仮面P『顔も声も出さなくていいなら働きます』キュキュ
- 1 : ◆.avztqSy6I 2013/11/24(日) 15:50:42.39 ID:T9ZW03OH0
- 高木「……」ティン
高木「ちょっとそこのキミィ」
P「?」
高木「君、うちで働いて見る気はないかね」
P「!?」
高木「そう慌てないでくれ。うちは765プロというアイドル事務所していてね。人手不足だから君に声をかけたんだ」
P「……」ゴソゴソ
高木「どうしたんだね」
P『顔も声も出さなくていいなら働きます』キュキュ
- 2 : ◆.avztqSy6I 2013/11/24(日) 16:27:12.39 ID:T9ZW03OH0
- 高木「そうか、そうか。働いてくれるか。いやぁ助かるよ」
P「……」
事務所
P『今日からここで働くことになったPです。よろしく』キュキュ
一同「……」
春香「あの、何で仮面にフリップなんですか?」
P『喋ると嫌われるし、顔を見られても嫌われるからです』キュキュ
春香「は、はぁ? そんなことじゃ嫌いませんよ」
P『その程度の言葉で私は人を信じることはできません』キュキュ
P『すみません』キュキュ - 6 : ◆.avztqSy6I 2013/11/28(木) 17:00:22.81 ID:kPatRODX0
- 春香「(変わった人だなぁ)」
P『それでも仕事なので頑張ります』キュキュ
春香「よ、よろしくお願いします」
P『私が担当する方はどちらですか、社長』キュキュ
社長「ん? ここにいる皆だよ?」
P『!?』キュキュ
P『皆ですか。まぁ頑張ります』
真美「ねぇ、亜美」
亜美「何、真美」
真美「あの兄ちゃんの仮面取りたくない?」
亜美「取りたいね」
亜美真美「よし!」
- 7 : ◆.avztqSy6I 2013/11/28(木) 17:09:49.71 ID:kPatRODX0
- 真美「ねぇ兄ちゃん」
亜美「こっちきて→」
P『何ですか?』キュキュ
亜美「まだだよ」ボソ
真美「うん」ボソ
P「……」スタスタ
亜美「今だ!」
真美「とりゃ!」
P『!?』キュキュ
亜美「あれ?」
真美「とったと思ったのに」
P『私の顔は見たくても絶対に見せてあげませんよ。これは貴方達のためでもあるんです』キュキュ
亜美「むぅ」
真美「いつか絶対取ってやっかんね→」
P『取らない方が貴方達のためだと忠告はしておきますよ」 - 8 : ◆.avztqSy6I 2013/11/28(木) 17:31:26.16 ID:kPatRODX0
- P「……」カタカタ
真「プロデューサー、ご飯食べに行きませんか?」
雪歩「……」
真「(ほんとは顔がみたいだけだけどね)」
P『いいですよ』キュキュ
真「やっりぃ!」
雪歩「(この人男の人なんだろうけど仮面のせいか、いつもより恐くない)」 - 9 : ◆.avztqSy6I 2013/11/28(木) 17:46:16.85 ID:kPatRODX0
- P『私がおごりますから好きに頼んでください』キュキュ
真「え、いいんですか?」
P『その代わりに皆さんのお話を聞かせてください』キュキュ
真「そのくらいお安い御用ですよ!」
P『じゃあ、注文してください。私はこれで』キュキュ
真「はい。すみませーん。これとこれと……」
P『萩原さんはどうしますか?』キュキュ
雪歩「え、あ、こ、これで」
真「うん、じゃあこれを」
P『そういえば萩原さんは犬と男性が苦手らしいですね』
雪歩「は、はい」 - 10 : ◆.avztqSy6I 2013/11/28(木) 17:56:26.77 ID:kPatRODX0
- P『もし、私が女だと言ったら、いえ、書いたらですか。どうしますか?』キュキュ
雪歩「え、し、信じられません。だって服装が男性だし手も男の人の手だし」
P『ははは、そうですね。私は男です。でも、もしもの世界って私は好きですよ』キュキュ
雪歩「ど、どういうことですか?」
真「パラレルワールドってやつですね」
P『そうです。例えば、もしも私が仮面も付けず声を出していたら。もしも萩原さんが犬も男性も怖くなかったら』キュキュ
雪歩「パラレルワールドですか。怖がりじゃない人生を送ってみたいですぅ」
P『そう考えることはありませんよ。もしもに過ぎないんですから』キュキュ
P『でも、もしもを追いかければ現実にすることも夢ではありませんけどね』
雪歩「え?」
真「え?」
P『あ、料理がきましたよ。食べましょう』 - 19 : ◆.avztqSy6I 2013/11/30(土) 20:08:08.91 ID:XQG7YSpY0
- 真「(これが目的だった。よーし、これで顔が拝めるぞ)」
真「そうですね。プロデューサーもどうぞ」
P『あ、少し待ってください』ガサガサ
雪歩「?」
P『はい、食べましょうか』キュキュ
真「(仮面を口元だけ開いてるのに変えた)」
P『美味しいですね』キュキュ
雪歩「はい、とっても」
P「……」モグモグ
雪歩「(そういえばこの人喋れないんだった)」
真「(顔が見れない上に気まずい)」 - 20 : ◆.avztqSy6I 2013/11/30(土) 20:17:19.83 ID:XQG7YSpY0
- P『ご馳走様でした』キュキュ
真雪歩「ご馳走様でした」
真「(口元がちょこっとだけ見えたけどあまり大差ないなぁ)」
雪歩「(ご飯美味しかったなぁ)」
P『では、会計を済ませてきますのでお二人は車の中で待っておいてください』キュキュ チャラ
真「あ、はい。行こう雪歩」
雪歩「うん」
P「……ふぅ」
P「……」ペラ チャリンチャリン
店員「ありがとうございましたー!」
- 22 : ◆.avztqSy6I 2013/11/30(土) 20:26:15.31 ID:XQG7YSpY0
- P『お待たせしました』キュキュ
真「いえ、僕たちこそ奢ってもらってありがとうございます」
雪歩「ありがとうございますぅ」
P『そんなことは気にしないでください。皆さんのお話は楽しかったですよ』キュキュ
真「そのくらいいつでもしてあげますよ」
P『ではまたお願いしますね』キュキュ
P『それじゃあ帰りましょうか』キュキュ - 23 : ◆.avztqSy6I 2013/11/30(土) 20:33:59.08 ID:XQG7YSpY0
- 事務所
P『ただいま帰りました』キュキュ
真「ただいまー」
雪歩「帰りましたぁ」
P『あれ、音無さんはどうされたんですか?』キュキュ
あずさ「……」
P「……」トントン
あずさ「あら?」
P『あれ、音無さんはどうされたんですか?』
あずさ「あぁ、音無さんなら今日は春香ちゃんのCD販売のお手伝いです」
P『それなら僕はお役立そうにないですね。面目ない』キュキュ - 24 : ◆.avztqSy6I 2013/11/30(土) 20:45:14.61 ID:XQG7YSpY0
- P『そういえば三浦さんは』キュ
P「……」
あずさ「どうかされたんですか?」
P「……」アタフタ
P「……」ガサガサ
あずさ「?」
P『インクが切れました』サラサラ
P『マジックありますか?』サラサラ
あずさ「ええ、確かこっちの方に」
あずさ「あ、ありました~」
P『ありがとうございます』サラサラ
あずさ「でもあげません~」
P『!?』
P『何でですか?』
あずさ「お顔を見せてくれたらあげます」
P「……」 - 25 : ◆.avztqSy6I 2013/11/30(土) 20:59:41.88 ID:XQG7YSpY0
- P『なら、いいです。自分で取りますから』サラサラ
あずさ「え?」フワッ
P「……」キュポ
P『すみません。あずささん』キュキュ
あずさ「あら? あらあら? 何が起こったのかしら」
P『分からくていいですよ。でも、顔を見られたくないことはわかってもらえましたよね?』キュキュ
あずさ「は、はい。すみません」シュン
P『あ、ああ、そんなに落ち込まないでください』
あずさ「じゃあ、お話しましょう?」
P『筆談でよければ』
あずさ「むぅ、まぁ仕方ないですよね」 - 30 : ◆.avztqSy6I 2013/11/30(土) 21:30:08.35 ID:XQG7YSpY0
- あずさ「プロデューサーさんは人が恐いんですか?」
P『どうしてですか?』キュキュ
あずさ「だって喋らないし、お顔も見せてくれない」
P『まぁ、そうですね。恐いです。人はどんなに信頼していた人も自分に不利益だと考えた瞬間に裏切りますから』キュキュ
あずさ「(字が震えてる)」
あずさ「そうでしょうか。ここにいる皆はそんなことは……」
P『何で言い切れるんですか。自分以外が考えていることなんてわからないのに』キュキュ
あずさ「私はここに入って皆と楽しい日々を過ごしてきたから」
P『私も皆さんと仕事をするのは楽しいですよ。皆さんのことも信用しています』キュキュ
あずさ「なら、何で」 - 32 : ◆.avztqSy6I 2013/11/30(土) 21:58:02.95 ID:XQG7YSpY0
- P『私が顔を出せば、声を出せばもしもの世界の可能性は消える』キュキュ
あずさ「もしもの世界?」
P『ええ、私が顔と声を隠していれば、皆さんにたくさんの可能性が生まれる』キュキュ
あずさ「え、え~っと」
P『分かりやすく言えば僕がブサイクである可能性とイケメンである可能性が生まれるということです』キュキュ
P『だから皆は気になって私から自ら離れようとはしない』キュキュ
あずさ「そんなことを考えて」
P『単に嫌われたくない言い訳に過ぎないですけどね』キュキュ
あずさ「いえいえ~、プロデューサーさんはとっても謙虚な人なんですね」
P『え?』キュキュ
あずさ「だってプロデューサーさんは皆に好かれたいじゃなくて嫌われたくないってずっと書いてるじゃないですか」
P『私が好かれるなんて無理な話ですから』キュキュ - 33 : ◆.avztqSy6I 2013/11/30(土) 22:04:25.69 ID:XQG7YSpY0
- あずさ「私はまだプロデューサーさんのことあまり知らないですけど、悪い人じゃないってことはわかります」
P『あいがとうございます』キュキュ
あずさ「ふふ、プロデューサーさん。『り』が『い』になってますよ」
P『す、すみません。この姿になってもそんなことを言われたのは初めてで』キュキュ
あずさ「あら~、そうなんですか? でも、プロデューサーさんはプロデューサーさんでいいと思いますよ」
P『あいがとつございます』キュキュ
あずさ「ふふ、これから頑張っていきましょうね」
P『はい』
あずさ「私もプロデューサーさんも」 - 34 : ◆.avztqSy6I 2013/11/30(土) 22:15:18.18 ID:XQG7YSpY0
- 翌日
『仕事とってきます』
小鳥「あら、プロデューサーさんの書置き。喋れないのにどうやって仕事を?」
テレビ局
P「……」トントン
関係者「ん?」
P『すみません、お時間よろしいでしょうか』
関係者「君は誰だね? その仮面を取って自分でしゃべりなさい」
P『申し訳ありませんが、私は声を出したくても出せず、顔を見られると緊張して字をかけなくなってしまいますのでご了承願います』キュキュ
関係者「病気なのかね?」
P『それに近しいものです』キュキュ
関係者「む、仕方ない。で、どうしたんだね」
P『三秒でいいのでうちのアイドルを起用してくれませんか?』 - 35 : ◆.avztqSy6I 2013/11/30(土)
コメント一覧
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- 2013年12月15日 12:38
- Pマスクの新たな可能性が見えた
-
- 2013年12月15日 12:40
- 顔文字キモい
-
- 2013年12月15日 12:41
- 良かったよ
-
- 2013年12月15日 12:42
- ビジュアルのイメージが犬神家だな
-
- 2013年12月15日 12:44
- 仮面P、顔を見せておやり!
-
- 2013年12月15日 12:50
- 展開の都合上うっかり多すぎぃ
トントン拍子でバレしてるからおまぬけさんにしか思えなかった
-
- 2013年12月15日 12:51
- 最初黒ちゃんか木星の誰かが765に潜入する話だと思ってた
-
- 2013年12月15日 13:16
- というか12人のアイドルをトップに育て上げたって実績がある以上声や顔出さなくてもいいぞ、って会社なんて山ほどありそうなのにうまく落としたつもりなのか?
-
- 2013年12月15日 13:24
- なんでか知らんが泣けた
-
- 2013年12月15日 13:28
- 仮面の下の涙を拭え
-
- 2013年12月15日 13:46
- ジェイソンかな?
-
- 2013年12月15日 13:49
- 話としては好きなんだが、もっと徐々に皆と打ち解けていく描写が欲しかったな
なんか惜しいわ
-
- 2013年12月15日 13:49
- 「俺の顔を返せええええぇぇ!」
-
- 2013年12月15日 14:16
- こんな所で何やってんだ?帰るぞロールシャッハ。
-
- 2013年12月15日 14:17
- 急な自分語り怖すぎ
-
- 2013年12月15日 14:22
- (<ゝω・)『綺羅星☆』キュキュ
-
- 2013年12月15日 15:10
- 何となくトゥーフェイスと思ってたらやっぱりだった
-
- 2013年12月15日 15:16
- 火事の時に水被ったら余計火傷しそうだなー
-
- 2013年12月15日 15:41
- 捻りが無い
実は中身が黒井社長だとかそういう方向かと思ったら
-
- 2013年12月15日 15:53
- タイトルからしててっきりロックシードで変身する踊れるPかと・・・
花道オンステージ
-
- 2013年12月15日 17:12
- 筆談のときは吃らないのでは?
一々『す、すいません』とか書くのかな?筆談したことないからわからんが
-
- 2013年12月15日 17:39
- こいつら人のコンプレックスをズカズカ暴こうとするとかクズだな。
仲間がなんだのお花畑理論でよく人の心抉ろうとしますね
PもPで対したトラウマな感じもしないし
-
- 2013年12月15日 17:45
- 喋れないキャラが何らかの要因で喋れるようになるとガッカリするパターン
ミロのヴィーナスもそうやけど、存在しないから自分で勝手に理想の形を想像してるらしいね
-
- 2013年12月15日 18:50
- 最後の駆け足が残念だったけど、このSS結構好き
-
- 2013年12月15日 19:47
- このPは自分の信じる「正義」を曲げないヒーローの子孫かなにかか?
中盤から最後が駆け足で...うん...
-
- 2013年12月15日 20:21
- なんか既視感、と思ったらあれだ、スケットダンスのスイッチだ
-
- 2013年12月15日 20:56
- プレデターPの可能性を見出だした
-
- 2013年12月15日 20:57
- こんな終わり方なら余計な過去などつけず、永遠に仮面と筆談を貫いて欲しかった これじゃトラウマでなったというより仮面と筆談がしたかった厨二にしか思えんのです
-
- 2013年12月15日 21:09
- 米11
天駆けるP
-
- 2013年12月15日 21:14
- クルマの運転中にどうやって筆談ができるんだろうな 信号中だったのか?
-
- 2013年12月15日 21:40
- P「顔も声も出せなくて〜」
関係者(なんでこの仕事選んだんだよ)
自分ができる範囲で最大の努力したから相手にも認めてもらえるなんてのは子供の頃だけ
ギャグならいいけどがっつり仕事するネタでこういう適当なのは好きじゃないな
-
- 2013年12月15日 21:52
- 世の中で一番口先だけで話が進む業界で筆談上等はねーべ
鞄持ちならともかくプロデュースは不可能に近いわ
-
- 2013年12月15日 22:07
- 大友龍三郎の声が聞こえてきた
-
- 2013年12月15日 22:25
- ※32
ここまで『そうだよ』と便乗したくなるコメントは初めてだ…
このSS読んだからこそ便乗したくなるんだろなあ
-
- 2013年12月15日 23:12
- とりあえずPヘッドが最高というところまで読んだ
-
- 2013年12月15日 23:15
- 色々お粗末。大筋は面白かった
-
- 2013年12月15日 23:24
- 問答無用で異性を絶頂させるイケメンPのSSのifストーリーかと思ったのに…
トンデモ系の設定で小さくまとまってるから肩すかし感が強いな
-
- 2013年12月15日 23:48
- 設定は面白いのに
駆け足すぎてつまらなくなったな
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