ルパン三世「カウボーイビバップを刻め」
- 1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/15(日) 19:20:56.00 ID:SE2cGH/Ao
- ―ビバップ号 船内―
「起きろ、スパイク」
スパイク「……」
「起きろ!!」
スパイク「……ん?」
ジェット「仕事だ」
スパイク「仕事? 仕事なんてあったのか?」
ジェット「まだ寝ぼけてやがるのか? 俺たちの仕事は賞金首を金に換えて、美味いメシと船の修理に充てることだろ?」
スパイク「そうか。だったら、仕事はないな」
ジェット「それがあるんだよ。これを見ろ」
スパイク「なんだよ。また50万程度の雑魚をリストアップしたのか」
ジェット「やるな。もう頭も働き出したか。次に狙うのは10万ウーロンの食い逃げ常習犯と万引き常習犯と置き引き常習犯だ。今は三人とも火星にいるってよ」
スパイク「気がのらねえ。パスだ」
ジェット「これを逃がせば三日九食もやし炒めとカップヌードルのフルコースになっちまうがな」
スパイク「……それは、困るな。さっさと捕まえて肉もテーブルに並べるぞ」 - 3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/15(日) 19:25:57.45 ID:SE2cGH/Ao
- ―施設―
次元「起きな、五ェ門」
五ェ門「……」
ルパン「おきろってのー」
五ェ門「……ん?」
次元「久しぶりだな」
ルパン「ぬふふふ。寝てる間に太ったかぁ?」
五ェ門「ルパン……次元……。ここは?」
次元「どうするよ、ルパン。まだ寝ぼけてるみたいだぜ? まぁ、無理もないがな」
ルパン「わりぃけど、のんびり目覚めのご挨拶をしている暇もねえんだ。行くぞ」
五ェ門「どこへだ?」
ルパン「なははは。んなのきまってんだろぉ」
「侵入者を捕らえろ!!」
ルパン「俺たちの仕事にだ」
五ェ門「……承知した」 - 4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/15(日) 19:35:36.13 ID:SE2cGH/Ao
- ―街―
五ェ門「……火星、だと?」
ルパン「そーそー。ここは火星さ。地球の外側を回ってた、あの惑星」
五ェ門「冗談は好かん」
ルパン「ぬふふふ。俺がふざけてるように見えるか?」
五ェ門「見えるからそう言っている」
ルパン「ひっでぇ。折角、苦労して永い眠りから目覚めさせてやったのによ。そーんなこといっちゃうんだから」
五ェ門「拙者が何十年も眠っていたという話自体、信じられん。次元、どうなっている?」
次元「俺に訊くな。俺だって、目が覚めてから一ヶ月ちょっとだ。この世界の技術だってまだ完全には把握してねぇ」
ルパン「浦島太郎さ。俺たちは竜宮城から地上に帰ってきたばかりなわけよ」
五ェ門「……」
ルパン「疑うのか?」
五ェ門「貴様が本当にルパンなのかどうかも今は疑わしい」
ルパン「そこまで言われたら、こっちも証明しねえとなぁ」
五ェ門「それよりも、斬鉄剣はどこにある?」 - 5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/15(日) 19:42:07.70 ID:SE2cGH/Ao
- ―ビバップ号 船内―
アイン「ワンッ!!」
スパイク「はいはい。隅のほうで寝てろ」
アイン「クゥーン……」
エド「おでかけ、おでかけ、いってきまーす」
スパイク「留守番、頼むぞ」
エド「あーい。おみやげ、ごちでーす」
スパイク「ちゃっかりしてやがるな。最近、フェイに似てきたんじゃないか?」
エド「えへへ、ありがとー」
スパイク「褒めてねえよ。……そういえば、フェイの姿がねえな。どこいったんだ?」
エド「くるくる絵柄、揃えにいったよー」
スパイク「また貯金か」
エド「お金がでないちょきんばこー。じゃらじゃらじゃらー」
ジェット「準備ができたぞ」
スパイク「了解。エド、お前はあいつよりはマシな預金方法を開拓しろよ」 - 7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/15(日) 19:51:03.25 ID:SE2cGH/Ao
- ―レストラン―
スパイク「……居たか?」
ジェット「ああ。奥のテーブルだ」
スパイク「この取り分、フェイには渡すなよ」
ジェット「当たり前だ。もうそんな余裕はねえよ」
スパイク「なんだかんだで、アンタは甘いからな」
ジェット「動くぞ」
スパイク「ふぅー……。行くか」
ジェット「殺すなよ」
スパイク「殺さなければ、いいんだろ?」
ジェット「程々にな。歯型さえ照合できれば賞金は出る」
スパイク「はいよ」
ジェット「はぁ……。あいつが賞金首から心底嫌われてるから、仕事がやりにくくて仕方ねえ」
スパイク「――よぉ、食い逃げ犯。最後の晩餐はステーキか? ちなみに俺は昨日、肉のないチンジャオロースだった」
「な、なんだ、おまえはぁ……!!」 - 8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/15(日) 20:04:53.94 ID:SE2cGH/Ao
- スパイク「ふっ!!」ドゴォ
「ぶげぇ!?」
次元「おっ。面白いことしてんぞ、ルパン。ああ言う所は俺たちの時代と変わりがねえな」
ルパン「戦闘機が車みたいに飛び回るようになってもああいう屑は消えねえさ。だから、俺たちがいるんだろ」
次元「ちがいねえ。で、分かったのか?」
ルパン「いや。俺たちが冬眠することになった理由までは分かったけんども、どうして今もシャバの空気を吸っているのかはわかんねえなぁ」
五ェ門「そんなことよりも斬鉄剣をだな」
ルパン「わかってるって。でも、もうここは俺たちが生きてきた場所じゃねえのよ。情報網だって0だ。待っていれば欲しい情報が手に入ってたのが懐かしいぜ」
次元「チンピラ時代に戻ったみたいだな」
ルパン「あの頃よりひでぇよ。じいさんらが残してくれたもんがあったんだから」
五ェ門「この惨状でよく我々の居場所がわかったな」
ルパン「俺が眠りから覚めたときにな、次元と五ェ門の居場所が残されてあったのよ。カルテの備考欄にな」
五ェ門「一体、誰が……」
ルパン「それはこれから。ゴエちゃんの相棒もこれから。ぜーんぶ、これからよ。ようやく知った顔に出会えて、俺も嬉しいんだぜ?」
次元「よくいうぜ。てめえはこの時代でも図太く生きていけるだろ。俺みたいに繊細な奴はすぐに干上がるだろうがな」 - 9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/15(日) 20:14:20.80 ID:SE2cGH/Ao
- ルパン「どの口がいってんだか」
次元「はっはっは。それで? 何も考えてねえわけじゃねえよな?」
ルパン「まずは知っていかないとな。この世界の仕組みを。その後は自由気ままに行こうじゃないの。とっつぁんももう生きてはいないだろうし、伸び伸び仕事もできるだろうし」
五ェ門「……不二子はどうしたのだ?」
ルパン「不二子は謎だな。生きてるなら、俺のキッスで目覚めさせてあげたいところだけど」
次元「あんな女はどうでもいい。居ないほうが清々する」
ルパン「そんなこといってー。心配してるんだろ?」
次元「虫唾が走る。さぁて、策があるならもういこうぜ。こうしてる時間が惜しい」
ルパン「んじゃ、第二の人生幕開けと行きますか」
五ェ門「斬鉄剣……」
ルパン「すぐに探してやるって――」
「うごぉ……」フラフラ
ルパン「おっとっと。ひでぇ顔だなぁ」
「た、たすけ……」
スパイク「おい、アンタ。そいつを渡してくれ。大事なメシの種なんだ」 - 10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/15(日) 20:20:59.49 ID:SE2cGH/Ao
- ルパン「お前さんの恋人かい?」
スパイク「まぁ、そんなところだ」
ルパン「ぬふふふ。ほらよ」ドンッ
「おぉぉ……」フラフラ
スパイク「サンキュ」
ルパン「行こうぜ」
次元「おう」
五ェ門「斬鉄剣……いずこに……」
スパイク「変わった連中だな」
ジェット「うぇ。また偉く殴ったもんだな」
スパイク「蹴ったんだよ。ほら、あとは任せるぜ」
ジェット「お前、まだ二人残ってるんだぞ?」
スパイク「休憩は大事だろ」
ジェット「ったく。船に戻るならエドとアインにメシでも出してやれ」
スパイク「ガキとケモノはジェットの領分だろ?」 - 11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/15(日) 20:30:00.63 ID:SE2cGH/Ao
- ―カジノ―
フェイ「きた……きた……!!」
フェイ「キター!!!」ピッ
カシャン
フェイ「……はぁ。なんでそこで7がすべるのよぉ」
フェイ「あーあ……。ルーレットも思い通りに回ってくれないし……サイフの中身は空だし……」
フェイ「よっと。もう、帰りますか」
フェイ「……」ピッ
エド『もしもーし。こちら、ビパッブ号だよー』
アイン『ワンッ!』
フェイ「……あたしよ。ジェットかスパイクは?」
エド『あー、フェイフェイー。くるくる絵柄、そろったのー?』
フェイ「揃ってたらこんな時間に連絡なんてしないわよ。それで、あたしの質問には答えてくれるの?」
エド『えっとねぇー。スパイクもジェットもぉ、おしごとにいったよー。お土産もあるってー』
フェイ「あら、そう。それじゃ、あたしもお土産貰おうかしら」 - 12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/15(日) 20:37:15.25 ID:SE2cGH/Ao
- エド『あーい、まってまぁーす』
アイン『ワンッ!』
フェイ「……」ピッ
バニー「あら、もうお帰りですか?」
フェイ「ええ。そうよ。十分、預金できたからね」
バニー「そうですか」
フェイ「今度来るときはもう少しぐらい還元してよね。他の客も随分と使ってるみたいだし、あたしが潤ってもバチは当たんないでしょ?」
バニー「ふふっ。そうかもしれませんね」
フェイ「その手にある飲み物は?」
バニー「無料です。如何ですか?」
フェイ「貰うわ」
バニー「……」
フェイ「ふぅー。まぁまぁね。次に来るときはもっと高級なモノでも用意して」
バニー「ありがとうございました。またのお越しをお待ちしておりますわ」
フェイ「あーはいはい。また来てやるわよ。取られた分を取り返しにね」 - 13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/15(日) 20:42:27.01 ID:SE2cGH/Ao
- ―ビバップ号 船内―
エド「らんららーん」カタカタ
アイン「……」
スパイク「なんだ。まだ戻ってきてないのか」
エド「あー、おかえり、えりまき、えりまきとかげー」ピョンピョン
スパイク「ほらよっ」ポイッ
エド「はむっ!!」
アイン「ワン!」
エド「にくまんだー!! アイン、はんぶんあげる!」
アイン「ワンッ!!」
スパイク「フェイはどうした? そろそろ持ち金も尽きる頃だろうに」
エド「ふぁっふぃーふぇんふぁふあっふぁふぉー。ふるふるふぇふぁふぁふぉふぉふぁふぁふぁふぁふー」
スパイク「そうか。そりゃ大変だな」
エド「ふぁー!」
スパイク「ジェットが戻ってくるまで寝るか」 - 14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/15(日) 20:48:44.68 ID:SE2cGH/Ao
- スパイク「すぅ……すぅ……」
ピピッ……ピピッ……
アイン「ワンッ!」
エド「んー? おたよりー。だれからですかー? どちらさまのどなたさまー?」カタカタ
ジェット「ん? 一人いないようだな」
エド「あー。おかえりなさーい」
ジェット「ほらっ」ポイッ
エド「はむっ!!!」
ジェット「おい、起きろ、スパイク。次の仕事が首を長くして待ってるぞ」
スパイク「……そんな仕事にありついてみたいもんだな」
ジェット「全くだ」
エド「にくまんだー!! アイン、はんぶんあげる!!」
アイン「ワンッ!!」
スパイク「……やっぱり甘いな、アンタは」
ジェット「ふんっ。ほっとけ」 - 15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/15(日) 20:58:56.15 ID:SE2cGH/Ao
- ―店―
アコメント一覧
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- 2013年12月22日 22:03
- ビバップ最高やで!フゥー!!↑
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- 2013年12月22日 22:08
- ビバップとはまた懐かしい物を
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- 2013年12月22日 22:24
- 少し前にブラックラグーンとクロスさせた人か?
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- 2013年12月22日 22:42
-
久々にSS読んでテンション上がったわ。
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- 2013年12月22日 23:18
- 圧倒的俺得。
メンバー間の距離感とか似てるよね、この2作品。
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- 2013年12月22日 23:41
- すげえ面白かったしコナンよりしっくりくる
しかしこれビシャスとの闘い共闘しそうな勢いだな
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- 2013年12月22日 23:48
- Tank!がビバップのOPだって今の奴は知ってんのかね?
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- 2013年12月22日 23:50
- ビバップ懐かしい~。
ってか作品の美味しいトコ完璧にまとめててスゲーゎ。
俺ん中でも2013年No.1!!
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