★経済界・行政にも　トリニータ出資要請

　サッカーＪリーグの大分トリニータを運営する大分フットボールクラブの債務超過問題で１３日、クラブが目指す４億２千万円の増資に対する官民の支援の枠組みがまとまった。
８割超に当たる３億５千万円を大分県内の企業再生ファンドが出資、残りを経済界から５千万円、行政から２千万円をめどに募る。
今後、それぞれが具体的な検討に入る。
債務超過を解消できなければリーグの参加資格を失うため、あらためて地元の協力を仰ぐ。

　「大分トリニータを支える県民会議」（会長・坂本休大分トリニータ後援会名誉会長）の役員会が県庁であり、クラブの要請を受けて支援方針をまとめた。経済界と行政の資金集めは難航も予想されるが、坂本会長は会議後「（トリニータは）大分の宝としてぜひとも支えて残していかなければならない、やろうじゃないかという熱意が強かった」と強調した。

　資金拠出は、中小企業支援のため県内の金融機関や県などが３０億円を出資して４月につくった「おおいたポルタファンド」が中心になる。クラブは増資計画の半分に当たる２億１千万円分の内諾を得たと説明。
残りの半分について、経済界と行政で計７千万円の出資を前提に１億４千万円分の追加を要請する。

　ファンドを運営する大分ベンチャーキャピタル（大分市）の阿知波孝典社長は取材に対し「今後も（チームの理念である）三位一体で支えていくということであれば、残りの要請分についても前向きに検討する」と述べ、枠組みに沿って協力する意向を示した。

　クラブは２日、今期（２０１３年２月～１４年１月）の決算について、債務超過額が前期から１億８千万円余り圧縮されて４億６００万円になるとの見通しを発表。１５年１月末時点で債務超過が残っていればＪリーグのクラブライセンスを取得できないため、４億円超の増資方針を示していた。(続く）

http://www.oita-press.co.jp/localNews/2013_138698066399.html

●出資理解得られるか

　サッカーＪリーグの大分トリニータを運営する大分フットボールクラブ（ＦＣ）の債務超過解消に向けた増資をめぐり、企業再生ファンドに加え、経済界と行政が計７千万円を拠出する枠組みが１３日まとまった。
県・市町村と経済界は昨年、Ｊリーグからの借入金返済に際し、計２億円を支援。
県や大分市などは今年６月の１００％減資にも応じた。
さらなる支援となる出資に対して県民や企業の理解が得られるかがハードルとなる。

　「７千万円の出資をクリアして初めて（出資額を３億５千万円に引き上げる）ファンドの追加出資が見えてくる。
総額４億２千万円の増資で債務超過を解消できなければ、トリニータに先はない」　同日の「大分トリニータを支える県民会議」の役員会終了後、大分ＦＣの青野浩志社長は来年４月末の株主総会で増資にこぎ着けるため、年明けから経済界や行政を個別に回り出資を呼び掛ける意向を示した。
　大分ＦＣは増資を「トリニータ再生の最後のヤマ場」（青野社長）と位置付ける。
２千万円を割り当てられた「行政」の県・市町村は、公金投入に県民や議会の理解を得た上で財源を捻出しなければならない。

　広瀬勝貞知事は「県民、経済界、行政の三位一体で支えてきた経緯はあるが、具体的なことはこれから考えたい」とコメント。
県市長会長の釘宮磐大分市長も記者団に「（何らかの形で）協力することは了解した」と慎重に言葉を選んだ。
　一方、“ノルマ”が５千万円とされた経済界。県商工会連合会の清家孝会長は役員会後、「（株主となる）出資は従来の支援とは違う。十分に検討する必要がある」とし、県商工会議所連合会の姫野清高会長を中心に支援の在り方を議論する考えを示した。

　出席者の一人は「ハードルは高い。三位一体の知恵の出しどころだ」と厳しい表情で言った。

以上