「ほう、それは?」
ナイル「しらばっくれるな、名前はあがっている。ライナー・ブラウン、ベルトルト・フーバー、アニ・レオンハート、ジャン・キルシュタイン、ミカサ・アッカーマン……そしてお前だゲスミン・古美門!!」
エレン(前から思ってたけど、あいつの名前ちょっとおかしいな) - 9 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/01(金) 00:52:54 ID:xIJoJ5mk
- ゲスミン「…………」
ナイル「どうだ、ぐうの音も出まい! なにせ皮肉なことに、お前自身が親友が巨人であることを証明しているのだからな!!」
ゲスミン「あ、失礼。ちょっと欠伸を我慢していたもので」
ナイル「あぁ!?」イラッ
ゲスミン「つかぬ事をお尋ねしますが……今あげた名前の中で、誰がそれを証言してくれるのですか?」
ナイル「何を言っている、まずお前自身が――」
ゲスミン「え? 私? 私は知りませんよそんなこと?」
ナイル「は?」
ゲスミン「ねぇミカサぁ、君も見てないよね? エレンがうなじから出てくるところなんて」
ミカサ「私見てない、エレンが巨人だなんて知らない全然知らなーい(棒)」バンザーイ
ナイル「おい」 - 10 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/01(金) 00:57:42 ID:xIJoJ5mk
- ゲスミン「いやぁぁぁ残念です! どうやら僕も彼女もそんな事実は覚えがないようですね!!」
ナイル「いやおかしいだろ、何平然と言ってるんだ。て言うかそっちの女、完全に棒だったろ」
ミカサ「私、口下手なんで」
ナイル「あれはそういうのじゃない気がする」
エレン(え、まさかそれで通す気なのお前ら?)
ナイル「エルヴィン、お前もそろそろ何か言ったらどうだ。いくらなんでも無理があるぞ」
エルヴィン「…………」
ナイル「エルヴィン?」
ゲスミン「ゲフンゲフン」
エルヴィン「あ、私も……彼が巨人じゃないような気がしてきたかな」
ナイル「アレッ!?」 - 11 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/01(金) 01:03:49 ID:xIJoJ5mk
- 「おいおいマジかよ」
「調査兵団、凄い無茶してきたぞ」
「いくらなんでもそれはないだろ……」
「血迷ったかエルヴィン団長!?」
ナイル「ふ、ふざけている……ふざけている! ザックレー総統! こんな会議は茶番にほかならない!!」
ザックレー「気持ちはわかるけど、とりあえず聞いてみないと」
ナイル「えー……まぁ総統がそう言うなら…………」
エレン(もう少し粘れよお前も)
ゲスミン「間近で現場を目撃した私とミカサはどちらもあなた方の主張するような事実は目撃していない。もう議論することなど何もない!!」ビシッ!m9
ナイル「いやだいぶあるわ。とりあえず他にも目撃者が四人もいる。あとこっち指差すな」
ザックレー「ふむ、ではその四人にこの場で証言してもらったほうがいいだろうか」
ナイル「お願いします。こんな茶番、さっさと終わらせてしまいましょう」
ゲスミン「」ニヤリ - 12 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/01(金) 01:09:12 ID:xIJoJ5mk
- ~しばらく後~
ナイル「…………で」
ライナー「…………」
ナイル「なんで来たのがこいつだけなの?」
ゲスミン「仕方ないでしょう、今すぐ目撃者全員召集するには当然時間が必要です。ライナーはたまたまこの審議所に来ていたのです」
ライナー「はい、たまたま会議を見に来ていました」
ナイル「まぁいい……ではライナー・ブラウン、君に聞こう。君は確かに巨人のうなじから――」
ライナー「ォォォォ俺は巨ォ人じゃァねエエエエエエエエエエエエアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァラララララララララララ!!!!!!!!」バン!!!
ナイル「!?」
ゲスミン「すみません、彼は巨人の事になるとなぜかちょっと情緒不安定になるので」
ザックレー「なにそれ怖い」
エルヴィン「ヤバいな」
エレン(超大型が現れる数時間前にも、なぜか発狂してベルトルトに怪我させてたな) - 1
コメント一覧
-
- 2013年12月13日 16:28
- 読み入った
-
- 2013年12月13日 16:42
- タダのゲスミンかと思ったら弁護士かよぉwew
-
- 2013年12月13日 17:03
- ジャンの、伏線の解説が良かった。
-
- 2013年12月13日 17:03
- 独特のセンスだな
俺は好きだぜ!
-
- 2013年12月13日 17:05
- BGM口ずさむ所でスゲー笑った
-
- 2013年12月13日 17:08
- ???「こんなヤツは弁護士とは呼べないナリ、開示を要求するナリ」
-
- 2013年12月13日 17:13
- 話の展開が面白いオチもきっちりあって笑ったわ
-
- 2013年12月13日 17:15
-
ワロタwww面白かった
-
- 2013年12月13日 17:19
- 上手すぎワロタ
めっちゃ面白かった
-
- 2013年12月13日 17:28
- ライナー「アイリストゥマイケース!!」
ライナー「リーゴハイ!!!!!」
-
- 2013年12月13日 17:41
- 期待してたけど残念
-
- 2013年12月13日 17:42
- カオス過ぎる(褒め言葉)
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- 2013年12月13日 17:51
- ゲスミンカッコイイな!!
よく練られてたSSだと感じた
-
- 2013年12月13日 18:00
-
>ライナー「パッパラ パッパラ パッパラ」
個人的にはこれが特にツボったわ
-
- 2013年12月13日 18:16
-
割とマジで楽しめた。
-
- 2013年12月13日 18:21
- なかなか良かったよ
-
- 2013年12月13日 18:49
- みんな星5…だけど民意なんて糞食らえだ!
言えることはリーガルハイっぽさがなさすぎちゃうかな違和感が少しあった
-
- 2013年12月13日 19:00
- やや冗長だったが大笑いしたわwww
-
- 2013年12月13日 19:27
- ちょっと長いからか途中で飽きた
-
- 2013年12月13日 19:35
- BGMのところでクソワロタww
-
- 2013年12月13日 19:42
- 普通に面白いけど、まったくリーガルハイではないな。
-
- 2013年12月13日 20:07
- リーガルハイ見たことなくても、楽しめましたw
とりあえずサントラは聴いて意味がわかったから、もう一度読んできま。
ベルトルト可愛い(*´ω`*)
-
- 2013年12月13日 20:58
- リーガルハイ見てると再現の甘さと滑ってる感で逆に楽しめないという
-
- 2013年12月13日 21:11
- なにこの中学生が書いたようなss
-
- 2013年12月13日 21:20
- これはいいものだ
-
- 2013年12月13日 21:24
- 中盤のサークルの内輪揉めみたいなやりとりわろた
-
- 2013年12月13日 21:51
- 巨人4人の弁護で5000万余裕だろ
-
- 2013年12月13日 22:15
-
この適当な感じ、キライじゃない
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- 2013年12月13日 22:35
- ネタSSだから別にリーガル・ハイっぽくないのはそんなに問題ではないと個人的には思う 面白いしな
-
- 2013年12月13日 23:03
- リーガルハイみたことないけどこんななのか
-
- 2013年12月13日 23:28
- リーガルハイとクロスしてるってわけじゃないんだから再現度とかは些細なことさ
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- 2013年12月13日 23:54
- そもそもリーガルハイのあの雰囲気を文章で表すのは、どうにも…(汗)
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