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「蒼き鋼のアルペジオ −アルス・ノヴァ−」特集 第5回 シリーズ構成 上江洲誠氏インタビュー コンゴウをラスボスにする、という構想～

ついに最終回の放映を間近にひかえた、『蒼き鋼のアルペジオ ‐アルス・ノヴァ‐』。TVシリーズとしては異例の、ほぼ全編「3DCGによる2Dアニメーション」（以下、セルルックCGアニメ）という挑戦的な作品でありつつも、迫力の艦隊バトルと魅力的なキャラクター、そしてメンタルモデルの心の成長を描く骨太のドラマが大きな支持を得るに至った。今回はシリーズ構成の上江洲誠氏を訪ね、知られざる制作秘話の数々と最終話の見どころをうかがった。
　

――原作のArk Performance（以下Ark）さんもシナリオ会議に参加されていたとうかがっていますが？
上江洲：はい。ほぼ毎回参加していただいていました。『アルス・ノヴァ』という副題からもわかる通り、原作をそのままなぞった作品にはしないということは最初から決まっていたので、Arkさんにとって「これも『アルペジオ』だ」と思えるものを一緒に作っていただいたんです。
後半はかなり原作から離れた展開になりますが、Arkさんからいただいたアイディアもかなり盛り込まれています。大きなところでは、マヤがメンタルモデルではなかった、とか。
　

――あのやるせない真実は原作サイドからのアイディアだったんですか！
上江洲：全体のテーマと結末が固まったあと、それに向けてどうやってコンゴウを追い詰めようかと考えていったんです。一番キツイ方法を模索していく中で、Arkさんから出たのが「マヤをbotにする」という案！　会議に出席していた一同仰天したのですが、長考の末、やはりそれが最も効果的だなと、腹を決めました。
実はイ400たちがスパイをコンゴウに送り込む旨は、第3話で言っているんですよね
この伏線を覚えてくれていた視聴者もいて、うれしかったですね。
　

――コンゴウをラスボスとする、という構想はどういう経緯で決まったんですか？
上江洲：コンゴウを最後の敵にするということですが、1クールで完結させるにあたり、現場のリソースを考えても、原作での大きな敵であるムサシとヤマトを出すことはできない。

しかし、霧の艦隊との戦いは完結しないものの、物語としてはひとつの区切りは付けなければなりません。とすれば、ラスボスはコンゴウをおいてほかにいないだろうと。そこで、霧の艦隊の中では一番頑なコンゴウとの心の衝突とそのケアを、クライマックスにすることにしました。そして、そこから逆算して物語全体が構成されているんです。

彼女が蒼き艦隊になったイオナ、タカオ、キリシマ＆ハルナらと戦うとするなら、どういった状況が必要なのか。イオナと群像の物語との対比を描くために、コミュニケーションを避けた者の、孤独の象徴として・・・「コンゴウをぼっちにしようぜ」と。残酷な構成ですが。
　

――「めんどくさい」っていう、彼女の口癖が孤独への伏線だったのかなと思ったんですが。
上江洲：半分は本音で、あと半分はポーズですよ。スタッフ一丸となってコンゴウに感情移入していますね。彼女はマジメすぎるんですよ。たとえるなら、大学生になって同級生が化粧とか遊びを覚えた時に乗り遅れちゃったマジメな子なんです（笑）。
ゆかなさんの演技の力もありますし、CGチームの努力で、あの難しい髪型も再現できましたし……。コンゴウはいいキャラになったと思います。

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