男「ついに俺にも彼女ができましたー!」幼馴染「えっ」
- 1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/08(日) 00:17:13.02 ID:XZfRSSXLo
幼馴染「……」
幼友「……」
幼馴染「……はあ」
幼友「五回目」
幼馴染「え?」
幼友「あんたがこの店に入ってから溜め息をついた回数」
幼馴染「……あ、ごめん」
- 2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/08(日) 00:17:44.14 ID:XZfRSSXLo
幼友「謝らなくていいよ、べつに」
幼馴染「……うん」
幼友「……」
幼馴染「……」
幼馴染「……ふー」
幼友「六回目」
幼馴染「あう」
- 3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/08(日) 00:18:36.61 ID:XZfRSSXLo
幼友「ねえ、わたしたちって友達だよね?」
幼馴染「……え? あ、うん」
幼友「わたしが思うに、友達って言うのはさ」
幼友「何か困ったことがあったら相談したり、愚痴きいたり、そういうこともするもんだと思うの」
幼馴染「……? うん。そう、だね。そうかもね」
幼友「わたしが前に彼氏と別れたとき、あんたに泣きながら電話掛けたじゃん」
幼馴染「うん」
- 4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/08(日) 00:19:08.50 ID:XZfRSSXLo
幼友「夜中の三時までずっと一方的に泣きごと聞かせてさ。さすがに申し訳ないことしたなって思ったけど」
幼友「あんた、そのことについて、なんにも文句言ってこなかったよね」
幼馴染「……そうだっけ?」
幼友「そうだったの。わたしは悲しみに暮れながら思ったよ。この子はなんて良い子なんだろうって」
幼友「いつかこの子に何かがあったときには全力で助けてやろうって、わたし、そのとき誓ったね」
幼馴染「そうなの? それは、なんていうかその、ありがとう?」
幼友「うん。で、もし差し支えなければ、溜め息の理由をわたしに教えてくれない?」
- 5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/08(日) 00:19:36.53 ID:XZfRSSXLo
幼馴染「……あ、えっと」
幼友「べつに言いたくないなら無理しなくてもいいけど」
幼友「誰かに話すと楽になるってこともあるっていうし」
幼馴染「……うん」
幼友「おあつらえ向きに、ここはハンバーガー屋さんですしね」
幼友「さ、心の内を存分にさらけだしてごらん。ポテトでもつまみつつ」
幼馴染「うん。ありがとう。実は、その……」
- 6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/08(日) 00:20:03.24 ID:XZfRSSXLo
幼馴染「その、好きな人にね、彼女ができたみたいで」
幼友「あー」
幼馴染「……うん」
幼友「そっか。それは……」
幼友「きついね……」
幼馴染「……」
幼友「……ちょっと待って。結構いろんなパターンの想像してたつもりなんだけど、上手い言葉が出てこないの」
幼友「こういうときどういう言葉を掛けるのが正解なのか分からないの。なんかごめん訊いといて無責任で」
幼馴染「あ、うん。それはべつにいいんだけど」
- 7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/08(日) 00:20:29.73 ID:XZfRSSXLo
幼友「……うわー、そっか、そういうパターンかー。えっと、その」
幼友「……ど、どんまい?」
幼馴染「……」
幼友「……」
幼馴染「……」
幼友「……ごめん。わたし、いつも言われる側だから、何言っていいかわかんなくて」
幼馴染「……うん」
幼友「そっか。……そっかー」
幼馴染「……」
- 8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/08(日) 00:20:56.33 ID:XZfRSSXLo
幼友「……ん。あれ? たしかあんたの好きな人って、あれでしょ。うちのクラスの、なんだっけ」
幼友「ワープロ部の幽霊部員のなんとかっていう……」
幼馴染「うん、そう」
幼友「小学生以来ずっとクラスが一緒だっていう?」
幼馴染「うん。あ、幼稚園の頃からだけど」
幼友「……付き合ってたんじゃなかったの?」
幼馴染「なかったんですよこれが……」
- 9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/08(日) 00:21:24.00 ID:XZfRSSXLo
幼友「……そ、そっか」
幼馴染「ごめん、コメントしづらい話で……」
幼友「あ、いや。べつにそういうわけじゃ」
幼馴染「ううん。だってわたしの恋心十年単位だもん。そりゃコメントに困るよね」
幼馴染「小学生のころから毎日一緒に登下校して……」
幼馴染「休みの日には一緒に出掛けたり、家で遊んだりして……」
幼馴染「『もしやこれは既に付き合っていると言ってよいのでは?』と思ってたらこれだもん」
幼馴染「……笑っちゃうよね」
幼友「……えーっと」
幼馴染「はあ……」
- 10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/08(日) 00:21:50.65 ID:XZfRSSXLo
幼友「……いつ知ったの? 彼女ができたって」
幼馴染「え? ……うーん。春休みの間だったと思うけど」
幼友「様子が変だったのは休みボケじゃなかったわけだ……」
幼馴染「さすがのわたしも世を儚みたくなるってもんですよ」
幼友「……その、元気だしなよ。ほら、男なんて星の数ほどいるんだし」
幼馴染「それ、嫌い」
幼友「え?」
- 11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/08(日) 00:22:17.75 ID:XZfRSSXLo
幼馴染「たしかに男の人はたくさんいるけど、同じ人は二人もいないんだよ? 同じ波はもう来ないんだよ?」
幼馴染「この世は椅子取りゲームなの。誰もが欲望のままに限りある資源を奪い合うサバンナなの」
幼馴染「『ま、あれがとれなくてもたくさん余ってるからいっかー』なんて言ってると……」
幼馴染「あっというまに座りたい椅子がなくなっちゃうんだからね?」
幼友「……なんかごめん」
幼馴染「わたしの欲しい椅子、なくなっちゃった……」
幼友「……」
- 12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/08(日) 00:22:44.49 ID:XZfRSSXLo
幼友「……落ち込んでるところ悪いんだけど、ちょっといい?」
幼馴染「なに?」
幼友「そこまでハングリーな価値観を持ってたんなら、なんで告白しなかったの?」
幼馴染「……」
幼友「……」
幼馴染「……それ訊いちゃう?」
幼友「……ごめん」
幼馴染「いや、いいんだけど。それはその、なんというか、ちょっとした事情っていうか」
幼友「……事情?」
幼馴染「それがね、小学五年くらいのときの話なんだけどさ……」
- 13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/08(日) 00:23:11.26 ID:XZfRSSXLo
男『俺、おまえのこと好きだ』
幼馴染『……え?』
幼馴染『……あっ! その、わ、わたしも……!』
男『でも』
幼馴染『え?』
男『まだおまえには告白しない』
幼馴染『……え、今したよ? したよね?』
男『だって俺にはまだ、おまえを養えるだけの甲斐性がないから』
幼馴染『え? あれっ?』
男『だから俺が一人前の男になったら! そのときおまえにプロポーズする!』
幼馴染『……え?』
- 14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/08(日) 00:23:39.54 ID:XZfRSSXLo
幼馴染「……というやりとりがあって」
幼友「……」
幼馴染「……」
幼友「……なにそれ?」
幼馴染「……わたしにもよく分からない」
幼友「そりゃそうだろうけど」
- 15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/08(日) 00:24:06.09 ID:XZfRSSXLo
幼馴染「思えば彼は昔から変わってたんですよ」
幼馴染「みんながムシキングしてる間に一人でダムダムボーイやってるような男子だったの」
幼友「……単にメダルゲームの方が安上がりだからじゃない?」
幼馴染「たとえ話!」
幼友「で、その発言を真に受けてたわけ?」
幼馴染「真に受けてたってわけじゃないけど、こっちからは言いにくい雰囲気で……」
幼友「で、結局なにごともなかったかのように、あっちは彼女を作っちゃった、と」
幼馴染「……うん」
- 16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/08(日) 00:24:32.87 ID:XZfRSSXLo
幼友「それは、なんというか……」
幼友「……ひどいね」
幼馴染「……」
幼馴染「……だよね?」
幼馴染「やっぱりひどいよね? 正直どうかと思うよね?」
幼友「うん」
幼馴染「だよね、そうだよね……。ひどいよね? ひどいよ!」
幼友「あー、おちつけおちつけ。ほれ、ポテト食え」
幼馴染「んむっ……むぐぅ」
- 18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/08(日) 00:25:10.79 ID:XZfRSSXLo
幼友「まー、ひどいね。子供の頃の冗談だとしても、冗談だって言わないぶん悪質っていうか」
幼馴染「そう、そこなんだよ。冗談なら冗談だったってちゃんと言ってほしいの」
幼馴染「あんな話をされたらわたしだって、どう反応すればいいかわかんないよ」
幼友「正直そこらへんは『なんかおかしなこと言い出したなー』くらいの反応でよかったと思うけど」
幼馴染「あんな子供の頃の言葉に振り回されて、告白もせずに時間を無駄にすること早数年……」
幼馴染「不思議と涙も出ませんよ……」
幼友「そ、そんなにやさぐれなくても……」
- 19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/08(日) 00:25:41.95 ID:XZfRSSXLo
幼友「つうか、あのワープロ部員のどこがよかったの?」
幼馴染「え?」
幼友「べつにバカにするつもりじゃないけどさ。けっこう気になる」
幼馴染「……うーん」
幼馴染「……えっと」
幼馴染「……」
幼馴染「……あっ、優しいところ?」
幼友「ごめん、わたしが悪かった」
幼馴染「ほ、ほんとに優しいよっ?」
- 20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/08(日) 00:26:09.29 ID:XZfRSSXLo
幼馴染「たとえば、えっと……その」
幼馴染「アイスとかおごってくれるし!」
幼馴染「……わたしが課題見せたときに、お礼としてだったけど」
幼友「……」
幼馴染「あー、えっと、わたしが転んだときには手をさしのべてくれるし! 絆創膏もくれたし!」
幼友「……」
幼馴染「あとは、その、うーんと……」
幼友「これ以上はよそうか。きっと恋に理由なんていらないんだよ」
幼馴染「本当にやさしいんだってば!」
- 22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/12/08(日) 00:26:49.60 ID:XZfRSSXLo
幼馴染「……まあ、その優しい彼は今も人の彼氏ってわけですよ」
幼友「……」
幼馴染「……なにか言って?」
幼友「あー……ご愁傷さま?」
幼馴染「……実はわたしのことコメント一覧
-
- 2013年12月15日 20:13
- よん!
-
- 2013年12月15日 20:17
- めんどくせー女だな…読んでないけど
-
- 2013年12月15日 20:25
- ※2
めんどくせー奴だな…知らないけど
-
- 2013年12月15日 20:27
- どっちもウジウジダッテで読む気失せた
※2
安心しろ、男もだ
-
- 2013年12月15日 20:33
- 幼女なのに幼女じゃなかった…。
何を言ってるのか分からねーと
-
- 2013年12月15日 20:36
- 俺は言い回しとか好きよ
-
- 2013年12月15日 20:40
- これは胸キュンだわ……
-
- 2013年12月15日 21:02
- 男の友達のキャラがツボだったww
-
- 2013年12月15日 21:11
- ダメだ・・・
クイックルワイパーしか心に残ってねえwwwww
-
- 2013年12月15日 21:11
- しすらなってTЯICKか
縦読みのやつだよな
-
- 2013年12月15日 21:18
- 淡々としてて結構好き
-
- 2013年12月15日 21:24
- 最後の椅子の意味が分からなかったんだが、意味のない言い間違い?
-
- 2013年12月15日 21:31
- 続きはよ
-
- 2013年12月15日 21:33
- なんかラノベみたいな会話でキモい
-
- 2013年12月15日 21:41
- 妹さんは貰っていきますね^^
-
- 2013年12月15日 21:45
- おう携帯どこに入れてるんや
-
- 2013年12月15日 21:55
- 3行で読む気失せて、とりあえず※欄見てみたけど
結局めんどくせーってことしか分らなかった。
-
- 2013年12月15日 22:12
- 俺「近くて」幼馴染「遠い」俺、幼「恋の物語」
ヒューwww
-
- 2013年12月15日 22:24
- ※12
幼馴染と幼友の会話で椅子取りゲーム云々とかいう話してたじゃん
それの伏線回収?なんじゃね
-
- 2013年12月15日 22:24
- ダムダムボーイ懐かしい。あれ結構難易度高いから苦手だったわ
-
- 2013年12月15日 22:25
- じゃあ俺はお母さんを・・・
-
- 2013年12月15日 22:29
- なんだよもー、ニヤニヤするわーw
なんか好きだわーw
※12
多分妹が膝に座ってたのが羨ましかったんだと思われる
-
- 2013年12月15日 22:36
- X'masが近いと言うのに、こんなの書いてて良いのか?
まぁ、読んだ俺も他人の事は言えんが…
-
- 2013年12月15日 22:42
- ※12
最初の方をもう一度見てみろ
-
- 2013年12月15日 22:57
- この季節に全文読んでしまった俺のHPがやばい
リア充爆発しろ
文章はよかったがな
-
- 2013年12月15日 23:59
- どっちもウジウジしててめんどくさいところは恋愛っぽいというかドキドキする感じが伝わってきて良いと思うなぁ
-
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