LGエレクトロニクスは、曲面スマートフォン LG G Flex を韓国で販売中です。国内未発売の海外モデルではありますが、日本でも販売して欲しいユニークなモデルといった印象。短い時間ながら体験した使用感をお伝えします。
LG G Flex は、大きく弧を描いたデザインの6インチサイズのAndroidスマートフォンです。サムスンらと競い合うように曲面テレビを投入しているLGですが、スマートフォンでも曲面ディスプレイではりあっています。LG G Flexはボディ全体が曲がっており、しかも、ある程度までなら曲げられるという、離れ業をやってのけました。
ただし、曲げられることを売りしているモデルではなく、あくまでも「曲がっている」ことがデザインのポイントになっているモデルです。......と、説明を受けたとしても、やはり曲げてみたくなるのが人間の残酷な好奇心。ディスプレイを下にした山なりの状態で、手のひらでおそるそる負荷をかけると、一般的なスマートフォンのように平らな形になりました。
これを実現しているのは、LGグループ各社の技術によるもの。ディスプレイの有機ELパネルは、プラスチック製(ガラス基板が一般的)の基板を採用しており、このため形が柔軟に曲げられるようになっています。なお、パネル基板がプラスチックなだけであり、ユーザーがタッチするディスプレイ面は強化ガラスのゴリラガラスを採用しています。また、バッテリーも曲がった形状の特別なものとなっています。
曲がっていること、それ自体がデザイン上、差別化のポイントとなっていますが、試用した限りにおいて、見た目だけじゃない良さを感じます。
特筆したいのは、動画に不思議な奥行き感がある点です。映画の大きなスクリーンと同じように、大型曲面ディスプレイでは四隅が内側に向いており、より没入感のある映像が楽しめる、と言われています。そういった効果と同じ、かどうかはわかりかねますが、同じ映像を一般的なスマートフォンに映した場合、明らかに違う印象を受けます。
奥行き感のある映像を平らなスマートフォンで表示すると、ディスプレイの平らな面の奥に世界が広がっているような、別の世界を窓からのぞいているような感覚があります。対するLG G Flexは、曲面の効果なのか、空間に平らなディスプレイより厚みが感じられました。この感覚、残念ながら写真では伝わりません。
国内販売は未定ですが、日本での登場にも期待したいところです。なお、販売中の韓国では、ディスプレイに残像が残る場合があるといった話もあるようです。
このほか、平らな板状のスマートフォンよりも、手に馴染みやすい点もポイント。6インチクラスのスマートフォンと考えれば、手の収まりが良いので安心感があります。片手利用の場合はとくにそう感じるはず。
製品の主な仕様は以下の通り。発表時の詳しい内容はこちら。ボディ背面の塗装は、擦り傷に強い自己修復コート処理。専用フリップカバーもあります。
OS | Android 4.2.2 |
ディスプレイ | 6インチ、1280 x 720 曲面 P-OLED (「リアルRGB」サブピクセル配列) |
プロセッサ | 2.26GHz 4コア クアルコム製 MSM8974(Snapdragon 800) |
メモリ/ストレージ | 2GB / 32GB |
カメラ | メイン13MP、4K動画撮影対応。サブ2.1MP |
バッテリー | 3500mAh |
サイズ | 160.5 x 81.6 x 7.9 - 8.7mm、177g |
その他 | NFC対応、802.11a/b/g/n/ac WiFi、Bluetooth 4.0、USB 3.0 |